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Re:mix 2007 その2
17時20分ごろ、monobright
ボーカル桃野が仮面ライダーの変身のポーズのようなおかしなポージングを取ったのを合図にライブスタート。
1曲目は紅色ver.2。イントロのギターリフからぐいっと掴んでくるキャッチーなポップチューン。サビの予測のつかないメロディ展開がおもしろい。
最初はところどころ桃野くんの声がかすれているのが気になったけれど、後半に向かうにしたがって、どんどん声の調子も上がっていっていた。
中盤、新曲等も挟みながらいつもどおりのテンパった感のあるMCで会場を掴んでいく。
後半、今のところの代表曲未完成ライオットからの展開が凄かった。
怒りをテーマにしたというこのポップチューンは、シンプルな構造の中で演奏のテンションが上がっていき、鬱屈した想いを全方位的に当り散らすような、超痛快なアティチュードに満ち満ちている。桃野くんもステージ前方に迫り出してきて、大熱演だった。
さらには「僕らのダンスミュージック」と歌う9月リリースの第2弾シングルとなる頭の中のSOSは、伸びやかなメロディと変幻自在のリズムが超ポップでピースフルなダンスチューン。この開放感、絶妙なディスコとロックのブレンド感、もうほんとそこいらのロックバンドにはないポテンシャルの高さがありありと感じられた。
ちなみに上手側の隅っこの2列目くらいにいたから分かったのだけど、未完成ライオットのときにKYGが舞台袖からmonobrightの雄姿を携帯で撮っていた。片手には2Lペットボトルを持ち首筋に当てていた。
まだまだ興味半分の観客が多かっただろう満杯のアポロシアターだったけれど、メジャー1stリリース後に行われるだろうツアーではこのくらいのハコはソールドアウトしてしまうんだろう。
そんな確信すら抱いてしまう、ハイクオリティなライブだった。今後が楽しみすぎるバンドだ。

ここで、アポロシアターは一時封鎖の時間に。ダイアモンドホールもしばらく休憩になるし、個人的に観たいアクトまで時間があったので、ここでゆっくりと食事休憩を。

19時15分、DOES
大分前にSTANの出るライブイベントで観たことがあったような。
とてもメロディアスでスカスカのアレンジで音もやかましくないのだけど耳に突き刺さるような鋭さを有したサウンドがかっこいい。
ボーカルはエレカシ宮本やYO-KINGのような枯れた声質をしていて、ちょっとベテラン風味。カラッとした熱っぽくないMCもロックバンドらしからぬ雰囲気でなかなか独特だった。

ここで次のアポロのライブまでの時間だけダイアモンドホールに行くことに。

会場内をフラフラしつつ、せっかくなのでTHE BACK HORNを途中から観ることに。
実のところ、ちゃんと知っている曲は多分1曲もないバンド。にもかかわらず、ステージにぐいぐい引き込まれるのだから、いいバンドなんだろう。
ボーカルの特徴的な声と世界観がばっちりとマッチした楽曲があって、それだけでこのバンドにしかできない世界があることが分かる。
フロア前方の盛り上がりがかなり凄く、ダイブも観られた。結果的になんとなく最後まで観てしまった。

20時20分ごろ、hare-brained unity
このバンドはmonobright同様7月のSTAN出演のイベントライブで初見だったバンド。
爽やかでポップな4つ打ちバンドサウンドが心地いい。
このバンドは聴き手を限定しない音楽性が素晴らしいと思う。MCの感じからしても、邦楽ロックバンド系にいそうにない爽やかな好青年的キャラクタだし。
いくつかの曲の果てしなく飛翔していくような高揚感は得がたいものがあると思うし、何かきっかけがあれば一気に多くの人に聴かれるようになる可能性のあるバンドだと思う。

ヘアブレ終わりで一旦外に出て、すぐに戻る。
続く8ottoも噂にはよく聞きながら全然曲を聴いたことのないバンドだったのだけど、アポロに入ってすぐ、ステージセンター手前に置かれたドラムセットに驚く。その脇を固めるようにギター2人とベースが1人。
驚いた。
サウンドチェックの音だけで、もうめちゃくちゃにかっこいい。特にドラムは一音の鳴りからかっこよすぎるという、とても素晴らしいことになっている。
髭ボウズ、ロンゲ、アフロ、普通、という4人の見た目のバラバラ感も面白く、ライブ前からこれは相当素晴らしいことになるんじゃないかと期待が高まった。

21時20分ごろ、8otto
もうなんか、1曲目の1音目から完全に持っていかれてしまった。ビリビリと耳を痺れさせるタイトなドラム、ポップに動き回るベース、必要最低限のシンプルさで絶妙に楽曲を彩るギター2本。そして、ドラムのアフロの男の冷めた低音ボイスにもの凄い熱さが垣間見えるロックボーカルとしてかっこよすぎる歌声。
音の足し引きの感覚、楽曲が放つ熱量の緩急のつけ方、いろんな要素が絶妙なバランスで優しく熱く強く軽やかに混沌としながらも突き抜けたパワーを感じさせる。
良すぎる、このバンド。
また、これ、見た目がとてもいいのだ。関西風な顔立ちのアフロドラムはクールな声に似合わず熱くはじけたパフォーマンスが面白いし、最低限ながら絶妙に駆け巡る両サイドのギター2人はロンゲと髭ボウズで対照的だし、小太りのベース(髪型は普通)はなんだかとても楽しそうに演奏するし。ステージが素晴らしく混沌として楽しそう。
完全にやられました。1回も音源聴いたことないけれど、逆にそれだからこそ確信できる。このバンドは凄すぎる。
音的にはとてもモダンな感触で、00年代のダンサブルな要素のあるロック系の音、といっていいと思うのだけど、破壊力もあるし、ポップ感も絶妙にあるそのバランス感覚が優れていると思う。言葉は微妙に日本語も聞き取れるのだけど、半分以上は英詩だろう、どちらにしろ響き重視の感が強い。
アポロ最後のアクトということで、アンコールもあり、最後までぐしゃぐしゃに盛り上がり、ライブ終了。

思わぬところで凄いものを見つけてしまった気分。
久々の超新星、面白いほど一瞬で心をつかまれて、痛快この上なかった。MCによると10月にはフルアルバムが出るもよう。絶対にチェックしなくては。

というか、後日談だけど10月なんて待ちきれず翌日には「Runnning PoP'」というe.pを購入。正直、このライブのときほどの衝撃はなかったものの、やっぱり素晴らしくいい。1曲、アレンジや楽曲の雰囲気がまんまストロークスなのがあったけれど、確実にそちら方面の音を標榜しているバンドなんだろう。


といった感じで、このイベントの中でも最も盛り上がりどころであろうダイアモンドホールの大トリPOLYSICSを観るつもりでいたのだけど、8ottoのあまりの衝撃と満足感に酔いしれ帰路につくことに。
いやー今回もRe:mixは素晴らしかった。STAN、monobright、そして8ootoと、これだけのものを一日で体験できたことがもうありえないし、それ以外にも普段観に行かないバンドたちのライブを次々に観ることができるのも嬉しい。たくさんのバンドのライブを観ることで、自分がどんな音に反応し、どんなバンドには耳を塞いでしまうのか、もの凄く分かってしまった。

この地方の数少ない鉄板の素敵ライブイベントとして、来年もぜひ開催を期待したい。
by kngordinaries | 2007-08-30 01:29 | ライブ


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