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悩むもの。流れを決めるもの。
今日も今日とてHMV栄店をぶらついていた。

3階のイベントスペースでTagというアーティストがトランペットを吹いていた。凄くいいような気もしつつよく分からないのでステージの裏側に並ぶ雑誌コーナーをチェックしにいった。

YUKIが表紙を飾る雑誌があった。
「サンキューグッドバイ」を聴いてこのところ気になっていた。キャリアが十分にあるアーティストから新鮮な感動を得るのはとても嬉しいことだ。大きな旬の季節を過ぎても瑞々しい表現を生み出せることを作品で証明してくれることは、なんとも心強い。この曲の歌詞でいえば「錆びないわ」ってこと。
ただ僕が凄い!と思ったのはカップリングの「舞い上がれ」のほう。基本打ち込みの4つ打ちサウンドでちょっとラップ調の展開もある軽やかでノリのいい曲だ。カップリング用の実験的な曲のようでもあったけれど、YUKIがのびのびと歌ってる感じがしてそれがよかった。
そしてこの間発売された「JOY」!!一気に突き抜けたダンスナンバーで「舞い上がれ」の進化形ともいえるスタイル。アルバムがとても気になる。

という経緯があってその雑誌×10PPPを手に取った。表紙に雑誌を読まなくなったあなたへ贈る、とかなんとかいう特集があってそこにLuckyRaccoonの名前があったのでYUKIのアートでちょいエロな写真鑑賞もそこそこに特集のページを開いた。基本的におしゃれなサブカル雑誌の写真はよくわからない。撮るのにもの凄く労力かかってるのが伝わるだけに、そこまでして何を伝えたいのかまったく分からない自分が悲しくなるし。

オルタナティブな(だったけ)雑誌の作り手のインタビューらしく10誌くらい紹介されていてそのうちの一つがLuckyRaccoon森田恭子だった。森田恭子はもともとBREATHというボーカリストのインタビューを軸にした雑誌の編集長をしていた人だ。その歌い手をクローズアップするという雑誌の方針や、彼女独特の音楽関係なしの世間話から表現者の人となりを浮き彫りにするインタビュースタイルが僕はとても好きで、BREATHの編集長を辞めてからすぐHPを立ち上げたときから追いかけていた。まあ好きなアーティストがかぶってるというのも大きい要因だけど。
LuckyRaccoonはBREATHのようなボーカリストというくくりもなく、彼女の好きなことを紹介するというあやふやなコンセプトで、ほぼ全てのテキストを彼女が書き、ネットでの注文販売と全国のタワレコのみでの発売という個人誌ともいえるスタイルになっている。
タワレコはあまり行かないし、発売日直後に行っても置いてないことがあって毎号は買えていないけれど、相変わらずおもしろい雑誌を作る人だと思っていた。
その人が自分の雑誌について語っていた。印象的な言葉がいくつもあった。
「わたしが作りたかったのはBREATHなんですよ」
とか、非常に部数の少ない雑誌だからミスチルにオファーするのをためらっていたら桜井くんから逆に依頼がきた、とか。そして今後の雑誌の展開を模索しているという言葉も。部数を伸ばすこと、大物を登場させることではなくクオリティを高められないか、満足いく雑誌を作れないか。

とても考えさせられるインタビューだった。僕はこの雑誌がそのうち規模を拡大してもう少しメジャーな流通に持っていくことを目指しているようになんとなく思っていた。全然違った。雑誌というものの存在価値を一旦リセットして新しく再構築しようとする、とんでもない挑戦だった。TRICERATOPSや奥田民生、山崎まさよしといったアーティストが、部数の少ない個人誌の取材をわざわざ受けているのは同じものづくりをするものとして、この挑戦者への共鳴があるからなんだと感じた。

商業主義一辺倒の時代から、世の中は変化していていろんなシステムがリセットされていって価値観の見直しをしなければならないという危機感はどんなジャンルにもある。もっと居心地のいい世界を模索して混沌としてる気がする。生活レベルでもそれは変わらない。
売れる雑誌の作り方なんておおよそはマニュアルが出来ている。そうではなくて編集者も読者も幸せで充実感をもてる雑誌づくりを目指す、とても応援したい、と思いながら雑誌を閉じた。

ボ・ガンボスのトリビュートを試聴してTHE BAND HAS NO NAME以外もよければ買ってしまおうかと思って4階にいくも、10分以上たっても聴き終らない人がいて、そのあとも予定があった僕は待ちきれず試聴できないままHMVをあとにした。それだけいいってことなのかな、気になる。


笑うもの。涙を流すもの。また、
生きるもの。別れを決めるもの。
悩むもの。流れを決めるもの。また、
見えるもの、それは自分だもの。

       いきるもの   100S

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by kngordinaries | 2005-01-31 01:20 | 生活
カラオケ
あー、のどが痛い。

ひさびさに大きな声を約5時間にわたって出し続けたので、当然の結果か。

就職してからカラオケに行く回数がめっきり減った。
ここのところたまにカラオケに行くことがあっても、大人数だったり、時間が短かったりしてもの足りなさを感じていたので、今回は友人と2人でフリータイムがっつり5時間歌い倒すことにした。

場所は初めて行くジョイサウンド金山。部屋タイプがいろいろあるそうでスタジオルームにしてみたところマイクがシュープリームスやエルビス・プレスリーが使っていそうなタイプのスタンドマイクしかなかったので、結局普通のマイクも用意してもらって曲によって使い分けてみた。

音域が狭く低い僕は歌える曲がかなり限定される。民生、吉井、ゴッチ、藤くん、素生、岸田あたりの歌はかなり歌いやすい。特に吉井、岸田はどんぴしゃ。ゴッチは裏声やシャウトが歌の一部と化していてその辺が難しい。唱、田中あたりはほとんどの曲がキーが高くて1曲歌うとぐったりしてしまう。中村くんに至っては挑戦する気も起こらない。
同行の友人はケミストリー、平井堅、ミスチル、スピッツを得意とする、音域が広く音感抜群の歌い手だ。よって中村くんは彼に任せて聴きながらノリノリに。彼の完コピな永遠なるものがこの日のハイライトであったことは間違いない。

今回の新譜は「CALL ME」と「THE CAPTAIN」くらい。ソルファの曲とライオンの曲はほとんど歌ってしまった。フジファブリックが意外と(失礼)入っていたのでちょっと挑戦してみた。アナログフィッシュも早く入ってほしい。

しかしなんか風邪気味だったせいもあってか3時間くらいしたらのどがへろへろしてきて、後半メロディーすらよれよれになってしまった。とはいえ歌いたい曲はほぼ全て歌えた気がするし、終わったあとの気分はとても爽快。

これはちょくちょく行くべきだな。
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by kngordinaries | 2005-01-30 00:22 | 生活
セレブKREVA!サンボ、ウルフル、他
KREVAがiPod"Celebrity Playlists"に登場!
Dr.KことKREVAがAppleオフィシャルサイトのCelebrity Playlistsに登場、iPodについて語ってます。過去にはCKBやフジファブリック、HALCALI、くるり、ウルフルズも登場しているこのページ。
やっぱりミュージシャンもシャッフル機能を楽しんだり、遠出するときCD何枚も持って行かなくてすむことに感動してるようです。親近感。KREVA、新譜が待ち遠しい。その前にLITTLEのアルバム待ちかー。

サンボマスター、「サンボマスターは君に語りかける」5位!!
いまもっとも勢いに乗っているロックトリオ、サンボマスターの2ndアルバムがオリコンチャート初登場5位に。オリコンによると1週間で4.5万枚。これはあきらかにYO-KINGより売れてます。100Sよりも売れてるなんて・・・。
CDJ、30日はくるりの裏だったのでYO-KING+サンボ観れませんでした。観た友人は凄く喜んでいて相当よかったらしい。31日はGARAXYの年越しがサンボだったっけ。
おととしの後半にがっと出てきたころにシングルレンタルして聴いたときはそんなにいいと思えなかった。けど、あのキャラは1回ライブで観てみたい。Mステでタモさんとトークしてる光景はとてもロックしてました。

ウルフルズ、NEW ALBUM「9」、2月23日発売!
ウルフルズ、9thアルバムその名も「9」ナイン、2月23日に発売が決定。「バカサバイバー」「まいどハッピー」「暴れだす」「大丈夫」他11曲収録で2300円、お得です。
久々に買ってしまおうかと考え中。前の「ええねん」は聴いてもいないわけですが、一応「バンザイ」のころからなんとなくずっと聴いているバンドだし、このあいだのおまけDVDでのやつらのスターっぷりにやられてしまったので。

あと今日発売の週刊文春の考えるヒットでYOSHII LOVINSON「CALL ME」とレミオロメン「モラトリアム」がお題になっています。YOSHIIの魅力を音楽的な側面から見事に言い当てた、そこらの音楽ライターとは一味違う、分かりやすく深い評論がなされています。レミオロメンに関しては、プロのキャリアあるミュージシャンからはそう見えてしまうのかー、と思うような厳しい言葉が。読み応えあり。

それと毎日観てるのに今年に入ってなかなか更新されなかったOT10thLOUNGE(そろそろ名前変えないと)。
やっと更新したと思ったらGHさんがPUFFYの曲探しにスウェーデンって。しかしいつもながらアミゲはおもしろいです。あみのこと漫画の趣味があう人とかはたまんないだろうな。

くるりBIRTHDAYの噂のジャケ公開です!あー、BIRTHDAYといえばこれか!あほくさくていい!1回はやられてみたい。

アジカンライブチケットそろそろ先行予約です!やってやりますよ(何を)。
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by kngordinaries | 2005-01-28 00:22 | 音楽ニュース
OZナイト
2004年12月8日、日本青年館でSPACE SHOWER TV 15祭が開催された。僕はこの15年間スペシャとなんのかかわりもなく過ごしてきたけれど、このイベントには強く関心をもった。

「OZナイト」と題されたそのイベントは初め100Sナイトと発表されていて、100S久々のアクションだったからだ。これに期待しない人なんているか。その後の告知によってこのイベントで100Sの1stアルバム「OZ」の完成試聴を行うことを知った。

今日、部屋に帰りつき郵便受けを確認すると、OZナイトの模様とレコーディング風景をおさめたDVDが届いていた。「Honeycom.Ware」についていたDVD全員プレゼントに応募していたのだ。こんな大事なもの、せめて宅急便でお願いしますよ、と思いつつさっそく観賞。

まずはOZナイト前のメンバーの会場入りから。会場の音の鳴りを確かめている。今回はアリキリのアリのナレーションや、作り込まれたコントはないようだった(余談だけど021217での動物園でのコント、何回見返しても面白すぎ)。中村くんのこの日のアディダスジャージは赤で黒のライン。何着持ってんのかなー、どれも似合うけど。OZの試聴部分はダイジェストで、会場にはレコーディング風景の写真がスクリーンに映される。光は光で客席にライトが向けられるなど多少ショウアップされていたもよう。すでにOZを聴き込んでいるいま、こんなでかい会場で爆音で聴けるならお金だしてもいい、と思った。
そのあとは田中宗一郎がMCをして100Sをゲストにトーク。タナソー、しばらく見ないうちにえらく老けた。飾り気なくゆるーい空気で、状況部屋のことやOZのことなどなど。ベース山口のキャラにちょっと客席盛り上がる。
そしていつごろかわからないOZのレコーディングのドキュメント映像。それぞれがプロデューサーや作曲家、バンドマンとして活動しているだけに、もの凄くプロな表情。雑誌のインタビューでも語っているとおり、中村くんとまっちいと池ちゃんがジャッジの中心のよう。OZの中でもっとも劇的で特別な印象の「扉の向こうに」のアレンジや音にとても試行錯誤している姿も。中村くんの眼鏡がでっかくて素敵だ。
後半になるにしたがって疲労の度合いが強まっていくのがわかる。本当に神経すり減らして全身全霊をOZに注いでいる。時計が朝の4時45分を指して最後のミックスが終了し、スタジオをメンバーが去るところで映像終了。

OZは言葉にならないなにかを深く深く感じさせてくれる作品で、今は感想を語る気にもなれない。中村一義の音楽は一人きりの部屋でスピーカーに向き合って聴くものであると同時に大きな会場全体でみんなで共有されるべきものだ、と誰かが言っていた。今回もそういう作品だ。イヤホンでスピーカーで聴けば聴くほど自分の内側にぐっと入り込んで隠された感情の扉を開け放ってしまう。目をそむけていた大切なことに向き合う勇気が自然と沸いてしまう。とってもちっぽけな個としての点としての自分に、とても大切な存在だ。だけれどそれと同時に、多くの人と大きな会場で共有する「みんなの歌」でもある。そんな特別な作品だ。

聴くたびに曲たちの表情がころころと変わっていく。今日の帰り道に聴いていた「やさしいライオン」はこんなに希望を感じる曲だったけ、という新鮮な響きを感じた。
発売から2週間経ってやっといえた感想はこんなものだ。でもそれでいいと思う。音楽が好きでいろいろ聴いていると、ごくごくたまーに訪れるとても心地いい出会い、それがOZだった。

夏にはライブツアーを控える100S。めちゃくちゃ期待。
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by kngordinaries | 2005-01-27 01:14 | 音楽
悩ましい日々のおわり
嬉しくもあり悲しくもあり、ここまでの長くつらい道のりを思うと、不思議と笑みが浮かんでしまう。

部屋の窓際に置かれたコンポから、市販のCDにはない曲順で流れるアナログフィッシュの演奏にご満悦な今日このごろだ。

日曜の夜、それまでiTunesで作っていたセットリストをついにMDに入れることにした。正直、曲間の秒数まで決めたかったけれどそこまでしていたらきりがない。まずは今年もっとも期待のバンド、アナログフィッシュの6曲!

白黒ック(iTunesでは白黒ロックと表記、アナログがんばれ)
ラジオ
夕暮れ
公園
世界は幻
Hello

全体的にアルバム「世界は幻」の曲順が軸になってしまっている。というかこのアルバムがどうしようもなく好きなのでしょうがない。LOWとラジオで迷ったけれど、LOWの歌詞はちょっと人によっては刺激が強いので遠慮した。というかアナログの歌詞はわりとえぐかったりするのも魅力。夕暮れだって実はホラーテイストありありだし。
白黒ック、ラジオで勢いのいいとこを感じさせつつ、夕暮れでなんだこの感じ?と惑わせ、公園でまた盛り上げ、世界は幻でガチコンといわして、そしてHelloでライブ行きたーいと叫ばせる。・・・完璧すぎる計画にはオーシャンズも真っ青だ。

そしてアルバムでついに全貌を現したバンドを、この時点で初めて聴く人の感想がとても楽しみな100Sの7曲!

A
バーストレイン
君ノ声
Sonata
Honeycom.Ware
扉の向こうに
OZⅢ
ロックンロール

こちらも試行錯誤の結果、OZのダイジェストともいえる流れに。しょうがない、ほんとに本当に最高のアルバムなのだから。とっつきやすそうなところで1.2.3や新世界、セブンスターも考えていたし、ピーナッツ、虹の戦士といった絶対泣ける(僕が)名曲やゲルニカ、ZENといったディープな曲も考えたけれど、結局そんなに曲数は増やせないしここは最新の100Sサウンドを全面に出す方向でいくことにした。
扉の向こうにをとにかくピークに持っていきたかった。MDに入れる段階でOZⅢも含めて1曲だと思っていたことに気付きセットで収録。この流れだとどうしても続く光は光、いきるものまで入れたくなってしまうけれど、そこは抑えることに。
扉の向こうにでの大感動の末、ロックンロールが流れるころにはクラリスの心はまんまと怪盗に盗まれてしまっていることだろう。

と、キーボードを叩いている間にMDは進み、今は君ノ声が流れている。
このMDの持ち主となる子とは、しばらく会う予定がないので数週間は聴くことが出来るな。

選曲していてこの2組の共通点に気付いた。
とってもポップな外見に似つかわしくない骨太で深い精神的にロックな音楽であることだ。聴いてくれる子はどちらかというとサウンドのロック感が強いものが好きなようだし、個性の強いこの2組を気に入ってくれるか、少々不安だ。

最近のやりとりで、お返しにセカイイチというバンドを紹介してくれることになっているのでそれも楽しみ。ちょっと前にアナログと一緒に全国を廻っていたバンドで今度メジャーデビューする期待のバンド、ということは知っているけれどまともに聴いたことはない。でも今年はフジファブにすでに出会ってしまったのであまりいいバンドに出会ってしまうと許容量オーバーかも。

アナログ、100S好きな方、この曲順だまされたと思って一度お試しあれ!!
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by kngordinaries | 2005-01-25 01:56 | 生活
野ブタ。をプロデュース 白岩玄
なんだろうな、この感じは。すっきりしないなんともいえないもやっとした読後感に支配されてしまった。ちょっとしばらく尾をひきそうだ。

前半部はとことん笑わされた。高校生桐谷修二の朝食中から始まって、彼の高校生活の一日が描写される間に、舞台設定は完全なまでに紹介されつくして、しかもそこで展開される会話がめちゃくちゃに面白いのだ。冷めた目線で自分のまわりにいちいちつっこみを入れながら、くだらないジョークを吐き続ける修二。

いわゆるクラスの人気ものである主人公は、自分に話しかけてくる数多い友人たちに対して着ぐるみショーを開催し続けている。素を見せず人気者を演じるショーだ。そつのない応対で相手を和ませ、軽く笑いをとっておけば関係性は穏やかに保たれる。たまに頼ってくるときには自分の手が汚れない程度に対応してやればいい。毎日お弁当を作ってきてくれる友達マリ子に対しても一定の距離感を保ち、やばいと思うと笑いでごまかしていく。

この距離感、居心地いいんだ。遠過ぎたら寂しいし、近過ぎたらうっとうしい。適当に笑わしておけば波風立たないし、誰にも嫌われない。むしろ好かれることのほうが多いし、いろいろ得することだってある。

そんな修二と友人たちの会話は一見最高に仲のいいクラスメイトといった感じで、息の合った漫才のようだ。たまに入る修二の心の中の突っ込みがそのキラキラした青春をかるーく茶化すもので、それがまた面白い。

そこに現われる野ブタこと転校生小谷信太。「気持ちの悪いほどオドオドしたデブ」であり「顔は・・・・・・これはもう残念な顔にお生まれになったとしか言いようのない絵に描いたようなブ男」な彼は、クラスの誰とも打ち解ける事が出来ず、ついに一部の不良をきどった連中からいじめを受けることになる。
偶然から彼のピンチを救った修二は彼を人気者にするべくプロデュースすることに決める。

そこからは野ブタのサクセスストーリーと修二の長年の処世術によるアイデアがクロスして怒涛の面白さで話が展開する。野ブタ自身の成長もあるものの、修二の「クラス」という一般的な社会からすると特殊な集団の心理を巧みに利用した(といってもただ笑いをとってるだけだけど)プロデュースがいちいち功を奏していく。
そしていつでも着ぐるみで完全防備した修二は、珍しく満足感を得ることが出来ている自分に気付く。完全な裏方に徹っしても他人の心をコントロールすることができることに気分をよくしている。

そんななか、マリ子との距離が徐々に縮まってしまう。着ぐるみに閉じこもって他人をいつも俯瞰しているはずの修二の心がマリ子の見つめてくる目に揺れる。
その目だ。その目が俺の着ぐるみを剥いでしまう。
俺の中に入ってくんなよ。
(中略)
わずかな首の隙間も余さずに着ぐるみが今閉じきり、完全な暗闇となった。

そして野ブタのプロデュースは完璧なかたちで成功し、野ブタはクラスの人気者となった。ここまでで充分に面白い話なのだけど、その後修二は自分が人気者の地位から失墜することになる。彼の築き上げた頑健な城が、驚くほどもろくくずれていくさまは、そら恐ろしい気分にさせられる。

誰も、俺のことなど信じていなかったのだ。

本当は、誰かが俺のことを見ていてくれないと、不安で死んでしまいそうだったんだ。

この小説の主題はコミュニケーションというもの凄く大きくて身近なものだ。主人公の考えかた、生きかたは決して多くの共感するところではないけれど、そこから省みる自身の人との関わりかたに考え込んでしまう人も多いと思う。
基本的にはくだらなくて笑える娯楽小説なのだけど、ある程度若い世代であれば主人公やクラスメイトの文にしるされていない部分がいろいろ読み解けて、あるいは補完できてとてもそれだけではない小説であることが分かると思う。
僕の中では桐谷修二はおっそろしくナイーブで繊細で心優しい人間であるかのように思えました。
言葉は人を笑わせたり、楽しませたり、時には幸せにすることもできるけれど、同時に人を騙すことも、傷つけることも、つき落とすこともできてしまう。そしてどんな言葉も、一度口から出てしまえば引っ込めることは出来ない。だからこそ俺は、誰にも嫌われないように薄っぺらい話ばかりしてきた。言葉に意味を、意志を持たさぬように、俺は徹底してきたつもりだった。



ちなみにこの作家白岩玄、これがデビュー作の21歳。若い。でも凄い才能だと思うし、今の世代にダイレクトに響くのはやっぱり同じ世代の作家の作品だと思うし、次の作品にも期待。写真を見ると普通のちょっとかっこいい若者って感じがして、作者=桐谷修二であるような気がしてしまった。
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by kngordinaries | 2005-01-23 23:32 | 小説
ALL ORDINARIES
ALL・・・全体、すべて

ORDINARIES・・・普通の、通常の



ALL ORDINARIES(オール オーディナリーズ)という雑貨屋さんがとても好きだ。

名古屋だと栄のパルコにあるのだけど、数年前からちょくちょく行っている。そんなにいろいろと買っているわけではないのだけど、そこにある衣類や雑貨の雰囲気がとても自分の好みに合っていて大好きだ。

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スウェットやTシャツやマグカップ等、買ったモノたちはショップ名どおり普段の生活に融けこみまくっていて、強い愛着がある。スウェットはほんとにお気に入りで、ジップアップのやつやパーカーも欲しかったのだけど、レディースしかなくて肩幅が合わず試着で断念(小柄なんで丈は合うんだけど)。
ただ最近ちょっと置いてある雑貨の傾向が変わってきてるようで、それが気になる。もっとオリジナルのグッズばっかでいいと思われる。

ところでここのURLはhttp://kngall.exblog.jp/で、ここでの僕の名前(ブロガーネームとでもいうのでしょうか?)はkngordinaries。ちょうどこのブログを始めるときに、いつもどおり部屋着として着ていたお気に入りのスウェットの名前を使ってしまったというわけです。
このことをそのうち書こう書こうと思っていて忘れていました。それだけ思いっきり生活の一部に入り込んでしまっているということ。人のブログを見ててなんでそういう名前なんかなー、と気になることが結構あるので書いてみました。ブログタイトルの由来は(大体想像つくでしょうが)その当時発売直前だったCDに収録される曲で、ライブツアー、ラジオ等で聴いていてそのとき一番「この曲を早くCDで聴きたい!!」と思っていた曲からです。

シンプルで機能的で穏やかなもののほうが複雑で奇抜なものより好きなのは、全てのことに共通した自分の価値観だと思う。
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・・・そういえば正月、代官山に行ったんですが(まわりも田舎もんばっかりだった)、この店行き忘れたな。名古屋より品数豊富だろうから行っておきたかったんだけど。
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by kngordinaries | 2005-01-23 00:14 | 当ブログについて
くるり岸田、入院!CDJライブレポ!他
くるり岸田、入院とスーパーカー解散について語る!
くるりのオフィシャルHP、くるり on WEBの岸田日記1月13日~16日で自身の入院について書いています。人生初の入院だそうで、3,4日くらいで退院していまは元気なようで一安心です。
そして昨日19日の日記でスーパーカーの解散について語っています。
「スーパーカーというバンドには、当時大変シンパシーを感じていた。メロディーも言葉も、ルックスも勿論、絶対的に超自然なロックバンドとしてのたたずまいにノックアウトされた記憶が鮮明にのこっている。一番最初に彼らに会った時、まるでアムロとシャアが出会った時くらいドキドキしたのを覚えてる。俺らの時代や、ちゅう感じがしてた。」
ほんとに90年代後半、ロックの新しい波といえばくるりとスーパーカー、あとナンバガや中村一義といった感じだった。「俺らの時代や」って・・・切ない。いま最高潮なバンドもいれば、新しいバンドを始めた人もいるし、解散を決めたバンドもいる。自然なかたちで新しい表現を鳴らした彼らは、シーンに大きな影響を与え続けている。

鹿野淳も19日の日記で「だって、彼らほどロマンチックなバンドはいなかったじゃないか。」と嘆き「とても大きな「消失」だ。」と書いてます。

Heart-Beat Magazine、COUNTDOWN JAPAN0405 ライブレポート
まだまだ産まれたての冬の大型ロックフェスCOUNTDOWN JAPAN0405のライブレポートがたっぷり観られます。多すぎて確認できないけど、多分全アクトを網羅していると思われます。
CDJは主催が出版社(メディア)なので他出版社はもちろん、他メディアであまり宣伝もライブレポもされにくいようなのでなかなか貴重。僕も29、30日に参加したのですが、ほんっとに楽園でした、あの場は。いろんなバンドに触れました。今日発売のJAPANも楽しみ。

GRAPEVINE、ライブレポート
2004年12月10日LIQUIDROOM ebisuで行われたGRAPEVINE「CLUB Circuit 2004」のライブレポート。なんか素人っぽいテキストが逆にいい感じです。
GRAPEVINE、なかなかタイミングが合わずライブ本数も多くないこともあって、まだワンマンには行けてない。こないだのミニアルバムについていたDVDも凄かったし、いまとてもライブを観たいバンドだ。それとライブ中のMCで語ったという次のアルバムは夏~秋ごろ、これも楽しみ。

いよいよ発売が迫ってきたGOING UNDER GROUNDのニューアルバム、こんな詳細で熱い宣伝原稿を書かれては、嫌でも期待が高まります。この間のワンマンもバンドとしての成長が凄かったし、どんどんでかくなってほしい。
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by kngordinaries | 2005-01-20 01:58 | 音楽ニュース
悩ましい日々
もう悩みはじめて10日くらいは経ったかも知れない。

まだ答えはでない。というかやっとおおまかなビジョンがみえてきたところだ。このところかなりハードに仕事をこなしているものの、ふとしたときに構想を練っている。
いくつものプランが浮かんでは消え、コンセプトをさまざまな角度から見つめなおし、やっと徐々に大枠が固まりつつある。

オファーは最近仲良くしている会社の同期の子から受けた。
最近になってお互いかなり音楽、特に邦楽ロック好きであることが分かったのでひとしきり盛り上がったところでのオファー。
テーマはおすすめのバンド。

とはいってもその子はかなり詳しいようだし、僕はあまり若手バンドは知らない。いろいろ考えて、というかこれ以外ない!ということでアナログフィッシュ。それと、意外なことに聴いたことがないという100S。この2組の曲を1枚のMDに編集してプレゼン(ト)することとなった。

アナログフィッシュの選曲はもともと分母が少ないため割とさくさく進んでいる。1曲目の白黒ックはほぼ確定、夕暮れ、世界は幻、Helloもほぼ決まり。このままだと下岡ボーカルよりになりすぎるので佐々木ボーカル曲を選ぶ。確信なんかなくてもいいよ、公園、LOW、ラブホ・・・これがなかなか絞れない。さらに曲順も難しい。Helloが一番いい感じに映える流れにしたいのだけど・・・。
100Sは難航中だ。中村一義名義も含めるつもりなので分母がでかい。とりあえずERA以降にするつもり。もっとも中村初心者向けなのは君ノ声だと思っているのでそれの配置に気を使いたい。1曲目も難しい。1.2.3か、Aか、それとも・・・。Honeycom.wareから扉の向こうにの流れはほぼ確定で後半におきたい。あとはグッデイもロックンロールもセブンスターも新世界もバーストレインもいれたい、とか考えていくと収拾がつかなくなる。

などなど、はたから見ればどうでもいいようなことに驚くほど心血注いでいる自分がいる。
昔っからこういうことにはもの凄く力が入るほうで、ライナーノーツも何度か書いた経験あります。おかげで中村ファンやGOINGファンを若干名誕生させたけれど、OTだけはなぜか上手くいかない。というか、ダラダラとか中年オヤジなイメージが一般の人には信じられないくらい根強くあるようで、まったく聴く耳もってくれない。悲しくはない、ただ674。

さあ、渾身のMD1枚はどれくらいの威力を持ちうるか、これからが正念場。

で、出来上がると自分で聴きたくなってあげたくなくなるというのがいつものパターン。
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by kngordinaries | 2005-01-20 00:28 | 生活
スーパーカー解散。他。
スーパーカー2月26日解散
2月26日、studio coastでのライブを最後にSUPERCAR解散とのニュース。本人たちのコメントもありますが、はっきりとした理由はわかりません。解散後のメンバーの活動も現時点では白紙、とのこと。
あまりに早いという印象を受けたけれど、結成から9年メジャーデビューから7年半とのこと。解散後の3月24日にシングルコレクションアルバムと2枚組カップリング集を発売予定。
20日発売のJAPANで4人個別インタビュー。

YOSHII LOVINSON、2ndアルバム”WHITE ROOM”3月9日発売!
YOSHIIの2ndアルバムの発売がついに決定!「CALL ME」「トブヨウニ」「FINAL COUNTDOWN」を含む11曲収録!タイトルはWHITE ROOM!発売は3月9日!
YOSHIIコラムも更新されていて今回は昭和初期の歌謡曲について。
「また自信を失いそうだが、自分も”いつかの誰かのための新しい歌”を作りたい」との結びのひとことまで、楽しいコラムです。
しかも次回は妖怪人間ベムについて、だそうです。・・・・・・必見!

TRICERATOPS、スペシャルサイトでライブドキュメント映像配信中!
昨年11月17日のリキッドルームebisuでのドキュメント映像がexciteミュージックのスペシャルサイトで配信中です。数曲のライブ映像と楽屋でのメンバーの様子がたっぷり約13分間。熱い和田唱MCもあり。
他のバンドはそうでもないけど、トライセラは舞台裏が凄く見てみたい。和田唱はほんと見ていて飽きない。

くるり岸田日記の9日分によると「BIRTHDAY」のジャケが凄いらしい。レジに持って行きづらくなければいいけど。
状況が裂いた部屋のmailのコーナーが相変わらずおもしろい。中村くん、携帯はようやく買ったみたいだけど、なんと「サイフを持たなくなってそろそろ20周年」だそうで・・・。ほんと、浮世離れしたアーティストだ。
OZ最高。

扉の向こうに、向こうに、蹴り上げな。
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by kngordinaries | 2005-01-19 01:29 | 音楽ニュース