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small changes vol.3 池下CLUB UP-SET
いやー、もう、どうしようか。

昨夜から書こう書こうと思いながら書けずにいます。このライブレポ。

しかし、書かなければこうして僕がテンパってる理由も伝わらないので、あわあわしながらも書きます。
ちゃんとしたものは絶対に書けませんが(書けるわけがない)、書くしかない。
自分的にも。このブログのためにも。

さて、気を取り直して。

池下CLUB UP-SETに行くのはこれで2度目。前回は3月のおわりにチャットモンチーやUNDER THE COUNTERが出演したイベントのときだった。
しとしとと小雨が降る中、少々迷いつつ開演時間直前に会場へ到着。チケットを切ってくれたおじ様に「けっこう降ってるみたいですね」と言われる。かなり服が濡れていたもよう。

今回のライブは当初、出演はSTAN他となっていて、チケット発売日を過ぎてからしばらくして他の4組についての発表がなされた。STAN以外は全て地元名古屋を拠点にしているバンドのようだ。


※1夜かぎりのイベントなので、ネタバレはありませんが、ご注意ください。
  あと、ちょっと(個人的に)驚きの大事件があるので、いちおう皆様も心の準備を。



フロアに入って、まずは物販スペースに普通に腰掛けているSTANの3人を発見し、驚く。
今西と49が仲良さげに談笑。KYGは少々所在無げな感じだった。

お客さんは30人前後とガラガラな印象。前回観たライブはソールドアウトでぎっしり埋まった光景を観ていたので、そのギャップもあって物悲しく感じた。そうこうしているうちにトップバッターのバンドのライブが始まった。

HOMEO-STASISというバンドだったと思う。本人達がほとんど喋らないし喋っても聞き取れない感じだったためよく分からない。
音はかなり迫力があり、ハードなテイストの3ピース。たぶん英語詞が多かったと思う。
全体的にテンポが早く、勢い重視な感じがあり、メロディも弱め。演奏重視な感じもあって、アウトロでどしゃめしゃな演奏が続くところなどは、激しいパフォーマンスも相まって迫力があった。

この時点でSTANのメンバーは物販スペースから姿を消していたと思う。
一応トリだろう、と予想しつつ、この事態を受けて意外と早い出番なのかなー、と予想。

続いてはHOT HOTTER HOTTEST、ギター2人にベース、ドラムの4ピース。ベースがセンターという変わった布陣。
元気よく挨拶し、ファンクテイストのギターから曲が始まったので、ダンスバンドかと思いきや、向かって右側のギターがメインを取るボーカルはフォークシンガーのように湿って熱い重みのある熱唱系。曲調も定まらず、ときどきベースがメインの曲もあって、なかなか掴めないバンドだった。

このへんで確認したところ観客数はちょっと増えて40人くらいにはなっていたかと思う。
STANの出番までまだまだあるのかな、おもしろいバンドが出てこないかな、とちょっと退屈しつつ次のバンドを待つ。

ステージにかかった幕が開かれると、観客がわっと沸く。3番手はSTANだった。
これまでほとんどいなかった最前にも10人くらいが詰めかけ、フロアの熱が少しだけあがる。
1曲目はSTAN'S HOUSE。爆音のロックチューンで一気にフロアの熱を上げていく。演奏はソリッドで音はどでかく、体がしびれる様な衝撃。
ボーカルはグルーヴ感たっぷりに、しかし言葉がしっかり届くように、そして楽しそうに音源と違うメロディを織り交ぜながら歌い放っていた。
「頭悪いヤツら ザマーみやがれ I win I win I win I win イェーイ

なんちゃって 言ってみただけだよ boy
いいかげん ジョークに気づけよ girl」
さらにドラムから音が一つ一つ折り重なっていくイントロから鳥肌のULTRAMAGNETICSTANSへ。ドラム49の紹介部分は49を両手で指差し、ときにはハンドマイクで、フリーキーにラップするKYG。かっこよすぎる。
演奏もつんのめり気味な勢いで、強引で強力なグルーヴでフロアを乗せていく。
「そろそろ僕等もヨーイ ヨーイ ヨーイ ドンするよ
そろそろ僕等も用意よい 用意よーいよー」
「こんなん ありえなくない?
こんなん 見た事ないよ
ヤバイ ヤバイ
STAN マジヤバイ」
続いてDolphin Dance
ここまでの爆裂するロックチューンに対し、一気に流麗なメロディで穏やかな雰囲気へ。この強烈なグルーヴと流麗なメロディの振り幅の広さがSTANの凄さだと思う。音の一つ一つが気持ちよくメロディを引き立てる最高のポップチューン。
「曲がり角を曲がり切れずに落ちてゆく
そーゆーのって最高だろ?
やがて君もたどりつけるだろう そうだといいだろう なあ I don't care anymore!!」

そしてこのタイミングだっただろうか、KYGが口を開いた。
「こんなかでライオンはトラより美しいっていうブログをやってる人いますか。…いつもSTANをありがとうございます」
というようなことを言い、次の曲へ。
言われた当の本人である僕はあまりのことにフリーズして名乗り出ることもできず。心臓が止るかと思った。

続いてはJ.D.。音源よりかなり早めのテンポでスカスカな演奏とポップなメロと衝撃的におもしろい歌詞が最高のファンキーな1曲。
さらに「次はJAPANISTAN!」とのKYGの高音の変なシャウトからJAPANISTAN
シリアスなサウンドにシリアスな歌詞を乗せた、ヘビーで熱いロックチューン。

「CDも売ってるんで、見てって」
とかなんとかボソボソっと話すKYG。
「パールジャム!」
と言って、今西と49のセッションのような演奏が繰り広げられる。KYGはチューニング。
「じゃあ、最後はTHE SONGという曲をやりまーす」
といった感じのMCからTHE SONG
彼らのいくつもある魅力の中でももっとも歌に振り切った超名曲。とはいえギターリフや後半にいくにしたがっての演奏の高揚感もたまらなく魅力的だ。
「間違えてもかまわないんだとゆー事を 間違いなく君に伝えたいよ」
「はみ出してもかまわないんだとゆー事を はみ出しても君に伝えたいよ」
「そんな僕等 目指すは遠い こんな僕等 笑顔が超いい」
「あきらめてもかまわないんだとゆー事を あきらめずに君に伝えたいよ
言わなくてもかまわないんだとゆー事を 言わなくても君に伝えたいよ」

最後のアウトロではKYGがドラムのスティックらしきものでギターを掻き毟ったり、今西がくるくると華麗に舞いすぎてスタッフが配線を直しに飛び出してきたり、ちょっとしたカオスが広がりつつ、圧倒的なSTANライブは終了。

ここで先ほどのMCを反芻しては、なんともいえない落ち着かない気分でいると、今西と49がアンケート用紙を配りに、フロアへ。
今西から声をかけられるもアンケート用紙を受け取るのみの自分。

続いてレジオキング
このバンドが登場からおもしろかった。マーチにのってボーカルの拭く笛の音にしたがってステージ登場。ボーカルは楽器を持たず、金髪パーマのロン毛に大きなグラサン。ちょっとイエローモンキーのころの吉井のよう。
他のメンバーもアーミールックやパンク風、TシャツにGパン、など統一感がない。
ボーカルはよくわからない1発ギャグや、バンドメンバーにちょっかいを出しては無視される、という演出で常にフロアを沸かせ、ある曲ではフロアを回ってフライヤーを配っていた。
曲は歌謡曲風の湿った和風メロディのハードロック。これも少しイエローモンキーっぽいけれど、演出も含めると氣志團といった方が近い。
おもしろいといえばおもしろいステージングで楽しませてもらった。

ここでアンケート回収で再びフロアに現われる今西と49。少し遅れてKYGも登場したので、タイミングを見計らって話しをさせてもらう。このへんのことはちょっと別記事で詳細を書こうかと。
舞い上がってて確かな記憶じゃありませんが。

※ほんとに記憶が定かじゃない+ファン目線すぎて見苦しい記事になりそうなのでやめときます。

最後はhospital bed
ここまでのバンドはいい意味でも悪い意味でも個性が強かったけれど、このバンドは一番普通な印象だった。
少しダークな世界観に切なげなメロを乗せたギターロック。特別目を引くポイントはないものの、なんとなく安心して聴けるサウンド。
ちょっとリズムが単調すぎる点とどう考えてもかっこ悪いアレンジが数箇所見受けられたのが気になった。

最後のバンドの最中にギターケースを片手にフロアを横切り、入り口から出て行くKYGを発見。明日もライブで忙しいのだろう。

途中で個人的に大事件があり、正直なところライブに完全には集中しきれなかったけれど、STANのライブは、もう思ったとおり強引なくらいのグルーヴと気持ちのいい歌メロに酔える、ヤバイくらい気持ちのいいライブだった。
特に49のドラムは圧巻だったし、KYGのステージでの軽やかで皮肉めいた身のこなしは痛快、今西の妙だけど最高に楽しんでる演奏姿も印象的だった。

これからしばらく全国をまわるSTAN。
例えば僕のように、ほとんどライブしたことのないような土地で、音源を何回も何回も聴き、高い熱を持って迎えるオーディエンスと、けして多くはないだろうけど、出会うことで、きっとまたこのバンドは新しい表現を見つけると思う。そういうバンドだと思う。

STANの輪が広がっていく中で、どうこのバンドが変化していくのか、大きくなっていくのか、もうどうしようもなく楽しみだ。



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by kngordinaries | 2006-05-14 23:21 | ライブ


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