COUNTDOWN JAPAN 0607 31日 レポート その3
急いで駆けつけたCOSMOから徒歩1分弱のEARTH STAGE。
すでにそれなりに会場には熱気が感じられたけれど、GARAXYのDOPING PANDA効果もあってか、前方もギチギチではない様子。サンキュードーパン!(←間違ってる)
いそいそと無理のない範囲で前線へ。

まわりのそわそわした空気が自分にも伝播し、そんな風にして会場全体に広がっていて、それらが熱のかたまりになってステージに注がれている気がした。
で、しかも今年もあと15分で終わるわけで。その瞬間はこれから出てくるロックスターのライブの最中なわけで。それは心拍数も上がるというものだ。

会場のどこからか拍手が巻き起こる。ビジョンに目をやると次のアクトの名前がビジョンに映し出されていた。

23時45分、吉井和哉
バンドメンバーがステージに登場し、それから少しばかり遅れてロックスターがいよいよステージへ。かなり長く伸びかけた金髪、白いフリルのついたシャツに白ジャケット、赤のパンツはキラッキラだ。
会場の声援に答えつつ、センターのマイクまでゆっくりと歩いていく。
「今日は精一杯最高のライブをやって、この会場を愛で一杯にします!最高の年越しにすることを誓います」
大声援に包まれ、それをがっちりと受け止める吉井。いきなりビジョンにKREVAが登場すると言う奇を衒った演出で会場を掌握したツアーのときより、余裕と貫禄が感じられるライブスタートだ。
背負ったロックスターという稼業を真っ当する覚悟と、それを貫けるだけの楽曲を手に入れた、という確信があるんだろう。
1曲目はALL BY LOVE。軽やかなアコギで始まり、たゆたうようなAメロから歌の持つグルーヴを一気に爆発させていく、スケール感の大きなミディアムロックチューン。
続いてはWEEKENDER。イントロのギターから一気に湧き上がる会場。この夏のロック・フェスのために作られたようなライブの高揚感を歌った爽快なロックチューンは早くもリスナーの熱い支持を集めていた。音源よりさらに疾走感を増す演奏が心地よすぎる。
「またギンギラギンになっちゃっててすいません!でもいま日本でこれができるの俺しかいないんです」
まったくそのとおり。というか、あなたがやらなきゃ誰がやるんだ。
そこにあのイントロが鳴り響く。
「あと7分で年が変わるぞー! 俺と君たちの、新しい旅立ちへの、FINAL COUNTDOWN!」
そしてFINAL COUNTDOWNへ! もう会場は爆発的な盛り上がり。イントロからしてスケールの大きな高揚感を持ったスタジアムロックは、つまり誰も置いてかない完璧でホットなロックショウだ。曲途中からステージ後方のビジョンには年越しへのカウントダウンが始まる。
そして1分を切ったころ曲が終わり、吉井の呼び込みですっかり普段着モードでKREVAがステージへ。片手にはシャンパンを。
KREVAと肩を組み、仲良さげにじゃれる吉井。そんな感じでいつのまにか10秒前くらいになりそこから会場全体で慌ててカウントダウン。
ゼロの瞬間、特効の花火が弾け、目がくらむ。スクリーンにはHAPPY NEW YEAR 2007の文字が。会場全体が湧き上がる中、演奏がスタート。
2007年最初に鳴った音はLOVE LOVE SHOW。シニカルで斜に構えているのにどこか夢見がちな、まさに吉井節な歌詞が最高にポップなメロとアレンジに包み込まれたイエローモンキーの名曲は、もう披露してくれることへの驚きはなくとも、掛け値なしに素晴らしい。とにかく曲の持つ力が圧倒的。
「あなたの~馬!」と叫び、四つん這いになり「乗りなはれ!乗りなはれ!」と言いながら自分の尻をペチペチと叩く吉井は間違いなく最強のロックスターであり、華麗なるパフォーマーである。
怒号のような歓声と拍手が鳴り止まない。凄い年の越しかただ。
「無事、年も越せたので、ここから少しゆったりといかせてもらいます」
とアコギを構えての一言から始まったのは人それぞれのマイウェイ。僕はこの曲のイントロがたまらなく好きだ。演奏そのものが歌っているように感じられ、淡々としているのに心地よくグルーヴィー。言葉的にも現在の吉井の気分がナチュラルに反映されている感じがする名曲。
次もゆったりかなと思っていたらいきなり黄金バッド。イントロのギターリフからじわりじわりと熱を上げていき、歌メロの温度が時間の経過の中で気持ちよく上がっていく。ステージ後方のスクリーンにはワンマンツアーと同様の映像がこの辺から入り始める。
そしてさらにギアを上げて39108最速の爆発ロックチューン、Hold Me Tightへ。つんのめり気味の爆裂ドラムとそこにゆったりと後ろ乗りで、といっても凄い疾走感で放射されていく吉井の歌唱が素晴らしすぎる。
39108はこれまでと違うベクトルとして、アコギメインの歌モノとこの吉井流ガレージというか吉井流パンクとでもいうべき新しい型が産まれていて、しかも音源以上にステージ上のほうが完成されているところが、凄まじい。
「凄くいろんなことを思い、考えていた時期があって、そんなYOSHIILOVINSONくんの歌を歌いたいと思います。・・・コール・・・ミー」
少しここ数年を振り返るようなMCがあった後、こんな言葉のあとCALL MEへ。この人の作品にはイントロからして魔法がかかっている曲が多数あるけれど、この曲もイントロが鳴った瞬間の世界の変わりようが凄まじい。理屈じゃなく、比喩でもなく、世界が変わる。底なしのディープネスと悲しすぎる「CALL ME」という悲痛な叫びのような願い。
続いてバンドははけて、吉井の弾語りによるTALIへ。けっして手足れた演奏ではないけれど、歌の持つメッセージをとてもクリアに伝える吉井の弾語りは、その場の磁場を完全に支配してしまう。「みんな仲良くね」という曲間の語りも、スクリーンのモノクロのPV映像と相まって、大きな意味を感じさせた。
「このフェスのためにカバー曲を用意してきました!東芝EMIに捧げます」
といって、アップテンポな演奏が始まる。誰もがめちゃくちゃ聞き馴染みのあるこのコード、このメロディ、なんとビートルズのイエスタデイの吉井によるスペシャル和訳バージョン。ツアーで披露されたPaint it blackといい、この曲といい、選曲も和訳もパフォーマンスも最高にいい。これだけでも十分商売になりそうな吉井の才能が怖い怖い。
そして曲頭の会場全体での合唱からバラ色の日々へ。泥臭くも美しい僕らの人生賛歌のこの合唱は自由をテーマにするロック・フェスには似つかわしくないくらいに連帯的で、ある意味旧時代の価値観かもしれない。まあだからどうしたという話。最高じゃないか。
そしてあの耳馴染んだきらめくようなイントロが鳴る。まさかまさかのパールだ。しかもツアーのスロウでジャジーなアレンジではなく、原曲そのままのバンドアレンジ。きらめきながら疾走するサウンドと叫ぶような歌メロがたまらなくかっこいい珠玉のロックチューン。
もうとにかく会場の熱気が凄まじかった。最高なパフォーマンスと絶妙な演出と快適なサウンドと様々な方向に感情を揺さぶる名曲たち。
下世話な話、コストパフォーマンスが高すぎるわけで。
そしてBLACK COOK'S HORSE。最新型吉井のガレージ・パンクモードにスタジアムロックなスケール感も付加したような高速ロックチューン。ため息も出ない。
そして何度か会場へ感謝の言葉を放ち、
「今年もたくさんの出会いと別れがあって、来年もたくさんの出会いと別れがあると思うんだけど・・・。突き進んでいきたいと思います」
的なちょっと感動的なことを話すのだけど、前方の観客から「今年!今年!」と突っ込まれ、苦笑。
「ごめんね~。もうボケが始まってんだよ(笑)」
というようなやりとりがあり、本編ラストはBELIEVE。悲喜こもごもの日常・人生をフラットに見つめながら確かな確信を持って明日を見つめるミディアムバラッドでライブ終了。

熱い熱いアンコールに答えて演奏されたのは楽園
これで盛り上がらないなんてことがあるんだろうか、いやない(即答)。
最後まで素晴らしいサプライズな名曲で、とんでもないロックショウの熱は上がりっぱなしのままライブ終了。それと同時にこのフェスのカウントダウンライブも終了。

いやもう、最高。最高以外の何者でもない。
現在進行形で進化しているロックスターの、とにかく高品質で高濃度な珠玉のライブだったと思う。
名曲だらけなんだけど、それぞれの曲の持つ魅力がどれもこれも別の方向へベクトルが振りきれていて、1曲1曲がまったく別の気持ちいいツボを次々に押してくれているような快楽。
その振れ幅は吉井のミュージシャンライフの紆余曲折にも密接に影響しているわけだけど、それだけのダイナミックな精神や状況の変遷を経て、今の彼のライブを観ているとこれまでのキャリアの全てを肯定できるように感じられるし、吉井自身がどの楽曲も愛せているように思えるし、それでいて新しい音や世界観への飛躍的な成長も感じられる、という40歳のロック・ミュージシャンにとってこれ以上あるのか、と思うくらい最高の状態なのだと感じた。
しかもその作品群がこれだけ多くの観客に熱く受け入れられていることが素晴らしいと思うし、この人のいるべき場所はそこにしかないんだな、と印象を改めて強く感じた。

次の作品はいったいどうなるんだろう。次のライブはどう進化するんだろう。
楽しみに待ちたい。いや、待てない。

といったところでフェス終了。もう凄い眠かった。1時過ぎまでライブ観ることなんてまずないもんなー。
多分、オールナイトライブとか自分には無理なのではなかろうか、と考えつつ明日に備えいそいそとホテルへ。
[PR]
by kngordinaries | 2007-01-13 03:29 | ライブ


<< アナログフィッシュ、対バンツア... COUNTDOWN JAPAN... >>