アナログフィッシュ コウタロウ・オータム・コレクション ライヴジョントポール ポールデイ 京都磔磔
2人のソングライターがそれぞれ作った曲のメインボーカルを取る、ちょっと変わったバンド形態のアナログフィッシュ。
それぞれ片方のメイン曲のみのライブ2daysというちょっと変わったライブ形式はこのバンドにとっては必然の産物だった。そのライブの名はジョントポール。

5月の新宿ロフトに続いて2度目となるこのライブの今回の会場は京都磔磔。
個人的にはこの会場は3回目にしてその全てがアナログフィッシュライブなので、もう磔磔といえばこのバンドのイメージになってしまった。

開場10分前くらいに到着。かなり早い段階でソールドアウトしただけあって、すでに人だかり。
ジョントポールは1枚のチケットで2公演見られる、逆に言うと2日連続ライブに来なくてはいけなくなるし、片方のソングライターのファンもワンマンより参加しにくいかもしれないもの。その中でのこのソールドアウトは、それだけ濃いファンの多いバンドだということの証明になっているのでは。

開場してチケット確認後に缶バッチが2つもらえた。
黄色とピンクでそれぞれJ(ジョン),P(ポール)と整理番号が書かれていて、その数字はメンバー直筆とのことで、翌日のジョンデイにはこの缶バッチを身につけてチケットの半券も持ってくるというシステム。

遅めの番号だったので、もう前方はぎっしり埋まっていたため、佐々木側のうしろに陣取る。フロアの真ん中の柱で下岡が全く見えない位置になってしまった。
磔磔のスタッフの人が事前の注意を促す。この人が開場のときも仕切っていたのだけど、なんだかいいキャラクタをしていて、独特の口調で、かなり場を持っていっていた。
「ここはまわりが住宅地です。今日はポールデイということで、ライブのあとはもう、『ポール!・・・ポール!』、・・・ってなってると思いますけど、(観客笑) ここを出たらグッと我慢していただいて、四条河原町の通りまで出てから、『ポール!・・・ポール!』、(観客爆笑)・・・って思う存分やってください」
とか、いろいろと。

そしてビートルズの名曲がガンガン流れる中、その特別なライブの始まりを待った。

※曲順・MCの順序など、あまり自信なしです。雰囲気で書いてます。





フロア後方の階段から佐々木を先頭に降りてくる3人。相変わらずの佐々木のパフォーマンスで一気に沸くフロア。ちょっと聞き取れなかったけど、なにやら大声でライブのスタートを宣言する佐々木。
スピード
1曲目からいきなりのライブアンセム。疾走感抜群なのに熱っぽいロックチューンを歌い上げる佐々木の歌声は今日も強靭だった。
公園
さらにアップチューンで気持ちよく乗せていく。久々にライブで聴けたような気がして嬉しい。こういう楽しみもジョントポールならではだ。
叉市
歌う前に曲タイトルを佐々木が言った瞬間にブワッと今池HUCK FINNのライブがフラッシュバックしてしまった。2004年12月、初めてアナログフィッシュを観たとき以来のこの曲。意外とちゃんと記憶に残っているのは、やっぱりこの人のメロディーセンスの素晴らしさだろう。
この曲では佐々木は珍しくハーモニカを使用。でも多分イントロのみだったかと。
紫の空
ぐんぐんと飛翔するメロディと、曖昧でなんとなく切ない言葉が、胸に迫るポップチューン。アップテンポな曲の連続で、フロアの熱もいい感じに上がっていく。

早くも汗だくの佐々木がもう恒例のように上着を脱ぐ。
「セオリーどおりですね(にやり)」
との斉藤のいじめも恒例。そしてそれに少しキョドったのち、
「今日はもうちょっと我慢しようと思ったんですけど、無理でした!」
と観客に報告する佐々木ももう恒例だ。
「ジョントポール、ポールデイ。こんなにたくさんの人が集まってくれてありがとうございます!」
等々、簡単な佐々木の挨拶からさらに矢継ぎ早に次のタームへ。どんどん曲を聴かせたい、という今日のフロントマンの意気込みがなんとなく感じられた。

LOW
曲紹介から大きな拍手が沸く、初期の大名曲。どうしようもなく情けない日常を送る青年の苦悩とその鬱屈した感情を、サビで一気に爆発させる、という初期佐々木曲群の中でも、そのポップなメロとアレンジのダイナミズムで頭一つ抜けた名曲だと思う。きっと多くの人の「胸を焦がして」いるはず。
チンパンジー 
ポップな言葉遊び的な歌詞がとても魅力的なポップチューン。これもちょっと久々な気がして聴くことが出来てとても嬉しかった。
ガールフレンド
開放的なサウンドに浮遊感のあるメロディが乗る穏やかなポップチューン。未発表曲の中では比較的よく披露されるこの曲は、佐々木的にかなりお気に入りなのでは。

このへんだったか、のMCで佐々木が昨夜に観た悪夢を語る。
「なんか、僕のポールデイがお客さんが30人しか入ってないっていう夢だったんですけど。あの、晃の日はもう即完で・・・」
そういう心情は分からないでもないけど、即完と30人て極端すぎる。
「でもこんなにたくさんの人が来てくれて、ありがとうございます!今日は○○くん(磔磔スタッフ)のライブ前の説明もよくて・・・」
と佐々木が言うと斉藤が
「ね!あのトークよかったよね。あの、凄い出にくい感じの」
と毒のある一言を。
なんとなくシーンとした場を察してか斉藤が話し出す。
「これ、この緑のタオルはこのジョントポールのために買ったんです。(会場拍手) 2年前に。(会場笑) ドンキで。(会場爆笑)」
そこで下岡が
「お前、そのMC前にどこかでやって褒められたからまたやったんだろ」
的なつっこみを。
「え? いや、それは全然忘れてた。そうだっけ」
とほんとに忘れていた様子の斉藤。

ラブホ 不安
ゆったりとしたテンポでグルーヴィーな歌が炸裂する曲を連発。
月の花
歌い上げる、という意味ではもっとも歌謡的で歌い手としての快感度が高そうなこの曲。ほんとにどこまでも冴え渡る見事な歌唱が気持ちよすぎた。

そしてここでリンゴこと斉藤のコーナー。
日射病というナイアガラ・トライアングル収録の1曲とのことで、かなりひねくれポップな面白い曲だった。

そのあとあたりだったか、栄養ドリンクを飲んでいるかのように見えた佐々木氏。
「佐々木さんは、ライブの前にオリーブオイルを飲んでます」
と斉藤。
「今日は○○V(栄養ドリンクの名前っぽかった)に入れてあるんですよね」
とさらに斉藤。
「ずっとシーチキンの油がいいって言われて飲んでたんですけど、オリーブオイルがいいらしいです」
的なことをいう佐々木。でもなんだか辛そうだ。
試しに、という感じで飲ませてもらう斉藤。
「・・・ん!喉が・・・なんか痛い!」
というようなやりとりがあったあと、後ろを向いて佐々木が水をガブ飲みしていた。辛いならやらなきゃ・・・(略)。

READY STEADY GO
サビ以外はほとんどメロディなしで佐々木が語るように言葉を放つちょっと異色のロックチューン。ポエムな感じの少し青臭い語りから切ないサビへ抜ける展開がとても綺麗な流れを作っていた。
次のアルバムにも収録されない新曲が披露されるとは思わず、とても嬉しかった。
世界のエンドロール
伸びやかなサビの開放感が抜群に気持ちいいミディアムチューン。
確信なんかなくてもいいよ
「ドゥーッァ!」というシャウトが全てのしがらみを弾き飛ばすような無敵のアップチューン。何度となく訪れるテンポチェンジもとても心地よく決まっていた。
エナジー 山手ライナー
新旧のアップチューンを連続して。ここにいたっても佐々木の歌声は力強く、パフォーマンスも鬼気迫る勢いで激しい。
アンセム
本編ラストチューンはアンセム。開放的なサウンドと佐々木の歌うこと・音楽を作ることへの気持ちを率直に綴った歌詞がほんとに素晴らしい。
「つまらない世界に 退屈な午後 変えてみたくなって ギターを手にして 歌いだすのさ」

熱いアンコールの拍手の中、再び佐々木が階段を下りてステージへ。
恒例のアコースティックギターでの弾語りだ。
この気持ちは僕のもの
散文的で像を結びにくい言葉の羅列なのに、なぜかとても伝わってくる言葉。シンプルなサウンドに乗って伸びやかにおおらかに歌われるメロディー。素晴らしかった。
「ありがとうございます!それではいつものアナログフィッシュに戻ります」
と言って他の2人もステージへ。
「いい声だね」
といつもの褒め言葉を言い、なぜか佐々木のマイクスタンドを調整してからドラムセットへ向かう斉藤。
ニューアルバムの話などの中、何気なくマイクスタンドを調整しようとする佐々木が、キョドりだす。
「あれ?ん?」
マイクの位置を下げたいようだけど、動かないもよう。
「それ、さっき俺がきつく締めといたから」
と笑顔の斉藤。さらに
「君の素敵な歌声が絶対に途切れて欲しくなかったからね!(極悪笑顔)」
言葉もなくなすすべなくうろたえる佐々木氏が不憫だったけど、会場爆笑。
さらにアルバムリリース話のくだりの途中で、なぜか下岡が会場から大拍手をもらう展開になり(なにか煽ったりしてたっぽいけれど、全く観えない位置だったので分からず)、
「(佐々木に向かって) なんか全部もってってごめんね。いいとこどりで」
と全然反省の色のない言い方で謝っていた。
「い、いつもそうだ」
と辛くも押し返した佐々木くんに大いなる賞賛を送りたい。
マテンロー
アンコールラストチューンもニューアルバムからの新曲で。佐々木新譜はどれも穏やかで解放的だけど、ダイナミックな歌の強さがあって、アルバムで聴けるのが楽しみ。
しかし曲途中で佐々木のマイクの位置が下がるアクシデントが。
「まんまとマイクが落ちました!」
となぜか楽しそうに言いながらステージを去る佐々木。強く生きろ。

熱い拍手が鳴るなか、すぐに3度3人がステージへ。
僕ったら
イントロの幻想的で壮大なドラムから胸がいっぱいになる極上のバラッド。佐々木のロマンチシズムが純粋なままに表現された名曲でポールデイは穏やかに幕を閉じた。


佐々木の歌をとにかくたっぷりと楽しめる、という意味ではこれ以上ない素晴らしいライブだった。どこまでも強靭で伸びやかで温かい歌が、ぎっしりつまったライブ。
特に普段のアナログライブではあまり聴けなかった中期の曲たちは、その良さを再確認できた。

前回のポールデイで披露されていた「うた」という曲が今回は披露されていなかったのが、少し気になった。アルバムにも入らないようだし、佐々木の新たな展開を感じさせる曲だけに不思議だった。

さあ続いてはジョンデイ。この素敵ライブを受けて下岡がどんな見せ方をするのか、この時点でとても期待が高まっていた。
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by kngordinaries | 2006-10-17 22:12 | ライブ


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