Re:mix 2006
昨年の2005から規模を少し拡大した、名古屋で数少ないロックフェス的なライブイベント「Re:mix 2006」に行ってきました。

会場は名古屋栄のとあるビル内5階にあるキャパ1200人のダイアモンドホールと、その隣の建物の地下1階にあるアポロシアター。アポロのキャパは分からないけど、見た感じでは詰め込んで200~300と思われる小バコ。
両会場の出演アクトが多少被りつつ、基本的には交互に組まれたタイムテーブルで、開演の15時からあいだの30分のブレイクタイム以外は22時30分の終演までぶっ続けで行われるライブイベントです。

ここからはライブレポというよりは自分の行動録を中心に。

14時40分、とても遅い整理番号だったので開場時間を過ぎてからダイアモンドホールのあるビルの下に到着。まだまだ入れないもようで周辺をうろうろ。
アポロシアターの入り口前に機材車が止り、荷物を運び出すバンドがいたので、注視してみると、どうやらつばきの面々。メンバーの一人がライブ中でもないのに「つばき」Tを着ていて微笑ましい。

15時、ようやくダイアモンドホール入り口までこぎつけ、リストバンドを装着。ロビーを眺めているとライブが始まりそうなSEが聴こえてきたので、会場内へ。

トップバッターはランクヘッド
1組目にして会場は7,8割埋まっていた。縦ノリなビートにポップなメロディ。ボーカルのフェロモン重視の歌いっぷりは好みが分かれそうだけど、とても王道なギターポップを鳴らすバンドだ。
生きる意味を問いかけるアップチューンすべて、ちょっとフォーキーで切ない夏の匂い、音源の打ち込みサウンドに対してがっつり生音アレンジのライブ仕様となったダンスチューンLoop、等々。J-POPの中にもすんなり溶け込めるライトでソフトな音作りと、心を削りとったような熱のこもった歌詞と歌唱で、今後もっとステップアップしそうなバンドだ。
MCは少なめ、セットリストもイベント向けに盛り上げる曲重視でなく、しっかり歌を届ける感じがあって、よかった。

ランクヘッドを終えて、一度ダイアモンドホール横の休憩・物販スペースへ。
妙に広いスペースの壁際に座り込む人多数。物販を覗いてまわると、ライブチケットコーナーがあり、出演バンドたちの今後のライブが先行発売されていた。
ここで10月29日にFM AICHI「ROCKS」presentsのライブが開催されることを知る。出演はアナログフィッシュ、スネオヘアー、bonobosの3組。もの凄くいい。
10月4日のSTAN出演のアポロシアターでのライブも売られていた。

続いてアポロを様子見に向かう。
5階分の階段と20mくらいの建物移動だけなので、ものの2分くらいで移動可能。倉橋ヨエコのライブ後半だったけれど、入り口まで人が溢れかえっていたので1曲聴いてすぐに外へ。ピアノ弾語りのちょっと情念系の歌声がとても鋭く強い印象。

STANに備え、荷物をロッカーにしまおうとダイアモンドホールへ行くが、すでに全て使われていた。ロッカー上も、荷物が山積。旅行用のがっちりしたカバンが多く見受けられたので、遠征組が相当数いるっぽい。
余談だけど、ライブ前とか耳に入ってくる周囲の話し声の中にも、大阪で見たあのライブはどうだったとか、エゾはどうでとか、昨日は東京でライブ観てとか、もの凄いライブジャンキーレベルの高い話が盛りだくさんで驚いた。
しょうがないので、アポロのロッカーに期待して再びアポロへ向かう。その道すがらダイアモンドホール下の入り口で、THE BACK HORNらしき面々の会場入りに遭遇。隣の女性が、「誰だか分かんないけど絶対見たことある、絶対見たことある!」と叫んでいた。

16時、アポロシアターに入りロッカーに荷物を入れ、万全の体制で前から5列目くらいに陣取る。前回の名古屋でのライブはSTAN以外は地元のバンドばかりでお客さんの入りも30~40人といったところだったけど、すでにそれ以上の人が会場内にいる。多分そんなにSTANに気のない人も多いのだろうけど、一部メディアだけがヒートアップしてプッシュし、知名度ばかり上がっているこのバンドは、今はとりあえず各地方の色んな人の目に生で触れることが重要な時期だと思うので、名古屋でこういうイベントに出るのは凄くいい効果がありそうだ。
楽器がおおよそセッティングされるとまずは49が登場し、音のチェックがてらドラムをたたき出す。しばらくして、KYG、今西もサウンドチェックを自ら行う。誰かが弾き始めたフレーズのフィーリングで即席のセッションが何度も繰り広げられ、それだけでもとても楽しい。
途中、KYGが「アオーゥ」などふにゃふにゃ奇声をあげながら歌っていた。と思ったら「君を抱いていいの~♪」って小田和正まで歌いだしたり。面白すぎる。
15分くらいのラフだけど濃密な音チェックセッションが終了。ライブを待つ。

そして定刻にSTANがステージへ。会場もなかなかに埋まっている様子。
「ちわーす」
というような適当な挨拶からSTAN'S HOUSEへ。とぐろを巻くようなグルーヴの渦、フリーキーに放射される素の言葉と頑強なリフとそれに絡みつくドライブするベース。最高だ。
さらに矢継ぎ早にULTRAMAGNETICSTANSでバウンシーなビートが炸裂。このファンキーな自己紹介ソングで「STANマジヤバイ」という言葉が出た瞬間、一気に反応するオーディエンスはやっぱり初見が多いようで、そこから一気に引き込まれてほしいと切に思う。
曲中盤ではステージ前のスピーカーにごろりと寝転がるKYG。仰向けで歌う。そして右端の最前で全く微動だにしないお客さんの目を覗き込み
「君、全然楽しくなさそうだね」
などとかます。
「気持ちいいなー」
というような独り言からDolphin Dance。魅惑の美メロポップチューンを歌い上げるKYG。
ライブ全体の印象だけれど5月の名古屋ライブと比べてちょっと変化した気がするのは、KYGの歌いっぷりだ。RIJFでも感じたけれど、やんちゃな歌いっぷりの中にもかなり歌をきっちり、ポイントとなるメロをはずさず、というとことに重点が置かれるようになったと思う。
さらに
「アメリカ~~」
というふにゃっとした一言からJAPANISTAN。ピリピリとするようなアンサンブルからタイトでシンプルな演奏が切れ味鋭く迫る。「YES YES」という歌詞を一部「アメリカ アメリカ」と字余り気味に歌い放つKYG。
「今のはJAPANISTANという政治的な曲でした。次は大きな愛を歌った愛に逆らうなという曲をやります」
と言って、愛に逆らうな。これがRIJFでも披露された未音源化の曲で、STANのポップサイドをさらに広げたようなポップチューンだった。繊細な歌詞が優しいメロディとアレンジに包まれ、胸に響く。
「ありがとうございます。じゃああと2曲」
と言って、しばらくセッションが繰り広げられてからグルーヴィーな最強ポップチューンTHE SONGへ。STANのいろいろな側面に近しいバンドはいても、この曲の感じを表現できるバンドは他にはいない、と確信できるSTAN独自のポップネス。
そして最後はRIJFと同じファンキーなトラックに乗って、言葉を連射するI knowというらしい未音源化曲を。いろんな形式や決まりごとに「NO」を叩きつける批評的な言葉とトリッキーな演奏が最高だった。ここでライブは終了。
愛に逆らうなとI knowの2曲をとってみても、STANの秘めている巨大な才能・可能性に、期待が高まらずにはいられない。それはきっと、10月18日リリースのSTANⅢでかなりの部分を観ることができるだろう。
ただ、僕がさらに楽しみなのはその巨大な才能がバンドを取り巻く状況や時代と摩擦を起こすことによって生まれてくるだろうエッジの効いた表現だ。
今回のライブパフォーマンスからもここ最近全国各所で初見の観客を前にライブをしてきた中での彼らの変化が散見されていた。この先、STANというあまりにも剥き出しのいびつなロックが、どうメディアや音楽ファンに受け取られ、その状況から受けたものをどうSTANが作品にしていくかは、もの凄く気になるし、それが大げさにいえば時代を映し出す鏡になると思う。

STANが終わって、一息ついてまたダイアモンドホールに向かう。すでに演奏中のスパルタローカルズを会場最後方から観る。全体的にベースが中心のアレンジが多く、それにファンクテイストのギターが軽く乗っかるダンサブルな曲調。ボーカルのパフォーマンスは遠目なので表情までは見えなかったけど、噂どおりのキレッぷりでなかなかにスター。
ライブも全体が引き締まっていて、完成度が高い。前方の観客の盛り上がりも凄い。
GET UP!トウキョウバレリーナ等、多少聞き覚えのある曲もあって、楽しい。後半では「ばかやろう」でコール&レスポンスするような曲も。

それから即座に移動して、またアポロシアターへ。
Radio Carolineのライブがすでに始まっていた。ほぼゼロの予備知識で観たのだけど、まずはボーカルのルックスに驚いた。ハットにつり目のグラサンにたっぷりのもみ上げに白スーツ。クレイジーケンバンドの横山健を思わすような男臭さ。
サウンドはブギーというかロカビリーというか、そういったいでたちとリンクしたサウンド。かなり音が分厚くガチャガチャとした耳うるささがかっこいい。MCはなかなかきさくな感じ。
後半、ドラマーがメインボーカルを取った曲とラストチューンはなんだか懐かしい感じのポップスな感じがあった。
いろいろ興味をそそられるバンドではあるけど、ファン層はどんななのかが想像できないなー。

そしてライブ終了後、アポロは一時的に閉鎖となるため、ロッカーから荷物を出し、外に出るとそこには後半の個人的目玉の3ピースバンドの面々が!

というところで長くなってきたので、次回へ続きます。
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by kngordinaries | 2006-08-26 17:08 | ライブ


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