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タイガー&ドラゴン
泣かせてぇんじゃねえ、笑わせてぇんだよ。

TBS系金曜夜22時からの連続ドラマ「タイガー&ドラゴン」がおもしろい。
落語家に弟子入りしたヤクザと、裏原宿でセンスゼロの服屋をやっている元天才落語家の二人を軸に、毎回落語の演目を物語とリンクさせた人情ものコメディードラマだ。今年のお正月にスペシャルドラマとして放映されてその続編となる。

「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」といった名作のスタッフ・キャストが揃っているということに魅かれて観始めたけれど、これが毎回毎回、
「しょうがないねぇ~」
と、感心してしまう面白さ。よくできた噺をさらによくできて笑える物語に構築していて、もう夢中だ。

林家亭一門のホームドラマが温かくていい。不幸な生い立ちから笑いを知らずに育った虎児が家族を手に入れる過程が、長い連続ドラマの中でゆっくりと描かれる。家長で師匠のどん兵衛の軽妙洒脱な雰囲気や長男どん太の切羽詰りながら突き抜けていく姿も、ほんと素晴らしい。小百合ちゃんの泣きもお約束になるやいなや毎回パターンを変化させていていつもこちらの一歩先をいって笑わせてくれる。

脚本の宮藤官九郎はいつもこちらを安心させずに、でも追いつけないほど引き離すことなく、心地いいスピードで突っ走っているけど、今回は今までより若干テンポを落として、その分人間ドラマをじっくり描いていて、そのバランスが絶妙。

そば屋の辰夫、おでん屋の半蔵がいい味。特に辰夫はイボリー好きにはたまらない進化したキャラクタで、今後もクドカンドラマに出続けてほしいと切に願う。
新宿流星会の面々も好きだ。組長はさすがだし、銀次郎もアニのころより断然上手くなっていていいけれど、個人的に注目なのが日向。さりげなく出番少なく、でもかなりおもしろい。ちょっとずつキャラが変化してるので最終回までにはどこかで大化けすることを期待。
さらにドラゴンソーダの連中は木更津なノリが最高。リサは「ハンドク!!!」というドラマの美幸ちゃんとちょっと印象が近い。

今までの話では第1話「芝浜」が最高だった。スペシャルの「三枚起請」もよかったけど、1話を観てやっと作品の雰囲気をつかめた感じがした。ちょっとマンハッタン入っていたけれど。
「饅頭怖い」はどん太大活躍だし、「茶の湯」はゲストの大森南朋さん含め馬鹿馬鹿しくていいし、「厩火事」の泣き笑いの夫婦漫才は凄かった。
落語の噺は演目の名前は知っていても内容を知らないものがほとんどで、それを聞けることも楽しい。

で、今週の「猫の皿」では小日向文世さんが落語芸能協会の会長役で出ていたし、いよいよ竜二が落語の世界に戻る兆しが見えてきたし後半戦に突入した印象。
それぞれのキャラクタもどんどん勝手に進化していっていて、毎週観続けるということでしか生まれない連続ドラマ特有の楽しさも盛りだくさん。
ここにきてジャンプ亭ジャンプの師匠高田亭馬場彦がいきなり凄くおもしろいし。あの適当さ加減がたまらなく落語家っぽくていい味。

残すはあと4話噛み締めて楽しみたいと思う次第。

ああ、次週が待ち遠しい。


「タイガー、タイガー、じれっタイガー!」

・・・まだ、ほんのくすぐりだよ。
by kngordinaries | 2005-05-29 04:06 | 映画、ドラマ


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