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ナンナンダコレハ・・・APOGEEの衝撃!
4日前の話になるけれど、仕事終わりでに閉店間近のHMV栄店に立ち寄り、気になる音源を片っ端から試聴した。

いつも主に雑誌やネットで紹介されていて気になった作品をチェックしてみるのだけど、そうそう気に入る音源には出会えない。前作がよかったアーティストでも今回はいまいちだな、と思うこともあるし、とてもいい作品だろうけれど自分の好みではないな、ということも多々あるわけで。
お金も払わず、誰に伝えるわけでもない試聴中の自分のジャッジというのは、とても辛辣で厳格で己の感覚のみに忠実なものだ。何も収穫がないことも少なくないし、まあまあ気に入るものがあっても、今後もこの人の作品はチェックしようと思いつつ、レジには持って行かないことがほとんど。


何が言いたいかって、この日最後の最後にフロアの一番隅っこにある試聴機で、それほど大きな期待はせずに曲の出だし60秒を聴いただけで、レジに直行したCDだったってことです、APOGEEの「ゴースト・ソング」というシングルは。

APOGEEは今年2月、シングル「夜間飛行」でメジャーデビューした4人組だ。
バンドサウンドというには解体されたスカスカで歪なのにイマジネーションを豊かに広げる演奏と、そこから生み出される奇妙に陶酔的な浮遊感たっぷりのグルーヴ。そしてボーカル永野亮の、ツボにハマる人が聴いたらもう二度と離れられなくなるような、独特な強い吸引力を持つ歌声。
僕の中でも「夜間飛行」は今年のシングル作品のなかでも上位に入るし、「夜間飛行」とカップリングの「Let It Snow」は多分今年前半でもっとも回数聴いてる2曲だと思う。

が、これまで特別人に薦めることもなかったのは、まだ2曲しか聴いたことがなかったこともあるし、この音楽が体温を上昇させるような攻撃性がないように感じていたからだと思う。ちょっと新鮮で耳心地のいい上質なポップ・ミュージック。R&Bテイストのトラックも洒落ていて、盛り上がると言うよりはやすらぐ音楽だと思っていたからだと思う。
しかし、それは間違えた認識だった。

「ゴースト・ソング」はいきなり勢いのあるベースのブリブリと唸るソロで始まる。
そこにドラムとギターが重なり、ソリッドで失踪感溢れるバンドサウンドが展開され、歌がメロディを連れてくる。シンセのおかしな音色とともに。
やはりなにかおかしな位相のずれは感じるものの、ロック的とも言える熱さをそこに感じて嬉しくなるような展開。が、ここで突然のブレイク。
そこで耳に飛び込んでくるのは、グッとテンポを落とし何声にも重なった歌声とシンセとベースのみ。

「雨に紅花 爪を立てて 赤に濡れた 闇に夕顔 頬を撫でて 白く浮かんだ」

気持ちがいいのか悪いのか分からないクラクラするような展開をあとに、またドライブし始めるバンドサウンド。もうやられた。ここでお手上げ。

この濃厚にしてヘルシーで軽やかなポップ・ミュージックはやばい。
普通の青年が現状に苛立ち吐き出すのがロックなら、これは常識というタガが外れた人たちによるぶっ飛んだポップ・ミュージックだ。かなりベクトルは違うものの、破壊力は甲乙つけ難い、というところか。
この曲を聴いたときの衝撃で、やっとこのバンドの本質の片鱗が見えた気がした。

まだ「ゴースト・ソング」リリースから1週間も経たないけど、前作と合わせて全4曲を、もうしつこいくらいにヘビロテしている。
極個人的な印象としてはフジファブリックの「追ってけ 追ってけ」を聴いたときのような衝撃が「ゴースト・ソング」にはあった。破壊的で衝動的なのに、なんだか牧歌的だし、気持ち悪いのに癖になる。聴いたら最後、離れられなくなる。
他の3曲はまた違ったイメージがあるのだけれど。

このバンドはアートワークにも独自の世界観があり、そちらもとてもおもしろい。感覚的で抽象的な彼らの音楽は、そのへんも含めて一つの大きなビジョンを魅せていると思う。
アートワークに関しては、なんかすごい、としか僕にはよく分からないけれど、ちょっとスーパーカーのようでもあるし、そういう意味でも今のシーンには希少な存在として多くの人のニーズに答えられる可能性を持っているんじゃないだろうか。

とにかく期待度大のバンド。まずはファーストアルバムが楽しみすぎる。



あ、「ゴースト・ソング」が構造的に一番新鮮でおもしろかったのでそれについてばかり書きましたが、ここまで発表された4曲、どれが一番ってわけでもなく全部いいです。



APOGEE / ゴースト・ソング | Excite エキサイトミュージックにトラックバックさせていただきました。
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by kngordinaries | 2006-05-28 15:24 | 音楽