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ROCK IN JAPAN FES.2007 1日目 その1
行くまでの道中、何度も強い通り雨が車の窓を叩いた。
台風が直撃とはいかなそうだけれど通過するということで、かなり不安定な空模様。ただそれがあの暑さをうまくやわらげてくれるとありがたいなと思いつつ会場へ。

見慣れた会場、ひたちなか海浜公園が近づくに連れ、フェス気分が高まっていく。
思えば、これで5年連続、全日参加は3年連続だったか。と書くともの凄い常連感が漂うけれど、ライブばかり観まくっていて、そんなに会場中の色んな楽しみ方を知っているわけでもない。

翼のゲートを通過しリストバンドを装着してまずはGRASS STAGEを目指す。
途中、SOUND OF FORESTの一発目、キャプテンストライダムの音が風に流れて聴こえてくる。ライブ前半だろうに、なんとマウンテン・ア・ゴーゴー!「山のようにみえる~♪」を合唱しないとELLEGARDENみせねえぞ的なことを言っているのが聴こえてきた。口ずさみながらGRASSへ。

GOODS売り場の大盛況っぷりを眺め、グッズ購入は後回しにしようかなどと考えてフラフラしていると、ステージから出囃子が聞こえる。開始の挨拶こと総合プロデューサー渋谷陽一の朝礼だ。
挨拶を聴きながらGRASS STAGEが見える位置まで行くとステージ後方のビジョンにちゃんと「朝礼」と出ていた。
まず台風の不安な状況について、このフェスが毎年巨大化しながらフェスとしていまもなお大きく変化していること、今年の動員が49000人にものぼること、等を話したあと、昨年のサンボマスターのライブ後のエピソードを語っていた。
そして最初のアーティストを紹介し、ついにGRASS STAGEのアクトがスタート。

11時ごろ、木村カエラ
1曲目はL.drunk、軽快だけど重厚なバンドサウンドに優しいボーカルが乗って、一気にGRASSの草原の熱を上げていく。さらにイントロから大歓声があがるTREE CLIMBERSで一気に疾走するサウンドとボーカル。さらには代表曲リルラリルハと最初からもう出し惜しみのない構成が楽しすぎる。
簡単なMCを挟んで新曲Samanthaへ。噛んで含むように歌い聞かすAメロBメロから激情が溢れ大きな願いを唱えるサビへと飛翔するロックチューン。作品ごとにメッセージを強靭にしていってるこの人のちょっと決定版的1曲だと思う。
さらにワニと小鳥。最新アルバム「Scratch」の中でも異色なミディアムチューンは、その童話的歌詞世界とNIRGILISによる浮遊する音世界によって、なんともいえない情感が溢れ出す作品になっている。
このあたりのゆったりとしながらメロディの強い楽曲は、野外フェスの大会場、つまりは音響がいいとはいえず大味でしか音が伝わらない場でもよく届く。音楽として懐が深く浸透力が薄まらないのだ。
まだアクトは途中ながらこの辺で、LAKEへ移動を開始。
音楽的にも存在的にも、先鋭的な部分もありつつ徐々に丸みを帯びてよりポップな存在に変化して続けてきている木村カエラが感じられるライブだった。「Scratch」「Samantha」以降はさらに加速して凄いことになっていく予感をさせた。
なにしろGRASSがよく似合っていた。

LAKE STAGEに到着すると、まずはその人の少なさに驚く。開演10分前でこの状況はどうなんだろうと思いつつ、するすると最前ゾーンへ。
11時50分、GRAPEVINE
1曲目にいきなりFLY!じわりじわりとテンションとグルーヴを高めていく展開と田中のシャウトで一気に熱を上げていくステージ。
さらにI must be highでその極太で揺るぎないロックンロールを全開にしていく。
「どうもバインです!」
とどこか不機嫌な成分を含んだいつもの声色で田中が口を開く。
「もうなんか、毎年こっちでやっていて、レイクの番人みたいになってますけども」
とこれも毎年恒例の皮肉交じりのステージネタを。
「ここから真昼が似合わない感じになってきますけど、ついてきてください」
的なことを言って、指先へ。今年2月の作品なのだけど、異様なくらいに定番曲の様相を呈したこのバンドの超王道のミディアムチューン。さらにインダストリアルと、宣言どおり真昼のステージとは思えないメロウネスとセクシーなグルーヴで押していく展開か、と思いきやノイズがピリピリと響き始め次第にキーボードのあの静かなイントロへと変化し歓声が上がりバイン史上最強ともいえるロックチューン豚の皿が炸裂。重厚で馬力のある強靭な演奏とダイナミックでドラマチックな曲展開、田中のボーカリストとしての開眼もこの曲の時期だったと思う。ちょっと久々に聞いたけれどやっぱり圧巻。
さらにCOME ON、ラストにはその未来もう一度ギアを上げ圧倒的なロックンロールライブはここで終了。
田中には悪いけど(?)、やっぱりLAKE STAGEがよく似合う。セットリストはここ最近の作品からばかりのチョイスで、今のバンドの状態に大きな自信を持っていることが伝わってくるステージだった。
ただ、2年前のRIJくらいから感じられたスリリングな成長期は越えて、かなり落ち着いた安定期になってきている感じもした。鉄壁のグルーヴを手に入れて、楽曲的にも「指先」で螺旋を描いて新たな王道に到達した感があるこのバンドの今後がますます楽しみ。

13時40分、100s
出囃子にまずは絶句、チャラララ~ンというどこかで聞いたことのある懐かしい旋律が聞こえてきたと思ったら「わたくし生まれも育ちも葛飾・柴又~」というあの寅さんの名ゼリフがひたちなかに響き渡る。場内から大歓声&笑いが捲き起こり、100sの面々がステージに登場。その足取りも異様なくらいに軽やかで、中村くんはステージセンターに立つとマイクスタンドが「それを軸にしてジャンプしやすいかどうか」チェックに余念がなくピョンピョンと跳ね回っている。
そして。
「ど――おお~♪」
というGRASSを突き抜けるような第1声から10年前の中村一義デビューシングルである犬と猫でライブスタート!いきなり爆発的な歓喜に包まれる波打つ会場。大きなうねりがGRASS全体を包む。
「僕として僕は行く」という簡潔にして革新的なフレーズはその独特な心地よさを持つメロディとともに今も新鮮に心の核心を射抜くエネルギーに満ち溢れている。
さらに続いては希望!夏の青空をどこまでも駆け上がっていくような爽快なバンドサウンドが響き渡る。バンドがなんのてらいもなくこのステージに全てをぶつけようとしているのがヒシヒシと伝わる、出し惜しみない強気の冒頭2曲に嬉しくなる。
さらに池ちゃんが激を飛ばしながら会場に手拍子が広がっていき、バーストレイン。爽やかなギターロックが炸裂するアップチューンはこの場に激ハマリ。熱い会場の温度をさらにさらに上げていく。
「100sです!楽しんでるか!俺ら今日は出しきっていくからみんなも楽しんでくれよ!中途半端じゃだめだぞ!俺たちも本気で伝えるから、本気で楽しんでってくれ!」
って、もう博愛博のときのボソッと発しては照れ隠しで笑っていたあのシャイなシンガーソングライターは何処へというMC。彼のような繊細で微妙なメッセージを有したアーティストがフェスという場でここまでざっくりと大きく言葉を放てるなんて、「OZ」「ALL!!!!!!」で実った果実はとんでもないものがある、と今さらながら思った。
続いてはHoneycom.Ware、「ALL!!!!!!」ツアーで機能的なダンスチューンとして生まれ変わったこの曲が軽やかに会場を乗せていく。
さらにA!最強のライブアンセムにうねるように波打つ観客、掲げられる腕。
本当にあまりにも出し惜しみない本気のセットリスト。100sというバンドが完全に打って出る体勢が整っている証拠だろう。
「知ってる人は一緒に歌ってください!!」
との一言で始まったのは、ももとせ。イントロの力強い音だけで胸が熱くなる。「ALL!!!!!!」の中心に位置するどこまでも雄大で優しい名曲。絶唱と形容したくなるくらい中村くんのボーカルが凄まじい。この1曲に込められたどうしようもなく熱い想いがビリビリと伝わってくる。
後半「ららら」の大合唱部分ではもう壊れたようなテンションで会場の音頭を身振り手振りで取り、歌い上げたあとは笑い転げてステージに寝転がってしまった。
少しの沈黙のあと、奏でられた曲はなんと1,2,3!!またとんでもなく嬉しい選曲ではあるのだけど、正直あの絶唱のあとでボーカルは大丈夫かとも思った。案の定、少々フラついて力が入っていなかった。この曲順は無茶だよなー。
しかし、やっぱりこの曲も魔法がかったような引力を持つとてつもない1曲だ。大サビのうねるようなメロディ展開から「そう!」というシャウトから再びギターが空気を切り裂くその瞬間のダイナミズムたるや、圧倒的。
さらにいきるもの!もうほんとに無茶。そうとしか言えない。限界を超えてる。そんな超アップチューンで、ボーカルのへたりつつもひたむきな歌声とファンク魂炸裂のアフロキーボーディストのアジテーション&クラップ指南でGRASS STAGEを熱狂の渦へと誘っていく。
ラストは当然キャノンボール。このバンドがこの曲とともにこの場所で産まれた、というそんなドラマチックなエピソードがあってもなくても、この広大なGRASS STAGEの隅から隅まで「僕は死ぬように生きていたくはない」という重く強いメッセージは十分な威力を発揮して、そのしなやかに高揚するサウンドとともに会場に行き渡っていたと思う。
いやもう、圧巻。野心溢れる最強のセットリストといい、「ALL!!!!!!」ツアーよりさらに進化した中村一義のテンションとパフォーマンスといい、今の100sは本当に強い。
もう中村くんのパフォーマンスなんて、これまでの客席に向けて手をかざしたり指差したりや、がに股仁王立ちや、ステージを左右に軽やかにステップしていく動きとか、そんな見栄えのいいものではなく、もう歌舞伎の見得を切るような感じというか、芸人がおちゃらけたポーズを取るときのあの片足立ちで手を広げてるポーズというか、全身で表現した結果かぎりなくコミカルになってしまう一部のロックスターに見られるある種の到達点まで行ってしまっていた。いいか悪いかは別として。
このバンドの楽曲のクオリティは、このフェスの出演陣の中でみても非常に高いものがあると思うけれど、パフォーマンスのテンションやアティチュードの熱の高さも他に負けないものなんじゃないかと感じた。
あーもう、8/25を最後にまたしばらく休憩期間となるのだろうけど、これだけの熱量を放射していたらそれも当然なのだろうけど、絶対次に向けて早くスタートを切ってほしい。

100sライブの興奮がおさまらないなか、次のアクトに向けて移動を開始。
続いては、明らかに人気とステージが見合ってなさすぎるあのアーティスト。



というところで長くなってきたので次回に続きます。
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by kngordinaries | 2007-08-11 03:41 | ライブ
GRAPEVINE × GOING UNDER GROUND 名古屋ダイアモンドホール
昨年夏のスキマスイッチに続いてのGRAPEVINE対バンライブ@名古屋、今回の相手バンドはGOING UNDER GROUND!

両バンドともに好きだし、今最高の状態であろうGOINGのライブをこの夏に1度も観ないわけには行かないと、少々強行スケジュールで行ってきました。

※書くまでに2週間近く経過してしまったので、超うろ覚え&簡易的なレポとなってます。


会場に到着したのは開演10分前、ひな壇手前の前方ゾーンにまだゆとりがあった。
ソールドアウトしてないことと、バインファンもGOINGファンも後ろで静かに観察したいタイプの客層も多くいるからかなと推測しながらステージ中央の群の一番後ろへ。

まずは当然ながら若輩もののGOING UNDER GROUNDのライブからスタート。
1曲目が愛をちょうだいなだったのには驚いた。
そして2曲目はハートビート。このへんで会場の熱が大分低いことに気付いた。この曲でのワンマンでの盛り上がりは当然のこと、フェスでのそれからしてもずいぶんと静かだ。もちろん最前の盛り上がりは凄いし、5列目くらいまでは盛り上がっているけれど、それ以降はかなり静か。
もともとどちらかというとライブ後半でもうこれ以上ないくらい熱いときに放たれる曲という印象が強いだけにこの穏やかな盛り上がりは意外だった。
そしてVISTA。ハミングライフに首ったけの僕ですが、もう一つの最新曲であるこの曲も大名曲。いつもライブでは熱狂の中にいて、とにかく最高!という感じで聴いているけれど、今回はちょっと穏やかな盛り上がりの中でじっくり曲を聴くことが出来た。
で、改めて思ったのが、この曲は特にそうだけれど、このバンドの楽曲はそのサウンドの中で見せる景色の移り行くスピードがとても速いということ。長い物語、つまり人生の中で、ある瞬間に感極まったときに、走馬灯とかフラッシュバックと言われるようなこれまでの出来事が一気に頭の中を駆け巡る感覚、それをリアルに表現できているんだと思った。

続いて軽く挨拶があったあとノラ
TUTTIツアーでも披露していたメンバーの自己紹介ラップが炸裂!全員(丈さんは除く)かなり上達しているけど、特に松本素生は見事なスキルアップを果たしていて、笑ってしまった。生音でのラップというのもちょっと新鮮だし、これで1曲録音してもいいんじゃないか、と思う出来。
この意表をつく演出で、少々アウェイ感のあるこの空間も大分ほぐれてきたような感触。このへんがこのバンドの強さ。
そして南十字。切なく美しいメロディと素朴だけど静かに輝くようなアレンジがすっと耳に届く。しんと静まり返るフロア。

このへんのMCでダイエットに成功したことを得意満面に語る松本素生。
「ほんの数日で4kg落ちたんですよ。ま、肉眼では分からないかもしれませんが。体脂肪率はね、29%から(会場驚)、24%になりましたから(会場笑)」
「俺ね。本書きますよ。そんでお前ら(バンド)にスタジオを買ってやる」
などと豪語。しかし、
「まあほんとに痩せる気はないんですけどね。太ってる俺ってかわいいじゃん、みたいな」
会場爆笑。
ナカザは前日ロックロックの打ち上げで午前5時まで飲んでいたそうで、
「だからまだほろ酔い気分なんだよね。逆に熱くなってきていまいい感じ」
とのこと。
「普通のイベントだったら、そろそろ終わりですけど、今回は対バンなんでまだまだやらせてもらいますよ!」

そして後半はいきなりのトワイライトでスタート。何回聴いても、いつ聴いても、そのメロディと歌詞と想いに心が揺さぶられる。とんでもない名曲。
そしてグラフティーでさらにボルテージを上げていくバンド。このころにはフロアの熱も俄然高まってきていた。
さらにお約束のナカザコールからショートバケイションで一気にピークへ持っていく。
そしてSTAND BY ME。もしかしてこの曲の方がトワイライトより知名度があったりするのだろうか。どうどうたる破壊力。
そして少しの沈黙のあと、ラストチューンハミングライフが鳴らされる。イントロから歌い出しから、そしてサビ、ブリッジ、大サビへと連なるそのすべてが心の琴線を震わす、暖かくて柔らかで、しなやかに強い決意を歌ったミディアムナンバー。
GOINGというバンドのこれまでの道程すべてが正しかったとこの曲が生まれたから思える、そんな大切で大きな曲だと思う。
そういえば、TUTTI長野公演でまだリリース前だったこの曲をやるとき、「この曲は20年、30年と俺らが、このバンドが、歌い続けていく曲になると、俺は思ってます」と言っていたっけ。

1曲1曲に対してもの凄い熱量で答えるオーディエンスの中で観るワンマンライブも最高だけれど、こうして色んな演出と楽曲の力そのもので場を掌握していくライブもとても楽しかった。

続いてGRAPEVINEのライブ。
1曲目はいけすかない。もう出音一発目からしてかっこいい。無敵の王道ロックンロールサウンド。さらに美しくも狂おしいポップチューンReverb、きらきらと輝くようなポップなミディアムチューン放浪フリークで一気に会場を支配。
歌詞も耳に入りやすく、メロディの美しさ抜群のこの前半はGOINGファンにも響いたのでは。

「久しぶり!シャチホコ野郎ども!元気かー!この手羽先野郎ども!」
とのっけからノリノリの田中氏。
「・・・こういうこと言うとGOINGのファンはドン引きか!(笑) いや、毒づくのも大変ですよ」
「後輩に負けないように頑張りますよ。・・・まあ松本素生はどう見ても上司にしか見えへんけども(笑)」
会場笑。
「ではこっからディープな曲で」

スイマー。イントロの瞬間ゾクゾクした。このゆったりとしたモダンなバンドサウンドの不穏なミディアムナンバーの美しさ、完璧さは凄い。田中の少し優しげな歌声も、サビで爆発するサウンドも、胸に突き刺さる鋭利な凶器のようだ。ぐさりぐさりと優しく抉る。夏の終わりの心憎い選曲
「これから ぼくらは繰り返してく 定まらない姿勢で何かに立ち向かう様 一層泳げ」
続いては未発表のアップチューン、スレドニバシュター。どこまでも疾走するバンドサウンドが熱く鋭く迫る最高の1曲だ。早く音源で聴きたくなる。ライブでしか聴けない曲なのに、会場は熱く熱く盛り上がる。
そしてしばらく沈黙するステージ。不穏なキーボードの音が聞こえてくる。なんとなく、あの曲の雰囲気なのでは、と思い至ったときには田中が歌いだしていた。
マリーのサウンドトラックだ。どこまでも陶酔の海に溺れていくようなディープな音空間。降り注ぐ圧倒的な光のようなサビのサウンドスペクタクルは圧巻。鳥肌が立った。
そしてなんと豚の皿。個人的にどうしようもなく好きな曲の連続でほんとに参った。ハードでグルーヴィーで壮大なスケールを感じさせる極太文字のロックンロール。最高だった。

「インフォメイション!えー・・・9月に、シングルが出ます」
と田中。
「FLYという曲です。FLY、ちょっと言ってみて」
前方の観客が「フライー!」と返すと
「今、フリャーって言ったな」
としてやったりの顔でニヤリ。明らかに準備してたな、このネタ。
「曲出してないとすぐどこいったあいつら、て言われますからね。出しますよ。言うてもシングルやけどな。アルバムは・・・来年。(会場エー) じゃかぁしい!今作っとんねん」
とこのへんで前の方の「かっこいー」を連発していた観客に
「何言ってもかっこいいんやな(笑)。そらあ良かったなぁ」
と皮肉を。
「じゃあそのFLYを」

FLYで後半スタート。疾走するロックチューンで素晴らしい1曲だと思うけれど、この日の音響がいまいちだったせいか、セッション的アレンジが上手くいってなかったのか、もう一つ乗り切れない感じの演奏だった。
さらにミスフライハイ!イントロのベースから一気に熱狂するフロア。挙げられる拳。ファンキーなアップチューンで会場の熱が上がっていく。
そしてその末来。ハードなサウンドがどんどん爆発するメロディアスでグルーヴィーなロックチューン。バンドの新しいライブアンセムとして定着したような気も。
そして本編ラストチューンはEveryman,everywhere。他のバンドと何が違うんだろう。なんでここまで圧倒的な表現が出来るのか、このバンドの深遠な魅力に改めて感服。

熱いアンコールの拍手に答えて、バインが再び登場!
「ありがとう!年功序列ということで、俺らだけもう2曲だけやらせてもらいます」
「夏も終わりということで、レアな曲を」
と言って始まったのはナツノヒカリ。夏の陽射しの強い午後に白く霞む田舎の坂道、そんなちょっとノスタルジックな映像がふわりと浮かぶような極上のポップチューン。切なくもあざといくらいに美しい世界観。
「だからまだ 君を抱きしめてなかった だからなぜ 君の髪に触れなかった あのままで 他に何もいらなかった だからさ ねえ 君が好きと言えなかった ほらあの日だって」
「どこまでも続く気がして それはずるいよね」
そしてラストチューンはR&Rニアラズ。爽快なロックチューンで大きな盛り上がりを
見せてここでライブは終了。


もう最高としか言いようがない。バイン、ああバイン。(なんだそれ)
素晴らしいセットリスト、そして心地いい演奏と田中の歌もかなりいい感じにキレ味鋭かった。やっぱりいつの間にかこのバンドは王道ロックのど真ん中を突き進むようになっているし、それと同時に他のバンドでは表せない独自の世界観をさらに極めていっている、と確信させられるライブだった。

イベント全体で言うと、ちょっと驚くほどボーカルマイクの音が悪かったことと、あとはやっぱり両バンドの客層の違いが気になった。
こういうイベントは相乗効果が上がるとさらに楽しいことになるのだけど、今回はちょっとそういうところまではいけなかった。どちらもかなり独特な路線をつき進んでいるバンドなので仕方のないところかもしれない。

とにかく両バンドとも良くも悪くも早くワンマンで観たくてしょうがなくなるようないいライブだった。GOINGはいつもと違う見方が出来ておもしろかったし、バインはもうほんとツボなセットリストも含め、完璧だった。
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by kngordinaries | 2006-09-12 23:09 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2006 3日目 その2
早すぎるかな、と思いつつ開演15分前にSOUND OF FORESTに向かうと、すでに単なるサウンドチェックにしてはかっこよすぎる音が鳴っている。まさか去年に引き続き本人の音チェックか、と早足で駆けつけると、案の定3人が音チェック中。
このドラムとこのベースが重なるだけで気持ちいいな、と思いつつ、このサプライズを楽しんでいると、下岡の音頭で始まったのは、なんとLOW!が、一瞬で終わり観客から拍手が湧き起こる。そしてしばらくして、いきなり夕暮れ!こちらはしばらくやってくれて、大拍手。
「では、本番をお楽しみにー!」
とよく通る大声で佐々木が叫んで一旦退場。

15時50分、アナログフィッシュ
ものの数分で、3人が再びステージへ!斉藤は麦わら帽子なし。佐々木はこの暑い中、スーツをジャケットまでしっかり着込んでいた。
軽く音を確かめたあと、下岡が2人に目線と手で指示を送り、ジャランとギターを鳴らし、
「パ―――――――――」「パ―――――――――」「パ―――――――――」
と3つの歌声が綺麗にハーモニーを奏で、ピタリと止る。
Cityだ。きっとやらないだろう、と思いつつ、個人的に一番聴きたかった曲だ。もうどうしようもなく一気にテンションが上がる。下岡の「シティ」の声をゾクゾクしながら待っていると、下岡が口を開く。
「ロック イズ ハーモニー。ハロー、アナログフィッシュです」
ともうまさに今この瞬間を表す挨拶を。分かりやすい。分かりやすくて最高だ。
そして始まるドライブ感たっぷりでスカスカのバンドサウンド。もうなんだろうかこれは。もう大変なハッピーさ。音楽って、ライブって、なんて楽しいんだろうと思ってしまう。
さらにLiving in the City。イントロの温かみのあるサウンドがもう胸にグサグサと入り込み、たまらなく心地いい。緩やかに優しく広がりを見せるサビで視界がパーッと開けていった。凄く健全なドラッグのようにヤバイ楽しさ。
曲が終わり、少しの静寂のあと、佐々木が叫ぶ。
「夏だ――!プールだ――!ア ン セ ムだ―――!!」
え?何がどうなってるのやら。それでも会場から一斉に掲げられる腕、腕、腕。歓声が湧き起こる。わけが分からないけども、最高に楽しいのだからなにも問題ない。
そして始まるアンセム。この曲、佐々木にとってOTで言うところのCUSTOMなんじゃないかと思う。「つたえたい事は」という歌詞が被るからそう思うだけかもしれないけど、自分の表現欲求と真摯に向き合ったこの曲は、きっと当人にとって凄く重要なんだろう。そんな強いエネルギーを感じる。
このへんで佐々木が恒例の汗だくジャケット脱ぎを。なんだか一段とキレを増す変顔が、トラウマになるくらい恐い。しかも本人ストリッパー気取り。こ、恐いよー。
そしてHelloBGMスピード。もうこのバンド最強のキラーチューン3連発。王道すぎてちょっと逆に新鮮だし、やはり1曲1曲の強さがビシバシと感じられ、お約束のコール&レスポンスもテンション高く、もう会場は熱狂状態。スピードでの佐々木・下岡がギターとベースを寄せ合って演奏する間奏部分では、もうほぼお互いの肩にお互いの頬をこすりつけるような密着度。下岡、超笑顔。気持ち悪いくらいに楽しそうだ。
息つく暇も無い熱狂の嵐が過ぎ去って、ちょっと落ち着くと、斉藤が口を開く。
「なにか・・・ありましたかね?(告知とか)」
いつもどおりの言葉足らずな感じがほどよい。
シングルが出ているよ、というような話があって、アルバムの話へ。
「もうほぼ作業は終わってて、いつ出るかはまだ分からないけど、年内には・・・出ます。ほんと凄くいいアルバムができたと思うので、・・・聴いてください」
というようなことを下岡が言う。凄くいい、ということは何度も強調していた。ほんとめちゃくちゃ期待して待ってます。
そして最後は世界は幻。ずっしりとタメのきいた演奏が心地よく、佐々木の強靭な歌声が深く突き刺さる歌詞を届ける最高のミディアムバラッド。
どこをとっても大満足の最高ライブはここで終了。

予想を遥かに越える最高のライブ内容と、予想外に多かった演奏曲数に大満足、夢見心地でFORESTを後にする。
しかし、先ほどのYUIのFORESTでのライブも合わせて鑑みるに、今年のFORESTは持ち時間が去年の30分くらいから35分くらいに延びたんじゃなかろうか、とここで思い至る。WINGは30分っぽかったし、それとタイミングをずらす意味もあるのかも、と無駄な熟考を。

すぐにGRASS STAGE側に戻り、ハングリーフィールド近くの木陰の拠点でまた腹ごしらえ。
BEAT CRUSADERSの音が聞こえてくる。曲はランキング番組で聴く程度にしか知らず、どちらかというとキャラクタのほうがおなじみの彼ら。
あの有名なコールも初めて生で聞いたけど、笑いどころがよく分からなかった。スタンディングゾーンの熱狂の中ならおもしろいのかなー。それともエッジの効いた挑発なのか。難しいぞビークル。

そしてビークルの音が鳴り止み、ほんの一呼吸置いて、木陰を離れ、GRASS STAGEのスタンディングゾーンへ向かう。この3日間で、次のアクトに向けてここまで早く移動を開始したことはなかった。
スタンディングゾーン前方まで行くと、周りの様子が違うのが分かった。普通のライブ前とは趣きの違う、異様な期待感と切望感。
このフェスへの5年ぶりの登場となる吉井の、この5年間のことへなんとなく思いを馳せながらライブ開始を待つ。一体どんなライブが展開されるか、全然予測できない。

17時40分、吉井和哉
ビジョンに吉井和哉の文字が走ると大歓声が湧き起こる。それからステージへ吉井が現われるまでのタイムラグにジリジリする。せいぜい1,2分程度のことだったけれど。
バンドメンバーと一緒に姿を現した吉井は細見の黒のスーツ姿。身のこなし一つとっても異様にセクシーで、全身にエネルギーが漲っているような印象。圧倒的な存在感に会場の空気が一変する。
オーディエンスの大声援に軽く手を挙げて答えつつ、スッと緩やかだけどキレのある動きでバンドに演奏をスタートさせる。一つ一つの動きが、パフォーマンスになっている。まるで舞台役者のように見事に、魅せる。
1,2曲目は未発表の新曲。どちらもミディアムテンポのロックチューンだけれど、穏やかにドライブする開放的なバンドサウンドがモダンな雰囲気で心地いい。吉井の歌声も抑制を効かせながらもスーッと夕暮れの空気に乗せてどこまでも伸びやか。
ガソリンの給油をしている風景を人生になぞらえて歌った歌詞が耳に残った。パーソナルで深いテーマ性とジョークとも暗喩とも思える多重構造のメッセージも感じられた。
そしてCALL ME。イントロが鳴り出すと大きな歓声が湧き起こる。ここ数年で一気にロックの、ライブの、もっとも現場的な場所となったロックフェスのステージから、ついに真打ロックスターのアンセムが鳴り響いた、という歓喜。
今回新たに編成したというバンドの音はパンチが効いていながら、繊細な表現も行き届いていて、とても心地いい。そして吉井の歌声は当然素晴らしいし、なによりそのパフォーマンスがキレまくっている。派手なアクションはまったくといっていいほどないけれど、その立ち姿は手足の先端まで神経が張り詰めているようだ。
ここでMC。
「やっとここに来ることが出来ました。今日は新しい曲も、それからちょっと古い曲もいろいろお聞かせしようと思うんで楽しんで言ってください!」
ちょっとギラついた声音でそう語る吉井。
未発表の新曲のアップテンポなロックチューンで、ついにステージを左右に動き始める吉井。YOSHII LOVINSONの楽曲で新たに発明されたリズムに乗って言葉を連射する、吉井流のラップとも言えるスタイルがさらにソリッドに消化されたパートがあり、鳥肌が立つほどかっこよかった。が、がなり立てるような荒くれたパートもあくまでしなやかでスタイリッシュなパフォーマンス。
さらにアップチューンの新曲。「I WANT YOU!I NEED YOU!」というコーラスを観客に歌わせるあたり、次のアルバムの収録曲I WANT YOU I NEED YOUだと思われる。この明快にしてキャッチーな言葉。明らかに音楽ファンに向けて全方位に放射されたロックだ。1対1でじっと向き合うようなパーソナルなYOSHII LOVINSONの表現とはベクトルが明快に違う。そして余裕の表情でコーラスを歌う観客たちに向けてマイクを向ける吉井の姿もまた、ステージに立つロックスターの振る舞い100%で、そこにTシャツにジーンズ姿で少しでも素なミュージシャンとして観客と対峙しようとしたかつての姿は微塵も感じられない。
ここでMC。
「ここに来てる人たちも、いろんなやなことがあると思うんだよ。明日から仕事だって人もたくさんいると思う。そんなフェスに楽しみに来ている人たちの応援歌になったらいいな、と思って作った曲をやります!WEEKENDER」
と言って、WEEKENDER。疾走するサウンドと歌い放つようなメロディがどこまでもいけそうな万能感を感じさせる無敵のアップチューン。先ほどのMCを頭に入れて聴くと、歌詞に込められたメッセージも一層グッと胸に迫る。
そしてTALIBEAUTIFULとシングルチューンを連続で。演奏も歌もどこまでも最高だった。BEAUTIFULでは吉井はアコギを演奏。
そしてここで何度か檄を飛ばす吉井。
「やっぱりこのフェスは最高ですね。まだこのあとにも素晴らしい、ほんとに素晴らしいアーティストが待っています。この最高のフェスと、このあとのアーティストに敬意を表して、俺なんかじゃ微力かもしれませんが、力の限り盛り上げさせてもらいます!」
というようなことも叫んでいたような。
そうして一気に会場のボルテージを上げていき、FINAL COUNTDOWN!最強のライブアンセムにスタンディングゾーンはぐしゃぐしゃの盛り上がり。吉井もステージの左右目一杯の位置を越え、サイドの鉄パイプが組みあがっているジャングルジムのようなところに入り込むほど横へ移動して盛り上げたり、狙ってくるカメラマンを邪険に扱ったり、やりたい放題で最高に奔放なパフォーマンス。
さらにLOVE LOVE SHOW!きっと、ここまでのライブに気のない感じでいたオーディエンスも含め、この会場にいる誰もが聴き馴染みのある、イエローモンキーの最強アンセム。とんでもない熱狂状態が巻き起こる。
そして当代随一のロックスターの最強ライブはここで終了、と思いきや、曲が終わりしばらくざわめきがおさまらない会場に向けて口を開く吉井和哉。
「ありがとう。俺を育ててくれたロッキング・オンとこのフェスに感謝します」
と言って、始まったのはバラ色の日々。歌い出しから大合唱が巻き起こる。深読みすればどこまでも当時の吉井の切実で深遠な想いが感じられる、ディープなイエローモンキー末期のアップチューン。
未発表の新曲を中心に、ソロの代表曲とバンド時代の名曲をも満遍なく披露した最高のショウはここで終了。

感想として何を書いていいか分からない。少なくともこのライブから数日は、凄かった、ということ以外の感想が出てこなかった。
とにかくセットリストは今の最新の吉井和哉をダイレクトにぶつけつつ、フェス対応型の代表曲もあり、最後にはサプライズのイエローモンキーのカバーもありと、このうえなく最高だった。未発表の新曲も一聴しただけではあるけれど、どれも素晴らしいものだったし。
ただ、それだけではなかった。というかそれも含めて、確実に吉井の変化が感じられるアクトだったところが衝撃的だった。
誤解を恐れずに書けば、今の吉井のライブにおける表現のベクトルはYOSHII LOVINSONよりイエローモンキーのころのそれに近いのだと思う。服装は、地味でラフだったYOSHII LOVINSON期にテイストは近いけれど、吉井の表現したいことは全然別物になっている。細見の黒スーツにナロータイという今回の衣装は、イエローモンキーで言えば、化粧やギラギラのジャケットやジャージと同じ、ロックスターに変身するための装置になっていた。
素の自分を求め、パーソナルな表現を標榜したYOSHIIではなかった。
エロもグロもどろどろの欲望も、鮮やかで生臭い血の匂いも、ぐちゃぐちゃに全身に纏い、這いつくばってでも道化を演じるロックスターとしての吉井和哉の復活だった。

それが、あのライブから10日以上経って、なんとなく自分の中に見えた結論だったのだけど、実はこれと同じようなことを、YOSHII LOVINSONの2005年のツアーパンフレット内のインタビューにて全部吉井本人が語っていた。
素の吉井は本当の吉井とはいえない、別の名前を借りてそういう自分を演じずにはいられなかった時期もあったけれど、エンタテインメントも素も全部混ぜこぜにしたややこしい存在がリアルな自分だし、今後はそれをやっていく、いう話。そして「吉井和哉は、どこでも行ける」とも。
実は1年半前からこのニューモードに自覚的だった吉井は、そのあとこのソロ初ツアーで披露し切れなかったYOSHII LOVINSONの曲たちをちゃんと鳴らすためのツアーを行い、きっちりその時代の作品たちを救ったあと、最良の音でニューモードの楽曲をレコーディングするべくアメリカへ飛んでいたわけだ。
全てに律儀に落とし前をつけ、遂に開陳された本当の吉井和哉は、本当に素晴らしかったし、このことによりこれまでの彼のイエローモンキーから続くストーリーがまた解釈しなおされることになると思う。「39108」待ち遠しすぎる・・・。


熱狂の最前ゾーンを抜け出して、急いでLAKE STAGEへ向かう。このフェス3日目の最後にきてのジョグはなかなかしんどい。歩道はほとんどがグラス方面へ進む集団で、自分と同方向に行く人はほとんどいない。
吉井ライブの興奮も全然冷めないなか、息を切らし、なんだか大変な状態でレイクに到着。
いけすかないが鳴っているなか、とりあえずペットボトルを買って、息を整えつつ、水分補給しつつ、スタンディングゾーンへ。
YAZAWAの影響か、最前ゾーンも密度はゆるく、サイドはスカスカ。その最後尾へ。

18時45分ごろ、GRAPEVINE
曲はdiscordへ。重厚なのに開放的で攻撃的なサウンドが最高に気持ちいい。テンポはゆったりなのに、素晴らしく音がドライブしている。
そして放浪フリーク。きらめくようなイントロから少しテンポを上げた開放的なポップが陽が沈みかけたレイクステージの熱を優しくあげていく。田中の歌声がどこまでも気持ち良さそうに伸びる。
このへんでMC。
「こんばんは!いつも大御所の裏で演っているGRAPEVINEです。今年はあの矢沢永吉!」
と早くも恒例のチクリと刺す田中MC。
「いやー、永ちゃんに行かずに俺らを観に来ている、その君たちのもの好きっぷりっちゅーか、天邪鬼ぶりには・・・本当に呆れました」
と笑う。いや天邪鬼もなにも、普通にGRAPEVINEが観たかったわけで。
「それじゃあ、、想うということ」
と言って、想うということへ。ノイジーなサウンドとどこまでも沈み込むようなたゆたうような深みをみせるメロディがどこまでも美しい。曲タイトルの言葉とどこまでも真摯に向き合ったメッセージが、胸を締め付ける。
そしてアッパーなロックチューンの新曲を披露し、続いてはKINGDOM COME。もう素晴らしい名曲の連打に言葉も無い。圧倒的な破壊力でしびれさせる。
プレイヤーそれぞれのソロも披露され、最高の盛り上がり。
このへんでMC。
「毎回このレイクに呼んでもらっていて、今年はついに一番最後になってしまって。来年はもうフォレストのド頭でやるかな」
とまたニヤリと笑う田中。
「朝キツイな。起きられへんかったら、したらレイクでやらせて貰うわ」
って。意外とレイク気に入ってるんじゃなかろうか。
「あと、来月、新曲が出ます・・・」
とどうも宣伝になると控えめな田中。歓声で答える観客。
「ここにいる人全員が買ったら、チャートに入って、来年はグラスでやれるな」
って。やっぱり、グラスでやりたいようです。
そして新曲FLYへ。王道感あふれる疾走するロックチューンがしびれるほどカッコいい。耳慣れた曲ではなくても、曲が進むにつれ、会場の熱がどんどん上がっていくのが分かった。会心の1曲だと思う。
さらにReverb、狂おしくも切ないメロディと突き刺すような撫ですさるようなサウンド。最高にヤバいポップチューン。
そして本編ラストはその未来。じりじりと上がっていた会場の熱が一気に爆発し、緩急自在のダイナミックな演奏に波打ち、田中の爆裂するボーカルに拳を挙げる。ロックの快感を凝縮したような最高ライブはここで終了。

熱いアンコールの拍手に、再びメンバーがステージに登場。
「じゃあ、1曲だけやらしてもらいます」
とのMCからEveryman,everywhere
いつかこの想いを
涸らしたくない衝動を
その勝手なイメージを
やがて忘れてしまうのに
いつか

Everyman,everywhere
Everyone,anyone

音に飲み込まれ、現実を忘れそうになる。陶酔の波の中をたゆたう。とんでもない感情の渦の中心へと落ちていく感覚。
心地いい風が頬をなでる。ステージで音を奏でるバンドが目に入る。すっと戻ってくる現実感。内から湧き起こる感情をどうあらわしていいか。
「ありがとう!・・・永ちゃんに急げー!」
と言って田中退場。と思ったらアンコール登場時に広げて置いておいたタオルを取りに戻ってくる。観客失笑。
今考えられる最高のセットリストと最高の演奏を披露したGRAPEVINEのライブはここで終了。「FLY」から始まるこのバンドの次の季節がほんとに楽しみだ。

終わってからしばらく呆然としてしまう。もう永ちゃんはいいかな、などと少し思いつつも、グラスへ移動。
近づいてきたところで、「ロッキン・オンに感謝しようぜ!」という永ちゃんの声が。おーほんとにやっているみたいだ、と実感する。

グラスの観客のエリアが壮観だった。
数万のタオルがまばゆいステージからのライトに照らされながら舞い上がっている。その光景に感嘆のため息をもらしつつ、ステージが観える位置まで移動したころにはYAZAWAはすでにステージを去っていた後で、すぐに夜空に花火が打ち上がる。
YAZAWAが観られずなんだか残念な気がしつつもバインで終われてよかったような気も凄くする。上がる花火に拍手しながら、3日間をなんとなく思い出す。音楽と自然に囲まれた祝祭空間を今年も満喫できたことがとても嬉しかった。

今年も暑かった。

3日間のいろんなアクトの思い出にグルングルンになりながら帰途へ。
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by kngordinaries | 2006-08-18 01:39 | ライブ
GRAPEVINE 'sweet home adabana' 名古屋ダイアモンドホール
開演ぎりぎりに会場に到着すると、当然ながら埋まりきっていた。



※この先ツアー中の公演内容についてネタバレがあります。ご注意ください。

余談や前置きなしで早速・・
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by kngordinaries | 2005-11-18 05:01 | ライブ
GRAPEVINEとくるりのワンマンを前に
あるバンドの初ワンマンライブに行くときというのは、なんでこんなに緊張というか高揚というか、不安というか。なぜかしら落ち着かないのだろう。特にそれがわりと長く音源と付き合ってきたバンドである場合は。

一つは自分の中で、ワンマンライブがそのバンドの表現の核心部分だ、と思い込んでいるところが大きいと思う。バンドに限らず音楽を商売にして食べている人たちは、いろいろな形で表現をしているし、それを総合的に評価されている。その中でそれぞれに押さえておくべきポイントがある。
テレビの歌番組でその曲のための衣装をまとってカメラ割りを計算して1曲の表現を研ぎ澄ますことに重きを置く人もいるだろうし、音源の音のブラッシュアップや音楽理論の新たな挑戦に身を粉にして頑張る人もいるだろうし、他メディアとの融合によるダイナミズムに力を注ぐ場合もあるだろう。
そんな中でロックバンドはやっぱりライブが生業だろうし、今はレコード業界の狂騒も鳴りをひそめて、興行が大きな収入源になってるわけで、よりその比重は増している。

もう一つはもうちょっと軽いところで、ファン層やライブのノリがはっきりと分かることへの好奇心があると思う。「このバンドを観るためだけに集った人々」というのを見るのはなかなかにおもしろい。特に活動歴の長いバンドは固定した年齢層か幅広い年齢層かとかでいろいろ感じるところもあるわけで。

GRAPEVINEをきちんと聴くようになったのは、「ふれていたい」からだった。それまでもシングルはチェックしていたけれど、ヌケがよくグルーブを増したバンドサウンドとその弾けた表現に一気に心を掴まれた。それ以前の楽曲に関してはベスト盤等で耳にする程度だった。「ふれていたい」以前のシングル曲は息苦しいまでの切迫感とサイケデリックな陶酔感が印象的で、その重さと濃さに少しひいていたところがあったと思う。
今年発表された久々のニューアルバム「deracine」を聴いて、なぜか過去のアルバムを聴きたくなった。もちろんワンマンライブに行くための予習という意味もあったけれど、「deracine」がこのバンドのど真ん中をそのまま見せ付けたようなアルバムだったからだ。
「Circulator」以降、それまでにない表現をグリグリと抉るように切り開いてきたバインの、その表現のだだっ広いふり幅の中心的位置を示すようなその世界が提示されたことで、個人的に過去の音源に対する微妙な気後れが一掃された気がした。
結局ライブ前には「here」以外は聴けなかったけれど、5年前の自分が聴いても全然楽しめなかっただろうこのアルバムを今愛聴している。

くるりは「TEAM ROCK」からの付き合いで、出会いは「ワンダーフォーゲル」。ちょうど中村一義「ERA」を聴いた直後で、この辺の新世代ロックに耳を向ける一貫として出会った。その自由すぎる表現と、それなのにノスタルジックで叙情性に富んでいて、その切なさとトゲにはまった。
「アンテナ」で骨太なロックサウンドに、最近の一連のシングルでポップなメロに、回帰したサウンドを聴いていて、こちらも過去の音源を聴きたくなって「図鑑」を聴いた。
正直、現時点ではくるりの中で「図鑑」が一番好きだ、と言い切れるまでに最高のアルバムだった。いろんな音楽手法を取り入れているくるりが、異端なバンドではなく真っ当なロックバンドとして高い評価を得ている理由がよく分かる圧巻の世界があった。

さて、そんなリスナーとして長く付き合ってきた2組の初ワンマンライブが間近に迫ってきて、もうとにかく楽しみで不安で待ち遠しい。どちらも平日ライブなのでちゃんと参加できるか、集中して楽しめるかは未知数だけれども。


関連記事:GRAPEVINE
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by kngordinaries | 2005-11-13 16:43 | 音楽
OTODAMA~音泉魂~ 泉大津フェニックス
開場到着は12時過ぎ。
渋滞等で最悪で14時15分開始のサンボマスターに間に合うように名古屋からの出発時刻を設定したのだけど、まったく問題ない道のりだった。

駐車場に入ったときからすでにスクービードゥーの演奏が大音量で聴こえてきていた。饒舌なMCとファンキーな音、評判に聞いていたとおりの熱さ。で、会場も入り口まで歩く間にも汗をかくほど暑い!

入場はチケットの確認のみでリストバンド等はなし。HMVの袋にライブ会場でよくわたされる今後の公演の宣伝チラシが入ったものを渡され、さすがイベンター主催のライブ、と感心。商売魂。
会場内は野球のグラウンドくらいの小ぶりなもので、ステージもRIJでいうLAKE STAGEくらいの大きさが2つ並んでいた。ビジョン等はなし。シートゾーンの空きスペースを探して陣取る。

まずは早速昼食。屋台の数も少なめで、お店の種類や会場の大きさ、雰囲気もふくめて地元の夏祭りの音楽ライブバージョンといった印象。
焼きそばを買って戻ろうとするとなんかライブの雰囲気が違う。よく見るとすでにセカイイチのライブが始まっている。ほとんどアクト間の空き時間がないようで、いつスクービーが終わったのかも分からなかった。
セカイイチは青臭くかわいらしいMCと歌メロ重視の演奏をする優しいバンドだった。ふりだしの歌等を披露。「こんにちは。セカイイチです」っていうだけでちょっとおもしろいのは反則だ。
続くスパルタローカルズはエレカシ宮本系のような滑稽な俺を笑え的なMCが強烈なロック。入場時に渡されたOTODAMAの冊子で「今日演奏してもらえるアーティストの皆さんは、(中略)ライブが無いと生きていけない人達ばかりです。」とあるようにほんとにここまでのアクト全部、それぞれにライブに対する確固としたスタンスを感じるものばかり。
しかし右左のステージでほぼ休みなく爆音が流れ続けるのは、個人的にはちょっとストレスを感じた。

「トイス!トイス!トイス!トイス!トイ――――――ッス!!!」
と最初からハイテンションに彼ら流のあいさつを連呼しPOLYSICS登場!前半はシートゾーンでその狂乱っぷりを楽しんでいたけれど、中盤からスタンディングゾーンで楽しむ。シーラカンス イズ アンドロイドカジャカジャグー等聴き覚えのある楽曲も多く、そのキレっぷりとテクノもハードロックも飲み込んだ変態的なサウンドにアゲアゲ。途中でグラサンを外し
「OTODAMAにお越しのみなさーん!前半のクライマックスをもう少しでPOLYSICSが刻みますよー!」
と叫び、ステージで仰向けでギターを弾き、ステージを降りたりするハヤシの決死のライブパフォーマンスが最高。間違いなく前半のクライマックス。
やっぱり笑えないライブはかっこ悪い。ポリは笑えるからかっこいい!

ここでサンボマスターを前に少しだけ間があった。といっても数分なのだけど、待ちきれないスタンディングゾーンいっぱいのオーディエンスからサンボコールが巻き起こっていた。
「聴こえてたよ。ありがとう。嬉しかった」
とサンボマスター登場!1曲目から世界はそれを愛と呼ぶんだぜで一気に熱狂のライブ空間を作り出す。
MCではROCK IN JAPANでの峯田くんの話も登場しつつ、7.7ロンドンテロで受けた無力感の話も。山口のMCはRIJのときに比べ、感傷の度合いが強く、支離滅裂としていた。伝えたいことはあのときより整理されていて「愛と平和」と観客への感謝の「ありがとうございます」に集約されていたけれど、そのプロセスが省略されていてとても伝わりにくくなっていた。
その分、美しき人間の日々青春狂騒曲そのぬくもりに用がある歌声よおこれといったこれぞ今のサンボマスターのベスト!と言いたい曲たちがより雄弁に切実な感情を物語っていた気も。
30分という短かすぎる熱狂のライブはあっという間に終了した。いまだ惑いもありながら先を目指すサンボにはほんと期待したい。

GRAPEVINEはサポートメンバーと笑顔で語らいながら登場!とてもリラックスした空気から1曲目はR&Rニアラズ。ミディアムテンポの確かなロックサウンドで気持ちよく緩やかにスタートを切る。さらに無理のないギアチェンジでミスフライハイでテンポを少しあげドライブするサウンドが心地いい。本人たちも音の重なりを楽しんでいる印象。さらになんとBREAKTHROUGH!いい感じにトップスピードまで持っていき、熱く疾走する演奏が最高だった。
「大阪には長年おりましたが、こんなとこに来るのは初めてです」
との田中のMC中、ぐったりと座り込んでいる西川。心配そうな観客の声援に
「アニキはこんなんなってますが、気にしないでください」
と田中。その後の演奏はばっちりだったので、体調不良ではなかったもよう。
後半は放浪フリークその未来アダバナGRAVEYARDというderacineからの選曲。放浪フリークの突き抜けるようなポップと豊かなメロディーが快晴の空に響き渡るのがたまらなく気持ちよかった。
音ががっちりと噛み合った演奏に酔うライブだった。セットのせいもあってか炎天下の青空のもとが似合うステージだった。
しかし30分は短いなー。

ここでフラワーカンパニーズの出番となり、次のアナログに備えて小休憩。カキ氷を食べる。しかしやっぱり音が鳴りやむ時間がないのはちょっと困った。
フラカン、アナログと続くこの時間帯はその前に比べるとやはりスタンディングゾーンが空き気味の印象。アナログフィッシュ本人が音チェックをしているLEFT STAGE3列目くらいでフラカンのステージ後半を楽しむ。ボーカルの「イエー!」に観客が「イエー!」で返す感じがちょっといなたくてかっこいい。
「10年後でも20年後でも50年後でも、フラカンはライブやってるからいつでも来てくれ!」
ってとてつもない覚悟を感じるステージング。

そしてアナログフィッシュ。登場するドラム斉藤のピンクのTシャツ+白黒ストライプの短パン姿に観衆失笑。ほぼトランクスみたいな短パンって。「足ほそーい!」との歓声も。
ギター下岡のサウンドチェックのような音にドラムが絡みだしベースがかさなり、RIJでのintroらしき曲に。演奏のみなのに気持ちよすぎる。
曲が終わりいきなりベース佐々木がステージ中央まで進み出て、ビールらしきコップを掲げ、舌を激しく動かすいつものパフォーマンスをしながら観客を煽りまくり
「○△◇×(注:何言ってるか聞き取れなかった)、OTODAMA!カンパーイ!!」
とビールを一気!いままでのこのバンドではありえない盛り上げに戸惑った。この夏のもの凄い量のいいライブ経験とその中でも最大級のステージであるこの場になんか一皮剥けてしまったのかも。
「アナログフィッシュ!スピード!」
との佐々木のシャウトからスピード。サビのコーラスの大迫力にやられる。そしてHello。世界に対する呼びかけである下岡の「Hello!」はライブで観るたびに力強さを増している。
「そろそろ涼しくなってきてますね。楽しんでいってください」
との下岡MCからしばらく間が空く。もしかしてあの曲か、と思っていたら大正解。かすかに響くギターからあの3声のコーラスが始まった!
「です。夕暮れです。夕暮れです。夕暮れです。夕暮れです。夕暮れです。夕暮れです。」
夕暮れ。胸がいっぱいになる。まさかこの場で聴けるとは思わなかった。まだ夕暮れ時には早かったけれど、いつかほんとに夕暮れの野外ライブでこの曲が聴きたい。
「突然ですが、大阪の街の住み心地はどうですか? 僕はいつもアップアップ。Townという曲をやります」
という下岡MCからTown。なんでもない穏やかなパートで斉藤の眼鏡が吹っ飛んでいた。アナログのライブは一旦このドラミングに目を奪われると夢中になってしまうので注意が必要。
ここ最近「どーなの、どお?」という曲の断片が頭をまわっていて誰の何と言う曲か思い出せずにいたのだけど、未発売のこの曲だった。不思議なポップ感をもつこの曲は今後のこのバンドのキラーチューンだと確信。最高だった。
最後は佐々木ボーカルの僕ったら。穏やかなバラッドでライブ終了。
1万人の会場ということで初めてアナログを観た人はどう思っただろう。スピードしか知らない人には浮遊感あるポップ中心のセットはかなり意外だったと思うのだけど。
最後にBGMを持ってきていると思っていたのでちょっと残念。というか何度も書くけど30分は短かすぎる。



む、サクッと書いてるつもりが長くなってきたので続きはまた近々・・・。

ショートバケイション私が見てきたすべての事 無駄じゃないよって君に言ってほしい、にトラックバックさせていただきました!
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by kngordinaries | 2005-09-04 21:39 | ライブ
ROCK IN JAPAN FES.2005 3日目 その3
16時25分、ASIAN KUNG-FU GENERATION
音チェックをかねたセッションが繰り広げられていたかと思ったら、聞き覚えのある4つ打ちのリズムが刻まれなんと君という花でライブがスタート!早くも登場したアンセムに大合唱が巻き起こる。
さらに曲が終わってもリズムが刻まれ、再び音が重なっていきRe:Re:へ。ギターリフが始まった瞬間、ぐわっと会場が揺れたような錯覚に陥った。そのくらいにソルファというアルバムの核であるこの曲へのリスナーの熱は高い。性急に刻まれるリズムに、軽やかでポップなメロ、ギリギリの感情を抱えながらずっとずっと進む意志を歌った歌詞への共感は、時代の波に合致したかのようなおおきなうねりを感じさせる。
「僕は今日も掻きむしって 忘れない傷をつけているんだよ」
ここでMC、のようだけど後藤の様子がおかしい。眼鏡のフレームの内側から指を出している。どうやら眼鏡が壊れてしまったらしい。
「眼鏡壊れちった。いいよ。眼鏡なしでいきます」
と大したどうようもせず眼鏡をはずす後藤。
そして君の街まで、さらにループ&ループともうほんとにアゲまくりの最高のセット。どちらもミディアムテンポのゆったりとしたポップチューンだけれどそこに込められた思いの熱さが心に迫る。高校生くらいの男子が声のかぎりに熱く合唱していた。そんなポップソング、最高だと思う。さらにアンダースタンド、歌いだしから震えた。ポップであることが彼らのメッセージの浸透力を底上げする、という構造が素敵すぎる。
この辺でMC。
世界で起こっていること、海の向こうのことなんて自分には分からないけれど、まずは隣にいる人のことを思っていくことが大事だと思う、といった趣旨のことを語る後藤。会場から拍手が起こる。ここのところずっと一貫して言い続けているこのバンドの想いに、ここにいる多くの人が共感しているのだったら、それは意味のあることだ。
「そんなさ。眼鏡はずした俺が男前だからって、そんな動揺しなくても」
などと茶化すバランスのよさが信頼おけるし。
そしてさらにバンドとしての方向性をクリアにした最新曲ブラックアウト。コンピを買っていない僕でも日々口ずさんでしまうこのキャッチーでありつつさらに演奏の魅力を増した楽曲でアジカンの今後にリスナーへの期待値は上がる一方だと思う。
そしてハードな未来の破片で盛り上がりは最高潮に。掲げられる腕。さらに重厚なイントロからサビまで徐々に徐々に熱を上げていく構成が圧巻の大作サイレン。ライブ前半ちょっと演奏に粗があったようにも感じたけれど、この後半はばっちりで、特にサイレンは最高だった。
現在アジカンは夏フェスに出演しながら次のアルバムへ楽曲制作中らしい。大きな状況を作ったソルファの次のビジョンに対する期待がさらに高まったライブだった。

余韻に浸るまもなくさくさくとLAKE STAGEへ。
開演15分前くらいについた時にはスタンディングゾーン最後方まで人で埋まっていた。

17時40分、GRAPEVINE
「こんばんは!GRAPEVINEです!」
気合の入った大きな声でのあいさつからいきなり始まったのはその未来!・・・のはずがギターの音がおかしい。すぐに演奏をストップして、
「くそー、もっかいや!」
と叫ぶ田中。なんだかいつも以上にテンション高めだ。白シャツが細身の体格に似合いすぎ。そして再び始まったその未来。開放感あふれるロックチューンが夕暮れのLAKEに心地よく響き渡って、最高だった。田中の歌が演奏の勢い以上に突っ走っていて攻撃的に響く。バンドの好調っぷりがよく分かる。
フジファブリックの時も思ったけれど、LAKEのスタンディングゾーン後方は、音はダイレクトに届きつつスペースがゆったりしているので、しっかり聴けてしっかりのれる最高のポジションだ。もう気兼ねなく踊りまくる。
さらにイントロから驚き&歓喜爆発のLET ME IN~おれがおれが~!びしっとしまったバンドサウンドに乗って挑発的で独善的な共感ゼロの最悪リリックを投下。これで最高に盛り上がるのだから、バインは最高だ。実はエロいところがまた。
「可能性? んなもんおめぇにあるわけがねえさ 恐るべき態度でLet me in 悪態はちょっと控えめ」
さらにさらに勢いを増してBLUE BACK。開放的でドライブするサウンドが今の気分、とでも言っているような気持ちのいいセットにさらに熱気が高まる。
「んなわけねえよ」
のシャウトがもうかっこよすぎて楽しすぎる。
この辺でMC。
「この時間にここにいる人は凄い!もうね。GRASSはえらいこと(坂本龍一のライブ中だった)になってますんで・・・なんやったら俺も行きたいくらい」
と、自らへの毒も飛び出す絶好調っぷり。
「今年もね。またLAKEに呼んでいただいて、ほんとありがとうございます!(もちろん心がこもってない)」
「来年もぜひともLAKEに呼んでいただきたい。来年もLAKEでやったるー」
こちらとしてはもうほんとにLAKEでやってほしい。というか全アクトLAKEでやってほしいくらいLAKE STAGEはいいと思う。日没直前まで陽が照りつけるステージの向き以外は最高なので。
そしてグルーブ感たっぷりに鳴らされる壮大なミディアムチューンEveryman,everywhereにどっぷりと深みにはめられる。さらになんと白日が鳴らされた。
「8月24日に久々のアルバムが出ます。買ってください」
という潔い告知から新曲GRAVEYARD。歌詞の一節一節がザクザクと刺さるような切れ味鋭いロックチューン。
さらにアグレッシブに疾走するアダバナでさらにアゲる。そしてまたまた驚きの最強ファンキーチューン、マダカレークッテナイデショーでとどめの盛り上がり。
去年のRIJでの重厚で重々しく暴力的なまでに攻撃的なステージはライブ後しばし呆然としてしまうほどの衝撃があったけれど(なんせラストが豚の皿)、今回はそれとまったく別方向のベクトルで最高だった。
とにかくフロントマン田中のテンションを見ればバンドの調子のよさ風通しのよさが分かりやすい。表現のディープさの追求といった作業はひと通り終わり、もうポップに軽やかに、外に攻めていくような姿勢を感じた。そんな状態のアルバムがどんなものになるのか、楽しみで仕方がない。
アルバムバカ売れしても来年もLAKEでやってほしい!

終演後、LAKEを出るのに時間がかかる。それもそのはずLAKEのこのあとのトリを飾るのは今まさに人気沸騰中のELLEGARDENなのだ。たぶん今年のRIJでもっともおかれたステージと人気のギャップが激しいアクトだったと思う。一度は見てみたいところではあるけれどここはぐっとこらえて、夢のような3日間のラストを締めくくるGRASSの大トリを見るためシーサイドトレインへ。

19時、サザンオールスターズ
もう待っている会場の雰囲気から違う。とにかく落ち着かない空気が後方のシートゾーンまで満ち満ちている。そんな中サザンオールスターズが登場!
歓声がありえないくらい会場全体から湧き起こる大熱狂状態。もちろんステージに立つモンスターバンドに対するものなわけだけど、この3日間、もしくは2日間、もしくはこの1日のフェスがあまりに楽しかったその思いを爆発させたい人多数なんじゃないかと思う。GRASSのトリには数万人のそういう思いを受け止めてくれるアクトがなるべきで、今年は3組ともその意味で最高に適任だったんじゃないか、と一人ごちた。ほんとに最高。
チャコの海岸物語からライブはスタート。もう小さいころからいつもどこかで鳴っていたサウンドが、耳にし続けている桑田節が、次々と繰り広げられる。ステージのサイドにある大型ビジョンに歌詞テロップなんかも出たりして、演出も凝っている。
最強パーティーチューンマンピーのG★SPOTではこれまたどこかでみたよなちょんまげヅラをかぶって、桑田敬祐(ホンモノ)のテレビやライブ映像で何度もお見かけした暴走パフォーマンスが炸裂!これで盛り上がらないわけがない。
会場中の人がスタンディングで歓声をあげ、踊りくるったり、聞き惚れたり、拍手したりしている。
正直、僕はサザンには馴染みが薄い。真夏の果実でさえサビがくるまで何と言う曲か分からないほどに重症なわけだけど汚れた台所のイントロがかかった瞬間、もうテンションアゲアゲだった。もう10年近く前に発売されたYoung Loveというアルバムはほんとに大好きで夢中になって聴いていた。その中に収録されていたこの曲に胸が熱くならないわけがない。
さらに後半は希望の轍勝手にシンバッドといったサザンクラシック、そして本編ラストの最新曲BOHBO No.5まで息もつかせぬ怒涛のセットで、ありえない熱狂を生んでいた。
「今何時!」が言えたことは一生の思い出となること確定。
ステージを降りての放水やダンサーとの絡み等々の桑田敬祐(ホンモノ)のパフォーマンスもほんと日本一という古臭いフレーズで称えたいくらい最高だった。
アンコールはみんなのうた
見渡す限り何万という腕が掲げられて感情が爆発しているその光景は、ただただ素晴らしかった。

そして
「花火カモーン」
との桑田さんの言葉を最後にステージを去っていき、今年のROCK IN JAPANの最後を告げる花火が打ちあがる。

誰もいなくなったGRASS STAGE後方から空に上がる花火を見上げる数万の観衆。

今年はほんと暑かった。

さすがにサザンの集客力はハンパではなく、1日目2日目よりもかなり混雑しながら帰途へ。
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by kngordinaries | 2005-08-20 22:42 | ライブ
COUNT DOWN JAPAN 0405 レポート 30日
体のところどころが痛む。
が、気にして入られない。この日はよくぞここまでと言いたくなるくらい、最高のメンツが集まっているのだから。その中でも特に楽しみなのは100S!2年前のダイアモンドホールで一番後ろから観た博愛博+と1年半前のRIJで会場到着が間に合わず半分弱しか観れなかったライブ以来だ。

11時45分ごろ、入場。29日に比べ外が暖かいからか、会場内も少し暖かい。昨日買ったCDJのTシャツとブラックジーンズのみで過ごすことにする。ウエストバッグもクロークへ。ACIDMANをはじめ激しいアクトに備えているわけです。まずはグッズ売り場、昨日より大分混んでいるような印象。100SのSONG OF FREE Tシャツ(S)とリストバンド(何色が出るかわからないくじ形式、紫でした)を購入。くるり、アナログフィッシュ等いろいろ見て回ったけど特に気に入るものなし。

12時45分ごろ、GARAXY STAGEへ。フェス事業部の兵庫慎司さんがカミカミの挨拶でこの日がチケットの売れ行きが一番いいと言ってました。そして兵庫さんが一組目のバンドについて説明し始めたところで早くもはるが登場!
13時ごろ、The ピーズ
兵庫さんと旧知の仲であるためか、仲良く少し話して3人が揃ったところで演奏スタート。1曲目からノリのいいロック。ほとんど曲を知らないのだけど、少し古めのロックンロールは聴き手を選ばず、どんどん乗せられていく。ちょこちょこ聴き取れる歌詞は「ロックで哲学する資格のあるバンド」と誰かが(兵庫さんか?)評したとおり、シンプルな言葉を使いながら深さを感じる。名残惜しかったけれど、アナログフィッシュを観るため3曲終わったあたりで会場を出る。

13時20分ごろ、軽く食事。まだ早いけれど、このあとの予定からみて食事する時間もあまり取れなそうなのでここで軽く食事。
13時40分ごろ、MOON STAGEに到着。出来るだけ前へ行ってやる、と意気込んでいくとまだ50人もいなかった。最前から3列目くらいの下岡よりに落ち着く。そのあと続々と人が集まってきてかなり埋まったようだけど、前過ぎて分からない。12月8日の名古屋ワンマンの盛り上がりのなさが残念だった僕は、この日ここではどうなるかがとても気になっていた。
14時ごろ、アナログフィッシュ
「COUNT DOWN JAPAN 0405へ、ようこそ~」
ドラム斉藤の脱力MCで小さな笑いが起こる。そして下岡が口を開く。
「ハロー、ハロー、ハロー。アナログフィッシュです」
その瞬間、爆発的に巻き起こる歓声。そして演奏スタート!曲はもちろんHello!!とび跳ねる観客。コーラスに合わせて「Hello!Hello!Hello!Hello!」と大合唱する。最高だった。みんなこの曲に励まされ背中を押されてここにいることが分かる盛り上がりっぷり。
僕はこのバンドが大好きで、この曲含め多くの曲に強く思いいれがある。それだけに名古屋のワンマンのときほとんど盛り上がりを見せないオーディエンスに困惑してしまった。そのもやもやが一気に晴れた瞬間だった。
さらにLOWでどんどんヒートアップ!モッシュに近い状態になり危険なくらい盛り上がった。次は確信なんかなくてもいいよ、ありえないくらい彼らの中でも名曲の連発に嬉しくなる。そして転調が連続するバタフライで抜群の演奏力を見せつけてくれたあとに鳴らされたのは世界は幻。名古屋のワンマンで聴けなかった最高のロックバラッド。こんなに純粋で、複雑な感情に満ちていて興奮するロックが他にあるだろうか。多くの人に知ってほしいような、自分とここにいる人とかだけで共有していたいような気分だ。
そしてミニアルバム「B G M?」の告知をしたあとはラストの曲、B G M?
アナログフィッシュの最新にして決定打の1曲だと思う。「BGMはいらない」という歌詞の繰り返しが延々続くのだけどそれだけでぐっとくる。まだ音源のない新曲で会場が一体となって盛り上がった。

14時40分ごろ、ZAZEN BOYS
EARTH STAGEに着くと濃度の密な演奏が繰り広げられていた。曲はほとんど知らないものの一種独特な雰囲気にステージ最後方から見入ってしまった。このライブにはドラマー、アヒト・イナザワのラストステージという要素があったのだけど、ステージでそれを持ち出すことは最後までなかった。
ZAZEN初体験の僕がとにかく感じたのは、ボーカル向井の圧倒的な存在感とそのラップとも念仏ともつかないMC、そしてサウンドの鋭さだった。まず向井。ルックス、声、歌いっぷり、ステージでの姿を見るだけでカリスマ的な存在であることがびしびし伝わってきた。さらに「ドラムス、アピート・イナザワンテ!」「冷凍都市の暮らし、アイツ姿くらマーシ」といった独特の節回しによる言葉の塊が、なんだかツボに入ってしまった。すごく面白い生き物を発見してしまった気分。そしてバンドの放つサウンドの独特の攻撃的な表現。普通のロックバンドの編成なのにこれだけ他にないサウンドと意味を持てることに驚いたし、かなり新しい音の響きに向井のちょいレトロな歌声が絶妙だった。

15時30分ごろ、GRAPEVINE
水分補給を終えて、フロントスペースでGAPEVINEを待つ。
最新作からの作家の顛末でディープなバインの深層をみせたかと思えばスロウでアッパーなテンションへ。一気に会場の空気を支配してしまった。さらに豚の皿Suffer the child。の最近ライブでは欠かせない2曲で熱狂する会場。演奏の集中力とボーカルのキレが最高潮でないとこうはならない。最高。
さらに後半、アンチ・ハレルヤミスフライハイとアップテンポの疾走感あふれるロックであげまくる。最後にまた最新作からタイトルチューンでもあるEveryman,everywhere。盛り上がったあとだからこそ効くバインのミディアムロックのせつない狂おしい世界。完全にバンドに支配されコントロールされたライブだった。
最高のアルバムと充実のミニアルバムをリリースしたバンドが、まだまだテンション高く、しかし安定して突き進んでいることが分かるライブだった。次作がとても楽しみになった。

これだけいいアクトを観てもこの日はまだまだ折り返し地点。続きはまた近々。
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by kngordinaries | 2005-01-03 02:34 | ライブ
GRAPEVINE
テレビの歌番組が好きで、小さいころからよく観ていた。
毎週毎週、いままでに何百の楽曲をパフォーマンスを観たか知れない。その中でもいくつか強烈な記憶として残っているものがある。
「スロウ」もその一つだ。
覚えている感覚は吸い込まれてしまいそうなグルーブと息苦しいまでの切迫感だ。テレビのチャンネルを変えたくなるくらい苦しいけど、画面に観入り、サウンドに聞き入ってしまっていたのを覚えている。このときはバンド名も曲も知らなかった。

「ふれてイエーいよう! 全ては大成功! 君が笑った 明日は晴れ エヴリデイのブルーズ 消えていかねえぞ 恋ならでは そして・・・ 終わらねえ」
GRAPEVINEはバンドとして一度大きく化けた。それの象徴は「ふれていたい」だろう。ここには演奏のダイナミズムと爽快といってもいい空気感、そしてシンプルで大胆な言葉と歌唱がある。その後のGRAPEVINEのはじまりを感じさせる傑作だ。その直後に発表した「Our Song」は「スロウ」と同じミディアムバラードだが、その印象はまるで違う。世界は相変わらずどうしようもなく混沌としているが、それを見ている視線はより冷静で思考はクリア、そんな雰囲気だ。

グルーヴィな演奏と多彩なロックが味わえる「Circulator」とよりロックバンドの表現領域を広げた「another sky」。サウンド面は劇的に変化しつつ、世界観は緩やかに変容と揺れ戻しを繰り返し、よりはっきり世界を掴んでいっている。初めはなすすべない狂おしさのみだった世界。それを受け入れたり、ただ眺めたり、あざ笑ったりしながら、そこにいる。それは誰もが持つ運命との対峙のしかたになにか確信を与えるものだ。

そしてそこまで深遠な哲学めいた表現を得たバンドは「イデアの水槽」で完全体となった。それは激情が溢れる狂おしくて熱いロックアルバムだった。通低音としてある悲しい世界をベースにそれでも怒れるし笑えるし泣けるし幸せを感じられる。これまでシニカルだった表現もユーモアに変わったような印象。

GRAPEVINEが熱く支持され続けるのはいつでも何かと闘ってきたからだ。分かりやすいネガティブや、それに反発するようにむやみに明るいポジティブ、そんな極端なポップが人気を博しても安易にそこに行かず、ネガでもポジでもないリアルを求め続けた。その信頼がある。

そして今のGRAPEVINEはもうそこを抜け、独自のスタンスを得たように思う。
フラットで穏やかなミディアムロックが5曲入ったミニアルバム「Everyman,everywhere」が今日(2004年11月17日)発売された。新作としては「BREAKTHROUGH」以来のアクションだ。気持ちのいいロックが鳴らされている。

「これから ぼくらは繰り返してく 定まらない姿勢で何かに立ち向かう様 一層泳げ」
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by kngordinaries | 2004-11-17 01:31 | 音楽