ASIAN KUNG-FU GENERATION TOUR「Re:Re」 Zepp NAGOYA
17時30分の開場の直後に到着して入場を待つ。整理番号1000番台だったけれど17時50分くらいには入ることができた。ダイアモンドホールよりは格段にスムーズ。ちなみにGOING UNDER GROUNDのTour「h.o.p.s」Tシャツを着ていったのだけど、他に誰一人着てない様子でした。無難にフェスTにすべきだったかも。

Zepp Nagoyaは妙にフロアを仕切る柵が多い。前回のMTR&Yのときはほぼ最後尾で入場したのだけど、最前と後方から埋まっていて真ん中が空いていたので仕切りでいくと前から3個目くらいの位置に行くことができた。
今回は中盤で入場したのだけど最前からどんどん埋まっていっていたので、フロア中盤の段差手前に行くのがやっとでした。

客層は女性が多く男女比3:7くらい。高校生くらいと見られる若い層も多いけど、そこから30代前半くらいまで幅広い印象。

18時30分、開演予定時刻。当然いろんな理由で10分くらいは遅れるだろうとは思いつつ、いまのうちにと思い、携帯の電源を落とす。それから30秒もなかったと思う。
いきなり客電が落ち、BGMの音量があがった!

※この先ツアー中の公演内容についてネタバレがあります。セットリストは信用がおけません。
(ツアー終わったのでMore機能外しました)


メンバーがぞろぞろっとステージに登場し、爆音のロックサウンドをBGMにセッティング。

そしてミディアムテンポの演奏がスタート。何の曲だろうと思っていると一瞬演奏が止まり、何回も何回もCDで聴いたあのギターが鳴った。
振動覚
一気に湧き上がるフロア。ダイナミックで骨太な演奏が強引な力で空気を熱く震わせていく。ゴッチの声がいまいち本調子でない感じがして気になった。
リライト
ソルファの1、2曲目が連発し、もうこれしかない曲順を抜群の間でギターリフから突っ走る。
「軋んだ想いを吐き出したいのは 存在の証明が他にないから」
歌いだしの1節からズンと心にくるものがある。ソルファという作品全体から投げかけられているメッセージの端的な結晶がこの曲には詰められている気がする。疾走するサウンドに、サビ前までは弱々しくうつろなメロディ、サビで爆発する想い、ブリッジで不安定によろめくもろさが乗っかっている。最後に投げかける言葉が「全身全霊をくれよ」というのも象徴的。
フラッシュバック
さらにたたみかける様に君繋ファイブエムから爆音のロックチューン。音源よりさらにテンポを上げたような性急なスピードでとにかく突き抜ける。バンド全体から発せられる雰囲気がかっこよすぎる。
未来の破片
さらに君繋の1、2曲目の連発という展開。この2枚のアルバムを聴き込んだ人にとって絶対にワンセットなこれらの曲順を崩さずに届けてくれるのが嬉しい。もうどうしようもなく最高の2アルバムの最強の冒頭2曲を一気に堪能できて最高だった。
いきなりフロアの温度は急激に上昇し、はねるはねる。

ここでMC。
「こんばんは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです」
僕は音楽を聴くとき、ポイントを絞らず全体を聴くタイプなのだけど、このバンドの場合、ボーカルの声の魅力に異常にひきつけられていて、このMCの声ですらかっこいー、と思ってしまった。
「昨日はホールだったんで、残りカスみたいなのを吹っ飛ばすライブにしましょう!」
ライブハウスにいるのが当然の音楽性を持ったバンドが置かれた今の巨大な状況への戸惑いはまだある様子。もちろんそこを無理に変化させる必要はなくて、そのポジションの取り方の確かさは信頼できるバンドだ。

ブラックアウト
気持ちよく音がクリアに聞こえる構成とゆったりと飛翔するようなメロディが心地いい最新曲。音の新鮮な響きと演奏スキルの向上をはっきり示す名曲。ソルファ後さらに巨大化する状況の中で、激しいロックチューンにもポップでダンサブルな曲調にも振り切らず、選択した道は間違ってない。
気付けばライブ開始から気になっていたゴッチの声の調子もずいぶん上がってきていた。
24時 無限グライダー
無駄なくシンプルに世界を貫くような言葉を模索する表現を目指すアジカンは正しくロックだ、というようなことを書いていた雑誌があった。「妙な縁で添う君や僕たちの埋まらない 日々の隙間も」「夢、希望、その類 砕けた幻」なんていうフレーズはまさにそんな言葉だと思う。
大仰なサウンドやドスのきいた歌声よりずっともっと、深くえぐるように残酷にリスナーの心のうちを描き出し、奮い立たせる曲。それこそアジカンの存在証明だと本人たちが一番実感しているのだと思う。それはごまかしの効かない進路だけれど、今ここに集っている多くの人がその背中を押している。だから楽しそうな顔で、バンドは闘いつづけられる。

サイレン
綺麗でゆったりとしているのに刺激的な音に酔う。少しづつ熱を帯びる展開がかっこいい。
ノーネーム
君繋ファイブエムの最後を飾る特別な雰囲気を持った1曲。それまでの激しく主張する曲たちのあとにCDコンポから流れてくるこの曲の静けさに身震いした記憶は今も鮮明だ。この曲にはとても悲しくてはかない願いが込められているけれど、同時にそれが叶いそうもないことをこの歌の主人公は分かっているようなむなしさがある。
Re:Re:
ノーネームの曲終わりから途切れることなくインプロを挟んでいつのまにかこの曲に繋がるという構成が最高だった。弾む曲調で歌われるこの曲もとても悲しさの色合いが強いけれど、主人公は胸を掻きむしりながらも諦めずに待ち続ける決意を歌っている。
躍動するサウンドが感情を掻き立てて熱くさせる。
N.G.S
さらにアップテンポの弾むような心地いいインプロが炸裂して一気にこの曲になだれ込む。もう盛り上がるしかない。飛び跳ねるフロア。

ここでMC。
ライブ中にマナーについての話を静かなトーンで語る後藤。
「基本的にライブハウスは自由だよね。自由に楽しめばいいと思うし。でも、なんていうかな。分かるじゃん。なんていうか。当たり前のことでしょ、そんなの」
なかなかはっきりとした言葉にできない様子、だけどその気持ちは伝わってくる。
「たとえばライブハウスで人を蹴ったとして、それはもう、精神としては戦争と変わんないよね。彼女を連れてきて、守るために人を殴ったって、そんなの戦争と一緒だよ。音楽を楽しむ場ではさ、そういうことはやめようよ」
というようなことを訥々と語って
「なんかしんみりしちゃったな」
笑う観客。
「叫んでもいいよ。うるせぇっていうだけだから」
絶妙の間で
「ゴッチー」(お客さん)
「うるせー!・・・それで喜ぶなよ。ほんとうるさいときもあるからさ。そこらへんは空気を読んでください。・・・音楽って空気が震えるんだよね。空気が分からない奴には音楽聴く資格ないよ」
観客、笑い混じりの拍手。
「ひさびさにいいこと言ったな、俺。」
そうでもない、って声が僕の近くで聞こえてましたが。
「ここからは盛り上がる曲が続きます」

君の街まで
優しいギターの音色からポップなメロディーが流れ出す。気持ちよく一体となるフロア。
ループ&ループ
さらにゆったりとざっくりとしたグルーブが会場全体を乗せていくこの曲。繰り返されていく、続いていく、終わって始まっていく、そんな本当のことを歌いながら希望を感じさせる歌にどれだけの人が勇気付けられ、このドライブする音にどれだけ体を揺らされたことか。最高の1曲。
アンダースタンド
「軋んだその心 それアンダースタンド」
という歌いだしで思わず飛び跳ねてしまった。君繋ファイブエムの中でも最高にお気に入りの1曲が、まさかループ&ループのあとにくるなんて、凄すぎる。実は楽しげな雰囲気に共通するものがあって、気持ちのいい盛り上がりが続いた。後半のサビが連続してサウンドが爆裂していく様子は圧巻だった。
電波塔
さらにガツンと盛り上げる突き抜けるロックチューン。ライブ前半から十分に盛り上がっていて、さらにこれだけ上げ曲を連発されてもうお手上げ。上がるだけ上がるしかない。

ここでMC。
万博に行った人調査で客席の3割近くが手を挙げる。
「全然少ないね」
と後藤の一言。いや3割行ってれば十分すぎるかと。
「俺ね。リニモの速度には納得いってない。超伝導という素晴らしい技術を・・・」
と、なんとなくマニアックな方向へ。奈良と大阪を山を越えてバビューンとつなげるためのリニアモーターカーの計画があったのだがどーたらという話があって、その辺の計画のずさんさの批判へと展開。
「いや、別に、政治的な話を、批判をするつもりじゃなかったんだけど」
とこれといった結びもなく終了。
盛り上げでも、告知でも、エピソードでもないMCがとても新鮮でよかった。

遥か彼方 羅針盤
ここにきてさらに盛り上がり必至の崩壊アンプリファーからのキラーチューンが連発。よりハードなサウンドと青い衝動を持った曲たちが突き刺さる。
Hold me tight
さらに軽快に疾走するこの曲。繰り返されるコーラスが気持ちいい。
君という花
イントロで手拍子が巻き起こり「ラッセーラッセー」の大合唱でスタート。もうこのバンドのアンセムと化したこの曲で、もうなにがなんだか分からない盛り上がり。とんでもない熱気に包まれて本編は終了。

熱く長いアンコールの手拍子に、再び4人がステージへ。
センターマイクに向かうのは、アコギを下げた喜多。客席から驚きと歓声が飛ぶ。
後藤は喜多のマイクスタンドの前へ行き、
「高いね。(マイクの位置を下げる)・・・なんかむかつくよね。建ちゃん」
と喜多をにらむ。そして
「ちょっと(センター位置で)泳がしてやろう。建ちゃんを」
ということで喜多が説明。アンコールの1曲目はご当地で作った曲を披露しているとのこと。
「建ちゃん、俺のアコギに汗がだらだらかかってんだよね。いい感じに乾いていい音し始めてたのに」
と、とことんけんか腰にちゃちゃをいれる後藤。
「うん。じゃあ歌いますよ」
と意に介さぬ喜多。
そして演奏スタート。一度歌いだしを間違えながら、やっぱり後藤がボーカルだった。
内容は、万博でマンモスがただ見たかった、球場で落合の奥さんがただ見たかった、というようなもの。タイトルは喜多命名の「信子さん」。最高だった。

12 エントランス
アンコールも疾走するロックチューンで大盛り上がりをみせて、体力の限界まで音に乗って気持ちよくフラフラになってステージはすべて終了。

今回のライブはアンコールのMCで後藤も言っていたように観客の盛り上がり方とバンドの演奏が上手く繋がっていて気持ちのいい空間が生まれていたと思う。
また前半のMCで言っていたようにライブハウスで盛り上がるセット、というところに重点が置かれていたのか、とにかくほぼ休む間なく盛り上がり尽くした1時間50分だった。

アジカンの楽曲はメッセージやメロディーの美しさも凄いものがあるけれど、その音の構造のダイナミズムというか、サウンドの吸引力が強烈で、とにかく音に体が自然と乗せられていくような力も強くある、ということを知れたライブだった。

実はソルファのミディアムテンポの楽曲たちや「夕暮れの紅」といったゆったりした不思議な雰囲気のものも期待していたけれど、それは今後の夏フェスや次のツアーまで楽しみに待つことにします。
[PR]
by kngordinaries | 2005-06-19 04:29 | ライブ


<< 君と僕で繋ぐ未来 個人的2005年上半期ベストアルバム >>