100s 百来来!!!!!! ダイアモンドホール
100sのワンマンライブ、もうそれ自体がとても貴重なものだ。中村一義名義だった2002年の博愛博、2005年のTour Of OZ、そしてそれから1年半ぶりとなるまだ3度目のツアー”百来来!!!!!!”。

そして100sのライブといえば、他の幾多のライブとはまた異なるものになっていて、どうしてもそこでしか味わえないものがある特別なものだ。
それはツアー自体が希少なものであることも一因だろうけれど、その楽曲や作品がそれだけ熱い想いをもってリスナーに聴き込まれているからだと思う。

そんなこんなもあり、2年半ぶりの新作「ALL!!!!!!」のとんでもない名盤っぷりもあり、異常なほど期待を高めつつ、梅雨の大雨のなか会場へ向かう。

ダイアモンドホールにしては珍しく早い番号だったので、早々に会場に入るとすぐにフロアへ。
ステージセットはそこここにお祭っぽい赤い提灯が吊り下げられていて賑やかだ。ステージ背後には「ALL!!!!!!」のジャケのデザインがでかでかとある。
中央より少し豊夢、まっちぃよりの5列目くらいに陣取り開演を待つことに。

開演時間を5分ほど過ぎて、ライブは始まった。


※この先、ツアー中のライブについて思いっきりネタバレしてます。ご注意ください。あと個人の記憶なので事実と異なる部分が多々ありそうですが、ご容赦ください。






客電が落ちてフロアが大歓声に包まれる中、「ニンニキニキニキ・・・♪」という軽快でファンキーな音楽に乗って100sのメンバーが登場!前回観たCDJでの登場のガンバの大冒険と同様、意表を突いていてしかもこれっぽっちも厳かさがない。

最後に中村一義が登場し、最前エリアがもう大変な状態になっているなか、メンバーはそれぞれにゆっくりと楽器のセッティングを。そして。

「で―――――――――!!」
の中村くんの歌い出しから「ALL!!!!!!」の曲順同様、そうさ世界はでライブはスタート。フロアの歓喜が一気に爆発していきなりのモッシュ状態。もみくちゃになりながらもこの音をここでこれだけの熱量で迎える観客の中で聴けることが嬉しくてしょうがない。
変わらない日常の生活の流れと変わり行く環境の変化を歌ったこの切ないポップチューンは、やっぱりこのツアーの1曲目じゃなくちゃいけない。
「名古屋久しぶりー!最初から凄いな!楽しんでってください!次は・・・希望!!」
と中村一義の短い挨拶から矢つぎばやに希望へ。さらにさらに熱量を増すフロアはもう大変なことに。キラキラと輝くようなサウンドとめくるめく飛翔感のなかで、勢いを増すサウンドとポップなメロディとその強靭で優しいメッセージが全身に浴びせられるようなダイレクトな感覚。これが「ALL!!!!!!」に共通する開放感なんだと感じた。

ぐっしょり、天気雨、浴びたその後に、同じここを去る者の理由に、
ぐっしょり、天気雨、虹の彼方に、同じここを行く手に触れるまで。

そしてここで池ちゃんのアジテーションが炸裂。この人の発する言葉はほんとにファンク精神の塊みたいで無理にでもアガってしまうし笑ってしまう。その流れでバーストレインへ。
ここで前作「OZ」からのライブ最強のパワーポップチューンが鳴らされてはたまらない。
さらになぁ、未来でさらにさらに疾走するサウンド、躍動するステージ。特にセンターにいる中村くんのパフォーマンスは飛び跳ねたり髪を振り乱したり、メンバーの音に100%乗っかって思いっきり楽曲を表現しているようで、凄かった。
早くもヘロヘロになりながらも思いっきり盛り上がり最初のバースは終了。

フロアとともにステージのメンバーもヘロヘロな状態であることを動きでアピール。
「最初っからお前ら凄すぎだよ!」
などとまっちぃが繰り返しフロアに毒をはく。まっちぃから耳打ちされた小野ちゃんによると、まっちぃは普段滅多に汗をかかない体質なのだけどこないだの広島公演で初めて汗をかき、今回はすでにそれ以上に汗をかいているらしい。
中村くんもフラフラとステージをさまよったり、確かに異常な熱気と盛り上がりがライブ空間を支配してるよう。

シンガロングで続いてのバースがスタート。このどっしりとしたミディアムチューンの悲哀と願いの大きさはとてつもない。「デストロイ!」と叫ぶ中村くんの想いが胸に突き刺さる。届くように届くようにと、会場を見つめ指差しながら、彼方の誰かにもきっと届くんだと強い確信を持って歌われるレクイエムのようでも応援歌のようでもある、もう人生歌としか言えないような大きな歌。
そしてここでギターのカッティングからちょっとしたインプが。4つ打ちっぽい音ながらQ&Aって感じでもないなーと思っていたら、なんとHoneycom.were!!
途端に湧き起こる歓声、波打つフロア。前回のツアーではキング牧師の演説から厳かに鳴っていたこの曲がここではガッチリとより強靭になったバンドサウンドで最高のダンスチューンとして鳴り響いていた。
さらにそこからグラデーションのようにリズムが繋がったまま、Q&Aへ!サウンド的にはハニコムの進化形とも言える爽快なダンスポップチューン。ユーモアとアイロニーと哲学が入り混じった歌詞も中村一義らしくありつつ、より簡潔にポップな感触を持っていて素晴らしい。
そのくらいじゃ、プライドじゃないよ。
そのくらいじゃ、微妙、微妙だ。
言うなれば、それは絶望だ。
負けなきゃね、痛みもわかんねぇ。
そして、勝たなきゃね、孤独もわかんねぇ。

ここで、少し間が開いたと思う。そしてセッション風のやりとりから少しづつ音が作られていき、Aへ。
このソリッドなライブアンセムにもうフロアの熱量は最高潮へ。サビの大合唱ももうぐしゃぐしゃな盛り上がり。
そしてここでまんまる!!「ALL!!!!!!!」の中でもっともお祭的爆発感を持った音源の時点で最強のライブチューンと確信していたこの1曲がついにここで鳴らされてしまったとあっては、もうお手上げ。「グッデイ」といいこの曲といい、100sのこうした突き抜けた楽曲にはほんと弱いです。
この聴く者全てを、というか演者自身をも鼓舞する底なしのポジティビティの爆発こそが「ALL!!!!!!」という作品のダイナミズムの核だと思う。その爆発の燃料となっている表立っては表現されていない絶望や忘却や喪失といったブルースとしか言いようのない感覚もきっちり内包しているし、そのリアルな感触も端々に生々しくあるところがこのアルバムを単にパーティーなアルバムにしていないのだとも思う。

またか!?分かる?なにかのメッセージ。
まさか、上に?全員が空を見だす。

「たまや、かぎや!」声にビビり、
「よ!たまや、かぎや!」・・・っつうか、もう・・・おぉ・・・。

イェス!巨大なまんまる。花火だ、まんまる。
たまや、かぎや、言いな。ビビんなって。
たまには、ブルースも笑って。

笑って、笑って!


ここで2度目のMC。ここでも何度もこの異常なくらいの盛り上がりに対する驚きのコメントがメンバーから飛び出していたと思う。
ほんと、個人的にもパンクとかダンスなバンドでないライブで、こんなにも盛り上がるライブは初めてだ。100sのライブはいつも特別な高揚感や多幸感に溢れているように思うけれど、こんなにも肉体的というか本能的な躍動感があるのは初めてな気がする。

続いてはあの荒野に花束を
イントロだけで胸が締め付けられるような切なくも感動的な構成のミディアムバラッド。この感傷の向こうに作者である中村一義がどういう決意を込めたのかははっきりとは分からない。ただ、そこがはっきりと描かれていないことで、この曲はなにかとの別離による新たな一歩、という普遍的なテーマを大きく歪な塊のまんま聴き手へと投げられ、そして胸を焦がす。
これまでの盛り上がりが嘘のようにシンと静まり返り、息を飲んでステージに集中するフロア。
わがままに、わがままに、
わがまま懲りず、いろんなフレーズに会いたい。
さよなら、バイバイ。You,Here.
あの街に、あの路地に、
誰もが絶えず、唄ったステージはもう無い。
できるか?バイバイ。行くのだ、バイバイ。

あの荒野に花束を。

そしてつたえるよ。輝くようなキーボードのイントロの一音から鳥肌が立つ。この曲が特に表していると思うけれど、100sの表現は縦軸と横軸がときに歴史的宇宙的な広がりを持ち同時にもの凄く日常的な尺度も持つ不思議なスケール感を有している。そんな視点からのメッセージだから、信用に足るのだと僕は思う。そうじゃないとリアルに受け取れない時代なのだとも思う。
そしてこの2曲にフロアが大きな余韻に浸る中、しばらく音が止むステージ。何度か水分補給し、汗を拭きながら気持ちを整えているような中村。
そして蘇州夜曲。まっちぃの伴奏一本で中村くんの突き抜けるようなハイトーンボイスで唄い出され、ちょっとばかり危うげながら最後まで唄いきられると、会場全体から大きな拍手が湧き起こる。
そしてざっくりとしたバンドサウンドが一気に放たれる。もうこの曲しかないだろう。ももとせ
バンドに指揮をとるように身振り手振りする中村。「泣くな」「行こう」「咲くぞ」「笑え」といったこの曲が持つ、どシンプルな感情の結晶のような究極の言葉をメロディを逸脱して叫ぶ中村。今この時代にここまでてらいのないまっすぐなメッセージをまっすぐに全身全霊でぶつけられる表現者が他にいるだろうか。この曲の強さやこの曲の優しさやこの曲のもつ大きさは、計り知れない。
後半、「ラララ」の大合唱を、中村はもうあり得ないテンションで煽り、狂ったように音頭を取って絶叫にちかい熱唱をしていた。ただ、こういう曲にありがちなライブ仕様にして何度も何度も繰り返すことはなく、音源と変わらない回数であっさりと切り上げてもいた。それがとてもよかった。
そして何度かありがとう、という言葉を発して本編最後の曲もしこのままへ。
日常のほんの一瞬のとても幸せでとても強い願いを持った感情を、そのまま音楽にしたような素直で普遍的で感覚的な心に直接訴えるようなミディアムバラッド。大きな大きな感動に包まれて本編は終了。
ステージを去っていくメンバに惜しみない拍手が送られ続けた。

そして熱いアンコールの拍手に導かれてメンバーが再びステージへ。
「アンコールありがとう!特別な曲を披露しようと思います。メンバーの中でまっちぃとあと池ちゃんがレキシというソロ活動をやっているんだけど、その曲には100sも全員参加しているので、それを披露しようかなと」
というような中村くんの説明にまっちぃが
「ソロというならね、この人(中村)にもやってもらわないとね。なんか10周年らしいし」
との言葉に会場から大拍手。照れる中村。
「10年もやってるって、なんか妖怪みたいじゃん。・・・(いきなり思いついたように)鬼太郎は俺のほうが絶対あってると思うんだよね!」
会場大拍手&爆笑。
という展開があって、
「ではデビュー曲の犬と猫を」
ということで、なんと犬と猫
もうなんと言ったらいいか。まさかここで再び犬と猫が聴けるとは!「僕として僕は行く」「のんびりと僕は行く」と歌う中村一義のデビュー曲は、いまだに古びないオリジナリティと、リスナーにとっての大切な1曲としての熱量を真空パックしたかのように保ち続けている。
そしてまっちぃソロからクラシック。中村は椅子に座ってコーラス担当。ギターロックでありつつ、繊細で美しい世界観のある楽曲だった。
そしてレキシからはGood bye ちょんまげ。もう冒頭からハンドマイクで中央に出てきたレキシこと池ちゃんのパフォーマンスが素晴らしすぎる。観客に手振りつきで「マゲ!」と繰り返させたり、レキシネームでのメンバー紹介があったり。100sの演奏もとてもファンキーなのりに溢れていて、正直ここでまた最高潮の盛り上がりだった気がする。しかし3曲分くらいの時間は「マゲ!」をやっていたような・・・。
そしてアンコール1回目のラストはいきるもの。ここでも池ちゃんのクラップ指南が熱い熱い。もうフロアは爆発的盛り上がり。ステージはキラキラとまばゆく開放的な空気が会場を包み込む。とんでもない熱狂の中、アンコールは終了。

と2度目の熱いアンコールの拍手が湧き起こり始めてすぐにメンバーがステージに!
「1曲やり忘れちゃったよ!」
と芝居がかった演出が江戸っ子の中村くんらしい。
この前振りで誰もが次の曲がなにか、ピンと来ないはずがない。演奏前から異様な盛り上がりのなか、キャノンボールのイントロが鳴る。
問答無用、大胆不敵、空前絶後の大ロック・アンセムであり最強ライブチューンであり、そのいつまでも純粋な破壊力を持つメッセージに心を撃ちぬかれる劇的な名曲だ。
「一緒に歌ってください!」
という中村の煽りもあって、場内はもの凄い大合唱がこだまする。凄まじい熱量。どれだけこの曲が多くの人の心の支えになっているかがもう丸分かり。フロアの大合唱を仁王立ちで一身に受け楽しそうに歌う中村。素晴らしい光景だった。
めちゃくちゃな盛り上がりで、ここで本当にライブ終了。もうくたくただ。


凄かった。
掛け値なしに最高のライブだった。「ALL!!!!!!」の曲たちはライブでより一層その威力を増していたし、100sの演奏やパフォーマンス自体もOZ以前に比べて確実にレベルアップしていた。
というか、もう表現の方向性が全然違う。もの凄くダイレクトで、ほとんど捨て身の大胆さで、かっこ悪いくらいに全てを出しきる、めちゃくちゃ青臭くも感動的なライブになっていた。
レキシに顕著なように、本当にもう楽しんだもの勝ちだ!というようなさっぱりとした江戸っ子感覚。

それでいて、そんなライブのクライマックスは「ももとせ」であり、「もしこのまま」なわけで、てやんでい、涙が出らあ、とでも言いたくなる粋なものだった。

なんかもう、開けた。完全にぶち破って彼方まで飛翔していっているような感じ。
このライブツアーと夏のロックフェス以降は、またどう活動していくのか分からないバンドなのだけど、(多少希望的ながら)次のアクションは意外と早いことをなんだか確信してしまった。
もう100sはまんまるだ!(意味不明)
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by kngordinaries | 2007-07-03 00:04 | ライブ


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