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アナログフィッシュ ハルコ・スプリング・コレクションライヴ・ジョントポール ポール・デイ 新宿ロフト
昨日に引き続いて連日の素敵ライブに胸が高鳴る。まるで複数日参加しているフェスのような高揚感。本人たちにとっても挑戦であり、念願のイベントなんだろうけど、聴き手にとってもこの上なく楽しいイベントになっているところが、すばらしい。

昨日とはうって変わって小雨がパラつき肌寒さを感じる天候のなか、新宿ロフトへ。やっぱりこの辺の喧騒と物騒な雰囲気は好きになれない。

しかしロフト自体はロックのライブハウスらしい雰囲気があって、かっこいいハコだ。
今回も例のごとく下岡側、7列目くらいに陣取る。この日くらい佐々木側に行こうかとも思ったけれど、すでに多くの人で埋め尽くされていた。
ステージ前の雰囲気が昨日と少し違うのがそれぞれのファンの違いが感じられておもしろかった。



※この先ライブ内容が詳細に語られています。一夜かぎりのライブなのでMore機能は使いませんが、ご注意ください。



ジョン・デイとは違い、洋楽ロックが大音量でかかるなか、3人がステージへ登場。
早速今日の主役佐々木健太郎の変顔が大炸裂。見慣れたはずがさらにひどくなっている。
「イエ――――イ!!」
「ジョ、ン、ト、ポ―――ル!!」
と思いっきり叫びあげる佐々木。気合が漲っている。
「世界のエンドロール!」
世界のエンドロール
1曲目はいきなり未音源化のこの曲でスタート。佐々木の歌声が一番気持ちよく響くようなメロディが力強く歌いあげられる。
スピード
さらにこの曲のイントロが鳴り響くと会場の熱が一気に上昇。熱く盛り上がる。
紫の空
佐々木の力強い歌声でぐいぐい推していくこの曲でたたみかける。美しいメロディとまっすぐな歌声があるだけで最高に心地いい。ジョン・デイのディープな雰囲気とは全然違う開放的で躍動的なスタートだ。

ここでMC。
早速、ジャケットを脱ぎ始める佐々木。
「恒例ですね。何曲かやって ジャケットを脱ぐのが」
との斉藤の解説にどうリアクションしたらいいか、と戸惑う佐々木氏。

赤い自転車 チンパンジー
京都のライブと同じ流れでちょっと懐かしめの2曲が披露される。穏やかで優しい曲調の中で佐々木の歌声がきらきらと輝いているようだ。
ガールフレンド(新曲)
新曲をやります、という紹介からこの曲へ。最近の佐々木曲の開放的でポップなメロディとラブソングな歌詞が炸裂したポップチューン。

ここでMC。
「き、昨日はとても暑くかったんですけど、今日はとても寒くて、今日はジャケット脱がなくても大丈夫かなと思ったんですけど、全然暑かった!暑いです、・・・・・・良かった」
と佐々木。何が良かったのかはたぶん本人も分からないと思われます。
「では、昨日に引き続き、今日も面白いことをやります。ジョイナー」

ジョイナー
昨日の下岡版「ラジオ」に引き続き、今日は佐々木版「ジョイナー」。こちらも意外と違和感なくアグレッシブな演奏に飲み込まれた。
初期の頃、まだ「世界は幻」の音源しか聴いていなかったころは、2人の声や楽曲の特徴の聴き分けができなかった。それはライブ等で観ていなかったということもあるけど、2人の曲世界が今よりは近いものだったからだったんだと思う。だから初期の曲ほどボーカルを変えても違和感がないんだろうな、と一人納得。
Kids are alright/THE WHO
どこかで聞き覚えのあるTHE WHOのカバーを斉藤をメインに歌う。シティでもソロパートが少しあったけど、これからメインを取る曲もありうるのかな、という期待が膨らんだ。
ここで斉藤と下岡がステージ袖へ捌けていく。下岡が去り際に一言。
「ちょっとお父さんたちは別の仕事があるから」
佐々木はベースからアコギに持ち替え、下岡側のマイクスタンドに移動。弾き語りコーナーの始まりだ。
ペットボトルを手に取り、一瞬躊躇し、
「下岡の水を飲みます」
と、下岡のはちみつ入りだという水を飲む、飲む、遠慮なく飲みまくる。観客笑。
「昔に作ったいずるという曲をやります」
いずる(過去曲)
アコギの音と歌のみになるとこの人の歌声の凄まじさがよく分かる。見事なテクニックのある歌唱であると同時にそこに込められた感情の届き方が凄い。おもしろくちょっと昔風な言葉使いと節回しで歌われる叙情的なラブソング。
うた(新曲?)
シンプルで普遍的なメロディが童謡のような雰囲気さえかもし出す柔らかく穏やかな歌が心に響く。ここまで開かれた世界観の佐々木曲はかつてなかったと思うほど新鮮。
サビは
「エブリバディ シンギン ソング, ウォーオーオー, ワン ツー スリー♪」
と優しく静かに歌われる。シンガロングしてくれといわんばかりの人懐っこいメロディだ。
と思っていたら一端歌い終わった佐々木が口を開く。
「この曲はちょっとみなさんに手伝っていただきたいと思います。は、初めての共同作業、ということで・・・。なんとなくでいいんで僕に続いて・・・・ご唱和下さい」
というような微妙なオペレーションに観客が戸惑う中、先ほどのサビを歌いだす佐々木。数回繰り返されるうちに少しずつフロアから巻き起こる合唱&クラップ。
それを続けていると、やおらステージに戻ってくる下岡&斉藤。2人ともニッコリと笑顔で合唱するフロアを見つめつつ、下岡はドラムセットへ、斉藤は佐々木側のマイクスタンド前へ。
観客が驚きつつ見守る中、斉藤ベースと下岡ドラムが炸裂。スペシャルな光景に皆が目を奪われたものの数回サビを繰り返しただけで終了。
「わりぃ、バチ(ドラムスティックのことか)どっか行った」
と言いつつ、定位置へ戻る下岡。
「今のが一番緊張した(笑)。ナイスドラム」
「ナイスベース」
とお互いを褒め称えあう下岡と斉藤。

ちらほらとジョンコールが上がる中、斉藤が口を開く。
「いやー、ジョントポール、いい感じですね。こうやって呼ばれるのもこの時だけですからね」
というとリンゴコールがちらほらと。
「ありがとう。実は今すごい言ってほしくて。嬉しいですね。ジョン、ポール、リンゴ・・・・・・・ジョージはどこにいるんでしょうね」
と斉藤がメンバーおよび会場に問いかけるも、みんな「?」マーク。
「ジョージ、それはここにいるみなさんです」
と斉藤。会場戸惑笑。
「はっ!」という表情で口を手で押さえ顔を見合わせる下岡&佐々木。この人寒いこと言っちゃった、という感じの2人のリアクションが面白すぎ。
そのあとボソッと下岡が
「だって、意味わかんねーし」
と言ってました。

LOW
まったりとしたイベントらしい空気から一転、いつものアナログライブの空気感が一気に戻ってくる。アッパーなサウンドが疾走し、佐々木の歌声が世界をぬりかえていく。感情爆発の名曲。
摩天楼(新曲)
さらに新曲のアッパーチューンでギアを上げていく。
確信なんかなくてもいいよ エナジー(新曲)
さらに初期のアップチューンからおそらく初披露の新曲へ。タイトルどおり疾走感と躍動感に満ちた会心のロックチューン。
アンセム(新曲)
そして本編ラストを飾るのも未音源化の最新曲。イントロから視界が果てしなく開かれていくような高揚感に満ちたポップチューン。メロディの美しさも格別なこの曲は、ラストに置かれたことからもきっと佐々木にとって大きな存在なんだろう。
「伝えたい事は空にあって 両手広げてキャッチするが」
大きな盛り上がりのなか、本編終了。

アンコールで3人が再びステージに登場。
1日目にチケットと引き換えられたPASSカードについての話に。
「あれ、書いてある絵は2人がそれぞれ書いてますからね」
と斉藤。改めて手元のPASSを見返す観客。
「僕の絵は、誰も気づいてくれなかったんですけど、ポ、ポールのつもりで書いたんです」
と佐々木。そう言われてみればなんとなくそれっぽい。
「ふられてるナンバーも僕らで書いていきましたからね」
と斉藤。
「そう。あれね、俺は320くらいからかな。1個ずつ書いたんですよ」
と下岡。
「でも絵、上手いよね。2人とも」
と斉藤がふると
「そう。僕は中学のとき、漫☆画太郎先生の絵を完コピしましたから」
と佐々木。その話が下岡のツボにはまったらしく
「あれはほんと最高だったよね!他にもいろんな人がいろいろ書いてんだけど、あのときは漫☆画太郎の絵が一番だったよね!」
とここまでのMC中で最高のテンションに。

不安
「未来に対する不安などは全然関係ない」と不穏なメロディに乗せて歌い放つシリアスでロックな1曲。ずっとライブで聴きたかった1曲だったので嬉しかった。
この気持ちは僕のもの(新曲)
なにかのイベントのゲストでの弾き語りで披露されていたらしい新曲。名曲「僕ったら」に通じるようなまっすぐで一途な想いと「うた」でも感じられた普遍的でポップなメロディが、素直に心に響いてきた。そしてここにきても力強く凛々しく届く歌声に胸が熱くなった。

2度目のアンコールに登場した3人。それぞれに感謝の言葉を口にし、最後の曲へ。
僕ったら
静かに穏やかに始まるイントロから涙腺を緩ませる最高のラブバラッド。最後まで細やかな表現と芯の通った力強い歌声にやられた。
ここで2日間に渡ったスペシャルライブの全てが終了。

とにかく佐々木の作り出すメロディとその歌声の力に圧倒されたライブだった。新たに披露された新曲もその歌声があってこその世界を作り出していて、特に「うた」「この気持ちは僕のもの」といった普遍的なメロが生れてきたことは新鮮だったし、バンドにとっても大きな転機になるような気がする。
この佐々木の変化と、下岡の歌メロ重視の最近の傾向はどっちがどっちに作用したのか、そのメカニズムも興味深い。
とにかく2人のソングライターがさらに才気を爆発させて変化しているのがよくわかった2日間だった。

それと同時に、こういった遊びの要素も入ったイベントを自分たち主導で作り出せす懐の広さも存分に感じられて、このバンドからますます目が離せなくてしょうがなくなるような2日間だった。

まずはシングル「Living in the City」の発売をじりじりしながら待つしかないけれど、次のアクションはどうなるんだろう。これだけの新曲たちを持ってどんな世界を見せてくれるのか、楽しみで楽しみでしかたがない。
by kngordinaries | 2006-05-06 02:13 | ライブ


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