15時20分ごろ、
TRICERATOPS。
PUFFYのときは陽射しが雲に隠れ気味だったけれど、いきなり暑い!昼過ぎの直射日光に焦げるステージにトライセラの3人が登場!
音を確かめるようにまずはブルージーなセッションで会場の熱を上げていく。渋みのあるサウンドだけれど、そのグルーヴ、そのドライブ感はとても攻撃的なパワーに満ちている。
そして鳴らされた1曲目は
Rock Music!!フェスという場にこんなに似合うロックチューンもないだろう。渋いギターリフとクールなサウンドが熱いLAKEのボルテージを上げていく。
さらに2曲目はなんと
Raspberry!今年デビュー10年目の彼らのデビューシングルにして普遍の名曲。イントロのギターリフだけでどこまで高揚させるマジカルな名曲中の名曲。この2曲、ライブ冒頭として最強だと思う。
ここで、軽い挨拶を挟んで今のところの最新シングルにして、バンドの到達点的大名曲
僕らの一歩へ。何気ない日常のひとコマ、一言を題材に、あくまでカジュアルに生きるということ、他者と寄り添うことの本質や大切さなど大きなテーマをど真ん中から描ききるこのバンドの真骨頂。じんわりと胸に染み込んでいく優しいミディアムチューン。
さらに後半は、
WARP、
トランスフォーマーと最近の代表曲にして高性能なライブチューンを連発して、グイグイとさらに会場の熱気を底上げしていき、ラストは
ロケットに乗ってでダメ押し。
もう圧巻のライブだった。というか、このバンド、フェスが似合いすぎる。誰も置いてかないポップさと純粋に楽しめる演奏の確かさと豊かさ。RIP SLYMEとかスカパラとかドーパンとか、もう音が流れたら理屈ぬきで楽しくなってしまう鉄板アクトたちに全然ひけをとらないと思う。
つまり今後もどんどんフェスに出てほしい!ってことが言いたいわけですが。
16時30分、
フジファブリック。
この辺からとても天候が怪しくなるなか、1曲目はいきなり
虹!間奏での志村の「イエー!」の雄たけびから一気にヒートアップ。さらに
TAIFUに繋げてくるあたりが心憎い。というかまだまだ若手バンドの分類だろうに、貫禄すら感じる堂々としたパフォーマンスが素晴らしい。
「さっき聞いたんすけど、水戸の方は豪雨、らしいですね。(観客驚) ま、フジファブリックが終わってから雨降りゃいいかなと思って。・・・嘘、嘘」
といった志村の相変わらず飄々としたMCがおもしろい。
続いてはいつのまにやら金澤くんがトランペットを用意しており、その音を合図にこの時点の最新シングル
Sufer Kingへ。彼らお得意の変態的ダンスチューンをおかしな方向にこねくり回したような異形の爆裂ナンバー。音的な広がりと中盤のトリッキーな展開等、音楽的に素晴らしく面白いだけでなく、歌詞と志村の歌唱というかシャウトがまた凄いという、とにかく恐ろしい1曲。
さらには
陽炎、と完全フェス仕様の出し惜しみない展開が嬉しすぎる。
そして披露されたこの時点でまだ未発表の新曲
パッション・フルーツがまた凄かった。浮遊感のあるディスコティックなリズムに乗って、アイドル歌謡のようなメロディでふわふわと歌い上げる志村の歌唱がなんだかいけない世界の匂いを醸し出す、劇薬ドリーミーポップス。
もうロックバンドとかいう枠も越えて面白い音を出す先鋭的なポップス集団みたいになってきてる。
後半は劇薬的ダンスチューン、
ダンス2000、
銀河、というこれまた完璧なフェス仕様でガツンと盛り上げてくれた。しばらく新譜リリースが止っていたバンドとは思えない、異様で怒涛な現在進行形の勢いを感じるライブだった。次の新作が楽しみだ。
LAKEの素敵ライブ3連発を終え、ここで微妙な天候を気にしつつ、GRASSへ向かう。
いよいよ、この楽園もラストが近づく。
17時40分、
RIP SLYME。
FUMIYAがステージに上がり、モニターに映像が流れる中、流れ出したトラックはなんと
楽園ベイベー!!うわわわ。最高すぎる。説明不要な圧倒的パーティーチューン。ステージを縦横にかけながらフロウする4MCがかっこよすぎ。
さらに2曲目は
ブロウ!!これまた最高!ポップ・ミュージックの至宝!浮遊感と疾走感が自由自在な無限の広がりを魅せるトラックが素晴らしすぎる。もうGRASS全体が揺れているような錯覚が起こるような熱狂っぷり。
さらには
GALAXY!・・・まーほんと、圧倒的というか、別格というか、ここまでフェスが似合う音楽が他にあるのか、と思ってしまう素晴らしいパーティー空間。
さらには
UNDER THE SUNとまだまだヒートアップしていきそうな雰囲気のなか、残念ながらそろそろLAKEへ向かう時間となり、GRASSをあとに。
18時50分、
RADWIMPS。
びっしりとシートゾーンまで人がびっしり埋まったLAKEステージ。昨年末にリリースされた新作で一気にロックシーンのトップに躍り出たこのバンドのライブに対する期待感で一種異様な雰囲気に包まれるなか、RADWIMPS登場!
1曲目は
ます。。このバンドらしい新感覚なんだけどいきなり耳に馴染むギターリフで突っ走る爆発ロックチューン。スタンディングゾーンはもうぐっちゃぐちゃに歓喜が爆発し、人の波がうねりにうねって大変なことに。
さらには
ギミギミック。これが聴きたかった!と思わず感涙にむせびそうになる最強ポップ炸裂!音遊びと言葉遊びと焦燥感と魂の叫びが溢れ出すエモーショナルなアップチューン。
新世代のバンドが登場するときはいつも、既存の音楽とはどこかが決定的に違う新しい価値観を持って現われる。RADはその新しい部分が多すぎてほんとに細かな要素からいちいち画期的だ。その作品を必死にライブと言う場に現出させようとしている姿が感動的だった。
イーディーピー~飛んで火に入る夏の君~、
遠恋、
25コ目の染色体、等々、新旧織り交ぜ矢つぎばやに披露される名曲たち。
ステージに合わせて全パートを合唱する人や、祈るようにステージを見つめる人、そしてどの曲にも熱くエネルギーを発散させる人、観客の熱量が本当にハンパじゃない。多くの想いと願いが託されたバンドなのだということがよく分かった。
本編ラストは野田イズム大爆発のレゲエチックな名曲
いいんですか?で終了。
そのあとはアンコールに答えて味噌汁’Sの登場。あ、味噌汁’Sとは鼻眼鏡をかけたいでたちの、彼らの変名バンドらしい集団のことらしいです。これ、定番なのかな。
「味噌汁’Sです!僕たちが本当のトリです!」
という宣言で
ジェニファー山田さんを披露して去っていった。この辺のユーモアの感覚はまだまだこれからゆっくり理解していくとしよう・・・。
そして当然おさまらないオーディエンスのアンコールで再びメンバーがステージに登場し、
ヒキコモリロリンを披露。
「ありがとう。こんなに純粋に『今死んでもいいな』と思うことはなかなかないよ。でも生きてたいと思うし……生きてて、一回でもこんな気持ちになれたらいいな、っていう気持ちに、今なっていると思います」
と野田くん語る。この辺の雰囲気はどこかバンプ藤原君とも通じる精神性を感じる。現代の吟遊詩人。
ラストは
有心論。このバンドの表現のステージを一気に引き上げた画期的な名曲。ドラマティックにうねり変化する曲展開、一筆書きのような勢いで疾走する感情の洪水がめくるめくジェットコースター感を産み、曲が終わり一つの結論が提示されたときに感じる圧倒的カタルシス。ロック史に残る大名曲だったりするんじゃなかろうか。
といった感じで3日間の楽園もここで最後のアクトが終了。
今年は例年に比べれば過ごしやすく、快適に3日間過ごせました。
音楽に包まれたこの空間はやっぱり特別で、素晴らしかった。