暑い。
残暑厳しすぎる中、東海地方の数少ない夏のイベントライブへと足を運ぶ。
住まいから会場がかなり近いため、ゆっくりと準備をしていたら逆に出遅れてしまい、開演の15時を過ぎて会場に到着。
ダイアモンドホール入場時にリストバンドを付けてもらい入場。
フライヤーに目を通すも、特にSTANの最新情報はなし(←期待しすぎ)
ライブハウスの中からはすでに最初のバンドの音が響いていた。
15時過ぎ、
VOLA & THE ORIENTAL MACHINE。
夜まで続くイベントで平日の昼間の一組目ということで、観客はまだ少ないかと思って入ってみると、意外とすでに大入りだった。10代も多いようで、全体的に年齢層が低い印象。
このバンドは名前は知っているものの音を聴くのは完全に初めてだった。
超縦ノリの性急なビートがたたみ掛けるように次々に繰り出されていく。フジファブリックの一部のダンスナンバーや、SPARTA LOCALSとかの感じと近いかなと。
ボーカルもスティックを持って、シンバルをバシバシ叩いていた。縦ノリのビート感はとても和風な印象なのだけど、どことなくクラブ的なテイストもあって、なかなかおもしろかった。
VOLAが終わり、ダイアモンドホール横の休憩&物販スペースを探索してみる。いつも思うけれど、POLYSICSのグッズはとても力が入っていて普通にモノとして欲しくなる感じだ。
うっかりタオルを持ってきていないことに気付き、今後のライブを考えてRe:mixのイベントタオルを購入。
ドリンクを引き換えて会場へもどる。
15時55分、
キャプテンストライダム。
次のアポロのSTANが気になりつつ少しでもキャプテンストライダムを観ていこうと、本人たちのサウンドチェックを観ながら待つ。
1曲目はいきなりトップギアで
キミトベ!スカスカのバンドアンサンブルと開放的な空気感が誰も置いてかないピースフルな世界を作り出す。
「う!い!ろ!う!」
「き!し!め!ん!」
「ひ!で!よ!し!」
「と!く!が!わ!」
という独創的なコール&レスポンスも楽しい。大きな会場ほど似合うバンドだと改めて思う。
が、1曲に色んなものが詰め込まれているため、長い。もう1曲くらい聴いておきたかったけれど、この辺でダイアモンドホールをあとに。
この日初めてのアポロシアターへ。
KYG側の3列目くらいの位置に。アポロは最前のスペースが本当に狭い。
すでにメンバーがサウンドチェック中。なんか違和感があるなー、と思ってよくよく見ていてはたと気付いた。そういえばベース今西はスペインでの国際会議のため欠席でサポートでMちゃんが入ってるんだった。
確かに向かって右サイドの人物に見覚えがない。
サウンドチェックでTHE SONGなど数曲の一部を披露。普段のセッションチックなものでないのはやはりMちゃんとの呼吸合わせのためだろうと推測。てかMちゃんて誰だ。
16時30分ごろ、
STAN。
1曲目は
S.T.An!タイトでファンクなビートが沸々と会場の熱を上げていく最強ダンスチューン。KYGはいつも以上に冷めきった表情でつぶやくように言葉を吐き出していく。
この異常なくらいクールなサウンドと冷めた歌唱と言葉遊びがふんだんに盛り込まれた歌詞が、結果的にフロアのボルテージを上げていくこの奇妙な感じは、かなり新鮮でおもしろい。なかなかの発明だと思う。
続いては
ULTRAMAGNECTICSTANS。ここのところのライブでは定番の流れでこのぶっ飛んだ自己紹介ソングへ。メンバー一人一人の紹介が歌詞になった曲なのだけど、なんとMちゃんようの歌詞も用意されていた。多少急ごしらえな感はあったけれど、なかなか嬉しいサプライズだった。
ラストは両手で文字の形を作って、
「S、T、A、N。STANまじやばい」
で、決め。
「新曲やります。まだタイトルもない曲なんですけど、大殺界!・・・ってつけようかと思ってます」
会場静笑。
「・・・俺は細木先生から金を要求されるでしょうか」
で、
大殺界(仮)。スカスカのバンドサウンドにカラッとしたユーモアが乗っかったJ.DやKYGのイチゴジャムの路線の曲ではなかろうかと。そしてそれらの曲にも増してポップ。じっくり聴いたらもの凄い名曲っぽい予感。が、あっという間に終わってしまった(2分ないくらいかと)。
続いても新曲、多分7月の「Said and Done Vol.1」で披露されたアメジストだったと思われるとてもポップな1曲。
そしてしばらくの沈黙のあと、KYGが遠くを見るような目でつぶやくように言う。
「俺、戦争反対なんすよ」
で、
ALL BLUES。ここまで直接的な前置きは初めてじゃなかろうか。と言ってもやっぱり直接的というほどではないバランス感がいい。
静と動が激しく交錯するドラマチックなアレンジといい、突き刺さる強いメッセージといい、恐ろしいまでの迫力だった。
「・・・まぁ、真面目な話はこれくらいにして」
と、いきなり明るいKYG。
「今回僕、このイベントで心に決めてることがありまして。―――何を心に決めてるかって言うと、POLYSICSに挨拶するってことです」
会場笑。
「去年このイベントでPOLYSICSのライブを観て・・・(いきなりテンション上がって)観た人いる?!最高だったよね!あれ、ほんと。すっげえ良くて!で、ライブ終わったあと挨拶しようと思って、俺待ってて。あの人たちってライブ終わるとあの格好じゃなくて(普通の服装に)着替えちゃうんすよね。で、俺挨拶しようって思ってたんだけど、たくさん人がいるなかで、ど、どれがPOLYSICS?みたいな。(会場爆笑) それで結局去年は挨拶できなかったんですよ」
「で、そのあとメンバーのFUMIさんと飲み会で一緒になって、『あれ、誰だか分かんないんすよねー』って、そのときのこと言ったら・・・・・そのあとなんか険悪なムードに(苦笑)」
会場笑・・い始めようとしたら唐突に
Love You。ここのところのこの唐突に歌いだしてそのまま勢いに乗って突き放すように歌い逃げしていくパターンが、結構好きです。
そしてここではじまったのは
パールジャム、という名らしいドラム&ベースのセッション。
ちなみにベースが変わったことによってSTANサウンドが大きく変わってしまった印象はなく、多少Mちゃんのほうが主張が弱めかなというくらいだった。パールジャムもいつもどおり。
そしてラストは
THE SONG。このバンドのグルーヴの魅力とメロディの魅力と言葉の魅力を凝縮したような珠玉の名曲は何回聴いても素晴らしい。最後はKYGもギターをMちゃんに預け、ドラムスティックを持ってどしゃめしゃにドラムを演奏。ドラムセットをKYGに占領された49はセットを飛び越えてフロントに出てシンバルを叩きまくる、というはちゃめちゃで楽しすぎる展開でライブは終了。
KYG自身はわりとシリアスなモードだったように見受けられたけれど、全体としては「I Know」以降の開かれた空気感を持っていて、とてもよい状態のように思った。
新曲「大殺界(仮)」「アメジスト(仮)」も、もちろんもうお馴染みすぎる「S.T.An」も最高だし、さらに3月のイベントライブで聴いた「多くの人たち」も忘れられないし、とにかく次の音源が楽しみでしょうがないSTANである。
「I Know」以降のライブは確実にこの高性能すぎるロックバンドの本質が変なバイアスがかからずに伝わるものになっていっていると思うし、ここからにさらに期待が高まるライブだった。
ここで一旦、外に出て、水分補給のためLAWSONへ。ここのLAWSON、今日は相当儲かってるだろうなー。ほぼRe:mixのお客さんで占領状態。
そしてすぐにアポロシアターに舞い戻る。
すでにmonobrightご一行がサウンドチェック中。
当たり前だけれど、桃野くんも静かに音を確認している。
そして全員が顔を寄せ合って少し言葉を交わしたあと、どうやらそのままライブ開始となる雰囲気へ。
長くなってきたので、この辺で次回へ続く。