GOING UNDER GROUND tour"TUTTI" 長野CLUB JUNK BOX
前回のツアー以来、3ヶ月ぶりのGOING UNDER GROUND。

というかこのバンド、必ず年に2回かなりがっつりとしたツアーを行なうし、フェスもよく出演するためもの凄く観る機会が多いのだけど、びっくりするくらい毎回毎回がいいライブ。

今回は気合を入れてはるばる長野県まで遠征してしまいました。
ちょっと早く着きすぎて暇を持て余しつつ、会場へ向かう。長野は寒いのかと思っていたけれど、名古屋より全然暖かい印象。

長野CLUB JUNK BOXは今回で2度目。
前回は2年前でそれもこのバンドのライブだった。かなり空いていたのにめちゃくちゃ盛り上がったような記憶がある。

今回はGOINGライブにしてはお客さんの年齢層が高い印象。ちらほら洩れ聞こえる会話なんかから推察するに、僕と同じ遠征組がかなり多いようだ。

前から5列目くらいちょうど中央くらいの位置に陣取り、待っているとライブは始まった。


※この先、公演中のライブ内容についてネタバレがあります。ご注意ください。さらに曲順等は非常に怪しいので真に受けないようお願いいたします。





Primary Music
暗転して大歓声が上がると大音量で鳴るこの曲をバックにメンバーがステージに登場!
なんだかとても距離が近く感じられるライブハウスで,、いつも以上にテンションが上がる。
松本素生のポジションがいつもと違う。普段はほぼセンターだったのだけど、今回は後ろ3人のあいだにナカザと素生がく来るような全員が見えやすい立ち位置に変わっていた。
パスポート
そしてそのまま「TUTTI」の流れで1曲目はキラキラとしたポップさが印象的なこの曲。やわらかく穏やかな盛り上がりがフロアを満たす。すでにもうみんな笑顔笑顔。出会いと別れを歌った旅立ちの1曲
「踏み出す一歩 景色は滑走路
約束するよ 元気な声を
さよならきっと花咲く街で また会おう」
Happy Birthday
さらにすでにおなじみのイントロから一気にポップ爆発のこのポップチューン。ある程度アルバムの曲順でくるかと思っていたのでちょっと驚き。ダイナミックでシンプルなメロディと曲展開に一気にフロアの熱は最高潮に。
グラフティ
さらにここでライブアンセムが鳴らされて、もう大熱狂状態へ。いつ聴いても熱く疾走感のある1曲。

ここでMC。
「1年ぶりですね、長野!久しぶりに帰ってきましたよ。もうね。歌いたい曲がたくさんあるんだ。一緒にここだけのいい音楽を作って行きましょう」
と松本素生。
この人の言いたいこと、伝えたいことはいつも一貫した考えのもとで変化を繰り返していて、どんどんシンプルにダイレクトになっていっている。

キャンディ
きらめくようなキーボードから優しく始まるこの曲。よりポップにより穏やかな音楽性へバンドが変化していることがよく分かる。
ここでメンバー紹介。いっさんとよういっさんを紹介し、
「次の曲は3人で歌います」
と他3人のボーカルを紹介し、
サイドカー
いっさんのベースが心地よく手拍子を誘う。「h.o.p.s」の曲だけれど、「TUTTI」のポップ感がsでに宿っていた曲だったと感じた。
ノラ
さらにリズムボックスのトラックから始まる、すでにバンドサウンドでさえなくなったような超ポップチューンへ。スクラッチも飛び出すこの曲は明らかに新機軸。とはいえ松本素生の歌声にベストマッチなので違和感ゼロ。バンドの進化がとても健康的なものなんだということがよく分かる。
そして間奏でリズムトラックだけになると松本素生がいきなりなんとラップを歌いだす。
長野の会場のことなども盛り込まれているところからして即興に近いであろうに、とてもスムース。さらに丈さん以外のメンバー全員がラップで自己紹介リレー!
驚きの展開に笑いと歓声が鳴り止まない。しかしナカザは韻はほぼダジャレの域だった。
「長野信州ソバよりも あたしゃあんたのソバがいい」
的な・・・。まあいいじゃないか(何が)。

ここでMC。
「普通ね、ロックバンドがラップなんてやると何やってんだよという話になるんだけど、俺たちだったら許されるんじゃないかと思って」
というようなことをいう松本素生。許されるというか、逆に楽しすぎたし、意外にみんなうまくて驚いたというのが本音です。
わりと肯定的な拍手や歓声が飛ぶ。「ソバ王子!」という歓声はナカザに向けて。
「俺たちにとって、長野といえばハードオフなんだけど(観客笑)、そこで遂にね。念願の、トランシーバーを買ったんですよ」
と松本。
「意味が分かんないよね。だってあるじゃん、携帯がさ」
とナカザ。
「お前は分かってないな。トランシーバーのロマンをお前はわかってない」
「・・・うん。確かに俺には分からないね」
観客笑。
ここで松本素生が熱弁。小さいころよういっさんの家族と数台の車で出かけたときの話。各車がトランシーバーを持ち、それで連絡を取り合っていたのが、子供心にロマンを感じたのだとか。
それに返してナカザ。
「ああそう。それでさ、ここの楽屋のトイレって楽屋から1フロア上にちょっと離れてあるんだけど、俺がそこから戻るときに階段で石原とすれ違ってさ、トランシーバー持ちながらなんか言ってんの。『おお!やべえ!まだ聴こえるよ!やべえ』とか言って」
観客笑。

愛をちょうだいな
音源ほどの派手な音の装飾はないものの、きらびやかでハイパーな音世界が広がる。それにのってズバズバと真理を突き破っていく松本素生の言葉が、切れ味鋭く胸に響く。掲げられる腕。
どれだけポップでもそこに込められた熱情は聴き手の心臓を焦がし、体温を上げる。
「汚れた手は僕も同じ 心は売れないけど」
「僕ら忘れてしまうよ 
それでも歩く 土を踏みしめ
心は売れないよね」
「感動なんかしなくたって 涙はこぼれるんだ
最終的な風景の 扉を足でノックする」
熱い盛り上がりのあと静まり返るフロア。かすかなキーボードの音色から次の曲へ。
シグナル
静かな歌いだしからサビで一気に感情が爆発していく切なくシリアスなミディアムロックチューン。
当たり前の日常のある夜、一人ぼっちの部屋にいるある少年の心模様、というモチーフをいつになっても松本素生は描き続ける。このギリギリの感情こそが、ごく普通の少年たちのリアルであることをよく知りすぎたバンドなんだ。胸が熱くなる。
「あぁ世界を燃やしてしまうほどの朝焼け
僕のきらいな弱い僕も燃やしてくれ
世界を焦がしてしまうほどの朝焼け
僕の凍えた薄い胸を焦がしてくれ」
「ずっと闇の中で 息継ぎもしないで 生きようとした
曇った窓を開ける 流れ出す未来」
南十字
さらに行進曲のような優しくも力強いイントロから落ち着いたミディアムチューンへ。
松本素生の感情のこもった歌声が張り裂けそうな感情を穏やかに描き出す。ナカザと丈さんのパートも曲の中で全体と分かち難く結びついた、まさにこのバンドのこのメンバーにしか間違いなく表現できない1曲。

ここでMC。
「今度、5月にjまた新しいシングルが出ます。俺、こんなに早く、TUTTIを作り終えてからこんなに早く次の世界が見えてくるとは思ってなくて、すごい嬉しいです。シングル2曲とも丈さんが作ってくれたんだけど、丈さんどうですか」
と松本。
「・・・・・え、ごめん聴いてなかった」
と丈さん。
「丈さん、今日ぜんぜんしゃべってないよね」
と素生が言うと、客席から丈さんコールがその中に「アップルドーナッツ行った?」という発言が。ブログで丈さんが長野で行きたいところと書いていたお店だ。
丈さんが反応して口を開く。
「あ、アップルドーナッツね。探したんだけど、見つからなかった。誰か知ってたら教えてください」
との言葉に対し、客席から衝撃の一言があったらしく
「え・・・なくなったんだ。そうなんだ」
と軽く凹む丈さん。
最近長野に住む友達と、将来に対する不安や今の現状への疑問といった悩みについて真剣に語り合ったという松本。
「で、そんな風にしばらく悩んでた時期もあったんだけど、俺は思ったんだ。先のことなんて気にしなくていいんだって。悪い意味じゃなくてね。別に俺はほかの誰でもないし、比べる必要もないし。精一杯、自分の思った道を行くしかないんだと思ったんだ」
とても赤裸々で素直な告白。
「だから、もっともっといこう!ここだけにしかない音楽を俺と君たちとで作ろう!」
という煽りで次の曲へ。

センチメント・エキスプレス ステップ
おなじみの定番ライブアンセムの連発に一気に沸きあがるフロア。そして
「俺の友達、中澤寛規が歌います」
とこれまた定番のナカザコーナーへ。
月曜日 雨のメロディ
ナカザ曲の中でも一番おとなしめの曲が鳴らされ、ちょっと意外に思っていると、ワンフレーズが終わったところで次の曲へ。
恋のナビゲーション
さらにナカザ曲が披露され、もしかしてこれは、と思ったとおり次はこの曲。
ショートバケイション
定番中の定番である王子のダンスチューンに、大きくうねるようにフロアは最高潮の盛り上がりへ。
ハートビート
さらにバンドにとってもリスナーにとっても特別なこの曲で大合唱が巻き起こる。
グッバイベイビー
TUTTIのポップな名曲たちの中でも特に熱い感情と強い言葉が詰まった重要曲。「街風」「ノラ猫」「物語」「エンドロール」等々、過去の作品のキーとなるような言葉も散りばめられた成長のためのさよならを描いたこの曲は、とても示唆的だ。バンドの決意が透けて見える。
STAND BY ME
イントロからフロアが沸き立つ。比較的新しい楽曲なのに、すでにライブアンセムとして安定感がある。ドラマティックな曲展開とどこまでも突き抜けていくメロディが心地いい。
あっという間のライブ本編はここで終了。


熱いアンコールの中、5人がステージに再び登場。
松本素生がギターをジャランとかき鳴らしながらいきなり歌いだす。なんだか明らかに即興な長野にいる友達のことなどを歌ったちょっと歌謡曲チックな1曲。観客の」大声援に推されてさらに別のメロディで別の歌詞で歌い上げるあたりこの人の即興は本物。
「俺の長野に住む友達がよく『長野にはなんにもない、って言ってるんだけど、俺が育った街にも何にもなかったよ。でもそれでよかったと思うんだ。俺東京に出てきて、東京にはいろんなものがあるけど、物がよく見えなくなった。視力が悪くなった。・・・深い意味で」
orion
ちょっと懐かしさも感じさせる穏やかで幻想的なミディアムチューン。素生の歌声がじんわりと胸の奥に染み渡る。
トワイライト
歌いだしから一気に世界に引き込んでいく圧倒的ライブアンセム。今のこのバンドのフォルムはここを機軸に作られてるといってもいいと思う。素生の作家としても大きなテーマを見つけた1曲。大合唱に包まれる。
いつまでたっても
そしてもうTUTTIを聴いた誰もがラストはこの曲だと信じて疑わなかっただろう、胸を焦がす超名曲にして、最高にパーソナルなバンド愛を描いたこの曲がアンコールの最後を飾る。
緩やかで優しい曲調だし、まだライブでのなじみも薄い曲なのに、フロアは波打つような熱狂。この曲に対する聴き手の熱い思いが確かに感じられる光景だった。
ここでアンコール終了。「ありがとう」という声が客席からいくつも飛んでいた。そう言いたくなるすばらしいライブだった。

去り際、丈さんが一言。
「アップルドーナッツはなくなっていて残念だったけど(笑)、もっとすばらしいものがここにはあったね」
なんとキザな。会場大拍手。


「いつまでたっても」で締められてはもう次はないだろうと思いつつ、熱いアンコールが巻き起こる。

そしてライトが点灯し、三度メンバーがステージに登場。
素生はテンガロンハットをかぶっている。
「最後に1曲だけ次の5月に出るシングルから1曲聴いてください。この曲は20年、30年と俺らがこのバンドが歌い続けていく曲になると、俺は思ってます」
と言い
「こんなのいらねえ」
とマイクスタンドを下げさせ、ハンドマイクになる松本素生。
ハミングライフ
柔らかくポップなリズムに鼻歌のような軽やかなメロディが乗り、松本素生はどこまでもリラックスして心地よさそうに歌をつむいでいく。バンドサウンドの欠片もない超ポップソング。誤解を恐れずに言えば、SMAPがシングルのカップリングで歌っているようなハイクオリティだけどシンプルなミディアムポップチューン。
これがこのバンドの新しい世界。これがTUTTIの先に見える光景だった。
ここでついにライブ全編終了。「ありがとう」の声がフロアからなかなか鳴り止まなかった。


全体的にみて、ニューアルバムの曲を中心にして、残りはライブ定番の選曲と流れで構成されたこのバンドのオーソドックスなライブだったと思う。
ただそれで退屈だったかというとそんなことはなくて、それはやはりTUTTIの曲たちが示すバンドの明確な方向性と、ライブでの表現がきっちりリンクしていたことが大きかったと思う。ラップでの自己紹介もハンドマイクのボーカルもそう。バンドという枠を超え新しいポップな音楽集団を目指すGOINGの姿がはっきりと伝わってきてなんだかすっきりした。

ただ彼らが目指すその場所に先駆者はいない。
明らかに道なき道を進もうとしながら、それを楽しんでいる姿が勇ましかった。「ハミングライフ」はその象徴ともいうべき曲だし、このシングルでまた新たな世界へ踏み出していくバンドの姿をしっかり見続けていきたいと思った。

個人的にアルバム「ハートビート」からのバンドの進化は「TUTTI」である程度完成したかのように感じていたけど、とんでもなかった。ここが新たなスタートラインだった。
しかもその引き金を引いたのが丈さんであるところもこのバンドのメカニズムの面白いところだと思う。今後のGOING UNDER GROUNDからさらに目が離せなくなった。
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by kngordinaries | 2006-05-02 13:26 | ライブ


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