COUNT DOWN JAPAN 0405 レポート 29日
開場時間より少し早く1年ぶりの幕張メッセに向かうと、すでに開場されていた。
中に入ると、グッズ売り場とクロークのあるホールが人で埋め尽くされている。ソールドアウトしたフェスであることが如実に分かる光景。開場が早かったのもそのへんの事情もあったのだと想像。ここだけ見ても去年とは全然違う。

大幅にスペースを広げたようすのクロークに荷物をどっかりと預け、とりあえず朝食もまだだったので、GALAXY STAGE前に設置されたカフェエリアでパスタを食す。味はなかなかに微妙。
グッズ売り場は大混雑していたのでとりあえずスルーしてEARTH STAGEへ。途中、おなじみの地球と遭遇し、今年も来たなー、と感慨にふける。
EARTH STAGEの入り口で頭上からなにかハラハラと落ちてきているな、と思って手でキャッチしてみると手のひらに触れた途端、瞬時に溶けた。小粋な降雪の演出。入り口にさしかかる入場者の多くからも楽しそうな声が聞こえてきた。こんなちょっとしたことでもテンションがあがって仕方がない。

12時50分ごろ、思った以上に早くステージに総合プロデューサーの渋谷陽一さんが登場。今年の異常なチケットの売れ行きやそれに対するここまでの準備、さらにEARTH STAGEの音響を改善したことなどを語る。
「ロックのテーマはラブ&ピース、そしてフリーだと思う。しかしみんながやりたいようにやってしまったら自由ではない。規則でがんじがらめなのももちろん自由じゃない。そこにはモラルとマナーが必要で、このフェスはそれを理想としている」といった主旨のROCK IN JAPANのときから一貫したメッセージを投げかける。ステージ後方のビジョンに「朝礼挨拶」の文字をデカデカと表示する演出も。言ってることはもっともで、とてもすばらしいけど、年々話が長くなってるのがちょっと気になった。
そして「みなさん知ってのとおり今日本でもっともセールスを上げ、もっとも動員を誇るバンド」との紹介からこのフェスのトップバッターが呼び出される。

13時ごろ、ORANGERANGE
いきなり1曲目からロコローションで一気にフロアを乗せていく。ボーカルの3人がステージを隅から隅まで走り歌う。よくテレビで観ていたパフォーマンス。そののびのびとしたステージングは分かりやすくリスナーに乗り方をレクチャーしてるかのようで、とても楽しそうだ。さらにお願い!セニョリータでどんどん上げていく。惜しげもないヒットパレード。
最初のMCに入ったところでEARTH STAGEを後にし、MOON STAGEへ。

13時15分ごろ、MOON STAGE。
MOONに到着してまず驚いたのはその観客の人数だった。注目度が高いとはいえ、デビューしたてのバンドだし、裏が2組ともとても人気が高いのでそんなに集まっていないかと思っていたけれど、この時点で7割がた埋まっていた。

13時30分ごろ、チャットモンチー
大歓声に包まれながらスタスタと登場し、黙々とセッティングする3人。
1曲目は恋の煙。いきなり未発表の新曲だったけれど、その澄んでいるのに鋭さと繊細さをたたえた歌声とポップなメロとすんなりと耳に届く歌詞にしびれた。いきなり未発表曲からスタートするというそのスタンスも挑戦的でいい。
ハナノユメツマサキ等も披露しつつ半分くらいが新曲というセット。とにかくボーカルの歌声がざくざくと心に侵入してくる。
MCでは「徳島からきましたチャットモンチーです」と礼儀正しい自己紹介。
3月1日に1曲目に演奏した「恋の煙」をシングルリリースすること、4月1日に「チャットモンチーの新宿で半熟!」(3人で声を揃えて)を開催することを告知。
MCのあと長い間を空け、3人で何度も目で確認しあってから演奏がスタートした惚たる蛍が圧巻だった。こんなにも純粋で切実で、等身大の決意を感じさせる歌はなかなかない。デビューミニアルバム「chatmonchy has come」を聴いただけでも十分その凄さを感じていたけれど、ライブを観て、その楽曲の高性能っぷりと、ボーカルの歌の力と、MCの初々しさに圧倒された。ストイックなミュージシャンシップとプロ意識が素朴な人間性と無理なく、というかむしろ自然に同居していてそれがいいバランスだった。今後に大期待。

14時15分、GOING UNDER GROUND
まずはステージに登場するメンバーを見てびっくりしてしまった。ボーカル松本素生が車椅子に乗って現れたのだ。始めは、冗談なのか本当なのかもよく分からなかったけれど、車椅子から立ち上がろうとしてよろける姿をみてこれは本当にまずいことになってるらしいことが分かった。
STAND BY ME でライブはスタート。まずアップチューンで盛り上がっていくはずのところなのだけど、素生の声が全然力がない。もともとテクニックよりエモーションで歌う人なので体の不調がもろに声に出てしまっている。しかも音のトラブルもおきているようで、低音がはちゃめちゃに音が悪い。すぐに音のトラブルは対処されたようだけど、音の分離がいまいち悪く、素生の声は調子が悪いままグラフティーも終了。
MCでPV撮影中に足の骨にひびが入ったという説明を。
「身軽に動けるところを見せようとと思って自分の体重を考えずに前宙をしようとして失敗しました」
ってどんなPVだ。観客戸惑いつつ笑う。
そしてその問題〈?〉の新曲Happy Birthdayが鳴らされる。ポップなアレンジが心地よく疾走する蒼い感情が暖かいリリース前の新曲。ツアーで披露されているせいもあってか、最前スペースの盛り上がりが凄く早くも合唱が起こっていた。この曲が歌われていく中で松本素生の歌声がどんどん力強くなっていった。やっと体が暖まってきたのか、感情が切り替わったのか分からないけれどとても劇的な変化だった。
「やっぱりフェスはいいね!最高ですよ。今日ライブ始まる前はケガもしてるし不安だったんだけどはじまったら、もう全然関係ないよね。ジャケットなんて着てるのがバカらしいですよ」
といってやおらギターを外しジャケットを脱ぎ捨てさらに細い黒ネクタイも剥ぎ取る松本素生。ちょっと異常なテンション。
そしてアンセムハートビートが鳴らされる。素生の熱さに応えるように熱を帯びた大合唱に大会場が包まれる。さらにセンチメント・エクスプレスはシャウトも何回も飛び出す絶唱。
「みんなまだまだ全然足りないよ!もっと音楽を自由に楽しもうぜ!関係ないんだよ。かっこ悪いとか恥ずかしいとか。もっと自由に楽しんでいいんだよ!俺はもっともっと踊るよ」
といってめちゃくちゃにステップを踏んで踊る松本素生。明らかに無茶だ。
そして
「俺の友達が歌います!」
を5回以上連呼してナカザボーカルのショートバケイションへ。熱く熱く盛り上がるフロア。そしてそれ以上に動きまくりギターソロをかき鳴らす松本素生。
「ありがとう。最高だね。音楽はすばらしい。この後3日間あるけどみんなほんとに自分にとって大切な音楽を楽しんいってください。・・こんな日にぴったりの曲だな。これは僕と君の歌ですよ。僕と君たちの、僕と君たちと音楽の、歌です」
そして鳴らされるトワイライトのイントロに怒号のような熱い歓声が沸き起こる。今までのフェスでのゴーイングライブにはなかったような熱気。感情が爆発し大合唱が巻き起こるフロア。最高のアンセムで会場が一体となりライブは終了。
凄かった。ケガで追い詰められた状況だったことが、逆に松本素生の暑苦しいまでの本気さを、度を越えた音楽への愛情を、なんのフィルターも通さずにステージから放射していくことになり、楽しく気持ちよく盛り上がるいつものこのバンドのライブと少し感触の違う熱さがあった。ワンマンでは要所要所で見かけられる雰囲気ではあったけれど、フェスでは今まで我をおさえてる部分が多少あったかもしれないなとさえ思った。MCも珍しくほぼ敬語なしで笑いも少なめで、正直支離滅裂になりながら、音楽のすばらしさをツバを飛ばす勢いで叫んでいた。
そんなライブを定番化しているバンドもいるだろうけどゴーイングはそういうバンドじゃなかった。もっと丁寧なプロセスで主張するバンドだった。それが偶然のアクシデントでうっかり剥き出しになってしまったのが今回のライブだったのだと思う。そしてそれはフェスという場で驚くほど機能した。
何回も観ているこのバンドのライブでこんな風に衝撃を受けるとは思ってもみなかった。
しかし年明けの名古屋ライブが心配すぎる。確実に足は悪化してるぞ、あれは・・・。



早くも大満足のライブ連発なのに楽しみなライブはまだまだたくさん残っている。日常ではありえないフェスの喜びを噛みしめつつ次のACIDMANライブへ。続きはまた近々。
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by kngordinaries | 2005-12-31 04:36 | ライブ


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