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アナログフィッシュ”ハルコウララ~”今池 HUCK FINN
開演20分前に無事ライブハウスに到着して驚いた。
人が少ない。昨年末の同所でのライブより若干少ない印象。と思っていたら、それから続々入ってきて結局前より多少多いくらいの入りになった。

前回のアナログフィッシュ以来の今池HUCK FINN、やはり狭い。客層は前回と変わらず女性多めで10代後半から20代くらい。COUNT DOWN JAPAN0405のTシャツの人を数名発見。一人で来たっぽい人がかなり多い印象。こういう人達は毎週のように何かのライブを見に行ってるんだろうな、と想像。

開演時間の19時になってもなかなか始まる気配がない。結局15分くらい遅れてステージにアナログフィッシュが登場!

※この先、公演始まったばかりのツアーですが演奏された曲などネタバレ満載ですのでご注意ください。(ツアー終了したのでMore機能はずしました)

※セットリストは9割方覚えてます。つまり1割くらい曲と曲順に自信なしです。


「名古屋のワンマンは初めてで凄く楽しみでした。どんな感じでもいいんで好きなように楽しんでください。ゆったり始めますんで」
ギター下岡の淡々としたMCに巻き起こる拍手を聞いて、前回よりかなり観客の温度が高いように感じた。

そしてゆったりとしたテンポでドラム、ギター、ベースの順にシンプルな音が重なって演奏がスタート。
ナイトライダー
すき間の多い音が、逆にアンサンブルの確かさ、音の心地よさを実感させる。曲後半に進むにしたがってフロアの温度が静かに上がるのが分かる。自然と体が動き出す感じ。ロックバンドのライブには珍しい1曲目の選曲は、このバンドの並外れた体力を物語るようで、いきなり鳥肌がたった。
新曲
続けざまにタイトなドラムの演奏に下岡のラップともシャウトとも付かない不思議な歌声がのり聞き覚えがない曲が鳴らされる。
「ヘッドライトテールランプヘッドライトテール ランプヘッドライトテールランプヘッド ライト・・・」
と呪文のような不思議な節回しの曲は、歌詞に「ナイトライダー」と何度も出てきた。ナイトライダー2という曲かも、と推測。これが初めて耳にすることなどお構いなしに体を躍らせる強引さがあって、困る。
演奏のダイナミズムの極地を見せ付ける「バタフライ」、そしてやっと佐々木ボーカルのポップな「LOW」さらに疾走感溢れる「確信なんかなくてもいいよ」とアルバム「世界は幻」からの3曲をたて続けに。
僕は「世界は幻」でアナログに出会ったし、「B G M ?」が出るまでこのアルバムが一番好きだった。それを超えるものが出たことは当然嬉しいけれど、やはりそれでもこの初期のアルバムには特別な魅力を感じていて、冒頭2曲のように最新モードのアナログにはないものがあると思う。こうしていろんな方位を貫くように成長を繰り返していくのが、バンドの正しい成長なのかもしれない。

ここで軽くMC。というかドラム演奏はほぼ止まらず、軽い佐々木の挨拶だけだったと思う。とにかく演奏に全ての集中力を出しているようだ。

チンパンジー」「ラジオ
さらに勢い止まらず佐々木ボーカルの熱い曲を連発する。佐々木、前に観たときよりさらに髪が伸びて、さらに汗っかきになってるもよう。スピーカーに上がっての挑発的なパフォーマンスもさらに熱い。
そして「ラジオ」の曲終わりでギターの残響音が響く中
「ハロ―――――――――!!」
と下岡のシャウトが響く。さらにギターがジャカジャ――ンと鳴り響くと一気に湧き上がるフロア。掲げられる腕。
Hello
ちょっと最近忘れていた。ギターの鳴る音一つで、こんなにも爽快で豊かな気持ちになれることを。この曲の大きすぎる宇宙はこんなにも単純なサウンドで構成されていて、それが最高だった。
曲が終わり、大きな盛り上がりをみせたフロアが少し落ち着こうとしたところで
「ドゥー ユウ スティル ニード ビージーエム?」
と下岡がつぶやくようにいうと歓声が答える。
BGM
これまた単純なギターリフとリズムで一気に踊らせる最新曲に飛びあがるフロア。
「僕のミュージック!そこにあるミュージック!」
と音楽の神秘を歌ったこの曲でバンドは次のステージに上がっていくと思う。とにかく盛り上がった。

のどかないなかのしずかなもぐら」「ラブホ」「紫の空
前回のライブから格段の成長を感じる。どの曲でも演奏中ずっと目線を送りあい、たまに下岡が指揮のように右手で音頭をとりながら細心の注意を払っていた。曲順も表現力も、音そのものもグッとレベルが上がっていた。もちろん最近の楽曲自体のクオリティの高さがいい影響を与えていると思う。

このへんのMCだったか、告知でセカイイチと髭とまた5月に名古屋のクアトロでライブをやるのでぜひ、とのこと。もちろんチェック済みですよ。

シティ(と紹介したっぽい新曲)」
最近の下岡の曲は凄すぎる。この曲にも一瞬で捕まれた気がする。ちゃんとおぼえていないのだけど、なんでもないフレーズがメロディに乗って耳に飛び込んでくるだけで、鳥肌がたった。
山の手ライナー」「スピード(と紹介したっぽい新曲)」
佐々木の新曲はその名のとおりのあきらかにここまででBPM最速ソング!なんだか恥ずかしげもなくポップで突き抜けた気持ちのよさ。この人もどんどん幅を広げてる。で、首ぶんぶん振って汗を飛び散らせるさまもかっこよく見えてしまう。

なんとなく締めっぽいMCだな、次はあの曲かな、との僕の予想が当たった。
出かけた
曲の大きさに追いつけない感じをこのバンドにはいつも受け続けているけれど、この曲の巨大さはまた格別で果てしない。歌詞の内容は散歩に出かけただけなのに。
世界は幻
数少ない下岡・佐々木の共作であり、珠玉のロックバラッド。この曲で本編が終了。

今回のライブは、音に自然と乗せられていく気持ちよさに溢れていて、それでいてロック的感動も随所にある、ほんとうに凄いものだった。
バンドマジックとはこのことだ。記憶の中のステージはそんなはずないのに光で溢れていて目がくらみそうだ。
バンドとして特別な輝きを持った時期なんだと思う。まだまだこの先の可能性を秘めつつ、現時点で完成していて、本人たちが一番に楽しんでいるようだった。

熱いアンコールの手拍子で再びアナログフィッシュの3人が登場。
月の花
前回の名古屋ライブでも演奏された曲。ちょっと歌謡曲風味の出だしがすっかり耳になじんでいた。透明感があって、いいライブ後のアンコール、という場にぴったりだ。
ここのMCでただいま絶賛レコーディング中で年内のアルバムリリースを目指しているとのこと。オフィシャルのBBSの佐々木書き込みによるとミュージシャンの定番、山中湖合宿もしたそうで。
夕暮れ
アナログフィッシュが世間的にどれだけ評価されてるかなんてよく分からないけれど、この曲を聴いて心になにも引っかからない人はいないだろう。
「夕暮れです」の3声のリフレインからラストの「夕暮れ 死者数名」のフレーズまで、何度聴いても真剣に聴き入ってしまう曲だ。

ここで3人がステージを降りるとすぐにスタッフがステージを片付け始める。しかし止まらない観客の手拍子にすぐ引っ込み、スタッフ数名が動く様子が見える。そして3度アナログフィッシュが登場!

「初めてのワンマンで、こんなに・・。ありがとう」
とここにきてちょっとくだけた感じに。全体的にMCは以前より流暢になってきているけれど、いつも次の演奏へのコンディションを高めることに集中している感じで、まったく気を抜いていないようだった。それがここにきて少しだけほぐれたようで、ちょっとコントっぽいこともしたり、バンド3人仲良さそうなところを垣間見せる。
「きみの街はどんな感じ。ぼくの街はこんな感じ。タウン
との下岡MCで新曲。全部がタイトルだと長すぎなんでタウンという曲だと思われる。
これがまた凄くはじけていて明るくて、でもメッセージの突き刺さる名曲だった。

凄かった。最高だった。
新曲たちがどれもよくて今後がさらに楽しみになった。
前のライブとはほんとに全然違うといっていいくらいの成長っぷりにも驚かされた。

早く次の音源が聴きたい。
早く次のライブが観たい。

それとやっぱりもっと多くの人にこの音楽が届いてほしい。
ゆとりのある入りぐあいの狭いライブハウスで存分に楽しめたことは、ほんとに嬉しかったけれど。
by kngordinaries | 2005-04-08 01:46 | ライブ


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