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N2B FESTIVAL MUTATION
オールナイトライブイベントへの参加は多分初めて。
the ARROWS主催のイベントということも含めてどんな雰囲気のライブイベントなのか、行く前から予測がつかない感じがして楽しみだった。

会場はダイアモンドホール。
開場時間の18時を少し過ぎて到着すると、10時間の長丁場だからかほとんど行列なし。階段には50人足らずの人が整理番号順に呼ばれるのを待っていたのだけど、凄いスピードでスタッフの方が番号を進めていっても、この人数なので全然人が入っていかない。
結局300番くらいまでいったところで「じゃあ、もうあとは全員入っちゃってください!」の声に、爆笑。

会場内はライブフロア以外も少々チープな手作り感溢れる装飾がされていて、さながらホームパーティーや学園祭の雰囲気。フードもあるし、ロビーには小さなステージもあり。
フロアに入ると公式サイトの会場イメージで気になっていた人工芝ゾーンがお出迎え。すでにDJのプレイが始まっていたので、そこに座って開演を待つ。来るまでは人工芝ゾーンの意味合いがよく分からずにいたのだけど、座ってみて納得した。長丁場のイベント、座ってライブを観られるエリアがある程度ないと、絶対持たない。実際ダイアモンドでやるわりと長めのイベントRe:mixでは中盤以降多数の観客がフロアに座り込んでるし。

19時15分ごろ、オオヤユウスケ
Polarisもオハナもよく知らないので、どんなライブなのか検討もつかなかった。開演直前から徐々に増え始めたお客さんはそれでもまだ200~300人というところ。
人工芝エリアで足を伸ばして座りながらでもステージがよく観えて、それがとても気持ちいい。
オオヤくん、一人で登場して椅子に腰掛ける。バンドはいない。
弾語りスタイルかと思ったらリズムボックスやらを駆使して同期して演奏という感じだった。カバー曲やPolarisの曲も織り交ぜ、優しく穏やかな歌声と演奏で楽しませてくれる。
後半、YUKIのjoyをカバーしてくれたのが、とてもよかった。
2時ごろにも再度登場するようなことをほのめかしていた。

ライブが終わるとすぐにフロア後方のDJブースでTSURUのプレイが始まる。
一昨年くらいのOTODAMAも隣接した2ステージが隙間なく爆音を出し続けていたけど、個人的にはこの形式はちょっと苦手です。耳が休まらない。

さていよいよ次はGOING UNDER GROUND。
この時点でもフロアは緩やかな密度でも埋まりきってない感じで、つまり彼らのワンマンよりも少なくとても観やすくていい感じだった。
人工芝ゾーンから立ち上がって、前に出ていくとナカザ側の2列目まで苦もなく行けてしまった。

20時20分ごろ、GOING UNDER GROUND
1曲目はいきなり新曲!疾走感のあるアップチューン。ここ最近のポップ感重視の曲調とは違い新鮮な感じがする。
2曲目はステップ!このイベントの雰囲気に激ハマリなノリノリのダンスチューンで一気にフロアの熱を上げていく。
そして3曲目は・・・聴きなれないイントロ、これはまた新曲かな、と思って聴きすすめていくと、なんとなく聞覚えのある曲・・・ん!? ・・・こ、これは、イージュー★ライダーだ!最前ゾーンでたった1人拳を上げる痛いOTファンが約1名(自分)。
歌い出しの松本素生の歌声がハマリすぎてて素晴らしい。「青春とは」とか「日々とは」みたいなところがこの名曲のテーマであるところなんだろうけど、このバンドのテーマもきっとそれなんだよな、と思う。ハマリすぎ。トリビュートが楽しみすぎる。
この辺でMC。
「このイベントのTシャツがあるじゃん。あの、いま素生とかよういっさんが着てるやつ」
とナカザが話し始める。「それがさ――」
「いいでしょ、これ。でもこれ今着てるのXLだからね」
とナカザをさえぎるように松本素生。観客笑。
「・・・あれだよね。意外とサイズの話とかしたがるよね。これさ、最初見たとき『I LOVE SO』に見えちゃってさ。見えるよね?(観客に向けて)」
口々に答える観客。ちなみに本当は「U LOVE ME,SO I LOVE U」と書いてあるやつでした。
「まぁ、そういう意味も込められてんだろうね。愛されキャラだからね、基本的に」
とシレッと語る松本素生。
「っていうかさ、Tシャツの着方もいろいろあるよね。よういっさんみたいに首のとこダラダラしてみたり」
観客爆笑。基本的にライブTシャツは首元がきっちり窮屈にできてるはずなのに、今日初めて着ただろうに、彼の首元はいつもの衣装と変わらずダルダルでした。ポリシーか・・・。
続いても新曲トレイン。疾走感溢れる爽やかなアップチューン。この曲で特に感じたけれど、ここ最近の新曲群には明らかにバンドの衝動感が鮮やかに甦ってきていると思う。瑞々しいけれど、初期にもどった感じではなく、新鮮な感触が確かにある。それって、最高だと思う。
そしてメタルジャガー。となると次はツアーの流れと一緒で愛をちょうだいなかな、との予想ははずれ、ナカザがメインボーカルをとるハードなロックチューンへ!これがナカザのロック★かな。ハードなサウンドと甘いボーカルのメリハリが効いていて、予想外に(←失礼)カッコいい!
続いても新曲のholiday。こちらはツアーでも披露されていたレゲエテイストのアップチューン。TUTTI、ハミングライフ以降の自由度を広げたスタンスが分かりやすく反映された1曲だと思う。よういっさんの先導で観客にタオルを振り回させるお約束も定番化していくと楽しそうだ。
ここで、少しの沈黙を置いて、鳴り始めたイントロはトワイライト!湧き起こる大歓声。
いつ聴いても、最初の歌い出しからテンポアップして疾走していく展開と、その中で紡がれていくストーリーに引き込まれる名曲。季節的にも完全にマッチしていた。
ラストは東京。リアルな都会に生きる青年の心象風景を描いたミディアムバラッド。ちょっと久しぶりに聴いたけれど、とても素晴らしかった。

ライブイベントなので、もっと代表曲を散りばめたセットになるかと思っていたけれど、完全に新曲中心の最新モードで攻めてきた印象。新曲群はどれも音楽的に幅広く遊びのある仕上がりであるだけでなく、熱い衝動感が感じられるものが多く、それが嬉しかった。
久しぶりのナカザ新曲もかなり手ごたえがあったし、「おやすみモンスター」はTUTTI,ハミングライフ/VISTAで一つの到達点に立ったバンドの新たなスタンダードになる新鮮でハイクオリティな作品になるんじゃないかという期待が高まった。とにもかくにも今後の展開が楽しみ。

ここで、ドリンクチケットを引換えに一度フロアから出る。
ロビーではthe ARROWSのギターがミニライブを披露中。少し鑑賞後、次のライブを観に再びフロアへ。

21時35分ごろ、tobaccojuice
先も長いので、ここも人工芝ゾーンで座ってゆったりと観賞。
彼らのライブを観るのは約3年ぶり。今池HUCK FINNにて初めてアナログフィッシュを観たときの対バン相手だったんだった。そのときはメンバーも3人でアコースティック編成、ブルースを基調としたスローからミディアムな曲調が多く、ときに戦争や死といった重くシリアスなテーマを歌っていたと思う。
が、今回のライブは印象がまるで違った。開放的で温かいバンドサウンドがピースフルな雰囲気をフロア全体に放射し、ニット帽を深くかぶったハンドマイクのボーカルがステージを端から端までくるくると踊りまわりながら放つ歌は、鋭い切れ味を持ちながらとても心地いい。
ステージがキラキラと輝いているような錯覚を起こす、とても爽快なライブだった。
アナログフィッシュがプッシュする理由もなんとなく分かった。特に下岡に通じるような時代の通底する気分を掬い上げる感覚があるんだと思う。
そして、とにかくダイアモンドのステージさえも、所狭しと動き回り、自由な動きで踊りまわりながら、歌うボーカルのステージングが素晴らしかった。ときにラップのように言葉を放射するスタイルもなんだか自由で新しい感覚。
ぜひとも音源をチェックしなければと思う。収穫だった。

続いては、松本素生によるDJ!
というか、tobaccojuiceのライブ中も準備のためか普通に目の前を何度も素生が横切っていたのだった。
DJブースの真横、松本素生からの距離約2mで踊る。近すぎる。普段のライブと違い、DJブースは高さもないため、異常な近さ。実物の松本素生はイメージより大きいことも小さいこともなかった。
もろレゲエな曲をかけたかと思えばブレイクビーツだったり、ヒップホップだったり、いろんなジャンルを縦横無尽にプレイしていく。
個人的にDJといえばハウスとかテクノとかのダンスミュージック系のDJかあとは邦楽ロックフェスでの邦楽ロックDJしか知らなかったので、こういった感じは新鮮だった。スクラッチ等の小技はなく、どちらかというとロックDJ的に曲を淡々と繋げてかけてるという印象。

続いてはステージ側でダイノジのDJ。
これは観ようか休憩しようか微妙なところだったのだけど、結局観て正解。
というか、観始めたら面白すぎて会場を離れるなんて出来るわけがない。
巷でも有名なエアギターからオアシスやGREENDAYといった洋楽ロックの超定番どころから、フジファブリック、Nirgilis、そして圧巻のthe ARROWSメドレーまで、とにかく全部がアゲアゲ。
掛け値なしに素晴らしいエンタテインメントだと思います。凄すぎる。
が、全く予定外なところで思いっきり体力を消耗してしまった・・・。まだここから長いのに。

ここで、夕食というか夜食休憩。
ちょっと耳を休めたかったので、会場を出て、そそくさとすませてもどる。

24時35分ごろ、NIRGILIS(club set)
club setということでアッチュとユキのみかと思いきや、クリも登場。しかもアッチュとユキの2人は新しいアー写のチャイナ風ないでたち。
超有名どころのダンスチューンとマッシュアップしながらTODAYsakuraアップデート、そして11月21日リリースの新体制第一弾シングル「Brand New Day」も披露してくれた。
バッキバキのビートがなり続けるハイテンションなライブだった。アッチュの壊れっぷりもいつもながら凄かった。
しばらくリリースが止っていたのが、今回の脱退に関連してのことだったかは分からないけれど、今後の展開に期待したいところ。

この辺から、夜も深まりぐったりし始める。人工芝ゾーンもいっぱいなので、フロアに座り込んで休憩。

26時すぎ、the ARROWS
ついにこの日の真打登場で、フロアの熱気は最初っから上がりまくり。
ナイトコールロックンロールファンファーレマストピープル等々、惜しげもなく代表曲を披露しまくる空前のパーティー空間へ。
中盤、オオヤユウスケ&松本素生(←すでにベロベロ)もサプライズで登場してイエスタデイワンスモアーズを披露。
松本さん、「the ARROWSに大きな拍手を!」とか要らないから・・・。あなたゲストだから・・・。仕切ろうとしてる竜二くんに何度もセリフがかぶってて、進行グダグダになったから・・・。と思っていたGOINGファンはあの場で僕だけではないはず。
そして、ラストは11月リリースのシングル「さよならミュージック」を披露してくれた。
このアットホームで音楽愛に満ちた空間はこのバンドじゃなきゃ作れないものだということが伝わるライブだった。

ライブアクトのラストはDE DE MOUSE
100sの国技館ライブのBGMに中村くんがこの人の曲を選曲していたため、俄然気になっていたアーティスト。
出てくるなりお客さんの少なさを嘆いたり、ちょっとおかしなキレキャラでまずはそれが面白かった。
曲はダンスミュージックなのだけど、どこかモダンで穏やかさすら感じるクールな代物だった。その分だけ無駄に熱いMCとの落差が凄くてそれが素晴らしく面白かった。またぜひ観たい。

そしてラストはthe ARROWS YAMAUCHIによるDJで29時まで踊る。ダイノジやアッチュも普通に踊っていた気がする。
最後の最後はキャンディ(the ARROWSのベーシスト)によるなかなか終わらない挨拶で大団円で締められた。

ダイアモンドホールから外に出ると、もう明るい。
朝焼けの空を見上げながら帰路へ。



そして、その夜、今西ラストダンスを目撃したのだった・・・。
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by kngordinaries | 2007-09-30 14:17 | ライブ
夕景飛行 vol.1@池下 CLUB UP SET
ついにこの日が来てしまった。9.23今西ラストダンス(東海エリアでは)。

STANは3ピースのロックバンドである。いやダンスバンドである。
めちゃくちゃかっこよく、そして3人全員が上手いバンドである。別ちがたく有機的に結びついた集合体なのである。
と、いうような幻想を、素晴らしいロックバンドだけが持つことができるそれを、ファンに抱かせることのできる3人であるのである。
おまけに彼らは仲良しなんである。ライブを観ているだけでそれが伝わるのである。

そんなバンドからベーシストが脱退するのである。
いかんともしがたいのであるが、それらの決断の仕方もアナウンスのタイミングも内容も、彼らの表現と全く矛盾しない毅然としたものであり、どうしても見届けずにはおれんのであった。

である調終り。

今西、ラストダンス。
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by kngordinaries | 2007-09-27 03:03 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2007 3日目 その2
15時20分ごろ、TRICERATOPS
PUFFYのときは陽射しが雲に隠れ気味だったけれど、いきなり暑い!昼過ぎの直射日光に焦げるステージにトライセラの3人が登場!
音を確かめるようにまずはブルージーなセッションで会場の熱を上げていく。渋みのあるサウンドだけれど、そのグルーヴ、そのドライブ感はとても攻撃的なパワーに満ちている。
そして鳴らされた1曲目はRock Music!!フェスという場にこんなに似合うロックチューンもないだろう。渋いギターリフとクールなサウンドが熱いLAKEのボルテージを上げていく。
さらに2曲目はなんとRaspberry!今年デビュー10年目の彼らのデビューシングルにして普遍の名曲。イントロのギターリフだけでどこまで高揚させるマジカルな名曲中の名曲。この2曲、ライブ冒頭として最強だと思う。
ここで、軽い挨拶を挟んで今のところの最新シングルにして、バンドの到達点的大名曲僕らの一歩へ。何気ない日常のひとコマ、一言を題材に、あくまでカジュアルに生きるということ、他者と寄り添うことの本質や大切さなど大きなテーマをど真ん中から描ききるこのバンドの真骨頂。じんわりと胸に染み込んでいく優しいミディアムチューン。
さらに後半は、WARPトランスフォーマーと最近の代表曲にして高性能なライブチューンを連発して、グイグイとさらに会場の熱気を底上げしていき、ラストはロケットに乗ってでダメ押し。
もう圧巻のライブだった。というか、このバンド、フェスが似合いすぎる。誰も置いてかないポップさと純粋に楽しめる演奏の確かさと豊かさ。RIP SLYMEとかスカパラとかドーパンとか、もう音が流れたら理屈ぬきで楽しくなってしまう鉄板アクトたちに全然ひけをとらないと思う。
つまり今後もどんどんフェスに出てほしい!ってことが言いたいわけですが。

16時30分、フジファブリック
この辺からとても天候が怪しくなるなか、1曲目はいきなり!間奏での志村の「イエー!」の雄たけびから一気にヒートアップ。さらにTAIFUに繋げてくるあたりが心憎い。というかまだまだ若手バンドの分類だろうに、貫禄すら感じる堂々としたパフォーマンスが素晴らしい。
「さっき聞いたんすけど、水戸の方は豪雨、らしいですね。(観客驚) ま、フジファブリックが終わってから雨降りゃいいかなと思って。・・・嘘、嘘」
といった志村の相変わらず飄々としたMCがおもしろい。
続いてはいつのまにやら金澤くんがトランペットを用意しており、その音を合図にこの時点の最新シングルSufer Kingへ。彼らお得意の変態的ダンスチューンをおかしな方向にこねくり回したような異形の爆裂ナンバー。音的な広がりと中盤のトリッキーな展開等、音楽的に素晴らしく面白いだけでなく、歌詞と志村の歌唱というかシャウトがまた凄いという、とにかく恐ろしい1曲。
さらには陽炎、と完全フェス仕様の出し惜しみない展開が嬉しすぎる。
そして披露されたこの時点でまだ未発表の新曲パッション・フルーツがまた凄かった。浮遊感のあるディスコティックなリズムに乗って、アイドル歌謡のようなメロディでふわふわと歌い上げる志村の歌唱がなんだかいけない世界の匂いを醸し出す、劇薬ドリーミーポップス。
もうロックバンドとかいう枠も越えて面白い音を出す先鋭的なポップス集団みたいになってきてる。
後半は劇薬的ダンスチューン、ダンス2000銀河、というこれまた完璧なフェス仕様でガツンと盛り上げてくれた。しばらく新譜リリースが止っていたバンドとは思えない、異様で怒涛な現在進行形の勢いを感じるライブだった。次の新作が楽しみだ。

LAKEの素敵ライブ3連発を終え、ここで微妙な天候を気にしつつ、GRASSへ向かう。
いよいよ、この楽園もラストが近づく。

17時40分、RIP SLYME
FUMIYAがステージに上がり、モニターに映像が流れる中、流れ出したトラックはなんと楽園ベイベー!!うわわわ。最高すぎる。説明不要な圧倒的パーティーチューン。ステージを縦横にかけながらフロウする4MCがかっこよすぎ。
さらに2曲目はブロウ!!これまた最高!ポップ・ミュージックの至宝!浮遊感と疾走感が自由自在な無限の広がりを魅せるトラックが素晴らしすぎる。もうGRASS全体が揺れているような錯覚が起こるような熱狂っぷり。
さらにはGALAXY!・・・まーほんと、圧倒的というか、別格というか、ここまでフェスが似合う音楽が他にあるのか、と思ってしまう素晴らしいパーティー空間。
さらにはUNDER THE SUNとまだまだヒートアップしていきそうな雰囲気のなか、残念ながらそろそろLAKEへ向かう時間となり、GRASSをあとに。

18時50分、RADWIMPS
びっしりとシートゾーンまで人がびっしり埋まったLAKEステージ。昨年末にリリースされた新作で一気にロックシーンのトップに躍り出たこのバンドのライブに対する期待感で一種異様な雰囲気に包まれるなか、RADWIMPS登場!
1曲目はます。。このバンドらしい新感覚なんだけどいきなり耳に馴染むギターリフで突っ走る爆発ロックチューン。スタンディングゾーンはもうぐっちゃぐちゃに歓喜が爆発し、人の波がうねりにうねって大変なことに。
さらにはギミギミック。これが聴きたかった!と思わず感涙にむせびそうになる最強ポップ炸裂!音遊びと言葉遊びと焦燥感と魂の叫びが溢れ出すエモーショナルなアップチューン。
新世代のバンドが登場するときはいつも、既存の音楽とはどこかが決定的に違う新しい価値観を持って現われる。RADはその新しい部分が多すぎてほんとに細かな要素からいちいち画期的だ。その作品を必死にライブと言う場に現出させようとしている姿が感動的だった。
イーディーピー~飛んで火に入る夏の君~遠恋25コ目の染色体、等々、新旧織り交ぜ矢つぎばやに披露される名曲たち。
ステージに合わせて全パートを合唱する人や、祈るようにステージを見つめる人、そしてどの曲にも熱くエネルギーを発散させる人、観客の熱量が本当にハンパじゃない。多くの想いと願いが託されたバンドなのだということがよく分かった。
本編ラストは野田イズム大爆発のレゲエチックな名曲いいんですか?で終了。
そのあとはアンコールに答えて味噌汁’Sの登場。あ、味噌汁’Sとは鼻眼鏡をかけたいでたちの、彼らの変名バンドらしい集団のことらしいです。これ、定番なのかな。
「味噌汁’Sです!僕たちが本当のトリです!」
という宣言でジェニファー山田さんを披露して去っていった。この辺のユーモアの感覚はまだまだこれからゆっくり理解していくとしよう・・・。
そして当然おさまらないオーディエンスのアンコールで再びメンバーがステージに登場し、ヒキコモリロリンを披露。
「ありがとう。こんなに純粋に『今死んでもいいな』と思うことはなかなかないよ。でも生きてたいと思うし……生きてて、一回でもこんな気持ちになれたらいいな、っていう気持ちに、今なっていると思います」
と野田くん語る。この辺の雰囲気はどこかバンプ藤原君とも通じる精神性を感じる。現代の吟遊詩人。
ラストは有心論。このバンドの表現のステージを一気に引き上げた画期的な名曲。ドラマティックにうねり変化する曲展開、一筆書きのような勢いで疾走する感情の洪水がめくるめくジェットコースター感を産み、曲が終わり一つの結論が提示されたときに感じる圧倒的カタルシス。ロック史に残る大名曲だったりするんじゃなかろうか。

といった感じで3日間の楽園もここで最後のアクトが終了。

今年は例年に比べれば過ごしやすく、快適に3日間過ごせました。
音楽に包まれたこの空間はやっぱり特別で、素晴らしかった。
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by kngordinaries | 2007-09-20 01:03 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2007 3日目 その1
この日はトップバッターのマボロシ観たさでいつも以上に早く会場入り・・・するはずだったのだけど。

会場周辺が大渋滞、なのはいつものことで30分も我慢すれば駐車できるところなのだけど・・・スタッフのオペレーションが全く機能していず、同じところを何度も周回させられ、気付けば3時間が経過。マボロシ、見逃した・・・。チャットモンチーも。
もう目と鼻の先でやっているライブに参加できないこの悔しさ。
スタッフのオペレーション一つで印象がこうまで変わる、ということが身に染みてわかりました。今後はぜひ改善していただきたい。

まあ、それはそれとして会場に到着。
WING TENTから漏れ聞こえるオレスカバンドの楽しげなサウンドに、傷ついた心を癒されながら(多少誇張あり)、GRASSへ向かう・・・と、ちょうどLAKEのライブが始まりそうだったので、せっかくだからとチラ観していくことに。

11時50分、絢香
LAKEを埋め尽くす人の波、バンドメンバーに続いて絢香本人が登場したときのどよめき。やはり破格なアーティストなんだなと思わせる高揚した雰囲気が感じられる。
そして歌いだされた1曲目は三日月。説明不要の大ヒット曲。テレビから流れるのと同じ、力強く楽器として高性能な歌声が響き渡る。
圧倒的だ。なにを今さらな話だろうけれど、その圧倒度とは逆に歌自体のメッセージは年齢相応の純粋さとあどけなさがあるところが、この人の凄いところだろう。「Automatic」や「First Love」のころの宇多田ヒカルを思わせる。いや、あの人はもうちょっとマセテたけども。
続いてテンポを上げてCLAP&LOVE。観客の乗せ方もなかなか手馴れたもので、素晴らしい。
が、そろそろGRASSに行かねばならないため、ここでLAKEを離れる。

12時20分、KREVA
くればいいのにが流れ会場が沸きあがるなか、KREVA登場!ここ最近のいでたちや登場からトリッキーにかますパターンではなく余裕が見える。1曲目はTHE SHOW
「おい、早く来いよ!」と遠くから集ってくるオーディエンスに声をかけたり、このゆったりと、しかしバッキバキのライブチューンに乗って、のっけから煽りまくり。この堂々たるパフォーマンスは、きっと本人もロックフェスという場での自分がもう完全に受け入れられていることが分かっているんだろう。
2曲目はちょっと懐かしい激熱ライブチューンDAN-DA-DAN。早くもCUEZERO登場で会場を揺らす揺らす。
そして
「もう4年連続でこのフェスに出さしてもらってるみたいで、ほんとにありがとう。今日は新しい俺をみんなにみせちゃおうかな」
となんだか仕掛けを始める。ダンサー達がKREVAの後ろに陣形を作る。まさか・・・。
「じゃあ、新しい俺」
といって、曲が始まる。JUMP ON IT、超攻撃的にアゲまくるアップチューンなのだけど、そのトラックに乗って踊りだすKREVAとダンサー達!どよめく会場。この男ほんとにいつも期待を裏切りつつ楽しませてくれる。
そして
「次は新しい俺、その2」
は、この時点では未発表の新曲ビコーズ!「月のきらめき」「次のひらめき」「君といたい是非」という韻踏みまくりのサビの言葉の意味を一つ一つひも解き、その曲中ではさらっと流れていく言葉に込められた想いをきっちりと解説していく。ハイセンスなトラックメイクと澱みなく韻を踏みまくるスキルフルなフロウも素晴らしいけれど、この人のライムの濃さ、深さはここのところその進化たるや著しい。
パフォーマーとしての自分、一青年としての自分、B-BOYとしての自分、音楽家としての自分が感じる日常の想いから哲学からがぶっとく詰め込まれている。
続いてはSONOMIが登場してひとりじゃないのよ。この優しい応援歌ももともとの普遍性の高さから、だんだんフェス・アンセムのような貫禄が感じられる。
さらには最新シングルくればいいのにを正宗ボーカル部分をSONOMIが担当して披露。馴染みの名曲から最新の代表曲まで、この人がいかにいつでも自分を更新しながら今の成功をおさめてきたかがよく分かる。
ライブ後半は国民的行事でスタートして、Have a nice day!、さらにはイッサイガッサイともう完全フェスアクトとして完璧に役割を全うする超名曲の連発。
そして、より今のこの人のモードをはっきりと押し出したマニフェスト的メッセージソング、アグレッシ部を熱唱し、ラストはもう不朽名曲と言ってしまって間違いないメロウチューン、スタート。この切実な苦しみと痛みを抱えた自分の決意を歌った2曲は、個人的な熱い想いを歌い上げてるだけなのに、それが多くの人の心を押す応援歌になってしまう、というとても高効率な化学反応を有していてそこが素晴らしいと思う。
いやあ、今回も様々な趣向を凝らしながらの最高のライブだった。「愛・自分博」チャート1位と武道館公演、紅白出場とステップを上がり、ちょうど次のアルバムが出る前ということもあって、代表曲目白押しのセットリストとなったこともあり、この人のソロとしてのキャリアを総括するようなものにもなっていて大満足だった。
思えばまだインディーズでシングル1枚しか出していなかったKREVAのソロの初ステージがこのGRASSだった。あのステージにたった一人で立っての「希望の炎」のアカペラ独唱から3年。まさか国民的ラップスターになって、毎年このGRASSに登場するアーティストになるとは思わなかった。まだまだ行くな、この人。

ここで、軽く休憩。今年は初日が雨気味だったことも含めて例年に比べて多少過ごしやすいけどもやっぱり暑いな、などと思いながら食事をとる。
そして、LAKEへ移動。

14時15分ごろ、PUFFY
開演の10分くらい前に会場に到着すると、まだガラガラ。といっても、開演時間には当然の満員御礼状態。PUFFYに限らず今年は、特にLAKEは、会場の新陳代謝が異常なくらいよく、もの凄く健全な状態になっていた。フェス文化の定着というやつであろうか。
さて、由美が白、亜美が黒、という対照的な衣装で登場した2人に一気に大歓声が湧き起こる中、1曲目は渚にまつわるエトセトラ!もういきなりのアンセムにどっかんどっかん盛り上がる。さらにサーキットの娘で一気に会場の熱気は最高潮に。
「今年第一弾の新曲が7月に出まして。一体それまで何をやってたんでしょうね」
という由美のMCから新曲boom boom beat投下!前作Splurgeの流れの進化系とも思える、名曲揃いのPUFFY史の中でもロックソングとしてハイクオリティな1曲。
さらには働く男Tokyo I'm On My Wayと最近のシングルナンバーを披露。
後半のMCでは次のアルバムリリースの発表が。
「次のアルバムはまた凄い人たちに書いてもらっていて、「あの人が曲書くんだ?」って言うようなことがたくさんあって。・・・でも、ここでは言わない。・・・詳しくはウェブで!」
と言って笑う亜美。相変わらずな人たちだ。
終盤ではまさかここで、という驚きの初期の名曲ジェット警察の披露もあり、最後は海へと、そしてアジアの純真、と完全鉄板なセットで熱く熱く盛り上げまくって圧巻のライブは終了。

WING TENTから聴こえてくる鶴をなんとなく耳に入れながら次のLAKEのアクトを待つ。
そんなところでまた続く。(もう1ヵ月半も経ってしまってますが、ほぼほぼ記憶がなくなってますが、多分最後まで書くっぽい)
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by kngordinaries | 2007-09-17 23:08 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2007 2日目 その2
monobrightの異常なハイテンションライブを観終え、LAKE STAGE方面に戻っていくと、ステージではエレファントカシマシのライブがスタートしていた。
しかもガストロンジャー!!この日本の現状を憂いながら自分の人生を鼓舞するようなアジテーションソングは、今になってこそその凄みがより実感できる。このタイプの楽曲がその後あまりフォロワーを生んでいない現状こそ、個人的には憂いたいところだ。
そんなエレカシを耳の端で聴きながら、LAKE STAGE近くの噴水のあたりで涼をとりながらしばし休憩。

ここから観たいアクトが連続する怒涛の後半戦。
まずはあの怪物を一目観ようと、GRASS STAGEへ移動。

16時35分ごろ、井上陽水
今年頭の井上陽水奥田民生のライブで初めて生の歌声を聴いたときの新鮮な衝撃が忘れられない。圧倒的に美しく、人間離れしたその歌声の力は、ちょっと他では聴いたことがないものだった。
正直、次のアナログフィッシュまであまり時間がないのだけれど、GRASSとLAKE側との往復は結構体力使うのだけど、1曲でもいいからまた観たいという思いで来てしまった。
そして、ステージにバンドメンバーとともにふらりとあらわれた御大にGRASSの大観衆からどよめきと歓喜が溢れる。Tシャツにジーパンというラフな格好で、いいお年らしいお腹ぽっこりもまた堂々としたものだ。
そして鳴らされた1曲目はなんとアジアの純真!!うねるように捲き起こる大歓声でもうほんと一瞬で場をかっさらっていく。その歌声が響き渡った瞬間、また大歓声。本当にもの凄い。
「いやいやいや、皆さん、ご機嫌よろしいようで」
と、これだけの狂乱状態にも飄々としたたたずまいで話す姿がどうにも面白すぎる。
井上陽水奥田民生のライブが脳裏に甦る。あのthe STANDARD、あの手引きのようなもの、もう恐ろしいくらいに美しかった。
2曲目はMake-up Shadow。ほんと出し惜しみなく名曲連発。
が、その歌声を背にこの辺でLAKEサイドへ移動の時間。うーん、この日のこのへんのタイムテーブルは個人的にほんとに厳しい。

陽水の歌声に名残惜しさを感じつつ、WING TENTに到着すると、すでにアナログフィッシュの面々がサウンドチェック中。
まず驚いたのは、下岡の眼鏡だった。オレンジの縁がとてもいかがわしいダテ眼鏡。やはり彼は独特のファッションセンスを持っている。
ほぼ恒例のようにアンセムの1コーラスなど、たっぷり曲も披露してくれる。
そして、
「なに観てきたの? (観客:「井上陽水!」) あーいいなぁ!俺らも観たかったよ!」
などと下岡が観客とコミュニケーションを取り、
「今日はおもしろい趣向を用意してるから、楽しみにしていて」
と意味深な発言をして一旦ステージを去っていった。

と、ここで最前スペースでライブ開始を待っているところで、隣の人に話しかけられる。関東の人で、3月のSTANライブとここで同一人物を見かけたことで、このブログの書き手だと認識したという。とても驚きつつ、いろいろと話をしているうちにライブがはじまった。


17時10分ごろ、アナログフィッシュ
「最初に言っておきたいことがあるんだけどさ。俺ら今日は全部新曲をやります。こういうフェスってみんな、あんまり関係なく楽しみに来てるでしょ。俺らもそれを信頼してるから」
というような下岡のいきなりのMCにどよめきと歓声が湧き起こる。
ナツフィッシュでポロッと言っていた「全曲新曲のフェス」はここだったか!ライブへの期待感が、さらにさらに高まる。
1曲目はダンスホール
メインボーカル2人が交互にボーカルを取って、さらに弾むビートを叩き出すドラムが合わさって、バンドが一丸となって「ダンスホール」へ強引に連れ去るようなポップチューン。
いきなりの大きな盛り上がりのあとに、いきなり手で音頭を取りながら恐ろしい言葉を連呼し始める佐々木、いわく、
「むりょく!むりょく!むりょく!むりょく!」
観客半分合わせて拍手、半分唖然。の状態のなか、演奏が始まる。当然、これも新曲無力のマーチ~僕らに愛を~。メインボーカルは音頭を取っていなかった下岡だった。超がつくほど覚えやすい童謡的なメロディに乗せて「無力~無力~♪」と歌われるシニカルなロックチューン。
「ROCK IS HARMONY」では、全体的にポップ化したなかで、特に言葉の棘が和らいだ気がしていたけど、これはなかなか強烈だった。
続いてはナツフィッシュでも披露されたマイ・ジェネレーション
「未来は白紙で!僕らは自由だ!」
という後半の叫びが印象的なまっすぐなポップチューンでぐいぐいギアを上げていく。
さらにはFackson Jive。軽やかなリズムが心地よすぎるダンスチューンで、熱を上げていく会場。抜群の演奏と、心地いい歌声とメロディがあれば、耳なじみのない楽曲だろうが、どこまでも楽しめる。フェスという場だから、ということもあるかもしれないけれど、もう天井知らずの盛り上がりだった。
ここで下岡の語りが始まった。Sayonara 90’s前の恒例の語りだ。なれてきたのかよりまとまりを見せながら、しかしより彼独自の中小的な世界への視点の説明になっていて、正直もう理解をはずれた言葉になっていた。
そしてSayonara 90’sへ。噛みしめるようなゆったりとしたメロディのうえを、突き詰めた思考のあとが見える重い言葉が歌われ、サビでそれがふわりと浮かび上がるような感じがする。軽やかにポップなのに、これまででもっともディープサイドの下岡曲だろう。
ここで新曲のみというぶっ飛んだ趣向のライブは全て終了、っぽい雰囲気を見せていたのだけど、最後のアウトロを弾き終えた下岡が袖のスタッフとなにやら会話をし、マイクの前に戻ってくる。
「これで終わろうかと思ったけど、時間まだ少しあるみたいだから、Helloやっていい?」
当然フロアからは歓声が湧き上がって、Helloが鳴らされる。波打つフロア、掲げられる腕。最後の最後で逆に嬉しいサプライズにぐしゃぐしゃな盛り上がりを見せてライブは終了。

最後にはHelloをやったものの、ほぼ全て新曲で貫くその心意気にまずは敬意を表したい。そして、それができるだけのほんとに聴覚にがつんと訴える力のある音楽なんだ、というバンドの自負が見えて嬉しかった。
新曲群もどの曲もそれぞれに魅力があって、特に初めて聴いた無力のマーチには驚いた。確実にさらに幅を広げてる。
ただ、個人的にはSayonara 90’s前の語りに顕著だったけれど、下岡がちょっと全開すぎた気がする。いや、全開はいいのだけど、ちょっと脳内そのまんますぎて伝わらないものになってしまっていたのが気になった。もっと精査してステージからミュージシャンが不特定多数に投げかけて受け止められる言葉に変換して発することができると思う。
非常に慎重に聴き手との距離を測ってきた下岡が徐々に徐々にここまで全開になってきたのだから、ここからの微調整はそんなに難しいことじゃないだろうし、それができたときまた凄いことになる気がする。楽しみだ。

ここで急いでGRASS STAGEへ移動。
タイムテーブル的にアナログを全部観てしまっては、どうしても次のアクトの最初には間に合わないわけだけど、それでもやっぱり急いでしまう。

18時前くらい、ASIAN KUNG-FU GENERATION
GRASSのエリアに入ったあたりでリライトのイントロが聴こえてきて一気にテンションが上がる。同時に怒号のような歓声も聴こえてきて、やっぱり熱く支持されているバンドなんだと実感する。
ぐるりとステージが見える位置にまわってスタンディングエリアに入っていくと続いてはループ&ループ。ぶっといギターリフとグルーヴたっぷりのメロディーが魔法がかったような力で気持ちを高揚させるロックチューン。いきなりの代表曲連発という出し惜しみなさ、フェスのメインステージという場の意味をよく分かっている。
「最近、俺の髪型がまわりに不評なんで、(会場笑) 今日のために美容院に行ってきました」
会場戸惑笑。正直言って「それでそれって・・・」という雰囲気が会場中に蔓延していた感は否めない。ゴッチ・・・。
続いては夏の日、残像。イントロから大きな歓声が上がる。つんざくギターと柔らかいメロディが溶け合った不思議な感触の名曲。
さらにはセンスレス。問答無用の最強ライブチューン。どこまでも飛翔するような曲構成が凄まじい。
大きな盛り上がりのなか、間髪いれずアンダースタンド!もうほんと、こんなセットリストありえない、というくらいの名曲連発に嬉しくなる。
そしてセッション的な音だしかと思ったら鵠沼サーフ。ルーズでグルーヴィーな雰囲気がかっこいいロックチューン。演奏の妙で聴かせる部分ばかりの曲なのだけど、こんな大会場でがっちりとそれができていた。
「今の曲知らなかったでしょ」
と一息ついて後藤が言う。確かにこの雑多な大観衆の中ではこれまで披露した曲の中で一番認知度が低いかもしれない。
「知らない曲だっていいんだよ。楽しんじゃえば。俺もよくフェスとかいくんだけど、知ってるとか知らないとか関係ないんだよね」
この辺の真っ当な音楽ファン感覚をいちいちレクチャーするように話すところが、後藤正史の正しさであり、このバンドの在りようなんだろう。
「次の曲は、みんな知らないと思う。・・・なぜなら新曲だから」
といって、新曲へ。太いリズムと強いメロディも持ったポップチューン、バンドの現在の充実っぷりが感じられる曲だった。
そしてイントロでここまで一気に熱が上がる曲はなかなかないだろうフラッシュバック!!一気に会場の熱を最高沸点まで持っていく。凄い凄い。
さらには遥か彼方!そしてラストは君という花!!もうとんでもない盛り上がりでライブは熱狂の中、終了。

このバンドがこれまで実らせてきた果実の充実っぷりをこれでもかと見せ付けられたようなライブだった。
ただ、その中に一応最新シングルである「或る街の群青」や一応最新オリジナルアルバム「ファンクラブ」からの曲が少なかったことがちょっと気になったところ。バンド側の心情にどんなものがあったかちょっとだけ気になる。
あと、ここ3,4年で現われたバンドがここまで堂々とメインステージのアクトをこなしている様子に、シーンの移り変わりを感じたりも。

ここで怒涛のライブラッシュを終え、ようやく一息つき、食事タイム。
みなと屋のハム焼きの列に並んだり、いろいろしているあいだに今日の大トリのライブがスタートしてしまっていた。

7時過ぎ、BUMP OF CHICKEN
食事を終え、ようやく落ち着いてGRASS最後方で観始めたときにはライブは中盤、プラネタリウムが演奏されていた。すでに陽も沈み、ステージのライティングが眩しいなか、あの藤原くんの独特な歌声が優しく耳に届く。
こんなフェスの大トリは初めてじゃないだろうか。シンと静まりかえって、誰もがステージから紡ぎだされる音楽に言葉に神経を集中させているような雰囲気。
僕はこのバンドのそんなに熱心なリスナーではないけれど、この場で放たれる藤原くんの言葉の一つ一つがいちいち心に突き刺さっていった。やっぱり彼は詩人だなー。
特に煽ることもなく、丹念にしっかりと1曲1曲が演奏されていく。天体観測ガラスのブルース、そしてsupernovaといった本編ラストの畳み掛ける各時期のこのバンドの珠玉の名曲群は凄かった。
アンコールの1曲目は、ダイヤモンド。個人的にこのバンドとの出会いの曲であるこの曲が聴けて嬉しかった。
フェス的な享楽の大トリとは全く違う静かに深く心に響くようなライブのあと、上がった花火はまた新鮮で綺麗だった。

というような感じで2日目が終了。
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by kngordinaries | 2007-09-04 23:55 | ライブ
Re:mix 2007 その2
17時20分ごろ、monobright
ボーカル桃野が仮面ライダーの変身のポーズのようなおかしなポージングを取ったのを合図にライブスタート。
1曲目は紅色ver.2。イントロのギターリフからぐいっと掴んでくるキャッチーなポップチューン。サビの予測のつかないメロディ展開がおもしろい。
最初はところどころ桃野くんの声がかすれているのが気になったけれど、後半に向かうにしたがって、どんどん声の調子も上がっていっていた。
中盤、新曲等も挟みながらいつもどおりのテンパった感のあるMCで会場を掴んでいく。
後半、今のところの代表曲未完成ライオットからの展開が凄かった。
怒りをテーマにしたというこのポップチューンは、シンプルな構造の中で演奏のテンションが上がっていき、鬱屈した想いを全方位的に当り散らすような、超痛快なアティチュードに満ち満ちている。桃野くんもステージ前方に迫り出してきて、大熱演だった。
さらには「僕らのダンスミュージック」と歌う9月リリースの第2弾シングルとなる頭の中のSOSは、伸びやかなメロディと変幻自在のリズムが超ポップでピースフルなダンスチューン。この開放感、絶妙なディスコとロックのブレンド感、もうほんとそこいらのロックバンドにはないポテンシャルの高さがありありと感じられた。
ちなみに上手側の隅っこの2列目くらいにいたから分かったのだけど、未完成ライオットのときにKYGが舞台袖からmonobrightの雄姿を携帯で撮っていた。片手には2Lペットボトルを持ち首筋に当てていた。
まだまだ興味半分の観客が多かっただろう満杯のアポロシアターだったけれど、メジャー1stリリース後に行われるだろうツアーではこのくらいのハコはソールドアウトしてしまうんだろう。
そんな確信すら抱いてしまう、ハイクオリティなライブだった。今後が楽しみすぎるバンドだ。

ここで、アポロシアターは一時封鎖の時間に。ダイアモンドホールもしばらく休憩になるし、個人的に観たいアクトまで時間があったので、ここでゆっくりと食事休憩を。

19時15分、DOES
大分前にSTANの出るライブイベントで観たことがあったような。
とてもメロディアスでスカスカのアレンジで音もやかましくないのだけど耳に突き刺さるような鋭さを有したサウンドがかっこいい。
ボーカルはエレカシ宮本やYO-KINGのような枯れた声質をしていて、ちょっとベテラン風味。カラッとした熱っぽくないMCもロックバンドらしからぬ雰囲気でなかなか独特だった。

ここで次のアポロのライブまでの時間だけダイアモンドホールに行くことに。

会場内をフラフラしつつ、せっかくなのでTHE BACK HORNを途中から観ることに。
実のところ、ちゃんと知っている曲は多分1曲もないバンド。にもかかわらず、ステージにぐいぐい引き込まれるのだから、いいバンドなんだろう。
ボーカルの特徴的な声と世界観がばっちりとマッチした楽曲があって、それだけでこのバンドにしかできない世界があることが分かる。
フロア前方の盛り上がりがかなり凄く、ダイブも観られた。結果的になんとなく最後まで観てしまった。

20時20分ごろ、hare-brained unity
このバンドはmonobright同様7月のSTAN出演のイベントライブで初見だったバンド。
爽やかでポップな4つ打ちバンドサウンドが心地いい。
このバンドは聴き手を限定しない音楽性が素晴らしいと思う。MCの感じからしても、邦楽ロックバンド系にいそうにない爽やかな好青年的キャラクタだし。
いくつかの曲の果てしなく飛翔していくような高揚感は得がたいものがあると思うし、何かきっかけがあれば一気に多くの人に聴かれるようになる可能性のあるバンドだと思う。

ヘアブレ終わりで一旦外に出て、すぐに戻る。
続く8ottoも噂にはよく聞きながら全然曲を聴いたことのないバンドだったのだけど、アポロに入ってすぐ、ステージセンター手前に置かれたドラムセットに驚く。その脇を固めるようにギター2人とベースが1人。
驚いた。
サウンドチェックの音だけで、もうめちゃくちゃにかっこいい。特にドラムは一音の鳴りからかっこよすぎるという、とても素晴らしいことになっている。
髭ボウズ、ロンゲ、アフロ、普通、という4人の見た目のバラバラ感も面白く、ライブ前からこれは相当素晴らしいことになるんじゃないかと期待が高まった。

21時20分ごろ、8otto
もうなんか、1曲目の1音目から完全に持っていかれてしまった。ビリビリと耳を痺れさせるタイトなドラム、ポップに動き回るベース、必要最低限のシンプルさで絶妙に楽曲を彩るギター2本。そして、ドラムのアフロの男の冷めた低音ボイスにもの凄い熱さが垣間見えるロックボーカルとしてかっこよすぎる歌声。
音の足し引きの感覚、楽曲が放つ熱量の緩急のつけ方、いろんな要素が絶妙なバランスで優しく熱く強く軽やかに混沌としながらも突き抜けたパワーを感じさせる。
良すぎる、このバンド。
また、これ、見た目がとてもいいのだ。関西風な顔立ちのアフロドラムはクールな声に似合わず熱くはじけたパフォーマンスが面白いし、最低限ながら絶妙に駆け巡る両サイドのギター2人はロンゲと髭ボウズで対照的だし、小太りのベース(髪型は普通)はなんだかとても楽しそうに演奏するし。ステージが素晴らしく混沌として楽しそう。
完全にやられました。1回も音源聴いたことないけれど、逆にそれだからこそ確信できる。このバンドは凄すぎる。
音的にはとてもモダンな感触で、00年代のダンサブルな要素のあるロック系の音、といっていいと思うのだけど、破壊力もあるし、ポップ感も絶妙にあるそのバランス感覚が優れていると思う。言葉は微妙に日本語も聞き取れるのだけど、半分以上は英詩だろう、どちらにしろ響き重視の感が強い。
アポロ最後のアクトということで、アンコールもあり、最後までぐしゃぐしゃに盛り上がり、ライブ終了。

思わぬところで凄いものを見つけてしまった気分。
久々の超新星、面白いほど一瞬で心をつかまれて、痛快この上なかった。MCによると10月にはフルアルバムが出るもよう。絶対にチェックしなくては。

というか、後日談だけど10月なんて待ちきれず翌日には「Runnning PoP'」というe.pを購入。正直、このライブのときほどの衝撃はなかったものの、やっぱり素晴らしくいい。1曲、アレンジや楽曲の雰囲気がまんまストロークスなのがあったけれど、確実にそちら方面の音を標榜しているバンドなんだろう。


といった感じで、このイベントの中でも最も盛り上がりどころであろうダイアモンドホールの大トリPOLYSICSを観るつもりでいたのだけど、8ottoのあまりの衝撃と満足感に酔いしれ帰路につくことに。
いやー今回もRe:mixは素晴らしかった。STAN、monobright、そして8ootoと、これだけのものを一日で体験できたことがもうありえないし、それ以外にも普段観に行かないバンドたちのライブを次々に観ることができるのも嬉しい。たくさんのバンドのライブを観ることで、自分がどんな音に反応し、どんなバンドには耳を塞いでしまうのか、もの凄く分かってしまった。

この地方の数少ない鉄板の素敵ライブイベントとして、来年もぜひ開催を期待したい。
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by kngordinaries | 2007-08-30 01:29 | ライブ
Re:mix 2007 その1
暑い。
残暑厳しすぎる中、東海地方の数少ない夏のイベントライブへと足を運ぶ。

住まいから会場がかなり近いため、ゆっくりと準備をしていたら逆に出遅れてしまい、開演の15時を過ぎて会場に到着。
ダイアモンドホール入場時にリストバンドを付けてもらい入場。
フライヤーに目を通すも、特にSTANの最新情報はなし(←期待しすぎ)
ライブハウスの中からはすでに最初のバンドの音が響いていた。

15時過ぎ、VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
夜まで続くイベントで平日の昼間の一組目ということで、観客はまだ少ないかと思って入ってみると、意外とすでに大入りだった。10代も多いようで、全体的に年齢層が低い印象。
このバンドは名前は知っているものの音を聴くのは完全に初めてだった。
超縦ノリの性急なビートがたたみ掛けるように次々に繰り出されていく。フジファブリックの一部のダンスナンバーや、SPARTA LOCALSとかの感じと近いかなと。
ボーカルもスティックを持って、シンバルをバシバシ叩いていた。縦ノリのビート感はとても和風な印象なのだけど、どことなくクラブ的なテイストもあって、なかなかおもしろかった。

VOLAが終わり、ダイアモンドホール横の休憩&物販スペースを探索してみる。いつも思うけれど、POLYSICSのグッズはとても力が入っていて普通にモノとして欲しくなる感じだ。
うっかりタオルを持ってきていないことに気付き、今後のライブを考えてRe:mixのイベントタオルを購入。
ドリンクを引き換えて会場へもどる。

15時55分、キャプテンストライダム
次のアポロのSTANが気になりつつ少しでもキャプテンストライダムを観ていこうと、本人たちのサウンドチェックを観ながら待つ。
1曲目はいきなりトップギアでキミトベ!スカスカのバンドアンサンブルと開放的な空気感が誰も置いてかないピースフルな世界を作り出す。
「う!い!ろ!う!」
「き!し!め!ん!」
「ひ!で!よ!し!」
「と!く!が!わ!」
という独創的なコール&レスポンスも楽しい。大きな会場ほど似合うバンドだと改めて思う。
が、1曲に色んなものが詰め込まれているため、長い。もう1曲くらい聴いておきたかったけれど、この辺でダイアモンドホールをあとに。

この日初めてのアポロシアターへ。
KYG側の3列目くらいの位置に。アポロは最前のスペースが本当に狭い。
すでにメンバーがサウンドチェック中。なんか違和感があるなー、と思ってよくよく見ていてはたと気付いた。そういえばベース今西はスペインでの国際会議のため欠席でサポートでMちゃんが入ってるんだった。
確かに向かって右サイドの人物に見覚えがない。
サウンドチェックでTHE SONGなど数曲の一部を披露。普段のセッションチックなものでないのはやはりMちゃんとの呼吸合わせのためだろうと推測。てかMちゃんて誰だ。

16時30分ごろ、STAN
1曲目はS.T.An!タイトでファンクなビートが沸々と会場の熱を上げていく最強ダンスチューン。KYGはいつも以上に冷めきった表情でつぶやくように言葉を吐き出していく。
この異常なくらいクールなサウンドと冷めた歌唱と言葉遊びがふんだんに盛り込まれた歌詞が、結果的にフロアのボルテージを上げていくこの奇妙な感じは、かなり新鮮でおもしろい。なかなかの発明だと思う。
続いてはULTRAMAGNECTICSTANS。ここのところのライブでは定番の流れでこのぶっ飛んだ自己紹介ソングへ。メンバー一人一人の紹介が歌詞になった曲なのだけど、なんとMちゃんようの歌詞も用意されていた。多少急ごしらえな感はあったけれど、なかなか嬉しいサプライズだった。
ラストは両手で文字の形を作って、
「S、T、A、N。STANまじやばい」
で、決め。
「新曲やります。まだタイトルもない曲なんですけど、大殺界!・・・ってつけようかと思ってます」
会場静笑。
「・・・俺は細木先生から金を要求されるでしょうか」
で、大殺界(仮)。スカスカのバンドサウンドにカラッとしたユーモアが乗っかったJ.DやKYGのイチゴジャムの路線の曲ではなかろうかと。そしてそれらの曲にも増してポップ。じっくり聴いたらもの凄い名曲っぽい予感。が、あっという間に終わってしまった(2分ないくらいかと)。
続いても新曲、多分7月の「Said and Done Vol.1」で披露されたアメジストだったと思われるとてもポップな1曲。
そしてしばらくの沈黙のあと、KYGが遠くを見るような目でつぶやくように言う。
「俺、戦争反対なんすよ」
で、ALL BLUES。ここまで直接的な前置きは初めてじゃなかろうか。と言ってもやっぱり直接的というほどではないバランス感がいい。
静と動が激しく交錯するドラマチックなアレンジといい、突き刺さる強いメッセージといい、恐ろしいまでの迫力だった。
「・・・まぁ、真面目な話はこれくらいにして」
と、いきなり明るいKYG。
「今回僕、このイベントで心に決めてることがありまして。―――何を心に決めてるかって言うと、POLYSICSに挨拶するってことです」
会場笑。
「去年このイベントでPOLYSICSのライブを観て・・・(いきなりテンション上がって)観た人いる?!最高だったよね!あれ、ほんと。すっげえ良くて!で、ライブ終わったあと挨拶しようと思って、俺待ってて。あの人たちってライブ終わるとあの格好じゃなくて(普通の服装に)着替えちゃうんすよね。で、俺挨拶しようって思ってたんだけど、たくさん人がいるなかで、ど、どれがPOLYSICS?みたいな。(会場爆笑) それで結局去年は挨拶できなかったんですよ」
「で、そのあとメンバーのFUMIさんと飲み会で一緒になって、『あれ、誰だか分かんないんすよねー』って、そのときのこと言ったら・・・・・そのあとなんか険悪なムードに(苦笑)」
会場笑・・い始めようとしたら唐突にLove You。ここのところのこの唐突に歌いだしてそのまま勢いに乗って突き放すように歌い逃げしていくパターンが、結構好きです。
そしてここではじまったのはパールジャム、という名らしいドラム&ベースのセッション。
ちなみにベースが変わったことによってSTANサウンドが大きく変わってしまった印象はなく、多少Mちゃんのほうが主張が弱めかなというくらいだった。パールジャムもいつもどおり。
そしてラストはTHE SONG。このバンドのグルーヴの魅力とメロディの魅力と言葉の魅力を凝縮したような珠玉の名曲は何回聴いても素晴らしい。最後はKYGもギターをMちゃんに預け、ドラムスティックを持ってどしゃめしゃにドラムを演奏。ドラムセットをKYGに占領された49はセットを飛び越えてフロントに出てシンバルを叩きまくる、というはちゃめちゃで楽しすぎる展開でライブは終了。

KYG自身はわりとシリアスなモードだったように見受けられたけれど、全体としては「I Know」以降の開かれた空気感を持っていて、とてもよい状態のように思った。
新曲「大殺界(仮)」「アメジスト(仮)」も、もちろんもうお馴染みすぎる「S.T.An」も最高だし、さらに3月のイベントライブで聴いた「多くの人たち」も忘れられないし、とにかく次の音源が楽しみでしょうがないSTANである。
「I Know」以降のライブは確実にこの高性能すぎるロックバンドの本質が変なバイアスがかからずに伝わるものになっていっていると思うし、ここからにさらに期待が高まるライブだった。

ここで一旦、外に出て、水分補給のためLAWSONへ。ここのLAWSON、今日は相当儲かってるだろうなー。ほぼRe:mixのお客さんで占領状態。
そしてすぐにアポロシアターに舞い戻る。

すでにmonobrightご一行がサウンドチェック中。
当たり前だけれど、桃野くんも静かに音を確認している。
そして全員が顔を寄せ合って少し言葉を交わしたあと、どうやらそのままライブ開始となる雰囲気へ。

長くなってきたので、この辺で次回へ続く。
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by kngordinaries | 2007-08-26 22:56 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2007 2日目 その1
10時前に会場に到着し、DJブースから流れてくる音に乗ったり物販を眺めたりしながらふわふわとGRASS側でフェスの空間を過ごす。
渋谷陽一の朝礼が始まる。一組目の紹介がいつになく熱っぽい。そのロックのグルーヴの本物さと凶暴な衝動を、「彼らがこの国のロックに与えた教育効果は計り知れない」という言葉で表現する。うーん、納得。

11時、The Birthday
チバがひたちなかのステージに立つのが初めてだというんだから、多分初めて観るんだろう。なんだか全然そんな気がしないのは、彼らの演奏が音源で聴いてる時点から異様なくらいライブ感に溢れているからだろう。
全員黒の衣装に身を包み、真夏の太陽に照らされながらズッシリとヘヴィなグルーヴでロックンロールが鳴り始める。あのチバの声がマイクから放たれるのを聴くだけでちょっとゾクッとする。
別に極端にハードだったり音がでかいわけでもないのに、とても耳やかましく、ヒリヒリと焦がすような強いビートが、なんだかもう迫力勝ちだった。

The Birthdayを3曲くらい聴いてから、LAKE STAGEへ向かう。

11時50分、Super Butter Dog
もうメンバーがステージに登場した瞬間から大歓声。LAKE STAGEびっしりの埋まり具合といい、このバンドの復活への歓喜が爆発している。
1曲目はマッケンLo。いきなり濃いい、激暑のファンクチューン!髪を紅く染めた永積くんの歌声の楽しそうなことといったらない。このドープでファンキーな音のうねりの中を水を得た魚のように泳ぎまくっている。
さらにはコミュニケーション・ブレイクダンス!!もんどりうって地団駄踏んで、泣きながら笑ってるようなせつなファンク。
日本語のチョイスといい、これだけ色濃いファンクでありながらポップな広がりを持つ高性能な楽曲といい、本当に稀有な貴重なバンドだと改めて思わされる。そりゃあ、これだけ多くの人をこれだけ踊り狂わせるわけだ。
ピースフルな空気感を持ったミディアムチューンの新曲を挟んだりしながら、ライブは後半へ。
「ここでスペシャルゲストを呼んでます!セクシーとマボロシというユニットもやっている、Mummy-D!!」
という永積くんの呼び込みでなんとMummy-Dが登場!そしてこのスペシャルなコラボレーションで日々GO GOを披露。Mummy-Dはアドリブもちらっと織り交ぜたお決まりのフローでこのバンドのファンクなグルーヴに完全に溶け込んでいた。
曲終わりでは、
「マボロシ!」「Super Butter Dog!」
とかMummy-Dと永積くんでお互いに賛美しあっていた。
「ハナレグミ!」「・・・100s!」
とか段々あまり関係ないとこまでいろいろ言っていた。
「明日、朝一からセクシーとモーニングファンクやってるんで良かったら遊びに来てください!」
と去り際に自らの宣伝もかかさないMummy-D。ちなみにセクシーとはSBDのギタリストであり、マボロシの片腕竹内朋康の通称です。
そしてラストチューンはセ・ツ・ナ。とにかくどこまでもステージ上のメンバーが楽しくてしょうがないといった風情なのが印象的だった。

文句なし。最高のライブだった。
濃いいファンクでありながら、とても間口の広い腰にくるライブ空間。
ヒップホップのライムスターのメンバーは飛び入りするし、100sのメンバーはいるし、ボーカルはハナレグミだし、ギターは新感覚のミクスチャーユニット・マボロシのメンバーだし。
音楽のいろんな面白味、旨味ををぎゅぎゅっと凝縮して放射するような、素敵ライブだった。

SBDライブの興奮も冷めやらぬまま、続いてはSOUND OF FORESTへ移動。
ちょうど木陰に入る涼しいポジションを確保し、ライブ開始を待つ。

12時40分ごろ、SPECIAL OTHERS
STARではじまった瞬間、会場全体の盛り上がりが凄い。インストバンドだし、音もそんなに勢いや熱があるわけじゃないので、もっとゆったりとした感じの盛り上がりかと勝手に予想していたけれど、いい意味で裏切られた。
絶妙なあうんの呼吸を感じるアンサンブルと、一気に熱を上げる決めポイントの緩急のつけ方がとても心地いい。
キラキラとした音の粒を振りまくキーボードが暑い夏の野外に涼しげな風を吹かせる。
後半はAIMSなどキラーチューンを織り交ぜてさらに盛り上がっていった。スカパラとかの享楽的な感じではないけれど、気持ちのいい盛り上がりを見せるインストバンドだった。

ここからしばらく休憩。
ゆっくりのんびりと木陰で過ごす。
長年のブログ仲間の方とつながりにくい携帯でなんとか連絡を取り合い、会っていろいろとお話する。STANのメンバーについていろいろと裏話がとてもとても興味深かった(謎)。
食事も取りつつまったりしていると続いてのお目当ての時間がきて、WING TENTへ。

14時50分ごろ、monobright
若者の苦悩と衝動の叫びとしての真っ当に素晴らしいロックを鳴らしながら、珍妙なキャラクタで笑わせまくるライブを一度観たときから、またもう一度ライブを観たくてしょうがなかったバンド。
登場から異常なハイテンションでボーカル桃野が観客を煽る。
「もうね!全部出すしかないんですよ!全部出してね、もう・・・死にます!今日が命日です!」
などなど倒錯してるというか、混乱してるというか、わけの分からなさが相変わらず凄いのだけど、その一つ一つが決めポーズというか、冷静な判断の中で一枚ずつきられる手札のようだった。テンパっているかのように見せるのが芸風である爆笑問題太田光を思わせる。
この圧倒的にグルーヴを熟知したアンサンブルと、いちいち綺麗にツボをつきながら衝動を音に変換する巧みなテクニック、しなやかなポップ感。このバンドに強く感じるのはそのつんのめったライブスタイルとはカードの裏表のように存在する知性だ。クレバー過ぎてストレンジ。
そして、そんな全体のバンド感や、世の中への打って出方は凄く素晴らしいのだけど、まだ決定的な1曲がないような気がする。バンドの面白さを超える圧倒的な1曲がまだないし、でも絶対鳴らせるバンドだと思うので、そのときが楽しみでしょうがない。しかもそれがどんな曲かは想像もつかないところが、またいい。

といった感じでなんとなくまったりと過ぎていった2日目前半。ここからは怒涛の後半へ。続く。
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by kngordinaries | 2007-08-21 01:11 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2007 1日目 その2
100s後、すぐにSOUND OF FORESTに移動、したのだが、もうここはステージのエリア範囲内なのか疑わしいあたりまで黒山の人だかり。
去年の時点でも十分LAKE STAGEを埋められただろうし、いまや普通にヒットチャートのトップアーティストの一人に数えられているだけに、ちょっと明らかにステージの大きさに見合ってない感じがする。アーティストの意向なのかなー。
人気とステージがあまりにアンバランスなのは、双方にとって不幸である。

14時50分、YUI
結局、遥か彼方にステージがあるであろう位置から音だけ聴いているような感じに。拍手が起こったので、ステージに登場したのかな、という感じでなんとなく状況を把握していく。
1曲目はMy Generation。2ndアルバムから強まってきたロック色が色濃いアップチューン。
さらにHighway Chanceでぐいぐいとボルテージを上げていくステージ。
「みなさん、盛り上がっていきましょー」
という全然盛り上げ力のない、弱々しいMCも1年前に比べたらかなり成長してるように思う。楽曲にあらわれているとおり、よりダイレクトに観客と関わりたい姿勢がみえる。
でも、幾多のミュージシャンに比べたら全然だ。で、それがこの人の場合、むしろ信用がおけると思う。
不特定多数の「みなさん」に、早々心は許せないしさらけ出せない。ただ、歌と演奏では絶対に圧倒してやる。そんな繊細でありつつ異常に攻撃的でたくましい、作品まんまの性格の人だと思うからだ。
と、この辺でちょっと場を離れ休憩。後半、現時点で最大のヒット曲だろうCHE.R.RY。そしてバンドメンバー先にはけさせて、アコギ1本で情感たっぷりの熱唱でGood-bye daysを歌い会場をシンと静まらせて去っていった。
まだまだこの人が世界との距離感をジャストに取れるまでは時間がかかると思うけれど、その慎重さによっていつかぴったりとそのピントがあったとき、どれだけ凄いことになるか、どんな名曲が生まれるか、とても楽しみだ。

ゆっくりとまたGLASS STAGEに移動し、軽く食事を取って続いての御大に備える。今年に入って井上陽水とのユニットは観ていたものの、ソロとしてはかなーり久々である。ひたちなかの陽射しのせいではなく、喉はカラカラ。

16時20分、奥田民生
いつもの力の抜けた風情で奥田民生がGRASS STAGEに登場!観客の歓声に軽く手を振って答える姿はかなり機嫌が良さそうである。ゆっくりと音を確かめてから、演奏スタート。
1曲目はイナビカリ。ガシガシとしたリフによってぐいぐいとドライブするアップチューン。初めて聞いたのだけど、キャッチーなリフとメロディのポップさがとてもよかった。
そして続いては2曲目にしていきなりイージュー★ライダー!これフェスでのOTをよく観てる方々には驚きの展開。大体最後まで引っ張ってさすらいとセットのように披露するはずなのだ。が、よくよく考えてみると普通の大物はライブ前半から代表曲を出し惜しまないはずで、その意味では今回こそとても真っ当な曲順なのだった。
当然のように大会場のボルテージは一気に高まる。4ピースでの骨太なイージューはグルーヴィーで最高に心地いい。
続いてはスカイウォーカー。こちらもざっくりとした演奏が異常に心地いいポップチューン。美しくゆったりとしたメロディーが伸びやかに歌い上げられ、その言葉と音で作り出される世界に包まれるような感覚。
この辺でMC。
「えー、今年もまたやってまいりました。やってまいりましたじゃないな。出させていただきまして!・・・ありがとーございます」
と心にもないことを言う。
「毎年毎年出ていますと、だんだん楽屋とかでも微妙な感じにね。なってくるわけですよ。大物が来たら、まあそれなりの雰囲気が漂うんですよ。・・・逆に若手が来てもね、これがそれなりの雰囲気をね。中途半端なんですよ」
と自虐的なことを言う。多分、事実は違うと思う。
「あっ、これは言っておかないと。曲をね、去年くらいからいっぱい作ってるんですよ!もうめちゃくちゃ作ってますよ!出てないけど(会場笑) これ言っておかないと遊んでると思われるんで。全然ずっと作ってますから。・・・・またこれが凄いドンドンできるんですよ。今日出てる人たちに1曲ずつあげたいくらい。今日はやりませんよ!でもすっごい作ってますから!すっごいいい曲ばっかり!」
とここで、今回のフェスの中でも特に印象深く残る名言が飛び出す。
「今、42歳。・・・むしろピーク!」
会場大拍手。
「ピークですよ。すっごいいい曲ばっかできてるんで。てことは来年はダメってことです。その辺を理解していただいて、みなさん残り少ない時間を楽しんでいただければと・・・」
とオチがあったものの、本当に驚きの発言だった。
制作について、基本的にOTは異常に口が重い。いつかインタビューで、この曲を作るのにどれだけかかったとかこれだけ苦労した、なんて語るのはかっこ悪いし音楽の邪魔になる、言っていたけれど、裏返せば実は相当苦しんで時間をかけて作っているということだ。これ以外でもいろんなところでの発言の端々に制作の苦しみを暗に感じさせる発言は多々ある。けして声高には言わないけれど。
だからこそ、この「むしろピーク!」の突き抜けた発言にはほんとに驚いた。新作が楽しみだ。
そして
「あ、これは新曲か」
とかいう感じの一言から未音源化の新曲愛のボートへ。こちらも初めて聞いたのだけど、イナビカリ同様にキャッチーなリフ主体のポップでメロディの強い楽しい曲だった。
続く海の中へでずぶずぶとサイケの波に沈めていき、The Standardで美しいメロディーを聴かせ、直球のラブソングっぷりにうっとりさせる。
そしてKYAISUIYOKUMASTER。野太くかっこいいギターリフと迫力満点のバンドサウンド、コーラスとのかけあい、さらに後半リフでグイグイと上げていく展開。MTR&Y結成によって実った果実的名曲じゃなかろうかと。
ここでMC。ワカ天の話もちらっとしたんだったか、ここで突然マイクの調子がおかしくなる。
「なにこれ? なんかおかしいよ? 大丈夫?」
とかなりのリバーブっぷりでなかなかのトラブルだろうに、全く動じないOT。
そしてそのまま演奏スタート。快楽ギターをめちゃくちゃな音環境のなか、無理やり歌っていく。しかし観客的には演奏から半小節くらい遅れてリバーブ付きでボーカルが届くのだから聴くに耐えなかった。1コーラス終わったあたりでこのマイクトラブルは復旧し、あとはもうノリノリのロックンロールに身を任せればよかった。
あのまま、演奏せずぼんやりと時間が流れたらライブ的にもタイムテーブル的にも影響が大きかったところを、なかなかうまいこと処理したものだと思う。かなり力技だったけど。
そしてラストは大名曲さすらいで終了。
新曲がありつつもベスト盤リリース後ということもあってか、わりとリスナーフレンドリーなフェス向けセットだったと思う。「むしろピーク!」発言も含めて相当に状態がいいことはビシバシ伝わってきたし、もうこうなったら一刻もはやく新作を出してもらうしかないなー。もう十分待ったよ。

ここでまたまたLAKE側へ移動。かなりの往復率だけれど、台風の影響か風が強く曇り気味のため、そんなに体力奪われ感はない。

LAKEに行くとZAZEN BOYSのライブが終盤に、相変わらず独特なMCが耳おもしろい。カキ氷を食したりしながら大トリのコーネリアス前にふらっとWING TENTへ。

18時20分、9mm Parabellum Bullet
静と動のダイナミズムが凄まじい。以前観たときと変わらずとにかく圧倒的に熱を放射しまくる怒涛のライブ空間。いくつかのメッセージが届く曲もいいけれど、やはりこのはちゃめちゃな異物感というか化け物的な狂乱の感覚がこのバンドの真髄なのかもしれない。
数曲だけ観て、大トリのアクトを待ちにLAKE STAGEへ。

入場規制がかかるんじゃないかと心配で仕方なく早く戻ったのだけど、どちらかというとスカスカな感じで逆にびっくりしてしまう。
今年のLAKEはどのライブ前もわりとこんな感じで、開演予定時間にはきっちり人が集るようになっていた。それだけ場所取り感覚が薄れて観客のフットワークが軽くなったということだろう。

そして開演15分前くらいからコーネリアスをただひたすたに待った。
ステージにはなにやら上に組みあがっていたはずの鉄骨の一部が降ろされ、多くのスタッフが集ってなにか準備をしている。

開演予定時間がきても音チェックもはじまらない。ひたすら待つ。

開演予定時間20分超過でついに機材トラブルとのアナウンス。特に会場の苛立ちとかはなく、夏の夕闇の涼しい風を感じながらゆっくりと時間がすぎる。

降ろされていた鉄骨がまた上に上がっていき、そこから垂れ下がった白い幕がステージを隠す。白幕には黄色/白/赤/青のトリコロールに似たsensousのデザインがプロジェクター的な感じで映し出されていた。
その白幕の裏で音チェックがようやく始まる。

開演予定時間から約40分が過ぎ、チャララーンというあのsensousを象徴するような金管の音が流れ出す。

そして、驚愕のアートパフォーマンスが始まった。

19時30分ごろ、The Cornelius Group
セッションのような演奏でスタート。
セッションといってもバラッバラの音象が次第に一つのサウンドを構築していく、コーネリアス独特のスタイル。そして幕はまだステージにかかったまま、4つのカラーはその位置に幕の後ろにいるプレイヤーが音を出している瞬間だけ色があらわれそこにシルエットで演奏者が映し出される、というドリーミーな演出付き。
どれだけ複雑に音が絡まっていっても正確に色の発光と同期が取られている。
そして、
「エイチ。イー。エル。エル。オー。」
と無機質な音声でアルファベットが発せられると同時に幕に横からスライドするように文字が現れ「Hello」と挨拶の言葉があらわれる。続いて「The Cornelius Group」とアーティスト名が表示され、そこでプツッと幕が落ちる。ついにステージが現れる。
「お待たせしました」
小山田くんの一言。ジャーンという決めの音が鳴り響く。カッコよすぎ。
思わず階段ゾーンから立ち上がりスタンディングゾーンへ。
シンセのイントロから1曲目はBreezin’
感覚的で不思議な映像がステージ後方の巨大スクリーンに映され、その手前に平行線上に並んだメンバー4人の姿も現実感がなく浮き立って見える。確実に生演奏されているし、構築的ではあるものの呼吸するように有機的に響きあう演奏ではあるのだけど、それが映像とぴったりと同調している。
聴覚と視覚、それぞれに強烈な刺激を両者が重なりあうようなかたちで与えられると、何ともいえないトランス状態に陥らされる。凄い。
続いてはGum!昨年のSoft BankのCMの印象が強いバッキバキのロックチューン。母音と子音の組合せの妙を遊びながら、一語一語を発音していく歌の構成と合わせて、ビジョンには無数の口があらわれる。それは増殖し、回転し、爆発し、散開する。もう目がくらむような爆音のビジュアルサウンドアート(意味不明)。
続いてはDrop、コポコポとした水の音をコラージュしたオーガニックで爽快なサウンドスケープが心地よすぎるポップチューン。音の絶妙な緊張と緩和がこんなにもモダンに繰り返されるとその快感に抗うことなんてできない。
さらにPoint Of View Point。音響的な耳心地のよさを追求したシンプルで穏やかな水のような音楽。無駄なものを削ぎ落としたポップミュージックとダンスミュージックの結晶のような美しい音の芸術。
「Point」のリリースから6年、ついに初めて生でこの音楽を体感できて、嬉しかった。
Wataridoriはシルエットの鳥が優雅に高速で山や街を駆け抜けていく、その映像と音の異常なまでの体感スピードに飲み込まれてしまう。映像の印象が強いのかもしれないけれど、ケミカルブラザーズのStar Guiterを聴いているときの感覚に似ている。
ほぼMCらしいMCはなく次々と披露されていく名曲と、それに完全にシンクロしためくるめく映像世界にどこまでも酔いしれた。
そして終盤、攻撃的でデジタルなロックチューンCount Five Or Sixのあとだったと思うけれど、あのお馴染み過ぎるイントロが鳴り、Star Fruits Surf Riderが!
もう穏やかな中にドラムンベースっぽいリズムが感じられる前半のトラックからたまらない。映像もどこかノスタルジックでおもしろい。
最後はまたあのライブ前から鳴っていたチャララーンという音からsensous。どこか不穏な美しさのある静かに広がりを見せる音世界。何ともいえぬ深い深い精神世界に落ちていくような感覚。そこで、ライブは終了。

とんでもなかった。
想像を超えた素晴らしさだった。
「Point」を聴いた6年前からいつかどこかでこの音を生で聴いてみたい、と思っていてついに念願が叶ったのだけど、聴けてよかった、とかではなくまた新しい衝撃を受けるライブだった。
もちろんあのイマジネーションの泉のような音楽がただ普通に演奏されるだけのライブパフォーマンスになるなんて思ってはいなかったけれど、こんなにもさらに豊かに次元を広げるようなものになろうとは。

そんな感じで、実はCrneliusライブ中盤でステージ後方にちらちらとGLASS STAGEの花火が見えていたので、ここがこの日の大トリのようなことになってしまっていた。
恐ろしく素晴らしいライブのあと、半ば放心状態ながら翌日に備えて大混雑のなか、そそくさと会場をあとにする。
といったところで初日は終了。
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by kngordinaries | 2007-08-16 00:39 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2007 1日目 その1
行くまでの道中、何度も強い通り雨が車の窓を叩いた。
台風が直撃とはいかなそうだけれど通過するということで、かなり不安定な空模様。ただそれがあの暑さをうまくやわらげてくれるとありがたいなと思いつつ会場へ。

見慣れた会場、ひたちなか海浜公園が近づくに連れ、フェス気分が高まっていく。
思えば、これで5年連続、全日参加は3年連続だったか。と書くともの凄い常連感が漂うけれど、ライブばかり観まくっていて、そんなに会場中の色んな楽しみ方を知っているわけでもない。

翼のゲートを通過しリストバンドを装着してまずはGRASS STAGEを目指す。
途中、SOUND OF FORESTの一発目、キャプテンストライダムの音が風に流れて聴こえてくる。ライブ前半だろうに、なんとマウンテン・ア・ゴーゴー!「山のようにみえる~♪」を合唱しないとELLEGARDENみせねえぞ的なことを言っているのが聴こえてきた。口ずさみながらGRASSへ。

GOODS売り場の大盛況っぷりを眺め、グッズ購入は後回しにしようかなどと考えてフラフラしていると、ステージから出囃子が聞こえる。開始の挨拶こと総合プロデューサー渋谷陽一の朝礼だ。
挨拶を聴きながらGRASS STAGEが見える位置まで行くとステージ後方のビジョンにちゃんと「朝礼」と出ていた。
まず台風の不安な状況について、このフェスが毎年巨大化しながらフェスとしていまもなお大きく変化していること、今年の動員が49000人にものぼること、等を話したあと、昨年のサンボマスターのライブ後のエピソードを語っていた。
そして最初のアーティストを紹介し、ついにGRASS STAGEのアクトがスタート。

11時ごろ、木村カエラ
1曲目はL.drunk、軽快だけど重厚なバンドサウンドに優しいボーカルが乗って、一気にGRASSの草原の熱を上げていく。さらにイントロから大歓声があがるTREE CLIMBERSで一気に疾走するサウンドとボーカル。さらには代表曲リルラリルハと最初からもう出し惜しみのない構成が楽しすぎる。
簡単なMCを挟んで新曲Samanthaへ。噛んで含むように歌い聞かすAメロBメロから激情が溢れ大きな願いを唱えるサビへと飛翔するロックチューン。作品ごとにメッセージを強靭にしていってるこの人のちょっと決定版的1曲だと思う。
さらにワニと小鳥。最新アルバム「Scratch」の中でも異色なミディアムチューンは、その童話的歌詞世界とNIRGILISによる浮遊する音世界によって、なんともいえない情感が溢れ出す作品になっている。
このあたりのゆったりとしながらメロディの強い楽曲は、野外フェスの大会場、つまりは音響がいいとはいえず大味でしか音が伝わらない場でもよく届く。音楽として懐が深く浸透力が薄まらないのだ。
まだアクトは途中ながらこの辺で、LAKEへ移動を開始。
音楽的にも存在的にも、先鋭的な部分もありつつ徐々に丸みを帯びてよりポップな存在に変化して続けてきている木村カエラが感じられるライブだった。「Scratch」「Samantha」以降はさらに加速して凄いことになっていく予感をさせた。
なにしろGRASSがよく似合っていた。

LAKE STAGEに到着すると、まずはその人の少なさに驚く。開演10分前でこの状況はどうなんだろうと思いつつ、するすると最前ゾーンへ。
11時50分、GRAPEVINE
1曲目にいきなりFLY!じわりじわりとテンションとグルーヴを高めていく展開と田中のシャウトで一気に熱を上げていくステージ。
さらにI must be highでその極太で揺るぎないロックンロールを全開にしていく。
「どうもバインです!」
とどこか不機嫌な成分を含んだいつもの声色で田中が口を開く。
「もうなんか、毎年こっちでやっていて、レイクの番人みたいになってますけども」
とこれも毎年恒例の皮肉交じりのステージネタを。
「ここから真昼が似合わない感じになってきますけど、ついてきてください」
的なことを言って、指先へ。今年2月の作品なのだけど、異様なくらいに定番曲の様相を呈したこのバンドの超王道のミディアムチューン。さらにインダストリアルと、宣言どおり真昼のステージとは思えないメロウネスとセクシーなグルーヴで押していく展開か、と思いきやノイズがピリピリと響き始め次第にキーボードのあの静かなイントロへと変化し歓声が上がりバイン史上最強ともいえるロックチューン豚の皿が炸裂。重厚で馬力のある強靭な演奏とダイナミックでドラマチックな曲展開、田中のボーカリストとしての開眼もこの曲の時期だったと思う。ちょっと久々に聞いたけれどやっぱり圧巻。
さらにCOME ON、ラストにはその未来もう一度ギアを上げ圧倒的なロックンロールライブはここで終了。
田中には悪いけど(?)、やっぱりLAKE STAGEがよく似合う。セットリストはここ最近の作品からばかりのチョイスで、今のバンドの状態に大きな自信を持っていることが伝わってくるステージだった。
ただ、2年前のRIJくらいから感じられたスリリングな成長期は越えて、かなり落ち着いた安定期になってきている感じもした。鉄壁のグルーヴを手に入れて、楽曲的にも「指先」で螺旋を描いて新たな王道に到達した感があるこのバンドの今後がますます楽しみ。

13時40分、100s
出囃子にまずは絶句、チャラララ~ンというどこかで聞いたことのある懐かしい旋律が聞こえてきたと思ったら「わたくし生まれも育ちも葛飾・柴又~」というあの寅さんの名ゼリフがひたちなかに響き渡る。場内から大歓声&笑いが捲き起こり、100sの面々がステージに登場。その足取りも異様なくらいに軽やかで、中村くんはステージセンターに立つとマイクスタンドが「それを軸にしてジャンプしやすいかどうか」チェックに余念がなくピョンピョンと跳ね回っている。
そして。
「ど――おお~♪」
というGRASSを突き抜けるような第1声から10年前の中村一義デビューシングルである犬と猫でライブスタート!いきなり爆発的な歓喜に包まれる波打つ会場。大きなうねりがGRASS全体を包む。
「僕として僕は行く」という簡潔にして革新的なフレーズはその独特な心地よさを持つメロディとともに今も新鮮に心の核心を射抜くエネルギーに満ち溢れている。
さらに続いては希望!夏の青空をどこまでも駆け上がっていくような爽快なバンドサウンドが響き渡る。バンドがなんのてらいもなくこのステージに全てをぶつけようとしているのがヒシヒシと伝わる、出し惜しみない強気の冒頭2曲に嬉しくなる。
さらに池ちゃんが激を飛ばしながら会場に手拍子が広がっていき、バーストレイン。爽やかなギターロックが炸裂するアップチューンはこの場に激ハマリ。熱い会場の温度をさらにさらに上げていく。
「100sです!楽しんでるか!俺ら今日は出しきっていくからみんなも楽しんでくれよ!中途半端じゃだめだぞ!俺たちも本気で伝えるから、本気で楽しんでってくれ!」
って、もう博愛博のときのボソッと発しては照れ隠しで笑っていたあのシャイなシンガーソングライターは何処へというMC。彼のような繊細で微妙なメッセージを有したアーティストがフェスという場でここまでざっくりと大きく言葉を放てるなんて、「OZ」「ALL!!!!!!」で実った果実はとんでもないものがある、と今さらながら思った。
続いてはHoneycom.Ware、「ALL!!!!!!」ツアーで機能的なダンスチューンとして生まれ変わったこの曲が軽やかに会場を乗せていく。
さらにA!最強のライブアンセムにうねるように波打つ観客、掲げられる腕。
本当にあまりにも出し惜しみない本気のセットリスト。100sというバンドが完全に打って出る体勢が整っている証拠だろう。
「知ってる人は一緒に歌ってください!!」
との一言で始まったのは、ももとせ。イントロの力強い音だけで胸が熱くなる。「ALL!!!!!!」の中心に位置するどこまでも雄大で優しい名曲。絶唱と形容したくなるくらい中村くんのボーカルが凄まじい。この1曲に込められたどうしようもなく熱い想いがビリビリと伝わってくる。
後半「ららら」の大合唱部分ではもう壊れたようなテンションで会場の音頭を身振り手振りで取り、歌い上げたあとは笑い転げてステージに寝転がってしまった。
少しの沈黙のあと、奏でられた曲はなんと1,2,3!!またとんでもなく嬉しい選曲ではあるのだけど、正直あの絶唱のあとでボーカルは大丈夫かとも思った。案の定、少々フラついて力が入っていなかった。この曲順は無茶だよなー。
しかし、やっぱりこの曲も魔法がかったような引力を持つとてつもない1曲だ。大サビのうねるようなメロディ展開から「そう!」というシャウトから再びギターが空気を切り裂くその瞬間のダイナミズムたるや、圧倒的。
さらにいきるもの!もうほんとに無茶。そうとしか言えない。限界を超えてる。そんな超アップチューンで、ボーカルのへたりつつもひたむきな歌声とファンク魂炸裂のアフロキーボーディストのアジテーション&クラップ指南でGRASS STAGEを熱狂の渦へと誘っていく。
ラストは当然キャノンボール。このバンドがこの曲とともにこの場所で産まれた、というそんなドラマチックなエピソードがあってもなくても、この広大なGRASS STAGEの隅から隅まで「僕は死ぬように生きていたくはない」という重く強いメッセージは十分な威力を発揮して、そのしなやかに高揚するサウンドとともに会場に行き渡っていたと思う。
いやもう、圧巻。野心溢れる最強のセットリストといい、「ALL!!!!!!」ツアーよりさらに進化した中村一義のテンションとパフォーマンスといい、今の100sは本当に強い。
もう中村くんのパフォーマンスなんて、これまでの客席に向けて手をかざしたり指差したりや、がに股仁王立ちや、ステージを左右に軽やかにステップしていく動きとか、そんな見栄えのいいものではなく、もう歌舞伎の見得を切るような感じというか、芸人がおちゃらけたポーズを取るときのあの片足立ちで手を広げてるポーズというか、全身で表現した結果かぎりなくコミカルになってしまう一部のロックスターに見られるある種の到達点まで行ってしまっていた。いいか悪いかは別として。
このバンドの楽曲のクオリティは、このフェスの出演陣の中でみても非常に高いものがあると思うけれど、パフォーマンスのテンションやアティチュードの熱の高さも他に負けないものなんじゃないかと感じた。
あーもう、8/25を最後にまたしばらく休憩期間となるのだろうけど、これだけの熱量を放射していたらそれも当然なのだろうけど、絶対次に向けて早くスタートを切ってほしい。

100sライブの興奮がおさまらないなか、次のアクトに向けて移動を開始。
続いては、明らかに人気とステージが見合ってなさすぎるあのアーティスト。



というところで長くなってきたので次回に続きます。
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by kngordinaries | 2007-08-11 03:41 | ライブ