ROCK IN JAPAN FES.2006 1日目 その2
KREVA以降はまたまたのんびりと過ごす。
すでに売り切れも出ているアーティストグッズ売り場に行き、「くLabel【其の三】」をゲット。さらにROCKIN'ON LIBRARYをぶらつきパンフレットも購入。
そんな中でもm-floのサウンドがもの凄い距離を風に乗って耳に届く。これもフェスならではの楽しみ方だ。去年に引き続きcome againも聴こえた。スペシャルゲストのMINMIにびっくり。

さらにみなと屋のあさりご飯セットやらハム焼きを食す。ハム焼きの異常な美味しさにどうにも笑みがこぼれる。
そんな中でも平井堅のハイクオリティな歌が木陰をより涼しく彩る。聴こえてくる曲が全て大ヒットチューンというのが凄まじい。そろそろPUFFYを観に行かねばと移動を開始したところでピアノ弾語りのeven ifが始まり、心の中で大拍手。このヒットパレードの中では地味な曲かも知れないけれど、このどろっとしたラブソング系が平井堅の曲では特に好きなので。

17時30分、PUFFY
開演10分前くらいにスタンディングゾーンに行くころには、観客の入りはまだまだ余裕があったのだけど、開演直前になるとシートゾーンも立つようアナウンスがあったり、相当な混雑となる。
そしてPUFFYとバンドメンバーがステージに登場!
いきなりHi Hi渚にまつわるエトセトラで一気にアゲていく。スタンディングゾーンはちょっと危険なくらいの盛り上がり。
そして個人的に一番聴きたかった最新アルバムの最強ポップチューン、Shall We Dance?も披露。この曲のメロディー、歌詞、歌はちょっと完璧なポップ。
さらにモグラライクではダンサーも登場し、和やかな盛り上がり。
後半もサーキットの娘や個人的にPUFFYのベストソングだと思っているブギウギNo.5など、アップテンポのロックチューンでぐんぐん飛ばす。二人の歌唱も力強く攻撃的なのにきっちり揃っていて抜群に心地いい。そしてやっぱりしーたかさんのドラムはタメが心地よくて最高だ。
Tokyo I'm On My Way、GREENDAYのカバーBasket Case も披露し、最後はやっぱり不朽の名曲アジアの純真で「流れ出たら・・・ひたちなかー!」で締め。ボルテージ上がりっぱなしのロックでポップなライブだった。
ただ、少し残念に思ったのは、観客の反応で、明らかに最近の曲と過去の大ヒットチューンでの盛り上がりに温度差があったことだ。もちろんLAKEがぎちぎちに埋まるほどの数が入れば当然そうなるだろうし、PUFFYもそこを理解しつくしたセットリストで挑んで大正解だったと思う。Tokyo I'm On My WayやShall We Dance?の曲後半からだんだん盛り上がってくる会場の様子を観ても、間違いなくSplurgeの新曲群のクオリティは広く浸透する力を持っていると思うし、今夏の各地のフェス出演でいい効果があがればいいと思う。
それと同時に10年前の楽曲で、これだけの観衆をひとつに出来るPUFFYというポップアイコンの威力もやっぱり素晴らしいと思った。

PUFFY終わりでブログ仲間の方と対面。GRASS STAGEまで一緒に移動。いよいよ今宵のトリの時間だ。一体どんなライブになるのか、いまひとつ想像できない。

19時、くるり
厳かなBGMに乗って、くるりとサポートメンバーがステージに登場。全員が黒いマントに身を包み、黒い帽子を被っている。異様な演出に会場はざわめき、笑いが起こる。
そしてそれらをすぐに脱いでセッティングを始めるメンバー。全員半袖シャツにネクタイ。だからなんなんだと。
「くるりです」
と簡単な岸田の挨拶。
そして始まりの1曲はTonight Is The Night。ゆったりとタメのあるリズムに美しいコードで奏でられるメロディ。心地いい音楽空間がGRASSを満たす。
そして東京。岸田の感情のこもった歌声が胸に迫る。抜群の演奏がグルーヴを増して爆発していく。演奏のうねりと歌詞の物語の高ぶりが美しく合致して、最高に切ない。アウトロのファンファーレのようなコーラスがとてもとても胸に迫った。
そしてロックンロール。前の2曲のゆったりとしたテンポから少しテンポを上げ、開放的なバンドサウンドがステージから会場全体にきらきらと降り注ぐ。優しいメロディがどこまでも胸を締めつけ、熱く焦がす。
ここのところ出たばかりのベスト盤をよく聴いていることもあり、くるりというバンドについて考えるのだけど、とにかく思うのは、このバンドがずっといてくれてよかった、ということだ。ずっと曲を発表し続け、ずっとライブし続けていることに、感謝したくなるバンド。
「暑ない?」
「気持ちよくやらせてもらってます」
等々、MCではぽつりぽつりと喋る程度の岸田。
そしてイントロから大歓声が湧き起こるアンセム、ばらの花、切実なメッセージが胸に突き刺さるフォークソング、THE VERANDAと珠玉のナンバーを連発。というか、ベストを聴いているとほんとによく分かるけど、このバンドの曲は全部が全部素晴らしい。
そしてさらにアンセム、ワンダーフォーゲルで会場の熱は高まっていく。さらにはナイトライダーRing Ring Ring!というファンキーで渋いアップチューンで会場全体が波打つ。
ここで岸田のMCがあり、実はひどい風邪をひいてしまい急遽病院に行き、治療を受けたと話す。
確かにライブ開始から声の出はよくなかったけれど、そんなに厳しい状況にあったとは思わなかった。演奏は抜群だったし、それに乗って歌う岸田の歌はエモーショナルで、集中力高く、とても1曲1曲を丁寧に歌い上げていたからだ。いつも以上に胸に響く歌唱だった。
「先生にはシャウト系はあかん、言われてんけど。大丈夫です、全部バラードでやります、言うて来ました」
「最後、全力で歌います。皆さんの力を貸して下さい」
そう言って始まったのは。そんなMCのあとでは、声の揺れやかすれにこちらが敏感になってしまうところだけれど、そういう耳で聞くとやはりどこか弱々しい。が、異常なくらいの集中力と気迫がこもっているせいか、とても強く心を揺さぶるような力があった。
そしてラストは
曲頭のサビの高音から声が完全に割れている。絶唱だった。それでも基本的なところでリズムとピッチははずさない。とても意識的に体をリズムに乗せて揺れている岸田は、喉に全ての神経を集中させているように見えた。そういえば、ライブ最初から、ビジョンに映る岸田の顔は瞳孔開きっぱなしのような、ちょっと危険な表情をしていた。張り詰めた覚悟が漲った歌に圧倒される。
そして曲後半のブレイク。その刹那、いきなりギターを外し、ステージに叩きつける岸田。だだっこのように振り上げた腕をブンブンと振り落とす。それを指揮代わりにバンドの演奏が再び始まる。
「この街は僕のもの」
――演奏が終わり、壊れたギターが気持ちの悪い残響音を大きな音で響かせる中、会場に向けて両手を合わせて頭をひたすら下げ続けながらステージをあとにする岸田。スタッフが走り出てきてギターの音を切り、半ば呆然としながらもアンコールの拍手が湧き起こっていた観客を尻目に、夜空に終演を告げる花火が上がっていった。

きらきらと夜空を彩る花火を観て、やっと我に返る、くるりのライブはそんなとんでもないライブだった。

ここからはごく個人的な感想。
岸田は特別に歌唱スキルの高いボーカリストではないと思う。その曲の持つビートや音楽的ルーツを深く理解して、紡ぎだした言葉を集中力高く感情を目いっぱい詰めて歌う、そんなシンプルで繊細な歌を放つ歌い手だ。
その意味では今回の声が出ないというトラブルは、大きなアクシデントではあるけれど、このバンドにとっては致命的なアクシデントではなかったのだと思う。
それどころか、危機感を持ち、焦燥をつのらせた岸田の歌は、よりエモーショナルに炸裂していた。
僕は激情を叫ぶことが基調となっている歌はあまり好きじゃない。くるりの歌はそういう歌ではなく、「街」もたゆたうようなAメロBメロがあり、必然として感情の波が高ぶるサビがある、そんな優しい歌だ。そしてその優しい歌を、届けたいのにそれができない状況で、それでも届けたくて叫ぶこの日の岸田の歌は、やっぱり優しかったし、とても温かく胸に響くものだったと思う。


とにかく、ここ数年恒例のように参加しているなかでも、初めての気分で終演を向かえ、猛暑にへろへろになった体に、あと2日持つのか、というこちらは恒例の不安を持ちつつ、この日の帰路へ。



2日目以降へ続きます。近々、書きます。
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by kngordinaries | 2006-08-09 23:38 | ライブ


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