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ロックロックこんにちは! PIRATES of the 10RIBBEAN 泉大津フェニックス
泉大津はちょうど1年前の9月に初回のOTODAMAで来て以来だった。
ちょっと街を離れた海沿いの埋立地。わりと早めの整理番号だったため、開場の11時より30分早く集合するようチケットに書かれていた。

10時半すぎ、ちょっと遅刻で会場へ行く。組ごとに列になって座っているその最後尾へ。
泉大津は会場自体はそれなりに広く、2万人以上収容可能なようだけど、入り口やその周辺に余裕がなく、混雑が恐いところだけど、ここまできっちり入場順が決められていたので、スムーズに11時15分ころ入場。

まずは手渡されたタイムテーブルをチェック。当日会場発表のためここではじめて見る。
トップの真心は順当、2番手が吉井和哉だというのにちょっと驚いた。中盤にブレイクタイムがあるのはちょっとホッとした。民生がミスチルとスピッツに挟まれているタイムテーブルなんて、一生観られないと思っていた。おもしろ。

PAより少し後ろ、ステージ向かって左手のシートゾーンに場所をとり、会場を散策。
ちょっと暑さがこわいけれど、気持ちのいい快晴。上に視界をさえぎるものが何もなくて、とても綺麗な空がどこまでも広がっていた。
早くも大盛況なグッズ売り場を眺めつつ、屋台で食べ物・飲み物をゲットし、シートに戻って食す。その間にも続々と人が入場し、だんだんどのお店にも行列が出来始める。早めに買っておいてよかった。

そしてなんだかんだで12時55分、ステージ左右の巨大モニターが映像を流し始め、ウルトラホストナビゲーターの越前屋俵太が登場。この会場を探して、外人や子供、動物にインタビューしてまわる、というロケ映像。これだけ大規模なイベントでこの感じ、さすがロックロックだ。
そして結局、はりぼての船をまとい、ステージに登場した俵太の紹介でアクトがスタート。

1時、真心ブラザーズ
このくらいの規模のイベントにしては少々小さめのステージにホーン隊やコーラス隊も配した大所帯の編成で真心ブラザーズが登場!この暑いのにNIKEの長袖ジャージを着込んだYO-KING。
コーラスが歌いだすと歓声が上がる。1曲目は拝啓、ジョン・レノン!僕はシートゾーンで観ていたけれど、周囲の観客もほとんどスタンディング状態で、ノリノリで楽しげな空間がどこまでも広がっていた。
この快晴の空にぴったりな空にまいあがれが最高だった。
特に大きく客席を煽ることもなく気持ちのいい歌声を響かせていくYO-KING。
MCでは観客からのおめでとうの声に、「あ~、どーもどーも」と軽くあしらって、話題を変えていく一幕も。
「今年の夏はいろいろありましたね」「甲子園とかね」「そうそう、甲子園でも流れてたこの曲をやるぜー」
と、台本ばっちりな桜井との掛け合いからどか~ん
そして後半は「親愛なる夏の友達へ送ります」というような紹介からDear,Summer Friend、そして不朽の名サマーソングサマーヌードへ。
伸びやかな歌声と、ホーンやコーラスも絡んだ豊饒なバンドサウンドがだだっ広い野外の会場に響き渡っていくのが、なんとも爽快。
そして最後はEVERYBODY SINGIN` LOVE SONG。ほんとにこのバンドはでっかいなぁと思う。あまりガツンとシャウトをしなかったYO-KINGは、本調子ではなかったのかもしれないけど、余裕のステージングのようにも見えた。トップバッターにして最高の盛り上がりを見せて、ここで40分くらいのライブは終了。

ここでシートゾーンからスタンディングゾーンへ移動を開始。
大きな混雑はないけれど、前方の観客が全くはける気配がなかったため、かなり後方の位置になった。やはり、大物アクト目当ての場所トリはかなり多いようだった。

13時55分ごろ、再びスクリーンに越前屋。ステージ裏をレポートして、アーティストようの遊び道具だというダルマ落としに挑戦するけど、全部落ちてきてしまい転ぶ越前屋にズームインするカメラ。越前屋の持つハンマーの柄には「吉井和哉」の文字が。

2番手、吉井和哉
大歓声の中、ステージに吉井とジンジャーという名前らしいこの夏フェスからの新編成のバンドが登場。吉井は黒Tシャツに黒のパンツ、上にカジュアルな赤のチェックのシャツ、と細身の黒スーツだったRIJFに比べてずいぶんとラフないでたち。
1曲目はアコギを手にして未発表の新曲、人それぞれのマイウェイ(多分)。ザクザクと気持ちのいいアコギのカッティングとそれに乗るシリアスに心に刺さる言葉。
「吉井和哉です。今日は素敵なイベントに呼んでくれてありがとうございます」
という挨拶があったような。
イントロから大歓声が巻き起こるCALL MEで一気に会場の空気は一変する。ドラマチックな曲展開にシリアスでダークで切実な思いを乗せた歌が、狂おしいほど熱くステージ上から放射されていた。圧倒的な吸引力。
さらに一気にテンポを挙げて、未発表の新曲黄金バッド(多分)。バッキバキのビートに乗って、撒き散らすように、でもしなやかに言葉をグサグサと連射していく、その乱暴さが最高なアップチューン。この曲は新たな代表曲になりそうだ。
マイクスタンドをぶん回しながら音に乗せて踊る吉井のキレ味は鋭く、RIJFでも見られたロック・スターとしてのモードであることは確実だった。「大阪ー!」というシャウト一つとってもその熱量がハンパじゃない。
「I WANT YOU!I NEED YOU!」
とのシャウトから未発表の新曲I WANT YOU I NEED YOU(ほぼ確実)。これもアップテンポな会心のロックチューン。これらの新曲群を聴くのは、RIJFに続いてまだ2回目なのにもうどの曲も耳馴染んでいて、そのメロディやその歌詞をもっともっと噛み締めたくなる。アルバムが待ち遠しすぎる。
「新曲をやらせてもらったけど、ここからは、あ、聴いたことある、っていう曲をやっていくんでよろしく」
と言って、Beautiful。前半バンドと歌のリズムがちょっとちぐはぐだったけれど、後半ぐんぐんとその世界へ引き込んでいく。なんて穏やかで静かで、でも深いラブソングだろう。世界へのフラットな視点があるからこそのこの美しい世界は、YOSHII LOVINSONという表現を通過したことの意味も、しっかりと感じさせてくれる。
さらにTALI。歌詞のアイデアから曲構成の巧みさまで、紛れもない超名曲だけれど、今回感じたのは、この曲の雰囲気が今の吉井和哉の新曲群と同じものだということ。開放的でまっすぐで、強靭な精神を持つ歌だった。
この曲でのバケツリレー等、いろんな歌詞でのパフォーマンスが今回特に多かったような気がする。曲の中でライブ向けにメロを変えて歌うパターンも増え、またそれがほんとに観客に刺さるように機能していて、ここに来て吉井はやっぱりステージングの勘というか、反射神経が一気に上がっているんだと感じた。とにもかくにもかっこよくて心地よくて熱くてしょうがない。
「週末に生まれ変わろうぜ!」
というような檄を飛ばしてWEEKENDER。このアグレッシブなサウンドと開放的な歌唱と人懐っこいメロディ、そしてやるせなさや退屈さや悲しさのなかにある日常とそれを乗り越えて進もうと歌う言葉は、間違いなく新しい吉井のアンセムとなっていくと思う。
そして、
「今日はどうもありがとうございます。最後まで楽しんでってください!・・・辛いこともたくさんあるけど、たまにはその手で自分を抱きしめてみてください!抱きしめてやってください!その両手は自分のためにあるんだぜ!自分を大切に、してやってください、イエイ!」
と叫ぶ吉井。なんて無骨で恥ずかしい言葉たち。しかし、これが吉井和哉というロック・ミュージシャンらしさだ。
このまま言葉少なくステージを終えれば、スタイリッシュでかっこいいのに、最後の最後でこういうダサくて、どうしようもなく本気のメッセージをオブラートに包まずモロ出しするしかない性分の、不器用な表現者。
「明日からのまた新しくなっていく君たちへ送ります」
というような言葉からFINAL COUNTDOWN。最高のライブアンセムに会場のボルテージは一気に最高潮へ。
そしてラストはLOVE LOVE SHOW。さらにヒートアップした熱い熱い盛り上がりをみせてライブは終了。圧巻の、でもとても暖かく心地いいライブだった。

吉井終わりでスタンディングゾーンから抜け、お手洗いを済ませたり、物販を覗いたりする。KREVAのブースのみ列がない。今年もアウェイ感満載のもよう。
ステージではジェイク・シマブクロのエキサイティングなアクト。ウクレレ1本とは思えない迫力の熱演や、女性ボーカルとの心地いい共演もあったり。他のアクトに比べると毛色が違うためか、持ち時間はかなり短めだったもようで、ちゃんと聴こうとシートゾーンに戻るころには終わってしまって残念だった。

15時30分ごろ、レミオロメン
1曲目から南風でもうシートゾーンまで総立ち。軽やかな4つ打ちに心が弾む。どこまでもポップで柔らかく、誰も置いていかない音楽。
さらに1-2 Love Foreverで会場全体が踊りだす。キラキラとした音世界。
そして初期の名曲雨上がり。ずっしりとくるリズム隊の演奏がかっこいい。そして重力を感じながらも徐々に飛翔していくメロディが最高だった。
とにかくその開放的な空気感、全方位の観客に向けた壁のないポップが素晴らしかった。もう普通に「みんなのバンド」として存在できる大きなバンドだと感じた。
中盤は3月9日粉雪といったバラードの名曲で聴かせ、後半は明日に架かる橋スタンドバイミーで、軽やかに爽やかに盛り上げていき、最後は太陽の下で穏やかに締める、終始心地いい名曲だらけのライブだった。

ここで、ブレイクタイム。
アナウンスで40分の休憩が告げられる。また軽く食事を取り、コンディションを整えて、スタンディングゾーンへ。

驚いたことに、スタンディングゾーンのそこここにシートを広げ荷物を置き座り込む人たち多数。スタンディングゾーンへ向かう人たちの大きな妨げとなっていた。
ロックフェスの場所取りNGという原則に馴染みのない人が多かったのだろうけど、それが、大きな混雑と他の観客のストレスの要因になっているのだから、注意するなり、別の方向から観客をスムーズに誘導するなり運営側の対処が必要だったと思う。

なんとかそこを越えて、真ん中のスタンディングゾーンの一番後方へ。前方にも大きな荷物が散見されたけれど、飽和状態のあの密度ではライブ中どんなことになるか、想像しただけで恐い感じ。

そして、16時50分ごろ、KREVA

長くなってきたので続きます。ここからほんとに凄かった。
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by kngordinaries | 2006-09-04 23:48 | ライブ
Re:mix 2006 その2
地下にあるアポロシアターから地上へ出てきて、さてMO'SOMEへ、と行こうとして道端の機材車が目に止まる。そこで荷物を運び出している見覚えがある3人組。
それはアナログフィッシュでした。
下岡氏は茶色のニットを被り、斉藤氏はキャップ、佐々木氏はハット。斉藤氏はハーフパンツ。それぞれがギターケース等の荷物を持ち、佐々木氏にいたってはステージ衣装のスーツが入ってると思われるクリーニングしたての荷物も。
「あーやっぱりクリーニングとか出すんだ。ライブ続くと次の公演に間に合わないだろうし、何着か予備があるんだろうな」と思いました。ステージに立つスターの裏の現実を観てしまった、というほどのショックは別になかったけど親近感が増しました。
数分間ガン見してしまいましたが、他の方数名がするように声援を送ることもせず、関係者入り口に消えていくまで見送ってダイアモンドホールへ向かうことに。

そして5階のダイアモンドホールにたどり着くと、ちょうど目の前の関係者用のエレベーターが開き、出てきた見覚えがある3人組。
それはアナログフィッシュでした。
おおっと思っていると、フロアから去っていく3人。

会場に入るものの、MO'SOME TONEBENDERのライブはすでに中盤で、当然びっしりの観客に会場内にもギリギリは入れるレベル。まだイベントは長丁場で後半もあるし、空腹を感じたため、ここは早めの食事休憩といこう、と思いフロアを出る。

そしてダイアモンドホールを出て階段を下りようとしたとき、なにかの気配を感じて後ろを振り向くと、僕についてくるように階段を下りようとする見覚えのある3人組。
それはアナログフィッシュでした。
え?と思ってちょっと固まると、3人も後方に振り向き、係りの人にアーティストはエレベーターで的な注意を受けて戻っていきました。短時間に3度アナログと遭遇とは。びっくりでした。

食事を取りおえ、まったりと長い休憩を取り、19時過ぎに会場へ戻り、休憩・物販スペースを物色し、さきほど目をつけていたチケットを購入。先行販売のため整理番号が早い早い。

そしてPOLYSICS待ちでダイアモンドホールのフロアに入ると、その場に座り込んでライブを待つおびただしい数の人、人、人。若手の勢いのあるバンドのライブアクトがこれだけ立て続けに行われる長丁場のライブ、相当消耗してぐったりの人も多かったもよう。
しかしPOLYSICSが登場し、
「行くぞ!ラスト8曲!!」
とハヤシが叫ぶと一気に湧き上がるフロア。一瞬にしてもの凄い盛り上がり。
カジャカジャグーでひとしきり壊れたように踊り狂って、このへんでキャプテンストライダムに向かうため、フロアを出る。

アポロは入場規制もありえるので、開演の大分前に行って、かなり後方ながら観やすい位置に陣取る。思えばキャプテンストライダムのライブは初。なんだかもう何度か観てる気がするくらい妙に親近感のあるバンドだ。
ステージでは音チェックをメンバー自身でしていた。僕がよく観るバンドで自ら音チェックをしているバンドというとアナログフィッシュとSTANで、どちらもセッションしまくるタイプ(その内容は大分違う)だけど、このバンドはそれぞれが音を確かめている感じだった。それぞれのバンドでいろいろなかたちがある。
なんだか憎めない顔をしたサポートのギタリストがマイクチェックをしていて
「ヘイ、ヘーイ。ヘイ。アー」
と普通にやってるな、と思わせておいて
「ヘイ、へ・・イェエエ~~イ!!」
とおもむろにいきなりをテンション上げて、片手でガッツポーズを突き上げながら叫ぶ。会場爆笑。
その後、他のメンバーがステージを降り、一人残った永友くんが同じことを3、4回、しつこいほど繰り返すので場内は笑いの渦に。

しばらくして定刻になりキャプテンストライダムが再び登場。
「みなさん、今日のことを絵日記に書きましょー!」
と叫ぶ永友くん。梅田くんも手拍子で煽ったり、とにかく最初から陽性で開かれた、エンターテインメントな立ち振る舞いが楽しい。
ヤルキレスフランクフルトと、ゴリッとしたサウンドにどこまでもポップなメロが乗る感じがとても心地いい。永友くんの熱いけどすっきりとした歌いっぷりがとてもいい。
MCでは、サポートのギタリストも含めて全員で絶妙な掛け合いをしていて、仲が良さそうでとてもいい空気感。夏の思い出話では菊住くんが実家に帰ったら母親の部屋にペ・ヨンジュンのポスターが貼ってあった、という話を。
「ショックでしたよ。別にペ・ヨンジュンが好きとか嫌いとかじゃないですよ。ただ、、自分の母親の部屋にポスターが貼ってあるのは、ねえ」
とかなんとか言ってました。
後半はマウンテン・ア・ゴーゴー・ツーやU・I・R・O(ウイロー)のコール&レスポンスで盛り上げ最後はやはり最強ダンスチューンキミトベ
どこまでも観客を楽しませるツボを知っていて、全力で尽力するというちょっとGOING UNDER GROUNDのライブにも似た印象の最高ライブはここで終了。かなりギュウギュウのアポロが熱く盛り上がった。

そしてライブ終了と共にかなりハケていく観客。
このぐらいのハコはキャプテンストライダムにとっても、アナログフィッシュにとっても、全然小さいだろうけれど、それでもこうして観客がごっそり入れ替わって、開演前に到着すれば十分観られる状況になるのは、ダイアモンドのアクトも後半より強力なメンツになっているからだし、出演バンド数が多いことによる観客の多様性が生まれていることもあると思う。その辺の計算が、このイベントはめちゃくちゃよくできている。

夏フェスなんかに行っていても「こんなにいいバンドが今ここでやってるのに、なんで別のステージに行くかな」とか前は思っていたけど、今は逆にその価値観の多様性を理解できてきて、逆にそれを信じて行動したりするし、それが感じられることが一つの楽しみになってもいる。
自分的に音源を聴いていて評価が今ひとつだったバンドも、ライブを観て、そこでの観客の盛り上がり方やポイントを見ていると、途端にそのよさが分かったりもするし。
その辺がワンマンとはやっぱり全然違うし、複数ステージ・複数組登場するこのイベントもそういう楽しみ方を提供してくれるものだと思った。

アナログフィッシュ、本番前のサウンドチェックには今回は珍しく斉藤のみしか出てこず、ベースとギターはスタッフによるチェックが行われていた。
ほぼ定刻にアナログフィッシュの面々がステージに登場。佐々木がステージ前方までせり出してきて変顔で煽る煽る。怖い。
そしていきなりHello前のお約束セッションでスタート。いきなりこの曲でスタートするとは思わなかった。一気に湧き上がるフロア。
「ハロ――――!!」
下岡のシャウトからHello。最初から演奏のテンションは最高で、勢いよく音をぶつけてくる。さらにBGMスピードと、ここのところの鉄壁のセットで畳み掛ける。スピードの間奏での下岡佐々木のスクラムは、もう定番なのだろうか。
このへんでMC。
「こんばんは。アナログフィッシュです」
と斉藤。
少し間を置いて
「こんばんは。アナログフィッシュです」
と斉藤。
さらに少し間を置いて
「こんばんは。アナログフィッシュです」
と斉藤。
なぜか3回繰り返す。
そして名古屋でのライブは久しぶりであること、次のライブは「ROCKS」のイベントであることなどなどをまったりとトーク。
「それじゃ、次はLiving in the cityという曲をやります」
との下岡の言葉からLiving in the city。温かく穏やかなイントロからもう最高だった。今ここで生きているということ、生活をしているということをシビアに見つめながらも肯定的にとらえたその世界観は、今まで誰も表現したことのないものだ。画期的だけれど、今まで無かったのが不思議なくらい普遍的な楽曲。「イージュー★ライダー」や「LIFE」のようにエバーグリーンな僕らの歌的な大きさを感じる。
「Living in a city 退屈さ今日も」
「僕らは今日も 暮らし続けるのさ」
そして最新シングルアンセム。狂おしいほどの葛藤や焦燥をどう消化するか、というのが佐々木のずっと変わらないテーマだと思うけれど、この曲はこれまでの作品の中でももっともタフに穏やかに歌うことでその答えを探し続ける決意を歌っている。
「ハミングが溶け出す 地球の午後 Say hello 悲しみもためらいも 追い越せる様に 歌を唄う」
「僕の体を駆け巡った 世界を彩るメッセージを 探してるよいつも 探してるよいつも」
そしてここでMC。今年に入ってからずっとレコーディングをしていて、それももう終了したことが語られる。
「多分、11月か12月には出ると思うので、ぜひ買って聴いてください」
と下岡。
そして新曲をやります、というような前置きからmagic
曲紹介からもの凄くテンションが上がってしまった。昨年末から未発表の新曲をガンガン披露していたけれど、そのほとんどを一度は耳にしていたのに、1曲だけ聴けていなかったのがこのmagicだった。
曲調は明るく開放的なアップテンポ。「ちっちゃなころに間違った魔法にかかって」と歌われる歌詞はQueenやハーメルンに通じる白昼夢のような幻想感もあり、イワシのような物語性もあり。とにかく曲の展開を追いながら聴いてるだけで笑みがこぼれる最高のポップチューン。メロディもアレンジもとても心地よかった。こんな曲を聴いてしまうと、まだまだこのバンドへの期待が無限大に広がってしまう。
また、演奏のアンサンブルと歌唱の細やかなニュアンスに集中力を研ぎ澄ませている感じも素晴らしかった。最近のライブでは、特に冒頭の3曲のように勢いや盛り上げ重視の曲の場合、細やかなこだわりよりざっくりとドライブ感を重視していると思うので、このピリピリするくらいの音のせめぎ合う感じが嬉しかった。
そしてラストは世界は幻。このライブ唯一のスローチューンは、会場の空気を一変させ、そのずっしりとしたロックの快感で魅了する。佐々木の力強い歌声が胸を震わせる。
短時間の中で、このバンドのいろいろな魅力を凝縮してみせたような最高ライブはここで終了。

アポロシアターのアクトはアナログフィッシュでラスト、そうなかなか大役を仰せつかっていたのだ。この最高のライブに当然、アンコールの拍手が巻き起こる。
と、なにやら中央にマイクスタンドを持ってきたりいろいろとセッティングを開始するスタッフ。佐々木弾語りか、アコースティックか、とこの後の展開に期待がつのる。

そして再び3人がステージへ。
「ありがとうございまーす!」
と佐々木。
「じゃあ、ここで3人でアカペラを披露したいと思います」
と下岡を横目で見ながら斉藤。観客、戸惑い気味に拍手。
「・・・そんな目で観ながら言うから、どうしようかと思ったよ(笑)」
と下岡。どうやらジョークだったもよう。
「じゃあ健ちゃん」
と佐々木にふる下岡。
「はい、え・・・僕らこの前、キャプテンストライダムと対バンを回っていて、一緒にセッションをしたりしていたんですけど、今日このイベントでもこの前がキャプテンストライダムだっていうことで・・・ちょうどいいんじゃないか、という話になったんです」
と佐々木。会場大拍手。
「えっと、じゃあキャプテンストライダムです!」
そしてキャプテンストライダムの3人が登場!会場大拍手。
「ちょうどいいって(笑)」
と永友。そして会場を煽って観客全員で「ちょーどいい!」コールを。
「皆さん、今日のこのアンコールのことを絵日記に書きましょー!」
と永友。さすがにライブの盛り上げはアナログより全然上手。すでに場を掌握している。そして
「このメンバーで、みんな誰でも知ってる名曲をやります!」
との言葉からギター下岡、ベース梅田、ドラム斉藤の演奏で始まった曲は、なんとPUFFYの渚にまつわるエトセトラ
会場中、笑顔笑顔の最高セッション。大きな盛り上がりをみせてアポロシアターでのライブは全て終了。

大きな満足感に浸りつつ、もうこのまま帰ろうかとちょっと思ったものの、the pillowsを覗きにダイアモンドホールへ。途中、物販・チケットスペースへ寄る。
数組のバンドのグッズに対して一人の販売員、みたいな中、STANグッズの前にはSTANTシャツを着た明らかにSTANグッズのためだけにいるおじさんがいた。STANの出番の時間から考えてももう購入者はいないだろうに、その頑張りに心の中で拍手。
チケット売り場を見ると、さきほど購入したチケットが先行分はもう売り切れたようで、さっき買っておいてよかった、と胸をなでおろす。

そしてthe pillows
かなり長いキャリアがあること、多くのミュージシャンに愛されてること、ドラムがO.P.KINGのしんちゃんであること、そして長いキャリアの中で今が一番状況が盛り上がっているというとても幸福なバンドであること、等々いろいろ知ってることはあるのに、一度もちゃんと曲を聴いたことがなかったこのバンド。
ぎっしり埋まったフロアの一番後ろで観たけれど、もの凄く真っ当に素晴らしかった。
がっちりと固まった熱く上手い演奏と、卓越したメロディーと、まっすぐ突き刺さるボーカルの歌声。必要以上にラウドでも速くもないけれど、十分に衝動的で攻撃的。それでいてポップ。
中盤のMCでは今度のミスチルとの対バンについても
「俺らにとっても、まあ厳しい戦いになると思うんだけど(笑)、みんなもチケット取るの大変だと思うし」
とここで一人の観客から「もう取ったよ」との声。
「え?もう?どうやって」
と聞く山中。それにちゃんと答えようと話す観客に山中が
「うん・・うんって誰だよ、お前!」
会場笑。いい感じにフレンドリーだけど遠慮なく乱暴で、そこがよかった。
これは一度ちゃんと聴いてみないと、と思いつつアンコールまでしっかり観てしまった。
時間は22時15分、開演から7時間以上に渡って行われた長丁場のライブイベントはここで全て終了。


いやもうお腹いっぱい。多数のロックバンドのライブをこれでもかと堪能できた素敵イベントでした。
出演者数やタイムテーブルの組み方や会場の動線、スタッフオペレーション等々もとても慎重に考えられていて、素晴らしかった。
ただ、これも上手くイベントが進行した要因ではあるけど、ある程度ジャンルが限定されていた感があって、そこはもう少し広げても楽しかったかな、と思った。倉橋ヨエコくらいしかロックバンド以外がいなかったし、パンク・エモ系もポストロック系もなしというのは、少し狭すぎる気がちょっとした。
あと今回ばかりは名古屋という土地柄にも感謝感謝。当然だけどこの規模でこういうイベントは東京や大阪では絶対に出来ないし、逆に地方都市でもしかり。妙に観客の客層が偏ることもなく、遠征組も多かったけど、夏休みの楽しみできた風の学生や、お祭りごとだからという感じで普段ライブを見なそうな感じの人もかなり見受けられたし。


まあ結論としては、もうなにがなんでも来年もやってください、ということです。出来れば次は土日で!(←自分勝手)
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by kngordinaries | 2006-08-27 23:29 | ライブ
Re:mix 2006
昨年の2005から規模を少し拡大した、名古屋で数少ないロックフェス的なライブイベント「Re:mix 2006」に行ってきました。

会場は名古屋栄のとあるビル内5階にあるキャパ1200人のダイアモンドホールと、その隣の建物の地下1階にあるアポロシアター。アポロのキャパは分からないけど、見た感じでは詰め込んで200~300と思われる小バコ。
両会場の出演アクトが多少被りつつ、基本的には交互に組まれたタイムテーブルで、開演の15時からあいだの30分のブレイクタイム以外は22時30分の終演までぶっ続けで行われるライブイベントです。

ここからはライブレポというよりは自分の行動録を中心に。

14時40分、とても遅い整理番号だったので開場時間を過ぎてからダイアモンドホールのあるビルの下に到着。まだまだ入れないもようで周辺をうろうろ。
アポロシアターの入り口前に機材車が止り、荷物を運び出すバンドがいたので、注視してみると、どうやらつばきの面々。メンバーの一人がライブ中でもないのに「つばき」Tを着ていて微笑ましい。

15時、ようやくダイアモンドホール入り口までこぎつけ、リストバンドを装着。ロビーを眺めているとライブが始まりそうなSEが聴こえてきたので、会場内へ。

トップバッターはランクヘッド
1組目にして会場は7,8割埋まっていた。縦ノリなビートにポップなメロディ。ボーカルのフェロモン重視の歌いっぷりは好みが分かれそうだけど、とても王道なギターポップを鳴らすバンドだ。
生きる意味を問いかけるアップチューンすべて、ちょっとフォーキーで切ない夏の匂い、音源の打ち込みサウンドに対してがっつり生音アレンジのライブ仕様となったダンスチューンLoop、等々。J-POPの中にもすんなり溶け込めるライトでソフトな音作りと、心を削りとったような熱のこもった歌詞と歌唱で、今後もっとステップアップしそうなバンドだ。
MCは少なめ、セットリストもイベント向けに盛り上げる曲重視でなく、しっかり歌を届ける感じがあって、よかった。

ランクヘッドを終えて、一度ダイアモンドホール横の休憩・物販スペースへ。
妙に広いスペースの壁際に座り込む人多数。物販を覗いてまわると、ライブチケットコーナーがあり、出演バンドたちの今後のライブが先行発売されていた。
ここで10月29日にFM AICHI「ROCKS」presentsのライブが開催されることを知る。出演はアナログフィッシュ、スネオヘアー、bonobosの3組。もの凄くいい。
10月4日のSTAN出演のアポロシアターでのライブも売られていた。

続いてアポロを様子見に向かう。
5階分の階段と20mくらいの建物移動だけなので、ものの2分くらいで移動可能。倉橋ヨエコのライブ後半だったけれど、入り口まで人が溢れかえっていたので1曲聴いてすぐに外へ。ピアノ弾語りのちょっと情念系の歌声がとても鋭く強い印象。

STANに備え、荷物をロッカーにしまおうとダイアモンドホールへ行くが、すでに全て使われていた。ロッカー上も、荷物が山積。旅行用のがっちりしたカバンが多く見受けられたので、遠征組が相当数いるっぽい。
余談だけど、ライブ前とか耳に入ってくる周囲の話し声の中にも、大阪で見たあのライブはどうだったとか、エゾはどうでとか、昨日は東京でライブ観てとか、もの凄いライブジャンキーレベルの高い話が盛りだくさんで驚いた。
しょうがないので、アポロのロッカーに期待して再びアポロへ向かう。その道すがらダイアモンドホール下の入り口で、THE BACK HORNらしき面々の会場入りに遭遇。隣の女性が、「誰だか分かんないけど絶対見たことある、絶対見たことある!」と叫んでいた。

16時、アポロシアターに入りロッカーに荷物を入れ、万全の体制で前から5列目くらいに陣取る。前回の名古屋でのライブはSTAN以外は地元のバンドばかりでお客さんの入りも30~40人といったところだったけど、すでにそれ以上の人が会場内にいる。多分そんなにSTANに気のない人も多いのだろうけど、一部メディアだけがヒートアップしてプッシュし、知名度ばかり上がっているこのバンドは、今はとりあえず各地方の色んな人の目に生で触れることが重要な時期だと思うので、名古屋でこういうイベントに出るのは凄くいい効果がありそうだ。
楽器がおおよそセッティングされるとまずは49が登場し、音のチェックがてらドラムをたたき出す。しばらくして、KYG、今西もサウンドチェックを自ら行う。誰かが弾き始めたフレーズのフィーリングで即席のセッションが何度も繰り広げられ、それだけでもとても楽しい。
途中、KYGが「アオーゥ」などふにゃふにゃ奇声をあげながら歌っていた。と思ったら「君を抱いていいの~♪」って小田和正まで歌いだしたり。面白すぎる。
15分くらいのラフだけど濃密な音チェックセッションが終了。ライブを待つ。

そして定刻にSTANがステージへ。会場もなかなかに埋まっている様子。
「ちわーす」
というような適当な挨拶からSTAN'S HOUSEへ。とぐろを巻くようなグルーヴの渦、フリーキーに放射される素の言葉と頑強なリフとそれに絡みつくドライブするベース。最高だ。
さらに矢継ぎ早にULTRAMAGNETICSTANSでバウンシーなビートが炸裂。このファンキーな自己紹介ソングで「STANマジヤバイ」という言葉が出た瞬間、一気に反応するオーディエンスはやっぱり初見が多いようで、そこから一気に引き込まれてほしいと切に思う。
曲中盤ではステージ前のスピーカーにごろりと寝転がるKYG。仰向けで歌う。そして右端の最前で全く微動だにしないお客さんの目を覗き込み
「君、全然楽しくなさそうだね」
などとかます。
「気持ちいいなー」
というような独り言からDolphin Dance。魅惑の美メロポップチューンを歌い上げるKYG。
ライブ全体の印象だけれど5月の名古屋ライブと比べてちょっと変化した気がするのは、KYGの歌いっぷりだ。RIJFでも感じたけれど、やんちゃな歌いっぷりの中にもかなり歌をきっちり、ポイントとなるメロをはずさず、というとことに重点が置かれるようになったと思う。
さらに
「アメリカ~~」
というふにゃっとした一言からJAPANISTAN。ピリピリとするようなアンサンブルからタイトでシンプルな演奏が切れ味鋭く迫る。「YES YES」という歌詞を一部「アメリカ アメリカ」と字余り気味に歌い放つKYG。
「今のはJAPANISTANという政治的な曲でした。次は大きな愛を歌った愛に逆らうなという曲をやります」
と言って、愛に逆らうな。これがRIJFでも披露された未音源化の曲で、STANのポップサイドをさらに広げたようなポップチューンだった。繊細な歌詞が優しいメロディとアレンジに包まれ、胸に響く。
「ありがとうございます。じゃああと2曲」
と言って、しばらくセッションが繰り広げられてからグルーヴィーな最強ポップチューンTHE SONGへ。STANのいろいろな側面に近しいバンドはいても、この曲の感じを表現できるバンドは他にはいない、と確信できるSTAN独自のポップネス。
そして最後はRIJFと同じファンキーなトラックに乗って、言葉を連射するI knowというらしい未音源化曲を。いろんな形式や決まりごとに「NO」を叩きつける批評的な言葉とトリッキーな演奏が最高だった。ここでライブは終了。
愛に逆らうなとI knowの2曲をとってみても、STANの秘めている巨大な才能・可能性に、期待が高まらずにはいられない。それはきっと、10月18日リリースのSTANⅢでかなりの部分を観ることができるだろう。
ただ、僕がさらに楽しみなのはその巨大な才能がバンドを取り巻く状況や時代と摩擦を起こすことによって生まれてくるだろうエッジの効いた表現だ。
今回のライブパフォーマンスからもここ最近全国各所で初見の観客を前にライブをしてきた中での彼らの変化が散見されていた。この先、STANというあまりにも剥き出しのいびつなロックが、どうメディアや音楽ファンに受け取られ、その状況から受けたものをどうSTANが作品にしていくかは、もの凄く気になるし、それが大げさにいえば時代を映し出す鏡になると思う。

STANが終わって、一息ついてまたダイアモンドホールに向かう。すでに演奏中のスパルタローカルズを会場最後方から観る。全体的にベースが中心のアレンジが多く、それにファンクテイストのギターが軽く乗っかるダンサブルな曲調。ボーカルのパフォーマンスは遠目なので表情までは見えなかったけど、噂どおりのキレッぷりでなかなかにスター。
ライブも全体が引き締まっていて、完成度が高い。前方の観客の盛り上がりも凄い。
GET UP!トウキョウバレリーナ等、多少聞き覚えのある曲もあって、楽しい。後半では「ばかやろう」でコール&レスポンスするような曲も。

それから即座に移動して、またアポロシアターへ。
Radio Carolineのライブがすでに始まっていた。ほぼゼロの予備知識で観たのだけど、まずはボーカルのルックスに驚いた。ハットにつり目のグラサンにたっぷりのもみ上げに白スーツ。クレイジーケンバンドの横山健を思わすような男臭さ。
サウンドはブギーというかロカビリーというか、そういったいでたちとリンクしたサウンド。かなり音が分厚くガチャガチャとした耳うるささがかっこいい。MCはなかなかきさくな感じ。
後半、ドラマーがメインボーカルを取った曲とラストチューンはなんだか懐かしい感じのポップスな感じがあった。
いろいろ興味をそそられるバンドではあるけど、ファン層はどんななのかが想像できないなー。

そしてライブ終了後、アポロは一時的に閉鎖となるため、ロッカーから荷物を出し、外に出るとそこには後半の個人的目玉の3ピースバンドの面々が!

というところで長くなってきたので、次回へ続きます。
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by kngordinaries | 2006-08-26 17:08 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 3日目 その2
早すぎるかな、と思いつつ開演15分前にSOUND OF FORESTに向かうと、すでに単なるサウンドチェックにしてはかっこよすぎる音が鳴っている。まさか去年に引き続き本人の音チェックか、と早足で駆けつけると、案の定3人が音チェック中。
このドラムとこのベースが重なるだけで気持ちいいな、と思いつつ、このサプライズを楽しんでいると、下岡の音頭で始まったのは、なんとLOW!が、一瞬で終わり観客から拍手が湧き起こる。そしてしばらくして、いきなり夕暮れ!こちらはしばらくやってくれて、大拍手。
「では、本番をお楽しみにー!」
とよく通る大声で佐々木が叫んで一旦退場。

15時50分、アナログフィッシュ
ものの数分で、3人が再びステージへ!斉藤は麦わら帽子なし。佐々木はこの暑い中、スーツをジャケットまでしっかり着込んでいた。
軽く音を確かめたあと、下岡が2人に目線と手で指示を送り、ジャランとギターを鳴らし、
「パ―――――――――」「パ―――――――――」「パ―――――――――」
と3つの歌声が綺麗にハーモニーを奏で、ピタリと止る。
Cityだ。きっとやらないだろう、と思いつつ、個人的に一番聴きたかった曲だ。もうどうしようもなく一気にテンションが上がる。下岡の「シティ」の声をゾクゾクしながら待っていると、下岡が口を開く。
「ロック イズ ハーモニー。ハロー、アナログフィッシュです」
ともうまさに今この瞬間を表す挨拶を。分かりやすい。分かりやすくて最高だ。
そして始まるドライブ感たっぷりでスカスカのバンドサウンド。もうなんだろうかこれは。もう大変なハッピーさ。音楽って、ライブって、なんて楽しいんだろうと思ってしまう。
さらにLiving in the City。イントロの温かみのあるサウンドがもう胸にグサグサと入り込み、たまらなく心地いい。緩やかに優しく広がりを見せるサビで視界がパーッと開けていった。凄く健全なドラッグのようにヤバイ楽しさ。
曲が終わり、少しの静寂のあと、佐々木が叫ぶ。
「夏だ――!プールだ――!ア ン セ ムだ―――!!」
え?何がどうなってるのやら。それでも会場から一斉に掲げられる腕、腕、腕。歓声が湧き起こる。わけが分からないけども、最高に楽しいのだからなにも問題ない。
そして始まるアンセム。この曲、佐々木にとってOTで言うところのCUSTOMなんじゃないかと思う。「つたえたい事は」という歌詞が被るからそう思うだけかもしれないけど、自分の表現欲求と真摯に向き合ったこの曲は、きっと当人にとって凄く重要なんだろう。そんな強いエネルギーを感じる。
このへんで佐々木が恒例の汗だくジャケット脱ぎを。なんだか一段とキレを増す変顔が、トラウマになるくらい恐い。しかも本人ストリッパー気取り。こ、恐いよー。
そしてHelloBGMスピード。もうこのバンド最強のキラーチューン3連発。王道すぎてちょっと逆に新鮮だし、やはり1曲1曲の強さがビシバシと感じられ、お約束のコール&レスポンスもテンション高く、もう会場は熱狂状態。スピードでの佐々木・下岡がギターとベースを寄せ合って演奏する間奏部分では、もうほぼお互いの肩にお互いの頬をこすりつけるような密着度。下岡、超笑顔。気持ち悪いくらいに楽しそうだ。
息つく暇も無い熱狂の嵐が過ぎ去って、ちょっと落ち着くと、斉藤が口を開く。
「なにか・・・ありましたかね?(告知とか)」
いつもどおりの言葉足らずな感じがほどよい。
シングルが出ているよ、というような話があって、アルバムの話へ。
「もうほぼ作業は終わってて、いつ出るかはまだ分からないけど、年内には・・・出ます。ほんと凄くいいアルバムができたと思うので、・・・聴いてください」
というようなことを下岡が言う。凄くいい、ということは何度も強調していた。ほんとめちゃくちゃ期待して待ってます。
そして最後は世界は幻。ずっしりとタメのきいた演奏が心地よく、佐々木の強靭な歌声が深く突き刺さる歌詞を届ける最高のミディアムバラッド。
どこをとっても大満足の最高ライブはここで終了。

予想を遥かに越える最高のライブ内容と、予想外に多かった演奏曲数に大満足、夢見心地でFORESTを後にする。
しかし、先ほどのYUIのFORESTでのライブも合わせて鑑みるに、今年のFORESTは持ち時間が去年の30分くらいから35分くらいに延びたんじゃなかろうか、とここで思い至る。WINGは30分っぽかったし、それとタイミングをずらす意味もあるのかも、と無駄な熟考を。

すぐにGRASS STAGE側に戻り、ハングリーフィールド近くの木陰の拠点でまた腹ごしらえ。
BEAT CRUSADERSの音が聞こえてくる。曲はランキング番組で聴く程度にしか知らず、どちらかというとキャラクタのほうがおなじみの彼ら。
あの有名なコールも初めて生で聞いたけど、笑いどころがよく分からなかった。スタンディングゾーンの熱狂の中ならおもしろいのかなー。それともエッジの効いた挑発なのか。難しいぞビークル。

そしてビークルの音が鳴り止み、ほんの一呼吸置いて、木陰を離れ、GRASS STAGEのスタンディングゾーンへ向かう。この3日間で、次のアクトに向けてここまで早く移動を開始したことはなかった。
スタンディングゾーン前方まで行くと、周りの様子が違うのが分かった。普通のライブ前とは趣きの違う、異様な期待感と切望感。
このフェスへの5年ぶりの登場となる吉井の、この5年間のことへなんとなく思いを馳せながらライブ開始を待つ。一体どんなライブが展開されるか、全然予測できない。

17時40分、吉井和哉
ビジョンに吉井和哉の文字が走ると大歓声が湧き起こる。それからステージへ吉井が現われるまでのタイムラグにジリジリする。せいぜい1,2分程度のことだったけれど。
バンドメンバーと一緒に姿を現した吉井は細見の黒のスーツ姿。身のこなし一つとっても異様にセクシーで、全身にエネルギーが漲っているような印象。圧倒的な存在感に会場の空気が一変する。
オーディエンスの大声援に軽く手を挙げて答えつつ、スッと緩やかだけどキレのある動きでバンドに演奏をスタートさせる。一つ一つの動きが、パフォーマンスになっている。まるで舞台役者のように見事に、魅せる。
1,2曲目は未発表の新曲。どちらもミディアムテンポのロックチューンだけれど、穏やかにドライブする開放的なバンドサウンドがモダンな雰囲気で心地いい。吉井の歌声も抑制を効かせながらもスーッと夕暮れの空気に乗せてどこまでも伸びやか。
ガソリンの給油をしている風景を人生になぞらえて歌った歌詞が耳に残った。パーソナルで深いテーマ性とジョークとも暗喩とも思える多重構造のメッセージも感じられた。
そしてCALL ME。イントロが鳴り出すと大きな歓声が湧き起こる。ここ数年で一気にロックの、ライブの、もっとも現場的な場所となったロックフェスのステージから、ついに真打ロックスターのアンセムが鳴り響いた、という歓喜。
今回新たに編成したというバンドの音はパンチが効いていながら、繊細な表現も行き届いていて、とても心地いい。そして吉井の歌声は当然素晴らしいし、なによりそのパフォーマンスがキレまくっている。派手なアクションはまったくといっていいほどないけれど、その立ち姿は手足の先端まで神経が張り詰めているようだ。
ここでMC。
「やっとここに来ることが出来ました。今日は新しい曲も、それからちょっと古い曲もいろいろお聞かせしようと思うんで楽しんで言ってください!」
ちょっとギラついた声音でそう語る吉井。
未発表の新曲のアップテンポなロックチューンで、ついにステージを左右に動き始める吉井。YOSHII LOVINSONの楽曲で新たに発明されたリズムに乗って言葉を連射する、吉井流のラップとも言えるスタイルがさらにソリッドに消化されたパートがあり、鳥肌が立つほどかっこよかった。が、がなり立てるような荒くれたパートもあくまでしなやかでスタイリッシュなパフォーマンス。
さらにアップチューンの新曲。「I WANT YOU!I NEED YOU!」というコーラスを観客に歌わせるあたり、次のアルバムの収録曲I WANT YOU I NEED YOUだと思われる。この明快にしてキャッチーな言葉。明らかに音楽ファンに向けて全方位に放射されたロックだ。1対1でじっと向き合うようなパーソナルなYOSHII LOVINSONの表現とはベクトルが明快に違う。そして余裕の表情でコーラスを歌う観客たちに向けてマイクを向ける吉井の姿もまた、ステージに立つロックスターの振る舞い100%で、そこにTシャツにジーンズ姿で少しでも素なミュージシャンとして観客と対峙しようとしたかつての姿は微塵も感じられない。
ここでMC。
「ここに来てる人たちも、いろんなやなことがあると思うんだよ。明日から仕事だって人もたくさんいると思う。そんなフェスに楽しみに来ている人たちの応援歌になったらいいな、と思って作った曲をやります!WEEKENDER」
と言って、WEEKENDER。疾走するサウンドと歌い放つようなメロディがどこまでもいけそうな万能感を感じさせる無敵のアップチューン。先ほどのMCを頭に入れて聴くと、歌詞に込められたメッセージも一層グッと胸に迫る。
そしてTALIBEAUTIFULとシングルチューンを連続で。演奏も歌もどこまでも最高だった。BEAUTIFULでは吉井はアコギを演奏。
そしてここで何度か檄を飛ばす吉井。
「やっぱりこのフェスは最高ですね。まだこのあとにも素晴らしい、ほんとに素晴らしいアーティストが待っています。この最高のフェスと、このあとのアーティストに敬意を表して、俺なんかじゃ微力かもしれませんが、力の限り盛り上げさせてもらいます!」
というようなことも叫んでいたような。
そうして一気に会場のボルテージを上げていき、FINAL COUNTDOWN!最強のライブアンセムにスタンディングゾーンはぐしゃぐしゃの盛り上がり。吉井もステージの左右目一杯の位置を越え、サイドの鉄パイプが組みあがっているジャングルジムのようなところに入り込むほど横へ移動して盛り上げたり、狙ってくるカメラマンを邪険に扱ったり、やりたい放題で最高に奔放なパフォーマンス。
さらにLOVE LOVE SHOW!きっと、ここまでのライブに気のない感じでいたオーディエンスも含め、この会場にいる誰もが聴き馴染みのある、イエローモンキーの最強アンセム。とんでもない熱狂状態が巻き起こる。
そして当代随一のロックスターの最強ライブはここで終了、と思いきや、曲が終わりしばらくざわめきがおさまらない会場に向けて口を開く吉井和哉。
「ありがとう。俺を育ててくれたロッキング・オンとこのフェスに感謝します」
と言って、始まったのはバラ色の日々。歌い出しから大合唱が巻き起こる。深読みすればどこまでも当時の吉井の切実で深遠な想いが感じられる、ディープなイエローモンキー末期のアップチューン。
未発表の新曲を中心に、ソロの代表曲とバンド時代の名曲をも満遍なく披露した最高のショウはここで終了。

感想として何を書いていいか分からない。少なくともこのライブから数日は、凄かった、ということ以外の感想が出てこなかった。
とにかくセットリストは今の最新の吉井和哉をダイレクトにぶつけつつ、フェス対応型の代表曲もあり、最後にはサプライズのイエローモンキーのカバーもありと、このうえなく最高だった。未発表の新曲も一聴しただけではあるけれど、どれも素晴らしいものだったし。
ただ、それだけではなかった。というかそれも含めて、確実に吉井の変化が感じられるアクトだったところが衝撃的だった。
誤解を恐れずに書けば、今の吉井のライブにおける表現のベクトルはYOSHII LOVINSONよりイエローモンキーのころのそれに近いのだと思う。服装は、地味でラフだったYOSHII LOVINSON期にテイストは近いけれど、吉井の表現したいことは全然別物になっている。細見の黒スーツにナロータイという今回の衣装は、イエローモンキーで言えば、化粧やギラギラのジャケットやジャージと同じ、ロックスターに変身するための装置になっていた。
素の自分を求め、パーソナルな表現を標榜したYOSHIIではなかった。
エロもグロもどろどろの欲望も、鮮やかで生臭い血の匂いも、ぐちゃぐちゃに全身に纏い、這いつくばってでも道化を演じるロックスターとしての吉井和哉の復活だった。

それが、あのライブから10日以上経って、なんとなく自分の中に見えた結論だったのだけど、実はこれと同じようなことを、YOSHII LOVINSONの2005年のツアーパンフレット内のインタビューにて全部吉井本人が語っていた。
素の吉井は本当の吉井とはいえない、別の名前を借りてそういう自分を演じずにはいられなかった時期もあったけれど、エンタテインメントも素も全部混ぜこぜにしたややこしい存在がリアルな自分だし、今後はそれをやっていく、いう話。そして「吉井和哉は、どこでも行ける」とも。
実は1年半前からこのニューモードに自覚的だった吉井は、そのあとこのソロ初ツアーで披露し切れなかったYOSHII LOVINSONの曲たちをちゃんと鳴らすためのツアーを行い、きっちりその時代の作品たちを救ったあと、最良の音でニューモードの楽曲をレコーディングするべくアメリカへ飛んでいたわけだ。
全てに律儀に落とし前をつけ、遂に開陳された本当の吉井和哉は、本当に素晴らしかったし、このことによりこれまでの彼のイエローモンキーから続くストーリーがまた解釈しなおされることになると思う。「39108」待ち遠しすぎる・・・。


熱狂の最前ゾーンを抜け出して、急いでLAKE STAGEへ向かう。このフェス3日目の最後にきてのジョグはなかなかしんどい。歩道はほとんどがグラス方面へ進む集団で、自分と同方向に行く人はほとんどいない。
吉井ライブの興奮も全然冷めないなか、息を切らし、なんだか大変な状態でレイクに到着。
いけすかないが鳴っているなか、とりあえずペットボトルを買って、息を整えつつ、水分補給しつつ、スタンディングゾーンへ。
YAZAWAの影響か、最前ゾーンも密度はゆるく、サイドはスカスカ。その最後尾へ。

18時45分ごろ、GRAPEVINE
曲はdiscordへ。重厚なのに開放的で攻撃的なサウンドが最高に気持ちいい。テンポはゆったりなのに、素晴らしく音がドライブしている。
そして放浪フリーク。きらめくようなイントロから少しテンポを上げた開放的なポップが陽が沈みかけたレイクステージの熱を優しくあげていく。田中の歌声がどこまでも気持ち良さそうに伸びる。
このへんでMC。
「こんばんは!いつも大御所の裏で演っているGRAPEVINEです。今年はあの矢沢永吉!」
と早くも恒例のチクリと刺す田中MC。
「いやー、永ちゃんに行かずに俺らを観に来ている、その君たちのもの好きっぷりっちゅーか、天邪鬼ぶりには・・・本当に呆れました」
と笑う。いや天邪鬼もなにも、普通にGRAPEVINEが観たかったわけで。
「それじゃあ、、想うということ」
と言って、想うということへ。ノイジーなサウンドとどこまでも沈み込むようなたゆたうような深みをみせるメロディがどこまでも美しい。曲タイトルの言葉とどこまでも真摯に向き合ったメッセージが、胸を締め付ける。
そしてアッパーなロックチューンの新曲を披露し、続いてはKINGDOM COME。もう素晴らしい名曲の連打に言葉も無い。圧倒的な破壊力でしびれさせる。
プレイヤーそれぞれのソロも披露され、最高の盛り上がり。
このへんでMC。
「毎回このレイクに呼んでもらっていて、今年はついに一番最後になってしまって。来年はもうフォレストのド頭でやるかな」
とまたニヤリと笑う田中。
「朝キツイな。起きられへんかったら、したらレイクでやらせて貰うわ」
って。意外とレイク気に入ってるんじゃなかろうか。
「あと、来月、新曲が出ます・・・」
とどうも宣伝になると控えめな田中。歓声で答える観客。
「ここにいる人全員が買ったら、チャートに入って、来年はグラスでやれるな」
って。やっぱり、グラスでやりたいようです。
そして新曲FLYへ。王道感あふれる疾走するロックチューンがしびれるほどカッコいい。耳慣れた曲ではなくても、曲が進むにつれ、会場の熱がどんどん上がっていくのが分かった。会心の1曲だと思う。
さらにReverb、狂おしくも切ないメロディと突き刺すような撫ですさるようなサウンド。最高にヤバいポップチューン。
そして本編ラストはその未来。じりじりと上がっていた会場の熱が一気に爆発し、緩急自在のダイナミックな演奏に波打ち、田中の爆裂するボーカルに拳を挙げる。ロックの快感を凝縮したような最高ライブはここで終了。

熱いアンコールの拍手に、再びメンバーがステージに登場。
「じゃあ、1曲だけやらしてもらいます」
とのMCからEveryman,everywhere
いつかこの想いを
涸らしたくない衝動を
その勝手なイメージを
やがて忘れてしまうのに
いつか

Everyman,everywhere
Everyone,anyone

音に飲み込まれ、現実を忘れそうになる。陶酔の波の中をたゆたう。とんでもない感情の渦の中心へと落ちていく感覚。
心地いい風が頬をなでる。ステージで音を奏でるバンドが目に入る。すっと戻ってくる現実感。内から湧き起こる感情をどうあらわしていいか。
「ありがとう!・・・永ちゃんに急げー!」
と言って田中退場。と思ったらアンコール登場時に広げて置いておいたタオルを取りに戻ってくる。観客失笑。
今考えられる最高のセットリストと最高の演奏を披露したGRAPEVINEのライブはここで終了。「FLY」から始まるこのバンドの次の季節がほんとに楽しみだ。

終わってからしばらく呆然としてしまう。もう永ちゃんはいいかな、などと少し思いつつも、グラスへ移動。
近づいてきたところで、「ロッキン・オンに感謝しようぜ!」という永ちゃんの声が。おーほんとにやっているみたいだ、と実感する。

グラスの観客のエリアが壮観だった。
数万のタオルがまばゆいステージからのライトに照らされながら舞い上がっている。その光景に感嘆のため息をもらしつつ、ステージが観える位置まで移動したころにはYAZAWAはすでにステージを去っていた後で、すぐに夜空に花火が打ち上がる。
YAZAWAが観られずなんだか残念な気がしつつもバインで終われてよかったような気も凄くする。上がる花火に拍手しながら、3日間をなんとなく思い出す。音楽と自然に囲まれた祝祭空間を今年も満喫できたことがとても嬉しかった。

今年も暑かった。

3日間のいろんなアクトの思い出にグルングルンになりながら帰途へ。
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by kngordinaries | 2006-08-18 01:39 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 3日目
ついに最終日。というかある意味個人的には3日間のメインとなりそうな、楽しみなアクトが目白押しの日だ。

この日は前日に比べ多少の渋滞があったものの、相当にスムーズに9時20分ごろ会場に到着。3年前から参加しているけれど、最初は30分や1時間の渋滞もざらだったのに、昨年と今年の改善っぷりは素晴らしく、ほんとに快適。

アーティスト・グッズ売り場ではほとんど待たずしてアナログフィッシュのピンクのタオルをゲットするだけにとどめ、DJ BOOTHの音をちょっと聴く。くるりのハイウェイがかかっていた。夏の朝の霞がかったような空にぴったりで、気持ちがいい。
そして一路レイクへ。

開演10分以上前、まだまだガラガラのLAKE STAGEスタンディングゾーンに、せっかくなのでそこそこ前方までいく。
3日目にして始めてしっかり主催者挨拶が聴けた。ジャパン編集長の山崎さんが2年目から登場したレイクステージが、人気を博していくまでのストーリーを語る。もっともっと自由に楽しんでもらうためにさらに増やしたステージたちも、新たなストーリーを作ってくれると思う、というようなことを語っていた。

10時30分、スネオヘアー
スネオとバンドメンバーが登場し、1曲目は悲しみロックフェスティバル。タメのあるリズムとキャッチーなギターが一気に会場を熱くする。この間のツアーと同じ始まりでもあるけれど、昨年のリベンジの意味もありそげな選曲ににんまり。
そしてワルツと、代表曲を連発して盛り上げていく。
このへんでMC。
「けんじー!」
という観客からの声に
「おう!こうじ!こーじ、ひさしぶりだな!」
と快活に答えるスネオ。反射神経がハンパじゃない。
そして去年の夏の話に
「一応ね。同じ時間にやってたんですけどね。ホスピタルステージで。こんなもうこんな(身振り手振り)、2畳くらいのもんでしたけどね」
「2年前は出番が夕方で、昼間からビール飲みすぎちゃって、声出ねえし、去年は欠席で。ロッキンオンなめてんのか!みたいな話ですよ。・・・でも今年は昨日からこっちのホテルに来て、もう大浴場とかで、被ってんなお前!とか言い合ったりして、もう元気元気」
と実力を十二分に発揮している様子。
そして、涼しげなサウンドが心地いい最新曲headphone music、そして新曲やさしい歌も披露。
後半のMCでは
「スネオー!」
という観客からの声に
「なんだよ、ジャイア~ン!」
と技ありの返答を。会場失笑。
あとどこのMCだったか、何度か
「オー、センキュ、センキュ、センキュージミヘンドリクス、ジミヘンドリクス(凄い早口で)」
みたいなことを言っていたような。
さらに8月発売のスプリットピント、さらにはアイボリーでライブ終了。
昨年のリベンジライブはこの上なく快調に会心の仕上がりだった。

スネオが終わりレイク近くの木陰でのんびりと過ごす。これまでの疲れがあるのか、ちょっと気分が悪くなるものの、軽く食事をし、マンゴージュースなどを飲んでいたらそこそこに回復。
しばらく、気持ちのいい風に吹かれてゆったり休憩。ずっと猛暑が続いた3日間の中ではこの日が一番涼しかったような気が。

12時20分、YUI
開演5分前にステージへ向かうと、もうびっしりの人、人、人。後ろに並んだら強制的に木陰まで行ってしまうほどの混雑ぶり。確かにセールスから考えてもSOUND OF FORESTではこの人には小さいよな、と思う。他の客層に比べずいぶん男性が多いようにも感じたので、もしかしたらアイドル的人気も大きいのかもしれない。
地面がでこぼこと傾斜している関係もあって、全くステージが観えないなか、どうやらステージにYUIが登場したらしく拍手が起こる。
「こんにちは。私はYUI?」
という言葉が第一声だったかと思う。ジョークなのかどうなのか、よくわからなかった。
1曲目はIt's happy lineでスタート。ゆったりとタメのきいたリズムが心地いいミディアムチューン。さらにMerry Go Round。出だしのコーラスが独特な歌謡テイストがあっておもしろいアップチューンでぐいぐいギアを上げていく。音源よりかなりボトムの重いヘビーな演奏に涼しげな歌声が、ちょっとアンマッチにも感じたけれど、その歌声の吸引力はやはり凄かった。なんとなくデジタルな冷たさとアナログな温かみを両方感じるような不思議な感覚。
ここで大ヒットチューン、feel my soul。音源で聴くと軽やかなギターのカッティングと打ち込みのトラックが絡むこの曲も、強いバンドサウンドで攻撃的。
この夏フェス用に特に予習したのが、髭ちゃんとこの人だったのだけど、アルバムを聴いて、その歌詞のあまりのヘビーさと達観っぷりに驚いた。誰かの音楽評論に聴き始めたらCDプレーヤーとにらめっこし続けて、聴き終わるとどっと疲れる作品、とあったけれど、ほんとに異常な密度で世界と真剣に対峙していて、恐いくらいだった。
女性アーティスト特有の主観的な世界も強くあるのだけど、それと同時に俯瞰的に世界・時の経過を見つめてもいて、その間にある生活者としての自分も表現されている、というところが独特だと思った。生真面目さも含め、少しだけアジカン後藤の立ち位置に近いかも。
「ロック・イン・ジャパンに呼んでいただくのは2回目なんですけど、今回はライブを楽しもうという目標で来ました。私はそこそこ楽しんでます。皆さんも、そこそこ楽しんでくれていますね」
というMCも、どう観客に受け取ってほしいのかよく分からない。自分のライブに納得がいかないのか、観客に対してフラストレーションがあるのか。
とにもかくにもまだまだ全然すっきりとさっぱりと筋道の立たない思いを抱えて、モラトリアムをさまよう真摯な表現者という印象。かなりポップな口当たりに勘違いされていそうだけど、かなりとんがった荒くれたアーティストなんだと思う。
Rolling Starという名の新曲を披露して、さらにLIFE
そして
「太陽の下で、この曲を歌いたいと思います。Good-bye days
会場から拍手が湧き起こる。
自身主演の映画主題歌でもある最新のヒット曲。切実な願いが込められたミディアムチューンに会場も静かに熱が高まっているように感じられた。
そして最後は弾語りでTokyo。穏やかなメロディに張り裂けそうな思いをそっとのせたバラード。その真剣さが、異様な迫力でリスナーに突きつけられる、凄みを感じる1曲。
後半、少しステージが見えたけれど、その普通の華奢な少女といった見た目からは、想像がつかない迫力のライブだった。

これが3日目にして今年初のFORESTだったのだけど、7曲もやっていたし、どうも持ち時間をオーバーしてたっぽいな、と思いつつ、レイクへゆっくり向かう。

13時00分ごろ、DOPING PANDA
もういい加減疲れていたので、無理せずシートゾーンの最後方のテントの下の日陰でぼんやりとステージを眺める。
スタンディングゾーンはぎっしりの人がうねるうねる。スターは吉川コウジばりに前髪をセクシーに下ろしてナロータイを締めた正装スタイル。ダンディズム。
すでに何曲かやっていたようだけれど、ここでHi-Fi!!イントロから一気に会場が沸き立ち、シートゾーンからスタンディングゾーンへ突進する人多数。さらにYA YAて!!もうどうしようもないめちゃくちゃな盛り上がり。さらにスタンディングゾーンへ突進する人続出。享楽のダンスパーティー。
このへんのMCで
「今日は、自分がロックスターだと思ってる人は正装をしてくる日ですよ。俺だけじゃなくてね。このあとの、いろいろ考えれば、分かるでしょ?」
とスター。この時点では分からなかったさ。夕暮れのGRASSを観るまでは・・・。(スターは永ちゃんのことを言っていたんだと思うけど)
そしてなんでそんな展開になったのか、スターの煽りで会場全体でクラップが始まる。「ツータイムス!」、「スリータイムス!」と数を増やして行き、8、16までやり、
「まだまだいけるねー。よ――し!126か――い!」
と言って、
「1,2,3,4,(ごにょごにょ)60、70、100、・・・って多すぎだー!そんなことやってたら日が暮れますよ」
と我に返るスター。なんか音のトラブルでもあったのか、かなり無理やりなMCだったけど、こんなアドリブが飛び出すならずっとトラぶっててもいいかもしれない。
ライブ後半はMIRACLE、そしてさらにThe Fireなど、またまた最高のダンスチューンで恐ろしい熱狂を呼んでいた。
そして最後にロックスターの素晴らしいエピソードを一つ書いておきたい。
会場全体が熱狂の極限のなか、スタンディングゾーン後方で一部の盛り上がった集団による円陣を組んでぐるぐる回転するモッシュ以上に危険な状態が発生するやいなや、一瞬音をストップさせ、
「おーい!そこのバカみたいに周ってる人たち!一旦止りなさーい!」
とあくまで軽いトーンで危険な状態を回避して、それを単なるダンスチューンによくあるブレイクとして演出し、演奏を続けていった。その後、また同じようなモッシュは起こっていたけれど、それに巻き込まれそうになった人たちもそのブレイクで体勢を立て直していたし、それまでよりいく分抑制された盛り上がりだったため、特に惨事にはならなかった。
もし万が一、何か取り返しのつかないことが起こると、そこでフェスそのものが終わってしまう。この一件で、ロックスターの男前度が5割増しに感じられた。

ドーパンの熱狂ライブのあとも、なんとなく日陰でボ――――っとしていると、人の流れがよく見えた。ステージの合間にはここまでガラガラになるのか、とか、10分前から一気に混みだすな、とか、あちら側の入り口はもの凄く混雑してるけど、こちら側に周ればすぐに前まで行けるんだな、とか。こうして参加者も知識を増やし、フェスはより快適になっていくわけだ。

14時00分、POLYSICS
かなり横目からステージを見ていたため、一気にセンターまで走り出てやる、といった気合を感じさせる舞台袖のハヤシの準備運動がよく見えてしまった。かくして彼はとび蹴りを宙にかますようにしてステージ真ん中へ飛び出し、
「POLYSICSです!!行くぞ!ラスト11曲ー!」
でもう完全に会場を掴む。
そして始まったライブはもうほんとに凄まじい熱量とアホみたいな楽しさ。とにかくハヤシのステージングのキレっぷりがとんでもない。今まで、ライブやライブ映像で観ていたものの中でも確実に1番のテンションだった。
曲はシーラカンスイズアンドロイドカジャカジャグーI My Me Mine Baby BIASといったところしかよくわからなかったけれど、もう理屈ぬきで心が躍るような最高に痛快なライブだった。

そんなポリが後半突入したあたりで抜けて、一旦拠点としていたGRASS側へ戻ることに。目的は食事と着替えのみ。
大体、フェスでは一日の中で一度Tシャツを着替えているのだけれど、ここで「ROCK IS HARMONY」Tシャツに着替えることだけは、フェス前からなんとなく決めていた。ミーハーな感じで恥ずかしいけれど、とても楽しみで仕方が無かったわけで。この朝に買ったばかりのピンクの魚タオルをして、もう完全に痛いくらいのアナログフィッシュ仕様になる。
腹ごしらえも終了し、相変わらずのスベリ知らずな氣志團の團長のMCを楽しみつつ、レイク側へ向けて移動開始。

ここからはもう息つく暇なく怒涛のタイムテーブルになっており、体力は持つのか、いろんな意味でキャパオーバーにはならないか、大丈夫か、と不安に思いつつも、まずは目の前のライブに向けてテンションを高めつつ、シーサイドトレインに揺られていた。


ようやく、ここまで来ましたが、続きはまた近々。

ある意味ここからが本番だったなー。
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by kngordinaries | 2006-08-16 01:37 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 2日目その2
13時40分、ACIDMAN
一悟、そしてサトマがまずステージに登場。センター手前まできて観客を煽るサトマ。そして大木も登場しサウンドの確認。
1曲目はworld symphony。いきなり沸点に達するサウンドに一気に会場の熱が上がる。さらに波、白くで一気に最高潮の盛り上がりへ。
個人的に続くRiverが嬉しかった。穏やかなAメロBメロから弾むようなこのバンド独特の柔らかな4つ打ちのサビへ向かう展開がたまらなく心地いい。大木の歌声もand world以降、よりこういったミディアムチューンに似合う柔らかさが増したと思う。
swayedを終えたあたりでMC。
毎年・毎回ロッキンオンのフェスに出ることができていること、このステージで演奏できていることへの感謝を述べる大木。特に熱弁するわけでもなく、ふざけたようなニュアンスもなく、フラットな心情からの素直な感謝の弁に聴こえた。
そんな穏やかでピースフルなMCから大木がアコギを手にして季節の灯を披露。灼熱の陽射しの下、GRASS STAGEに爽やかな風が吹いたような清涼感。
さらに新曲をやりますとのMCからスロウレイン。これがand worldの流れを汲むような風通しのいいサウンドと開かれたメッセージが鳴っている気持ちのいいミディアムチューンで最高だった。サビ付近はRiverにも似たリスナーフレンドリーな4つ打ちだったと思う。メロディも少し歌謡テイストが入ってる印象の馴染みやすいポップが炸裂していた。メッセージには「世界」という言葉も登場し、and worldで縮小したスケールがまた宇宙大に広がったようにも。
昨年末のCDJやand worldのツアーではバンド内の関係の良好さや、音の開放感が素晴らしく機能しているように思ったけれど、そこからまた先に進んでいるようだ。
続いてアイソトープ、そしてFREAK OUTでまた熱をぐいぐいと増していき、最後はある証明
大木のMCにもあったけれど、完全に唯一無二の音楽性を突き進むこのバンドが、こうして広くいろんな趣向の音楽ファンが集るフェスでこれだけ大きな熱を生めることはとても幸福なことだと思う。
個人的には、昨年までのセットリストでは、新譜が発売されていても、1st、2ndからの人気曲・代表曲を中心に据えていて、確かにフェス向きでライトなリスナーには親切でいいけど、もう少し最新モードで推したり、期待を裏切ってくれてもいいのに、と思う部分もあったけれど、今回は最新作and worldを中心に、しかもど真ん中にバラッド季節の灯、そして未発売の新曲スロウレインを持ってきたり、とても今のバンドの見せたい部分をガツンと魅せてくれているように感じられて嬉しかった。

大満足の灼熱ライブを終え、グイグイと水分補給を取りつつも、LAKE側に向けて移動開始。
あるバンドの初めてのライブというのは、ほんとにワクワクするな、と思いつつ、今日2度目のWING TENTへ。すでにライブは始まっていると思われるので、急ぐ急ぐ。

14時45分ごろ、髭(HiGE)
WING TENTはぎっしりの人。やはりすでにライブは始まっていて、かなり後方からまったりと見学する感じになってしまった。ダーティーな世界を演奏していたような。
なぜかサンタの格好をしているパーカッションの人に対し、
「今日はサンタを連れてきたよ」
と紹介する須藤。
「・・・あれ?間違えた!サンタじゃなくてサンタナ連れてきちゃったよ!」
前方の観客大爆笑。小ネタのようで、後方からはなんのことだかよく分からなかったけれど、とにかくそのひねくれてすっとぼけた毒とも癒しともつかないMCが髭ちゃんらしいと思った。初めて観たのに。
「昼間だっていうのに、ここは暗いねー。それは屋根があって狭いステージだってことなんだよ。でもそんなとこに髭ちゃん観に来てる君たちが一番頭いいぜー」
というようなことをのたまう須藤。これまた髭ちゃんらしくて痛快で爽快。
正直、後半の曲たちはママ's 理論ギルティーは罪な奴くらいしか分からず、しかも後方すぎてステージもよく見えなかったけれど、なぜだか凄く面白かった。
あっという間の30分のライブは終了し、「サンキュー、サンボマスターでした!」の挨拶を2,3度繰り返して髭ちゃんはステージを去っていた。なんだか凄く好みのバンドだ。

期待が裏切られないライブにホクホクでLAKEステージへ向かう。

15時15分ごろ、BOOM BOOM SATELLITES
後方のシートゾーンでまったり観ようと行ってみるとすでにKICK IT OUTで異様な盛り上がり。ドラムもいるもののバキバキの打ち込みサウンドがとにかく凄い音圧。
ギター&ボーカルと、もう一人はベースをやったり、トラックを作ったりと急がしく、そこに生ドラムが絡むような構成。他のアクトとは一風変わった感じでおもしろい。

BOOM BOOMの前半を観たところで、GRASSに向けて移動。
ちょうどELLEGARDENも終わって少し経過して、空き気味のスタンディングゾーンをある程度前方まで進む。この時間帯だと前の方が日陰になるので実は過ごしやすい。

16時20分、奥田民生ひとり股旅
ステージ上のセットからしてガランとしている。やっぱりどう考えてもおかしな形式のライブだ。
そこにふらりと奥田民生が登場。グラサンをし、なんとなく笑みを浮かべた余裕の表情だ。
「えーまあ、かなり暑くなってるんで、皆さんもちょっとした休憩のようなつもりで。お菓子でも、こう食べながら(笑)、観てていただければと。でも、ELLEGARDENと同じくらいの時間はやりますけどね」
個人的には10.30以来のひとり股旅なのだけど、あのときとは状況も、こちらの心構えも、全然違う。ゆるーい空気で、最高の演奏を聞かせてくれればそれでいい、ちょっとくらいグダグダもOK、という気分。
実際ゆったりと準備をしたOTが弾き語る1曲目は愛のために!意外な選曲にどよめき、拍手が巻き起こる会場。OTソロのキャリアの出発点となったこの曲は、やっぱり原点。メロディ指向のOT曲の一つの到達点でもある名曲だ。飄々と伸びやかに歌ってるだけなのに、カッと胸が熱くなるような深い魅力のある1曲。
続いては野ばら、朴訥として優しいラブソングが軽やかに響く。そして荒野を行く、ひとり股旅らしい渋くもしびれる選曲を全身で楽しむしかない。
曲の間では、缶ビールを開けてはグビリ。そういえば10.30ではアルコールもなぜか無かったなー。
「いつも出させてもらってるんですが、この一人のやつをですね、でかい方で一度やらせてはくれないかと、僕の方からお願いしてみたわけです。老いぼれる前に1回やらせてくれ!と」
と自分からこのスタイルを希望したことを話すOT。そして缶ビールを飲む。
続いてはおなじみのリズムボックスを使ったアレンジで渚にまつわるエトセトラ。間奏で決めのドラムパターンを流しつつ演奏をそれに合わせると、歓声が沸く。お!意外なくらい受けたな、という表情で喜ぶOT。アウトロでは調子づいて3,4回そのドラムパターンを使ってしめていた。
続いて最新曲MANY。どこまでも伸びやかに軽やかに歌い上げる。ちょっと夕暮れが近づく夏の野外の空気に響き渡るメロディが最高だった。
The STANDARD、そしてこの真夏の空の下でなんと雪が降る街。少々声が出ていない感じはあるけれど、確かな演奏と次々と披露される名曲に言葉も無い。
さらに「昭和の名曲です」と嘯いて始まったのは働く男!またまたサプライズの超名曲。
そして最後はさすらいイージュー★ライダーを会場全体でシンガロングさせてライブは終了。
もうどこから観ても満足のいく凄いセットリスト・内容のライブだった。フェスらしいサプライズな選曲もありで、完璧な構成。
ただひとつだけ言いたいことを言えば、バンドとしてのライブも観たかったかなと。昨夏もMTR&Yでもの凄いライブを炸裂させていたけれど、今年のさらなる新曲を含む夏フェスセットのMTR&Yが観たかったなー。

ここで、食事を取りつつ、一休み。
スピッツがいきなり俺のすべてでスタートしたことにテンション上がりつつ、しばらくハングリーフィールドの手前で聞きながら体を休ませる。
そして2日目後半にきて、ようやくDJ BOOTHに足を向ける。

18時10分、RAM RIDER
アーティストグッズ売り場やみなと屋に行くついでに軽く訪れたことはあったけれど、1アクトしっかり観るのは初。ワクワクしつつ、フロア後方でCAPTAIN FUNKの音で踊る。
開演予定時間にようやくセッティングが開始されて、RAM RIDER本人もセッティングに参加していた。そして20分くらい遅れてようやくライブが始まる。
1曲目はやっぱりユメデアエルヨ!キラキラと輝くようなディスコサウンドと人懐っこいポップなメロディにもう一気に熱狂状態のフロア。
他のステージに比べて踊りにきている観客が多いためか、ロックバンドの縦ノリな盛り上がりとは全然違ってそれぞれが自由なノリでとても気持ちがいい。
サイドのビジョンのCGやステージ前方から噴出する霧の演出、さらにド派手なライティングなど、他のステージとは一味違うフロアライクな心地よさがまたいい。すでに日も暮れ始めて風も涼しく流れているため、普通に屋内のような気さえする快適さ。でも熱いライブに汗はにじむ。
「ここ3年くらいずっとDJとして参加させてもらっていて、今回初めてライブ形式でできるってことがほんとに嬉しいです!」
とRAMさん。初めてライブを観たけれど、歌も乗せ方も上手い、かなりのエンタテイナー。
新曲も飛び出しつつ、後半はベッドルームディスコHELLO、そしてMUSICと代表曲連発。キラキラと躍動する4つ打ちがいつまでもいつまでも鳴り続ける、もうほんとに最高のライブだった。
結局この日のどのライブよりも思いっきり体力を消費した。

あまりの熱狂ライブに上がった息を整えつつ、Coccoを観ていた友人と合流。
打ちあがる花火を観つつ、披露しきった体と、もの凄い満足感に浸る心を抱えつつ、帰路へ。


残るは3日目。続きはまた近々。
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by kngordinaries | 2006-08-14 23:22 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 2日目 
1日目よりさらに暑く感じる陽射しに、うわーと思いつつ、9時20分ごろ会場に到着。

ライブ開始までとても余裕があったので、GRASSのアーティストグッズ売り場でOTグッズの長蛇の列に並ぶ。直前まで悩みつつタオルセット、'MANY'Tシャツ、それとなぜかその場の勢いでOTプラグキーチェーンも購入。
さらにSTANの売り場を探す。髭ちゃんとlostageといっしょくたの売り場ながら列が非常に短い。黒のSTAN Tシャツを購入。

そうこうしている間にいつの間にか開演時間が迫ってきていたので、急いでレイクへ移動。
シーサイドトレインの混雑もあって、前説は当然のこと、ライブ開始にも惜しくも間に合わなかった。早足でレイクに向かうと聴こえてくるSunny Morning。この夏空の下にぴったりの1曲目に嬉しくなる。

10時33分、フジファブリック
スタンディングゾーンはびっしりと人で埋まっていたため、シートゾーンの通路で立ち見している人だかりのうしろついて観ることに。朝一からこの人の入り具合は凄い。
TAIFUダンス2000と最高のダンスチューンで一気に熱が上がる。ものすごい独特で奇妙な味わいのあるバンドなのに、そのなかでも徳濃な曲がフェスという場でこんなにも機能しているところが、ほんとに凄いと思う。
「いやー、えー、お、おはようございます。フジファブリックです」
と金澤をチラチラ見ながらの志村。
「この男は、前に昼に出た時に『こんばんは』って言いました。今日はちゃんと言えましたね」
と金澤。
もともと得体の知れないバンドだったけれど、2ndアルバムを経過して、さらに得体の知れないバンドになっていってる彼らの今後がほんとに楽しみで仕方ない。
続いてはロマネ。イントロから曲を通してつらぬかれるギターリフも耳にこびりついてしまった。中盤のメロディーラインが心地いい。
「フジファブリックが朝からライブすることってまずないんで、今日は4時起きで来ました。いつもならそろそろ寝ようかと思う時間なんですけどね」
と志村。
後半を聴きつつも次のアクトに向けて時計を気にする。本当は開始10分前には移動しておきたかったけれど、とてもいいセットリストと演奏・歌に5分前まで延長。しかし銀河終わりでさすがにもう限界だ、と抜け出しWING TENTに向かう背中にのイントロが。虹、聴きたかった。
去年もアナログフィッシュに備えてフジファブリックは途中までだったことをちょっと思い出した。

今年からの新ステージWING TENTを初めて見る。名古屋で言うと大きさはダイアモンドホールくらいだろうか。ステージはSOUND OF FORESTよりも小さく、屋根もあるのでライブハウスっぽい雰囲気。
5分前に到着したところ、全体で100人いただろうか。最前のスペースも前から3列程度の埋まり具合。
とはいえ、前方の盛り上がりは凄い。そわそわと落ち着きがない感じ。ドカーンとした広がりはないけれど、ハマッたらどこまでも熱が上昇していくこのバンドらしい。

11時10分、STAN
STANの3人が軽い足取りでステージに登場。
「いらっしゃいませー」
という少々観客をからかうような軽いトーンのKYGの挨拶に熱い歓声が答える。
1曲目はSTAN’S HOUSE。最初から爆裂する蠢くようなサウンド。圧倒的な衝動と熱に、呆然としてしまいそうなところを踏ん張って音に乗っていく。STANの音楽に向き合うのには時として体力が必要だ。
さらにULTRAMAGNETICSTANS。曲頭の隙間たっぷりのアンサンブルが抜群に心地よく決まり、このフリーキーな自己紹介ソングで一気にフロアの熱を上げていく。
曲が終わり、大歓声が沸き起こる中、
「お前ら、ほんとにみんなSTANのCD買ってるのかよ」
と言い放つKYG。
「これだけ買ってたら俺らの生活ももっとよくなってるはずなんだけどなー。次はJAPANISTANという曲をやりまーす」
と言って、JAPANISTAN。今の時代・状況への底なしの恐怖と毒と提言がギュッと詰まったメッセージソング。ヒリヒリするようなサウンドとその切実な想いが胸を焦がす。過剰な演出のないまっさらな気持ちの表現であるからこそ、伝わる平熱で重い感情。
ここでDolphin Dance。圧倒的なサウンドの洪水から流麗なメロディで魅了するポップチューンへ。
そういえばワイヤレスのベースを操る今西は、くるくると舞い、ステージから消えるほどに左右にステップしていき、時には49のドラムセットの後ろを一周していた。どこまでも自由に音に乗りまくっていて、楽しそうだ。
さらにCDには収録されていないポップチューンを披露。とても優しいサウンドとそれに乗せたナイーブで穏やかな歌詞はSTANの新たな一面が見えたようで、鳥肌が立つほど素晴らしかった。
といってもこの繊細なポップはこれまでのSTANの楽曲にも内包されていた世界だと思う。僕は一人の青年が世界で日常で起こるさまざまなことに対して感じる悲喜こもごもの感情、その全てを、あまりにもリアルに抉り出す装置がロックなのだと思っていて、そしてそれと完全にイコールで結ばれているのがSTANだと思っているわけだけど、彼らがその感じた感情を今の時点で全方位表現し切れているわけではないとも思っていた。これから発表する音源で、まだ見ぬいろんな世界が飛び出す予感がしていたから、このバンドにずっとわくわくしていたし、これまでの楽曲からもこの繊細でポップな方向性は、十分感じられていた。
幾多のバンドの中でも、その装置の高性能っぷり、同時代性と肌身に感じるリアルが群を抜いた表現者がSTANだと思っている。メジャー感溢れる60年代のロックと00年代のヒップホップを通過したサウンドもそれを感じさせる素晴らしい武器だと思う。少々お金に苦労してるっぽい東京でのいち生活者としての立ち位置も含めて、その構成要素の完璧さをいったらキリがない。
さらにグルーヴィーでポップな必殺のアンセムTHE SONGを披露し、最後はI knowという名の新曲(自分調べによる未確認情報)。音楽のジャンルなんて関係ない、という言葉も登場する、STANの冷静な批評性が炸裂した曲だったと思う。メロをほとんど廃した言葉とトラックのノリ重視の攻撃的なロックチューン。曲中で何度も変わる複雑なリズムも驚くほど正確に刻まれていた。しびれた。
素晴らしくいろんなことに想いを巡らせられたような、とにかく躍動するサウンドに夢中でアガリ続けたような、もの凄い爆風が一瞬目の前を通りすぎただけのような、圧倒的で濃い30分のライブはここで終了。
秋に出るという3rdアルバムが楽しみで、楽しみで仕方がない。

GRASS STAGEへと向かって、真心ブラザーズを聴きながら昼食の冷やし梅茶漬けに舌鼓を打つ。拝啓、ジョンレノン空に舞い上がれといった曲たちや「真心として初のGRASSだぜー」と叫ぶYO-KINGの声を聴きながらの休憩はぜいたくだ。
どか~んとか、「俺の作った曲だぜー」と紹介するYO-KING。
休憩もそこそこに続くACIDMANを観るために灼熱の陽射しのなか、スタンディングゾーンへ移動。


続きはまた近々。
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by kngordinaries | 2006-08-13 15:20 | ライブ
アナログフィッシュ タワレコ名古屋パルコ店インストアライブ
4月からFM AICHIでアナログフィッシュがDJをしているラジオ番組「ROCKS」の公開録音&アナログフィッシュ初のアコースティックライブを観にタワレコ名古屋パルコ店に行ってきました。

10分前にイベントスペース(普段はエレクトロニカやJ-JAZZのあるコーナーを一つ二つ退かして作られた小さな空きスペース)に着くと、どうやらサウンドチェックで3人がすでに出ていたもよう。すでに100人前後の人だかりがあったんですが、いちおうアンセム購入時の優先券の効力で5列目くらいに入れてもらいました。その時点で一旦STAFF ROOMに去っていく佐々木の後姿とまだギターをチェックしていた下岡を確認。

イベントはROCKSのスタッフの方々が進行。爽やかで憎めない感じの方々で、進行とかはなれてないせいか多少ラフではありましたが、これだからあの番組はいい空気なんだなと思った。

しかしとにかく異様なまでに3人が近い。
もともとかなり小さいライブハウスやフェスの小さいステージで、何度も近距離で観てるバンドなわけですが、5列目でもステージ(階段1段分の段差もないけども)まで3m弱、ライブハウスよりも断然明るいし、普通にそこにいる人物として観えました。リアル。けして妖精(フェアリー)ではなかった。(←もともと思ってもいなかったけど)
下岡氏は長袖の紺のカットソーの下にTシャツを着ていて、暑くないのかと気になる。ニットキャップは紫。斉藤は短パンにキャップ。佐々木は髪が長い。全盛期の江口洋介を超えている(←気に入ってる言い回し)。

前半は今年リリースした音源のことを中心にスタッフ進行によるインタビュー。
曲の方法論がわりと固まってきていたので、今年のシングルあたりからは、意識的に変えている、とか、明るく楽しい感じの音楽をやりたかった、とか、アルバムの曲はもうできている、とかいろいろと。
とにかく次のアルバムへの下岡氏の自信の凄いこと凄いこと。レコーディングした曲を全部入れると60分を越え、どの曲も濃いため聴きづらいので、収録する曲数をちょっと絞る方向で一番聴きやすい曲順を練る作業をしているとのこと。
とにかく凄くいいんだそうで、めちゃくちゃ期待。 時期はまだ年内だろう、という以上のことは聴けず。

中盤はラジオ番組「ROCKS」のコーナーの収録。前情報なしに曲をかけ、感想を言い、感じた一言をスケッチブックに書く、というもの。
このコーナーでは基本的に下岡がよく話していた。斉藤も合いの手を入れる感じで参加していたけど、佐々木がほぼ黙り込み。振られてもどもりにどもった結果「・・・でもこれいい曲ですね」くらいしか言わない。
下岡は各楽器の音色の好き嫌いを即座に判断しつつ、音の感じから年代をすぐに割り出す。とはいえたまに間違えることもあり。
「このドラムの感じ、俺好き。タムのドタドタした感じとかいいよね。州のドラムと似てる」とか、ちょっといい発言だと思った。
そして「恋は桃色」(中村一義ver.)がかかると、下岡が大いに反応。
「これ、俺らの青春だよ!」と興奮気味に佐々木に言う。「この歌ってる人だよ、分からない?」「え・・・うーん、あ・・・」「え?ほんとに?声、声」ともどかしそうな下岡。だいぶ曲が進んだあたりで佐々木もようやく気づく。
そこから2人の思い出話へ。(おそらく長野の)実家の佐々木の部屋は壁にびっしり格言みたいなものが書かれていて、それが「みみなしほういちみたい」で「怨念部屋」と呼ばれていたそう。そこで、2人で音楽を聴きつつ、当時「天才」と各方面から絶賛されていた中村一義の話題から、「天才とは」という話へ。佐々木は天才と自分を比べて「俺は天才じゃない!」と言うが、下岡は「お前は天才だよ!」と反論。結果、何時間にもおよぶ討論のすえ、喧嘩になったという。会場爆笑。

そして最後はバンドにとって初めての試みだというアコースティックライブ。
セッティングの最中に下岡が名古屋に車で向かうときに渋滞に出くわしてしまい、到着が遅れた事実を明かす。
立ち位置はいつものライブと同じ並び。サイドの2人は向かい合うように椅子に座りアコギ、斉藤は立って、片手にタンバリン、片手にゴーヤ型のマラカスという編成。
ライブ直前、「緊張する」と言って発声練習をする斉藤。
曲はLiving in the city、ガールフレンド、アンセム、歌の4曲を披露。
この地方ではガールフレンドと歌は初披露だったと思われ、とてもお得な気分だった。
アコースティックだとより歌がサウンドより前に出てきて、その素晴らしさが伝わってきた。それぞれの声の重なりや組み立ての骨までクリアに見えるようで、かなりおもしろい。
アレンジはバンドバージョンを素直にアコースティックに変換したような感じで、原曲と大きく印象が変わるような曲はなかった。
佐々木は前々からライブでも弾き語りをしていたし、今回も安心して聞ける感じだったけれど、下岡の独特の歌いまわしは、アコースティックと合っていないのか、佐々木に比べて声量がないのか、なんだか隙間の多いちょっと変わった感触を感じる部分があった。バンドサウンドでこその曲&歌い方というか、前からなんとなくOTと近い印象だったのを今回は特に強く感じた。だからこそOTの弾き語りは普通の弾き語りと違ってグルーヴやリズムが最重視されてるわけで。
とにかく今までのアナログライブにない新鮮な発見と、このバンドのハーモニーとメロディのよさの再認識ができた素晴らしいライブだった。

といった感じでトータルで70分くらい。無料イベントとしては大満足ではないかと。最後には3人の直筆サイン入りROCKSステッカーをもらいました。

本人達も緊張すると言いまくっていたけれど、最後には斉藤がアコースティックまたやりたいとも発言して、楽しんでたもよう。

明日はOTODAMAとも繰り返し言っていた。
もうほんとOTODAMAに参加する方々が、羨ましすぎる。


Re:mixまであと2週間かー。ジョントポールまではあと2ヶ月。先過ぎる…。
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by kngordinaries | 2006-08-12 03:31 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 1日目 その2
KREVA以降はまたまたのんびりと過ごす。
すでに売り切れも出ているアーティストグッズ売り場に行き、「くLabel【其の三】」をゲット。さらにROCKIN'ON LIBRARYをぶらつきパンフレットも購入。
そんな中でもm-floのサウンドがもの凄い距離を風に乗って耳に届く。これもフェスならではの楽しみ方だ。去年に引き続きcome againも聴こえた。スペシャルゲストのMINMIにびっくり。

さらにみなと屋のあさりご飯セットやらハム焼きを食す。ハム焼きの異常な美味しさにどうにも笑みがこぼれる。
そんな中でも平井堅のハイクオリティな歌が木陰をより涼しく彩る。聴こえてくる曲が全て大ヒットチューンというのが凄まじい。そろそろPUFFYを観に行かねばと移動を開始したところでピアノ弾語りのeven ifが始まり、心の中で大拍手。このヒットパレードの中では地味な曲かも知れないけれど、このどろっとしたラブソング系が平井堅の曲では特に好きなので。

17時30分、PUFFY
開演10分前くらいにスタンディングゾーンに行くころには、観客の入りはまだまだ余裕があったのだけど、開演直前になるとシートゾーンも立つようアナウンスがあったり、相当な混雑となる。
そしてPUFFYとバンドメンバーがステージに登場!
いきなりHi Hi渚にまつわるエトセトラで一気にアゲていく。スタンディングゾーンはちょっと危険なくらいの盛り上がり。
そして個人的に一番聴きたかった最新アルバムの最強ポップチューン、Shall We Dance?も披露。この曲のメロディー、歌詞、歌はちょっと完璧なポップ。
さらにモグラライクではダンサーも登場し、和やかな盛り上がり。
後半もサーキットの娘や個人的にPUFFYのベストソングだと思っているブギウギNo.5など、アップテンポのロックチューンでぐんぐん飛ばす。二人の歌唱も力強く攻撃的なのにきっちり揃っていて抜群に心地いい。そしてやっぱりしーたかさんのドラムはタメが心地よくて最高だ。
Tokyo I'm On My Way、GREENDAYのカバーBasket Case も披露し、最後はやっぱり不朽の名曲アジアの純真で「流れ出たら・・・ひたちなかー!」で締め。ボルテージ上がりっぱなしのロックでポップなライブだった。
ただ、少し残念に思ったのは、観客の反応で、明らかに最近の曲と過去の大ヒットチューンでの盛り上がりに温度差があったことだ。もちろんLAKEがぎちぎちに埋まるほどの数が入れば当然そうなるだろうし、PUFFYもそこを理解しつくしたセットリストで挑んで大正解だったと思う。Tokyo I'm On My WayやShall We Dance?の曲後半からだんだん盛り上がってくる会場の様子を観ても、間違いなくSplurgeの新曲群のクオリティは広く浸透する力を持っていると思うし、今夏の各地のフェス出演でいい効果があがればいいと思う。
それと同時に10年前の楽曲で、これだけの観衆をひとつに出来るPUFFYというポップアイコンの威力もやっぱり素晴らしいと思った。

PUFFY終わりでブログ仲間の方と対面。GRASS STAGEまで一緒に移動。いよいよ今宵のトリの時間だ。一体どんなライブになるのか、いまひとつ想像できない。

19時、くるり
厳かなBGMに乗って、くるりとサポートメンバーがステージに登場。全員が黒いマントに身を包み、黒い帽子を被っている。異様な演出に会場はざわめき、笑いが起こる。
そしてそれらをすぐに脱いでセッティングを始めるメンバー。全員半袖シャツにネクタイ。だからなんなんだと。
「くるりです」
と簡単な岸田の挨拶。
そして始まりの1曲はTonight Is The Night。ゆったりとタメのあるリズムに美しいコードで奏でられるメロディ。心地いい音楽空間がGRASSを満たす。
そして東京。岸田の感情のこもった歌声が胸に迫る。抜群の演奏がグルーヴを増して爆発していく。演奏のうねりと歌詞の物語の高ぶりが美しく合致して、最高に切ない。アウトロのファンファーレのようなコーラスがとてもとても胸に迫った。
そしてロックンロール。前の2曲のゆったりとしたテンポから少しテンポを上げ、開放的なバンドサウンドがステージから会場全体にきらきらと降り注ぐ。優しいメロディがどこまでも胸を締めつけ、熱く焦がす。
ここのところ出たばかりのベスト盤をよく聴いていることもあり、くるりというバンドについて考えるのだけど、とにかく思うのは、このバンドがずっといてくれてよかった、ということだ。ずっと曲を発表し続け、ずっとライブし続けていることに、感謝したくなるバンド。
「暑ない?」
「気持ちよくやらせてもらってます」
等々、MCではぽつりぽつりと喋る程度の岸田。
そしてイントロから大歓声が湧き起こるアンセム、ばらの花、切実なメッセージが胸に突き刺さるフォークソング、THE VERANDAと珠玉のナンバーを連発。というか、ベストを聴いているとほんとによく分かるけど、このバンドの曲は全部が全部素晴らしい。
そしてさらにアンセム、ワンダーフォーゲルで会場の熱は高まっていく。さらにはナイトライダーRing Ring Ring!というファンキーで渋いアップチューンで会場全体が波打つ。
ここで岸田のMCがあり、実はひどい風邪をひいてしまい急遽病院に行き、治療を受けたと話す。
確かにライブ開始から声の出はよくなかったけれど、そんなに厳しい状況にあったとは思わなかった。演奏は抜群だったし、それに乗って歌う岸田の歌はエモーショナルで、集中力高く、とても1曲1曲を丁寧に歌い上げていたからだ。いつも以上に胸に響く歌唱だった。
「先生にはシャウト系はあかん、言われてんけど。大丈夫です、全部バラードでやります、言うて来ました」
「最後、全力で歌います。皆さんの力を貸して下さい」
そう言って始まったのは。そんなMCのあとでは、声の揺れやかすれにこちらが敏感になってしまうところだけれど、そういう耳で聞くとやはりどこか弱々しい。が、異常なくらいの集中力と気迫がこもっているせいか、とても強く心を揺さぶるような力があった。
そしてラストは
曲頭のサビの高音から声が完全に割れている。絶唱だった。それでも基本的なところでリズムとピッチははずさない。とても意識的に体をリズムに乗せて揺れている岸田は、喉に全ての神経を集中させているように見えた。そういえば、ライブ最初から、ビジョンに映る岸田の顔は瞳孔開きっぱなしのような、ちょっと危険な表情をしていた。張り詰めた覚悟が漲った歌に圧倒される。
そして曲後半のブレイク。その刹那、いきなりギターを外し、ステージに叩きつける岸田。だだっこのように振り上げた腕をブンブンと振り落とす。それを指揮代わりにバンドの演奏が再び始まる。
「この街は僕のもの」
――演奏が終わり、壊れたギターが気持ちの悪い残響音を大きな音で響かせる中、会場に向けて両手を合わせて頭をひたすら下げ続けながらステージをあとにする岸田。スタッフが走り出てきてギターの音を切り、半ば呆然としながらもアンコールの拍手が湧き起こっていた観客を尻目に、夜空に終演を告げる花火が上がっていった。

きらきらと夜空を彩る花火を観て、やっと我に返る、くるりのライブはそんなとんでもないライブだった。

ここからはごく個人的な感想。
岸田は特別に歌唱スキルの高いボーカリストではないと思う。その曲の持つビートや音楽的ルーツを深く理解して、紡ぎだした言葉を集中力高く感情を目いっぱい詰めて歌う、そんなシンプルで繊細な歌を放つ歌い手だ。
その意味では今回の声が出ないというトラブルは、大きなアクシデントではあるけれど、このバンドにとっては致命的なアクシデントではなかったのだと思う。
それどころか、危機感を持ち、焦燥をつのらせた岸田の歌は、よりエモーショナルに炸裂していた。
僕は激情を叫ぶことが基調となっている歌はあまり好きじゃない。くるりの歌はそういう歌ではなく、「街」もたゆたうようなAメロBメロがあり、必然として感情の波が高ぶるサビがある、そんな優しい歌だ。そしてその優しい歌を、届けたいのにそれができない状況で、それでも届けたくて叫ぶこの日の岸田の歌は、やっぱり優しかったし、とても温かく胸に響くものだったと思う。


とにかく、ここ数年恒例のように参加しているなかでも、初めての気分で終演を向かえ、猛暑にへろへろになった体に、あと2日持つのか、というこちらは恒例の不安を持ちつつ、この日の帰路へ。



2日目以降へ続きます。近々、書きます。
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by kngordinaries | 2006-08-09 23:38 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 1日目
10時20分、多少のアクシデントもありLAKE STAGEの開演直前になってようやく翼のゲートから入場。
天気は快晴。どこまでも突き抜けるような青空と肌を差す強い陽射し、日中涼しく夕方は冷え込んでいたという数日前の現地レポートのときとは180度違う、超真夏日だ。

3日間着け続ける水色のリストバンドを装着し、LAKE STAGEに急ぐとすでに開演前の主催者挨拶が始まっていた。すでにかなり埋まっているスタンディングゾーンの後方まで向かう。

ROCKIN'ON JAPAN編集長の山崎洋一郎氏が注意事項等を伝えていた。
無理をせず水分補給を十分に行うこと、場所取り・モッシュ・ダイブの禁止、ゴミは分別してゴミ箱へ、他人の自由を奪わない、等々、毎年の参加者には耳タコかもしれない注意事項を懇切丁寧に紹介していく。
会場からはその言葉・思想・理念に対して温かい拍手が何度も起こっていた。この3日間だけは、フェスという名の有りえない理想をフェスに関わる全ての人が共有して、夢のような、でも確実に現実の、楽園は創造される。

10時30分、RHYMESTER
山崎氏の「キング・オブ・ステージ!ライムスター!!」という呼び込みからDJ JINが登場し、JIN-TROでこれから始まるライブへの期待感が高まっていく。そしてライムスターマイクロフォンNO.1の宇多丸、同じくマイクロフォンNO.2のMummy-Dがそれぞれ黒と赤のアロハで登場し、HEAT ISLANDで一気にアゲていく。凄い熱気。
けしからんの高速ライムも飛びきりの切れ味で盛り上がる。
このへんでMC。
「最初っからベストアクトでごめんねー!」
「他の人たちはほのぼのとね、ほのぼのレイク♪って感じだろうけど、俺たちは違うからね。お前らをレイクしてやる!って感じ」
などなど冴え渡る宇多丸のマイク。
さらに「HIP HOPって最高だろ!」というようなMCのあとでWE LOVE HIP HOP
「We love Hip Hop! Do you like Hip Hop!」とこれだけのキャリアにして軽やかに自分達の音楽ジャンルへの愛情を歌い上げる姿が粋だ。
「ここで超ビッグなゲストを呼ぶぜ!ビッグすぎてびっくりするぞ!」
との宇多丸の言葉で登場するはScoobie Do!のうちのコヤマシュウ以外の3人が登場。そして生演奏と打ち込みトラックの絡み合う最高の演奏が繰り広げられ、ここでコヤマシュウが登場!いきなり全速力で走ってきてステージ中央で煽る煽る。
そしてこの2組が揃えば当然音楽は素晴らしい。ファンキーなリズムがフェスにぴったり。コヤマシュウの歌も最高に気持ちいい。
もし「WE LOVE HIP HOP」のHIP HOP賛美に少し引き気味の意固地なロックファンがいたとしても、「音楽は素晴らしい」というフレーズにはこの場にいる誰もが賛成せずにはいられないだろう。そしてそんなフレーズをロック・バンド「Scoobie Do」の生演奏と共にこのうえなく楽しそうに歌い上げつつ、自分たちのジャンルに対する熱き想いと深い愛情も合わせ持つrhymesterのバランスの良さと圧倒的なスキルの高さは、この場にもしかしてあったかもしれないつまらない壁やこだわりをあっけなく粉砕して、大熱狂の享楽のパーティーへ全員を誘い込んでいく。
最後にはThis Y'all That Y'allもScoobie Doとのスペシャルセッションで披露し、熱狂のパーティーが終了。

いきなりの熱狂ライブに息つく暇なくGRASS STAGEへ。
エリアの入り口に着くころにはすでにバンザイが演奏されている。ステージはまだ全く見えない位置だけれど、そこここで多くの人が合唱し、バンザイをしている。ステージへ向かって駆け出す人も多数。フェスならではの光景。

11時30分ごろ、ウルフルズ
ステージが見える位置まできたころにはええねんが始まっていた。トータスの衣装が凄い。白の全身タイツのような衣装に赤い縁取りのハートマークがちりばめられている。
さらにバカサバイバーでスタンディング・ゾーンはもの凄い盛り上がり。
動きまわっているトータスの後姿がビジョンに映る。唖然とした。衣装の腰の下の辺りがハート型に切り取られトータスのお尻が半分露出しているではないか。とてもファンキー。
ラストはいい女。おなじみの「トータス松本!カムバーック!」ではその衣装が最大限の威力を発揮し、お尻からステージに戻ってくるトータスの姿が、会場中を笑いに包んでいた。
しかし歌になると圧倒的に男前なロックスターになるトータス。そしてライブを終え、ステージを去る後姿は半ケツを露出していらっしゃるのだ。痛快。

ウルフルズが終了して、しばらくGRASS後方の木陰を中心にまったり。COUNTDOWN JAPANの第一弾発表を見て100sが!!と盛り上がったり。
麦トロご飯に舌鼓を打ったりしながらDJ OZMAのライブの音を漏れ聞く。「そんなんじゃKREVA観られねえぞ!くるりなんて一生無理だぞ!」というMCはどこかの團長にそっくりだなーと思いながら。
ブログ仲間の方ともお会いしていろいろとお話したりする。

13時40分、KREVA
厳かな重低音が鳴り響き、黒い旗を振る男が数名ステージへ。左右の大型ビジョンからは「Who is "Hip Hop"?」「What is "Track make"?」といった言葉が次々と映し出され、異様な期待感を煽る。
そしてKREVAが登場!
いきなり新曲を披露し国民的行事Have a nice day!とアンセムを連発し、会場の熱を挙げていく。
最新シングル「Have a nice day!」は本当に凄い。何が凄いって、タイトルがサビが「Have a nice day!」であることだ。ロックやヒップホップのようなエッジが効いた表現が命なジャンルにあって、こんな平熱で爽やかなメッセージを表現できる輩がどれだけいることか。「愛・自分博」もそういうアルバムだけれど、このシングルでさらにKREVAは平凡な日常を肯定するポップの黄金率へ近づいていると思う。
「さっきのは8月2日に出た新曲、そんで今からやるのがカップリング!こんな曲歌っちゃってまーす」
というMCから今夜はブギー・バック。前のツアーでも披露されたところどころの歌詞を原曲から変え、ラップはなし、歌のみのメロウチューン。最高だった。
さらに
「(ステージ上が)男ばっかで男臭い!」
とSONOMIが登場し、涙とまれよ一人じゃないのよを披露。涼しげな歌声が真夏の青空に響いて気持ちがいい。
さらにキューゼロとのDANDADANで盛り上がりは最高潮へ。しかしなぜか浮かない顔のKEREVA。ステージ前方へ進み出て大歓声を浴びても今ひとつのよう。
「足りねえか」
とキューゼロ。
「惜しいけど足りねえ。全然足りねえ。しょうがねえ・・・・・・こうなったらあの人呼ぶか!Mummy-D!!」
とのKREVAの紹介で登場するMummy-D!一気に会場の熱気が爆発!そして曲は当然ファンキーグラマラス。もうアガるしかない。
そしてゲスト陣はステージを去り、語りだすKREVA。
「今日、楽屋でこのROCK IN JAPANのパンフレット読んでたら書いてあったんだけど、俺の初めてのライブはROCK IN JAPANのこのステージだったんだよね。それからまた夏がきて、いまこのステージに立てていることを嬉しく思います」
そして始まったのはなんと音色!珠玉のポップチューンに会場は笑顔。さらに超名曲スタート
そして最後はイッサイガッサイ。今回も緩急自在なステージングで、場を掌握し、踊らせる圧巻のライブだった。
しかし、登場時の意味深な演出はいまいちよくわからなかったなー。なんだったんだろう。


まだまだまだまだ続きますが、つづきはまた近々。
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by kngordinaries | 2006-08-08 23:26 | ライブ