ROCK IN JAPAN FES.2007 1日目 その1
行くまでの道中、何度も強い通り雨が車の窓を叩いた。
台風が直撃とはいかなそうだけれど通過するということで、かなり不安定な空模様。ただそれがあの暑さをうまくやわらげてくれるとありがたいなと思いつつ会場へ。

見慣れた会場、ひたちなか海浜公園が近づくに連れ、フェス気分が高まっていく。
思えば、これで5年連続、全日参加は3年連続だったか。と書くともの凄い常連感が漂うけれど、ライブばかり観まくっていて、そんなに会場中の色んな楽しみ方を知っているわけでもない。

翼のゲートを通過しリストバンドを装着してまずはGRASS STAGEを目指す。
途中、SOUND OF FORESTの一発目、キャプテンストライダムの音が風に流れて聴こえてくる。ライブ前半だろうに、なんとマウンテン・ア・ゴーゴー!「山のようにみえる~♪」を合唱しないとELLEGARDENみせねえぞ的なことを言っているのが聴こえてきた。口ずさみながらGRASSへ。

GOODS売り場の大盛況っぷりを眺め、グッズ購入は後回しにしようかなどと考えてフラフラしていると、ステージから出囃子が聞こえる。開始の挨拶こと総合プロデューサー渋谷陽一の朝礼だ。
挨拶を聴きながらGRASS STAGEが見える位置まで行くとステージ後方のビジョンにちゃんと「朝礼」と出ていた。
まず台風の不安な状況について、このフェスが毎年巨大化しながらフェスとしていまもなお大きく変化していること、今年の動員が49000人にものぼること、等を話したあと、昨年のサンボマスターのライブ後のエピソードを語っていた。
そして最初のアーティストを紹介し、ついにGRASS STAGEのアクトがスタート。

11時ごろ、木村カエラ
1曲目はL.drunk、軽快だけど重厚なバンドサウンドに優しいボーカルが乗って、一気にGRASSの草原の熱を上げていく。さらにイントロから大歓声があがるTREE CLIMBERSで一気に疾走するサウンドとボーカル。さらには代表曲リルラリルハと最初からもう出し惜しみのない構成が楽しすぎる。
簡単なMCを挟んで新曲Samanthaへ。噛んで含むように歌い聞かすAメロBメロから激情が溢れ大きな願いを唱えるサビへと飛翔するロックチューン。作品ごとにメッセージを強靭にしていってるこの人のちょっと決定版的1曲だと思う。
さらにワニと小鳥。最新アルバム「Scratch」の中でも異色なミディアムチューンは、その童話的歌詞世界とNIRGILISによる浮遊する音世界によって、なんともいえない情感が溢れ出す作品になっている。
このあたりのゆったりとしながらメロディの強い楽曲は、野外フェスの大会場、つまりは音響がいいとはいえず大味でしか音が伝わらない場でもよく届く。音楽として懐が深く浸透力が薄まらないのだ。
まだアクトは途中ながらこの辺で、LAKEへ移動を開始。
音楽的にも存在的にも、先鋭的な部分もありつつ徐々に丸みを帯びてよりポップな存在に変化して続けてきている木村カエラが感じられるライブだった。「Scratch」「Samantha」以降はさらに加速して凄いことになっていく予感をさせた。
なにしろGRASSがよく似合っていた。

LAKE STAGEに到着すると、まずはその人の少なさに驚く。開演10分前でこの状況はどうなんだろうと思いつつ、するすると最前ゾーンへ。
11時50分、GRAPEVINE
1曲目にいきなりFLY!じわりじわりとテンションとグルーヴを高めていく展開と田中のシャウトで一気に熱を上げていくステージ。
さらにI must be highでその極太で揺るぎないロックンロールを全開にしていく。
「どうもバインです!」
とどこか不機嫌な成分を含んだいつもの声色で田中が口を開く。
「もうなんか、毎年こっちでやっていて、レイクの番人みたいになってますけども」
とこれも毎年恒例の皮肉交じりのステージネタを。
「ここから真昼が似合わない感じになってきますけど、ついてきてください」
的なことを言って、指先へ。今年2月の作品なのだけど、異様なくらいに定番曲の様相を呈したこのバンドの超王道のミディアムチューン。さらにインダストリアルと、宣言どおり真昼のステージとは思えないメロウネスとセクシーなグルーヴで押していく展開か、と思いきやノイズがピリピリと響き始め次第にキーボードのあの静かなイントロへと変化し歓声が上がりバイン史上最強ともいえるロックチューン豚の皿が炸裂。重厚で馬力のある強靭な演奏とダイナミックでドラマチックな曲展開、田中のボーカリストとしての開眼もこの曲の時期だったと思う。ちょっと久々に聞いたけれどやっぱり圧巻。
さらにCOME ON、ラストにはその未来もう一度ギアを上げ圧倒的なロックンロールライブはここで終了。
田中には悪いけど(?)、やっぱりLAKE STAGEがよく似合う。セットリストはここ最近の作品からばかりのチョイスで、今のバンドの状態に大きな自信を持っていることが伝わってくるステージだった。
ただ、2年前のRIJくらいから感じられたスリリングな成長期は越えて、かなり落ち着いた安定期になってきている感じもした。鉄壁のグルーヴを手に入れて、楽曲的にも「指先」で螺旋を描いて新たな王道に到達した感があるこのバンドの今後がますます楽しみ。

13時40分、100s
出囃子にまずは絶句、チャラララ~ンというどこかで聞いたことのある懐かしい旋律が聞こえてきたと思ったら「わたくし生まれも育ちも葛飾・柴又~」というあの寅さんの名ゼリフがひたちなかに響き渡る。場内から大歓声&笑いが捲き起こり、100sの面々がステージに登場。その足取りも異様なくらいに軽やかで、中村くんはステージセンターに立つとマイクスタンドが「それを軸にしてジャンプしやすいかどうか」チェックに余念がなくピョンピョンと跳ね回っている。
そして。
「ど――おお~♪」
というGRASSを突き抜けるような第1声から10年前の中村一義デビューシングルである犬と猫でライブスタート!いきなり爆発的な歓喜に包まれる波打つ会場。大きなうねりがGRASS全体を包む。
「僕として僕は行く」という簡潔にして革新的なフレーズはその独特な心地よさを持つメロディとともに今も新鮮に心の核心を射抜くエネルギーに満ち溢れている。
さらに続いては希望!夏の青空をどこまでも駆け上がっていくような爽快なバンドサウンドが響き渡る。バンドがなんのてらいもなくこのステージに全てをぶつけようとしているのがヒシヒシと伝わる、出し惜しみない強気の冒頭2曲に嬉しくなる。
さらに池ちゃんが激を飛ばしながら会場に手拍子が広がっていき、バーストレイン。爽やかなギターロックが炸裂するアップチューンはこの場に激ハマリ。熱い会場の温度をさらにさらに上げていく。
「100sです!楽しんでるか!俺ら今日は出しきっていくからみんなも楽しんでくれよ!中途半端じゃだめだぞ!俺たちも本気で伝えるから、本気で楽しんでってくれ!」
って、もう博愛博のときのボソッと発しては照れ隠しで笑っていたあのシャイなシンガーソングライターは何処へというMC。彼のような繊細で微妙なメッセージを有したアーティストがフェスという場でここまでざっくりと大きく言葉を放てるなんて、「OZ」「ALL!!!!!!」で実った果実はとんでもないものがある、と今さらながら思った。
続いてはHoneycom.Ware、「ALL!!!!!!」ツアーで機能的なダンスチューンとして生まれ変わったこの曲が軽やかに会場を乗せていく。
さらにA!最強のライブアンセムにうねるように波打つ観客、掲げられる腕。
本当にあまりにも出し惜しみない本気のセットリスト。100sというバンドが完全に打って出る体勢が整っている証拠だろう。
「知ってる人は一緒に歌ってください!!」
との一言で始まったのは、ももとせ。イントロの力強い音だけで胸が熱くなる。「ALL!!!!!!」の中心に位置するどこまでも雄大で優しい名曲。絶唱と形容したくなるくらい中村くんのボーカルが凄まじい。この1曲に込められたどうしようもなく熱い想いがビリビリと伝わってくる。
後半「ららら」の大合唱部分ではもう壊れたようなテンションで会場の音頭を身振り手振りで取り、歌い上げたあとは笑い転げてステージに寝転がってしまった。
少しの沈黙のあと、奏でられた曲はなんと1,2,3!!またとんでもなく嬉しい選曲ではあるのだけど、正直あの絶唱のあとでボーカルは大丈夫かとも思った。案の定、少々フラついて力が入っていなかった。この曲順は無茶だよなー。
しかし、やっぱりこの曲も魔法がかったような引力を持つとてつもない1曲だ。大サビのうねるようなメロディ展開から「そう!」というシャウトから再びギターが空気を切り裂くその瞬間のダイナミズムたるや、圧倒的。
さらにいきるもの!もうほんとに無茶。そうとしか言えない。限界を超えてる。そんな超アップチューンで、ボーカルのへたりつつもひたむきな歌声とファンク魂炸裂のアフロキーボーディストのアジテーション&クラップ指南でGRASS STAGEを熱狂の渦へと誘っていく。
ラストは当然キャノンボール。このバンドがこの曲とともにこの場所で産まれた、というそんなドラマチックなエピソードがあってもなくても、この広大なGRASS STAGEの隅から隅まで「僕は死ぬように生きていたくはない」という重く強いメッセージは十分な威力を発揮して、そのしなやかに高揚するサウンドとともに会場に行き渡っていたと思う。
いやもう、圧巻。野心溢れる最強のセットリストといい、「ALL!!!!!!」ツアーよりさらに進化した中村一義のテンションとパフォーマンスといい、今の100sは本当に強い。
もう中村くんのパフォーマンスなんて、これまでの客席に向けて手をかざしたり指差したりや、がに股仁王立ちや、ステージを左右に軽やかにステップしていく動きとか、そんな見栄えのいいものではなく、もう歌舞伎の見得を切るような感じというか、芸人がおちゃらけたポーズを取るときのあの片足立ちで手を広げてるポーズというか、全身で表現した結果かぎりなくコミカルになってしまう一部のロックスターに見られるある種の到達点まで行ってしまっていた。いいか悪いかは別として。
このバンドの楽曲のクオリティは、このフェスの出演陣の中でみても非常に高いものがあると思うけれど、パフォーマンスのテンションやアティチュードの熱の高さも他に負けないものなんじゃないかと感じた。
あーもう、8/25を最後にまたしばらく休憩期間となるのだろうけど、これだけの熱量を放射していたらそれも当然なのだろうけど、絶対次に向けて早くスタートを切ってほしい。

100sライブの興奮がおさまらないなか、次のアクトに向けて移動を開始。
続いては、明らかに人気とステージが見合ってなさすぎるあのアーティスト。



というところで長くなってきたので次回に続きます。
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by kngordinaries | 2007-08-11 03:41 | ライブ


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